第6学年4組 国語科指導案 平成26年11月27日(木)第5校時 6年4組 教室(在籍児童36名) 指 導 者 教諭 廣瀨 道子 1 単元名 ものの見方を広げよう 教材名 「 『鳥獣戯画』を読む」 「この絵、わたしはこう見る」 2 身に付けさせたい力 ・事実と感想・意見などを区別するとともに、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりする力(書ウ) ・表現の効果などについて確かめたり工夫したりする力(書オ) 3 上記のために選択した単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として「美術評論家になって絵画の鑑賞文を書き、伝え合おう。」を位置づけた。 「美術評論家」とは、絵画などの価値、善悪、優劣などを批評し論じるもののことである。本単元では、提 示されたさまざまな観点をよりどころとしながら分析的に絵画に向き合い、事実として自分が絵画のどの点 に着目し、そこから何を感じ、どのように意味づけたかという感想・意見を持つことに重点を置いている。し たがって、時代背景等を鑑みて事実について論じる「学芸員」とは異なる性質を持つ。また、「鑑賞文」と は、美術作品などを見たり聞いたり読んだりして、それが表現しようとすること(主題)をつかみ取って文章 にしたものである。絵画から読み取ったたくさんの事実や感想・意見から、主題について必要な情報だけ 選択し、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりして鑑賞文に表す活動は、児童にとって「美 術評論家」になって表現しやすい言語活動である。さらに、意図的グルーピングにおいて、自分と同じ絵 画を選んだ友達、違う絵画を選んだ友達と交流をすることで、表現の効果や主題に根拠となる事実や感 想・意見があることに気づき、より自分のものの見方が広がるものと考える。 したがって、 「事実と感想、意見などとを区別するとともに、目的や意図に応じて簡単に書いた り詳しく書いたりすること。 」 (書ウ) 「表現の効果などについて確かめたり工夫したりすること。」 (書オ)を実現するのにふさわしい言語活動であると考えた。 単元構想図 単元を貫く言語活動:美術評論家になって絵画の鑑賞文を書き、伝え合おう。(全10時間) 第1次(1時間) 第2次①(3時間) 第2次②(4時間)入れ子構造 ・好きな美術作品 『鳥獣戯画』を読む この絵、わたしはこう見る の鑑賞を自由に ・ 「鳥獣人物戯画」 ・教科書の絵を使って鑑賞マッ 行い、評論する を見て自由に鑑賞 プを作る。⑤⑥ こと、鑑賞する し、評価したことを ・鑑賞マップをもとに作者の伝 ことへの関心を 伝え合う。② えたいことを読み取る。⑦ 高める。① ・高畑さんのものの見 ・構成や表現を工夫して鑑賞文 ・本単元を貫く言 方をとらえる。③ を書く。⑧ 語活動を知り、 ・高畑さんの構成や表 単元計画を立て 現の工夫を見つけ ・ 教科書の読みを、自分 て活動の見通し る。④ が選んだ作品の読みに をもつ。① 生かし、鑑賞文を書く。 ・ものの見方 ・興味関心 ・事実と感想・意見の区別 ・効果的な表現 ・学習の見通し ・作者の主題 ・事実と感想・ ・構成や表現の工夫 意見の区別 第3次(2時間) 絵画鑑賞発表会 ・絵画の鑑賞文を 伝え合い、もの の見方を広げる ・友達の鑑賞文か ら、表現の効果 などについて確 かめたり、より 効果的にするた めの工夫を考え たりする。⑨⑩ ・ものの見方 ・効果的な表現 ・事実と感想・意 見の区別 身に付けさせたい力: ・事実と感想、意見などとを区別するとともに、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりする力(書ウ) ・表現の効果などについて確かめたり工夫したりする力(書オ) 6年-1 4 単元について (1) 児童について 児童は、 「B書くこと」の領域において、これまでに「ようこそ、わたしたちの町へ」で書く 事柄をパンフレットの構成に沿って整理し、自分の必要な事がらを選んで簡単に書いたり詳し く書いたりする学習をしている。