研究テーマ:ギガビット回線を利用した双方向情報通信・遠隔制御 実験

JAPAN GIGABIT NETWORK
研究テーマ:ギガビット回線を利用した双方向情報通信・遠隔制御
実験システムの試作・開発(1/2)
(プロジェクト番号JGN-G12015)
研究機関: 九州工業大学大学院情報工学研究科情報工学専攻
研究の概要:
福岡∼大阪間のネットワークに光ファイバ通信を用いることによる快適な遠隔
操作環境の構築方法について研究・開発を行う.
遠隔操作を円滑に行う際に必要となる視覚的・触覚的な操作性を持ったシステム
を実現するための操作用アプリケーションを製作する.
多種類の広・狭帯域の通信回線の特徴を利用することでそれぞれの回線における
操作性の比較を行い,通信回線と実験用ハードウェアに対して最適な設定(通信
データ量等)を調査し,設定システムを自動化する.
研究の目的:
九州工業大学∼大阪大学間を光ファイバネットワークを使用してインターネット
に接続することにより,長距離でも快適な操作性を保持できるシステム構築を行う.
本遠隔操作システムの構成は,マスターとスレーブの二つの機能に分けられる.
マスターシステム:
オペレータが直接命令を下すコンピュータが設置される.触覚ディバイス
(PHANToM)を用いることにより,初心者にも直感的で容易な操作を実現させる.
スレーブシステム:
マスターシステムから受け取った命令データをスレーブコンピュータに
接続されたロボットアームに送信する.遠隔地の様子はビデオカメラから
マスター側のアプリケーションに表示される.
ロボットの操作命令を大阪大学に設置されたサーバに送信し,再び九工大の
スレーブコンピュータに返信することで約1000キロメートルの距離を
持った遠隔操作が可能となる.
Gigabit Network Symposium 2001 in Okinawa
19th-21st Nov. 2001
JAPAN GIGABIT NETWORK
研究テーマ:ギガビット回線を利用した双方向情報通信・遠隔制御
実験システムの試作・開発(2/2)
(プロジェクト番号JGN-G12015)
研究機関: 九州工業大学大学院情報工学研究科情報工学専攻
実験機器構成:
オペレータ用アプリケーションシステム
主にバーチャルリアリティ(VR)シミュレーション部,遠隔地視認用TV画像部,
操作ボタン部の三つの部分から構成される.
オペレーターはVRシミュレーションで視点位置を移動させながらロボットアーム
の姿勢を確認し,TV画像を見ながら実際の動作を観察する.
研究開発状況:
VRシミュレーションを利用した視覚補助機能を追加.
PHANToM(触覚用ディバイス)を用いた直感的な遠隔操作を実現.
ロボットアームの遠隔地物体との衝突がオペレータへ反力(触覚)として
PHANToMで表現され,実際にオペレータが触ったような感覚を返すことができる.
また,短距離間(10メートル程度)での光ファイバによる遠隔操作システムの操作
テストにも成功.
今後の予定:
長距離通信を利用してより快適な遠隔操作の構築を目指す.
操作時に発生する障害について詳しく分析し,効果的な対策を考える.
遠隔操作時に発生する障害例
1.操作用命令データの通信のために生じる通信時間による操作誤差
2.遠隔地にて視点位置が固定されるためオペレータの視認が困難
将来の展望:
遠隔地からビデオカメラより受信した遠隔地画像を解析することで,それと同等の
VRシミュレーションを構築するシステムの製作を目指す,初心者にも利用しやすい
ヒューマンインターフェイスアプリケーションの設計も行う.
Gigabit Network Symposium 2001 in Okinawa
19th-21st Nov. 2001