総合補償部門

専門科目
平成25年度補償業務管理士検定試験問題
総合補償
受
番
受験地
験
号
氏
名
試験開始時刻前に、開いてはいけません。
(注意)この試験問題の解答は、電子計算機で処理しますので、以下の解答作成要領をよく読んで、別
紙の解答用紙に記入してください。
解 答 作 成 要 領
1.配布される書類
配布される書類は、
「試験問題(この印刷物)1部」及び「解答用紙1枚」です。もし、配布に間
違いがあったら、すぐ手をあげて、係員に知らせてください。
2.試験問題
試験問題は、各部門15問で未取得部門を1部につづったものです。問題番号は土地調査から事
業損失までの通し番号で、土地調査部門:問1~問15、土地評価:問16~問30、物件:問31~問
45、機械工作物:問46~問60、営業・特殊補償:問61~問75、事業損失:問76~問90となってい
ます。
試験開始後、試験問題を開いて、ご自分の未取得部門の問題がない方、印刷がはっきりしない
もの等があったら、手をあげて、係員に知らせてください。
⑵ 試験問題は試験終了(11時45分)まで試験室に在室した方に限り、試験問題の持ち帰りを認め
ます(ただし、4部門未取得部門がない会場にあっては最高未取得部門者の終了時間(10時35分、
11時15分)までの在室者)
。
⑴
3.解答作成の時間
未取得部門が1部門の方 9時15分から9時55分まで
未取得部門が2部門の方 9時15分から10時35分まで
未取得部門が3部門の方 9時15分から11時15分まで
未取得部門が4部門の方 9時15分から11時45分まで
終了時間がきたら解答をやめ、係員の指示に従ってください。
4.解答用紙の記入方法
解答は、この問題には記入せず、必ず別紙の解答用紙(1枚)に未取得部門の解答についての
⑴
み記入してください。
⑵
解答用紙には、受験地(該当する
受験地名のマーク欄の
印を黒
く塗り潰してください。
)
、氏名、受
験番号〔5桁〕
(算用数字で縦に記入
し、該当数字の
も黒く塗り潰し
てください。
)を忘れずに記入してく
ださい。
総合補償
解答用紙への記入は、必ず B 又は
⑶
HB の黒鉛筆を用いて、濃く書いてく
ださい。ボールペン、インキ、色鉛
筆等を使った場合は無効になります。
⑷
解答用紙には、必要な文字、数字及び
を黒く塗り潰す以外は一切記入しないでください。
⑸
解答は、右上の例のように、各問題に対し、正しいと思う選択肢の番号一つを選び、その下の
枠内を黒く塗り潰してください。これ以外の記入法は無効になります。
解答は、各問について一つだけです。
⑹
二つ以上を黒く塗り潰した場合は、無効になります。
解答を訂正する場合には、間違えた個所を消しゴムで、跡が残らないように、きれいに消して
⑺
ください。消した跡が残ったり、
や
のような訂正は無効になります。
5.退室について
試験開始後、未取得部門が1部門の方は30分、2部門以上の方は1時間を経過するまでと11時
⑴
15分(最高未取得部門が3部門の場合10時45分)以降は、退室が許されません。
途中で退室する際は、試験問題、解答用紙及び受験票を全部係員に提出してください。そのと
⑵
き各自の携行品を全部持って行き、試験問題等を提出したら、そのまま静かに退室してください。
退室後、再び試験場に入ることは許されません。
6.その他
⑴
受験票は、机上の見やすいところに置いてください。
⑵
受験中は、鉛筆(黒-B 又は HB)
、消しゴム及び定規のみの使用に限ります。したがって、電卓
等の計算機器類等の使用は一切できません。
⑶
試験問題を写したり又は試験問題及び解答用紙を持ち出してはいけません。
⑷
試験問題の内容についての質問には応じられません。また、試験中は、受験者の間で話し合っ
てはいけません。
⑸
用便などのときは、手をあげて係員の指示を受けてください。なお、試験室内は禁煙です。
⑹
受験に際し不正があった場合は、受験を停止されます。
⑺
この問題の表紙にも受験地、受験番号及び氏名を忘れずに記入してください。
⑻
携帯電話の電源はお切りください。
総合補償
○土地調査部門
《民法概説》
問1 相続人に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 民法(明治29年法律第89号)上、相続人は配偶者、被相続人の子、直系尊属、兄弟姉妹に限
定されている。
2 相続の順位は、第一順位は子、第二順位は直系尊属、第三順位は兄弟姉妹とされている。
3 第一順位の子については、胎児はまだ出生していないので、子とは言えず相続権はない。
4 非嫡出子も嫡出子と同様の相続分を認めた近時の最高裁決定があった。
問2 相続回復請求権につき、妥当なものはどれか。