「感情」 「生き物はつながりの中に」の学習では、生きるとい うことについて考えをもち、意見文を書く学習活動を行っている。その際、筆者の要旨を分か りやすく伝えるための文章構成や文章表現の工夫(書き技)があることにも注目し、自分の意 見文にも生かすことができていた。この学習では、入れ子構造の学習形態を取り入れることに より、教材文から学んだことを直後に自分の意見文に生かすことで、書くことに抵抗がある児 童も最後まで意見文を書き上げることができた。 『 「平和」について考える』では、自分の主張 が説得力をもつように具体例や資料を集め、意見を明確に伝えるために文章全体の構成の効果 を考えて意見文を書く学習をしてきた。また、書いていく過程での友達との意見交流や、完成 した作品を読み合うことで、友達の多様な考え方のよさに気づいたり、自分の考えを深めたり することの良さも経験してきている。 しかし、支援がないと書くために必要な事柄を適切に選び出すことができなかったり、書く ことの内容の軽重を考えずに書き進めてしまったりする児童もいた。また、事実と感想・意見 の区別ができていても、その書き表し方が分からない児童もいた。意識調査では、意見文や鑑 賞文を書くことについて自信がない児童は1/3程度である。 (2)教材について 本単元は、学習指導要領「B書くこと」の(1)目標の(2) 目的や意図に応じ、考えたことなどを文章全体の構成の効果を考えて文章に書く能力を身 につけさせるとともに、適切に書こうとする態度を育てる。 内容①指導事項の(1) ウ 事実と感想、意見などとを区別するとともに、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳 しく書いたりすること オ 表現の効果などについて確かめたり工夫したりすること を受けて設定されている。 本教材「『鳥獣戯画』を読む」は、十二世紀末に生み出された「鳥獣人物戯画」の一場面につい て、高畑勲氏がアニメーション監督の視点で書いている説明的文章である。絵と文章を照らし 合わせながら読むことで、筆者の着目点やそれに対する評価、表現の仕方に気付かせていくこ とができる。筆者の説明の中には、全体について着目している所や、部分に注目して詳しく説 明している所もある。そのような論の述べ方は、児童が鑑賞文を書いていくときにも活用でき 6年-2 るものとなる。筆者が絵を見るときの着眼点は、児童が自分の絵から事実を見つけていくとき にも応用していくことができる。また、記述の特徴として、筆者の絵の正確な観察をもとに、 絵の事実と感想・意見とを繰り返し述べていることがあげられ、それを分かりやすく伝えるた めの書き出しや文末の表現の工夫、体言止めや比喩表現など、読者を引き込む書き方の効果に ついても学ぶことのできる良質な教材である。 さらに、「『鳥獣戯画』を読む」で学んだことを生かし、「この絵,わたしはこう見る」で、非 言語テキストである「風神雷神図屏風」や自分が選んだ絵の、全体や部分に着目し、事実や感 想、意見を短い言葉で付箋に書き出して詳しく鑑賞した後、その中から自分の主題に関連する 事柄を選び出すことで、自分が伝えたい事柄だけを詳しく書き表した鑑賞文を書いていくこと ができる教材である。 (3)指導について 本単元を貫く言語活動として「美術評論家になって、絵画の鑑賞文を書き、伝え合おう。」を 位置づけた。 児童が絵をどう捉えたかを鑑賞文で分かりやすく伝えるために事実や感想、意見を明確にす ることを重視する。そこで、第1次では、教材文「『鳥獣戯画』を読む」を通して、絵の事実部 分と筆者の感想をしっかりと区別して読ませる。また、筆者のものの見方を読者に伝えるため の、表現の工夫を捉えていくことで、鑑賞文を書きたいという思いを高める。第2次では、 「風 神雷神図屏風」と児童自ら選んだ絵画において事実と感想を付箋で区別したマップを作成する。 その後、 「風神雷神図屏風」と児童自ら選んだ絵画それぞれを、マップをもとにしながら鑑賞文 を書いていく。 (入れ子構造) 第3次では、お互いの鑑賞文を伝え合うことで、友達の考え方 や見方に触れ、自分の見方や考え方を広げさせると共に、鑑賞文で自分の主題を伝えるために はその根拠となる事実や感想、意見が必要だということを実感させていきたい。 具体的な手立て①・・・教師のモデルの提示 単元の始めから、教師が書いた鑑賞マップや鑑賞文を提示し児童が学習のゴールをイメージ しやすいようにする。また、各学習活動の始めに、どのように学習活動を始めるのかを具体的 に示して学習内容を分かりやすく示していく。 具体的な手立て②・・・付箋の活用 事実と感想、意見を区別した鑑賞文を書くことができるように、付箋を活用する。単元を通 じて、付箋を以下のように色分けして、指導していく。 【事実】水色 【感想、意見】黄色 【主題】黄緑 【書き技】桃色 第2次の前半で筆者の高畑さんのものの見方を読み取る学習活動では、教材文の文章から事 実と感想、意見を読み取り付箋に書き出して教科書に貼っていく。また、事実、感想・意見を 分かりやすく伝えるための書き方についても、 “書き技”として見つけ出させ付箋に書いて、教 科書に貼り貯めていく。さらに、第2次の後半で「風神雷神図屏風」と自分で選んだ絵画につ いて鑑賞文を書いていく学習でも、絵から見つけた事実、絵から受けた感想・意見を付箋に書 いて鑑賞マップに貼らせていく。 具体的な手立て③・・・鑑賞マップの作成 絵を見ながら、事実や感想・意見を付箋に書いて短い言葉で整理していく。鑑賞マップ上に 貼ってまとめていくことで学習内容の全体を見通せるようにする。また、絵画についての主題 を決定する際にも、その根拠となる事実、感想・意見の付箋を選択し、鑑賞マップ上で移動さ せることで、思考を整理しながら絵の主題を決定することにも役立つと考えた。 6年-3 D 決定した主題 事実、感想・意見の付箋を書き出し た後に書く主題(第7時) E る 。 ( 第 7 時 ) 移 動 さ せ て 貼 り 、 鑑 賞 文 を 書 く 材 料 と す 主 題 に 関 連 し た 事 実 、 感 想 ・ 意 見 の 付 箋 を D 付 箋 整 理 ス ペ ー ス B 事実を書く付箋(水色) 絵から見つけた事実を書き出 した付箋 (第5時) A A B 前 に 書 い た 仮 の 主 題 E C ( 第 1 時 ) 事 実 や 感 想 、 意 見 を 付 箋 に 書 き 出 す 初 め の 印 象 で つ け た 主 題 C 感想、意見の付箋(黄色) 事実から考えた感想、意見を書き出した付箋 (第6時) 具体的な手立て④・・・学習活動に応じたグループ編成の工夫 第2次の「鳥獣人物戯画」から事実や感想・意見を選び出す学習活動では、鑑賞マップに貼 った付箋についてペアでの意見交流を取り入れ、友達の意見と同じ所や異なる所に気づかせ、 ものの見方を広げていきたい。また、 「鳥獣人物戯画」の鑑賞文を書く際にも、伝えたい主題に ついての事実や感想の語彙の選択の仕方や表現について互いに意見を交流させながらよりよい 鑑賞文を書き上げられると考えた。 第3次では、絵画鑑賞発表会を開く。発表会の前半は、同じ絵を選んだ4人グループで発表 し、同じ絵でもそれぞれに着眼点や感想が異なることに気づかせ、ものの見方を広げさせてい く。後半は、自分とは違う絵を選んだ友達に向けて発表し、友達の鑑賞文のよいところに気づ かせ、ものの見方を広げていく。同時に発表する4人は同じ絵の児童とし、聞き手の8人が入 れ替わる形式とする。各発表会とも、発表後は聞き手が鑑賞文の表現や感じ方の良いところを 伝えることで相互評価ができるようにさせていく。 5 単元の目標 (1)絵画について興味を持ち、自分なりに絵から読み取ったことを伝えることができる。【国語への関心・意欲・態度】 (2)目的に応じて、事実と感想、意見を区別するとともに、絵の鑑賞について簡単に書いたり 詳しく書いたりすることができる。 【書くこと】 (3)教材文や自分が書いた鑑賞文から表現の効果について確かめたり工夫したりすることができる。【書くこと】 (4)筆者がどのようなことを根拠として考えを述べているかをとらえることができる。 【読むこと】 (5)文末表現や助詞の使い方など語句に着目して読み、語句と語句の関係を理解することがで きる。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】 6年-4 6 単元の評価規準と学習に即した評価規準 ア 国語への 関心・意欲・態度 単 元 の 評 価 規 準 学 習 活 動 に 即 し た 評 価 規 準 ウ 書く能力 エ 読む能力 オ 言語についての知 識・理解・技能 ・絵画について興味 ・目的に応じて、事実と ・筆者がどのような ・文末表現や助詞の を持ち、自分なり 感想・意見を区別する ことを根拠とし 使い方など語句 に絵から読み取 とともに、それらを簡 て考えを述べて に着目して読み、 ったことを伝え 単に書いたり詳しく書 いるかをとらえ 語句と語句の関 ようとしている。 いたりしている。 ている。 係を理解してい ・教材文や自分が書いた る。 鑑賞文から表現の効果 について確かめたり工 夫したりしている。 ① 絵画を鑑賞する ことに興味を持 ち、自分から鑑 賞する絵画を選 び、学習計画を 立てようとして いる。 ② 筆者が根拠とし ている部分に注 目して読もうと している。 ③ 絵画から事実や 感想・意見を進 んで見つけ出そ うとしている。 ④ 鑑賞マップから 事実や感想・意 見を選びだそう としている。 ⑤ 絵画作品を見た り聞いたり読ん だりして、意欲 的に鑑賞文を書 いたり、伝えた りしようとして いる。 ① 絵画の事実や感想・ 意見の違いを理解 し、絵画から事実を 書いている。 ② 絵画から得た事実を もとにして感想・意 見を書いている。 ③ 鑑賞マップから、自 分がとらえた主題の 根拠となる事実や感 想・意見を選び出し ている。 ④ 主題がより伝わるよ うに、その根拠とな る事実や感想・意見 を区別し、簡単に鑑 賞文を書いている。 ⑤ 同じ事実を根拠とし ていても異なる主題 につながることや、 同じ主題でも異なる 事実が根拠となるこ とがあることに気づ いている。 ⑥ 様々な絵画について も、主題には根拠と なる事実や感想・意 見があることに気づ いている。 ⑦ 友達の発表を聞いて 表現の効果に気づい ている。 6年-5 ① 絵のどの部分を 根拠として、解 釈したり評価し たりしているか 的確に押さえ読 んでいる。 ② 筆者の意図と表 現の工夫との関 連について考え ている。 ① 鑑賞文を自分の 解釈や評価につ いて効果的に表 現するための技 法を理解してい る。 7 指導計画(全10時間) 次 時 1 ① 『 鳥 獣 戯 画 』 を 読 む ■学習内容 ◇評価規準(評価方法) ・指導上の留意点 ○美術評論家となって鑑 賞してみたい作品を選 び、自由に鑑賞してみ る。 ○単元を貫く言語活動を 知り、学習計画を立てて 学習の見通しをもつ。 ■単元のゴールとそこに至るま 2 ○『鳥獣人物戯画』を見て 自由に鑑賞し、伝え合 う。 ■事実と感想・意見の区別 ◇ア②(ワークシート2) ・事実や感想、意見とはどの ようなものであるかおさえ る。 3 ○「『鳥獣戯画』を読む」を読 んで高畑さんのものの見 方をとらえ、自分のものの 見方や感じ方と比べる。 ■筆者のものの見方 ・注目している部分 ・事実と感想・意見の区別 ◇ア②エ①(ワークシート3) ・筆者が絵のどの事実を根 拠として、解釈したり評 価したりしているのか に注目して読ませる。 具体的な手立て②④ 4 ○筆者が使っている表現や 構成の工夫をとらえながら 「『鳥獣戯画』を読む」を読 む。 ■表現の工夫 ・書き出しの工夫 ・文末の工夫 ・比喩 ・問いかける言葉 ・構成の工夫 ◇ア②エ②オ①(付箋) ・事実と自分の感想や意見 とを、文末表現などに留意 して書き分けることで自 分の考えが明確になるこ とを理解させる。 具体的な手立て②④ 5 ○『風神雷神図屏風』から事 実を読み取り、鑑賞マップ を作成する。 ◎自分の選んだ絵から事実 を読み取り、鑑賞マップを 作成する。 ■絵からわかる事実 ・色・線・服・ポーズ ・もっているもの ・身に付けているもの ・場所・音・におい・時 ■事実と感想・意見の区別 ◇ア③ウ①(ワークシート4) ・様々な“部分”に注目さ せ、事実として読み取れ ることをたくさん書き こませる。 具体的な手立て①③④ 第 1 次 第 2 次 学習活動 ○教科書教材 ◎自分で選んだ教 材 入 れ 子 での活動、学習の見通し ■評論家とは物事の価値・善 悪・優劣などを批評し論じる 人であること。 ■鑑賞文とは、芸術作品など を見たり聞いたり読んだりし て、それが表現しようとする ところをつかみとって文章 に表現したものであること。 6年-6 ◇ ア① (ワ ーク シート 1 ・観 察) ・事前に美術作品を掲示 し、環境づくりをしてお く。 ・自由な発想で鑑賞をさ せ、興味関心を高める。 ・学習のゴールを明確にす る。 ・教師のモデルを使って学 習活動の流れを具体的 につかませる。 具体的な手立て① ② こ の 絵 、 わ た し は こ う 見 る 入 れ 子 構 造 第 3 次 6 入 れ 子 ○『風神雷神図屏風』から 読み取った事実をもと に感想や意見を付箋に 書き、鑑賞マップを作成 する。 ◎自分の選んだ絵から読み 取った事実をもとに感じら れることをマップに書きこ む。 7 入 れ 子 ○鑑賞マップをもとに『風神 ■絵画から感じたことを踏 ◇ア④ウ③(ワークシート1・観察) 雷神図屏風』の作者が伝 まえ、最も伝えたいこと ・マップに書きこんだ全ての えたいことについて考え は何かを決めること 情報についてとりあげるの る。 ■伝えたいことを中心に書 ではなく、最も伝えたいこ ◎鑑賞マップをもとに自分 くために取り上げる“部 とを伝えるために必要な の選んだ絵が伝えたいこ 分”の選択。 情報を選ばせる。 とについて考える。 ■自分がとらえた主題に 具体的な手立て①②④ は、根拠となる事実や感 想があること。 ( 本 時 ) ■事実を踏まえた感想や意 見 ■事実と感想・意見の区別 ◇ア③ウ②(ワークシート4) ・事実をもとに、「どうして~ だろう」と自問自答する形 で考えられることを記入さ せる。 ・事実を根拠に、いろいろな 見方、読み方ができること に気づかせる。 具体的な手立て①③④ 8 入 れ 子 ○表現や構成を工夫して、 ■表現の工夫 ◇ア⑤ウ④オ①(ワークシート5) 『風神雷神図屏風』の鑑 書き出しの工夫 ・ 「『鳥獣戯画』を読む」で 賞文を書く。 文末の工夫 学習した表現の工夫、構 ◎表現や構成を工夫して、 ■構成の工夫 成の工夫を意識させる。 自分の選んだ絵の鑑賞 事実や感じたことを出す 具体的な手立て④ 文を書く。 順番 9 ○選んだ絵画の鑑賞文を伝 え合い、自身の鑑賞文と の比較を通してものの見 方を広げる。 ①同じ絵を選んだ人と の鑑賞会 10 ○選んだ絵画の鑑賞文を伝 ■鑑賞文の伝え方や聞き方 え合い、自身の鑑賞文と ・自分のものの見方との共 の比較を通してものの見 通点や相違点 方を広げる。 ・根拠となっている事実や感 ②違う絵を選んだ人と 想、意見とその区別 の鑑賞会 ・表現や構成の工夫とその効果 ■鑑賞文の伝え方や聞き方 ・自分のものの見方との共 通点や相違点 ・根拠となっている事実や感 想、意見とその区別 ・表現や構成の工夫とその効果 6年-7 ◇ア⑤ウ⑤⑦(ワークシート6) ・わかりやすく伝えるための 表現の工夫を意識させ る。 具体的な手立て④ ◇ア⑤ウ⑥⑦(付箋・観察) ・鑑賞文を伝え合うこと で、自分のものの見方を さらに広げさせる。 ・ワークショップの形で多く の作品の鑑賞文に触れる ことができるようにする。 具体的な手立て④ 8 本時の学習指導(7/10時) (1)目標 美術評論家になって絵画の鑑賞文を書くために、鑑賞マップをもとに自分がとらえた主題を 確かめ、その根拠となる事実や意見・感想を選ぶことができる。 (2)評価規準 ア 国語への関心・意欲・態度 ④ 鑑賞マップから事実や感想・意見 を選びだそうとしている。 ウ 書く能力 ③ 鑑賞マップから、自分がとらえた主題の根拠とな る事実や感想・意見を選び出している。 (3)展開 ○学習活動 1 ■学習内容 ・指導上の留意点 ◇評価 ☆「教育に関する3つの達成目標」との関連 本時の学習課題を 確認する。 単元の目標:美術評論家になって絵画の鑑賞文を書き、伝え合おう。 時 間 3 本時の課題:絵画の鑑賞文を書くために、自分がとらえた主題を確かめ、そ の根拠となる事実や感想・意見を鑑賞マップから選び出そう。 ・学習課題を斉読させることで、本 時の活動を意識させる。 ・単元のゴールとの関連を確認し、 本時の課題を意識させる。 単元を貫く言 語活動と本時 の関連を確認 2 教科書教材につい て、読み取った主 題と選んだ根拠を 交流する。 ■選んだ付箋と読み取 った主題との関連 (根拠となっている か) ・ワークシートの大きさを考慮し、 5 交流はペアとする。 具体的な手立て④ ・お互いに説明し合うだけの交流とな らないよう、読み取った主題との関 連があるか、より強い根拠となる付 箋はないかを検討させる。 3 全体で交流し、根 拠に基づいて主題 をとらえることを 確認する。 ■自分の読み取り ☆学習規律を守り、名前を呼ばれたら 10 ■友だちの読み取り 「はい」と返事をする。 (主題との関連によっ ・事実をもとに、感想・意見を持ち、 て、読みがより確か 主題をとらえている児童を予め なものになること) 押さえる。 (多様なものの見方) ・同じ主題をとらえたが、異なる根 ■絵の主題(自分の読 拠を選んでいる児童の例を紹介 み)の確認 する。 ・注目する部分によって多様なもの の見方ができることを確認する。 主題には、その根拠となる事実や感想・意見がある。 6年-8 4 自分で選んだ絵に ついて、主題を付 箋(緑)に書き、 その根拠となる事 実や感想・意見を 鑑賞マップから選 び出す。 ■選んだ付箋と読み取 ・どの根拠をもとに主題をとらえた 15 った主題との関連 か、教師のモデルで説明する。 (根拠となっている 具体的な手立て① か) ・はじめに受け取った主題と変わっ てもよいことを伝える。(はじめ にとらえた主題のままでもよい) ・主題に対して、事実や感想・意見 の根拠が他にあれば、付箋を付け 加えてもよいことを伝える。 ・教科書の絵を使った学習を、即自 分で選んだ教材に生かす。 ・主題が書けない児童には、ワーク シートの付箋をもとに考えさせ る。 ・主題と関係ない付箋を選び出して いる児童には、より根拠のある事 実や感想・意見がないか助言す る。 具体的な手立て③ ◇評価場面 <評価規準>ウ③ <評価方法>ワークシート <個に応じた手立て> Aの児童(根拠となる付箋を選び、その軽重を考えている) →根拠となる付箋に、その軽重の順番を書かせる。 Cの児童(付箋を選べていない・主題がタイトルになっている) →緑の付箋を見て、なぜそう考えたのか理由をふり返らせる。 →どの根拠をもとに主題をとらえたかふり返らせる。 5 自分で選んだ絵に ついて、読み取っ た主題と選んだ根 拠を交流する。 ■交流の仕方 6 根拠をもとにとら えた主題を全体に 発表する。 ■発表の仕方 ■ものの見方 ・友達の着眼点とその主題 7 次時の活動を確認 する。 ■次時の活動(事実と ・教師のモデルを用いて、本時の学 2 感想・意見を区別し 習が次時にどう生きるのか確認 て鑑賞文を書くこ する。 と) 具体的な手立て③ ・これまでの学習を生かして鑑賞文 が書けることに意欲をもたせる。 6年-9 ・絵について、自分がどの事実や感 5 想・意見をもとに主題をとらえた か説明させる。 ・聞き手は、選んだ主題に対して、 根拠が明確になっているか確認 させる。 ・全体発表では、絵画のみを提示し、 5 主題について説明させる。 ・主題について根拠が明確になって いる児童を指名する。 ・事実や感想、意見が主題の根拠と なっていることを押さえる。 (4)板書計画 学習計画 を拡大掲 示し、これ まで・これ からの活動 を意識させ る。 第3時の学 習でまとめ た「ものの 見方(着眼 点)の視点 や感想を 掲示して第 5時以降で 活用。 第4時の学 習でまとめ た「書き技」 について 掲示し、第 8時の学習 に活用す る。 6年-10 黒板の右側に大型ディスプレ イで絵画を表示(本時の学習 活動6で使用) 教師のモ デル(鑑賞 マップ・鑑 賞文)を展 示し、活動 を具体的 に イメー ジ させる。 9 資料 (1)ワークシート 【事前のワークシート】 事前に取り組ませ、絵画を 鑑賞する力について実態 把握するためのプリント。 【ワークシート2】 第2時「『鳥獣戯画』を読 む」で使用。自由に鑑賞し ながら、事実や感想、意見 とはどのようなものであ るかを押さえるためのプ リント。 【ワークシート3】 第3時「『鳥獣戯画』を読 む」で使用。高畑さんのも のの見方(着眼点・事実・ 評価)を確認するためのプ リント。 6年-11 【ワークシート1】 「風神雷神図屏風」 「自分で選んだ絵」の鑑賞マップ作 成シート。第1時では絵から感じた最初の印象を記入。 第5時で事実(水色付箋) 、第6時で感想(黄色付箋) を貼り付け、絵画の鑑賞マップを完成させるためのプ リント。第7時(本時)では主題の根拠となる付箋を 選び、整理するために使用する。 【ワークシート5】 絵画鑑賞発表会(1回 目)で使用するプリン ト。同じ絵を選んだ友達 の鑑賞発表を聞いて、自 分との共通点や相違点 に気づき、ものの見方を 広げるためのプリント。 6年-12 【ワークシート4】 第8時で鑑賞文を書くためのプ リント。A4サイズ・15行縦書 きで、300字~500字の鑑賞 文を書くのに適している。 (2) 教師のモデルと事前の取組 事前の取組:アートカードで絵画の鑑賞遊び 6年-13 (3)児童のワークシート・鑑賞文の実際 A4サイズ縦 罫15行の鑑 賞文シート。 300程度の 鑑賞文。 B4サイズ ×上下2段。 上…教科書 下…自分で選 んだ絵画 はっきりした根 拠で、わかりやす い鑑賞文が完成 した。 選んだ付箋を根 拠に、表現を工夫 して鑑賞文を書 くことができた。 6年-14 指導案内絵画出典先 1 光村図書 小学校国語6年(下) 『鳥獣人物戯画』甲巻 高山寺所蔵(写真は、東京国立博物館より借用) 2『ひらめき美術館』結城昌子(小学館) 3『子どものためのアートブック』 (ファイドン) 4『見てごらん!マリー=セリエ 結城昌子 監訳(西村書店) 5 国立美術館アートカード・セット(子どもたちと美術館をむすぶ鑑賞教材) 独立行政法人国立美術館(編集・発行) 6年-15
© Copyright 2024 Paperzz