1 相続人の相続権を侵害された場合は、その相続権の侵害を知った時から5年以内であれば、
相続回復請求権を行使できる。
2 この請求権を行使できる者は、相続財産の特定承継人のみである。
3 この請求権の相手方は、現に相続人の地位を侵害している悪意者に限られる。
4 この請求権は、相続開始の時から10年を経過すると、時効によって消滅する。
問3 相続の放棄と限定承認に関する次の記述のうち、妥当でないものどれか。
1 相続人が相続を放棄すると、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
2 相続の放棄は、各相続人の全員一致でなければできない。
3 限定承認をするには、相続に関する熟慮期間内に、家庭裁判所へ申述しなければならない。
4 限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
総合補償
《権利、権利者調査の実務》
問4 権利者の調査に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 権利者調査は、登記記録や戸籍簿等の写しの収受又は居住者からの聴き取り等により、土地
や建物等の現在の権利者等の氏名又は名称及び住所又は所在地等に関する調査を行う。
2 土地に関する所有権以外の権利の登記があるとき、その登記名義人等及び住所等について調
査を行い、所定の調査表に記載する。
3 権利者が未成年者等であるときは、その法定代理人等の氏名及び住所を調査する。
4 建物の登記記録調査の結果により、未登記の建物の存在が明らかになった場合、当該建物の
所有者及び住所等について、居住者等からの聴き取りを基に調査を行う。
問5 不動産登記簿による権利者調査に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 登記事務がコンピュータ化された後、登記簿は登記記録が記録される帳簿であり、磁気ディ
スクをもって調整されたものとして、土地及び建物を地番区域ごとに区分されていることに変
わりがない。
2 不動産番号は、不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地または一個の建物ご
とに付けられた番号、記号その他符号であり、登記事項証明書の1行目に記載されている。
3 建物の家屋番号は、敷地の地番と同一の番号を付け、同一地番上に2個以上の建物があると
きは支号を順に付けて区分される。
4 所有権者が5人以上の共有地の場合の共同人名票は、登記事務がコンピュータ化された後も
存続している。
問6 登記簿に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 甲区の最後に所有者として登記されている者が現在の所有権者であるが、登記は対抗要件と
しての効力しか有しておらず、完全な権利を有しているとは言えない場合がある。
2 乙区には所有権以外の権利が登記されており、その中で抵当権設定の登記がなされた後に弁
済等によりその権利が消滅していても、抹消の登記がされていない限り、存続しているものと
推定される状態の抵当権がある。
3 誰でも、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(登記事項証明書)
の交付を請求することができるものであり、登記記録を直接閲覧することができないため、従
来の閲覧に代わるものである。
4 誰でも、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図の全部又は一部の
写しの交付を請求することができる。
総合補償
問7 住民票に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 住民票は、住民基本台帳法に基づいて調整され、人の身分関係を公証することでなく、現に
居住している者を把握して適正な地方行政が行われることを目的としている。
2 住民票における世帯主との続柄には、戸籍のような長男、長女といった記載はなされない。
3 国又は地方公共団体の機関は、請求事由を明らかにして住民票コードを含めた住民票の交付
を請求することができる。
4 住民票に記録されている者でも、必ずしもその市町村に住所を有しているとは限らない場合
があり、確認方法の一つとして、境界確認等に向けた案内文の郵送がある。
問8 住民票・戸籍の附票に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 戸籍の附票は、市町村の区域内に本籍を有する者について、その戸籍を単位として市町村長
が作成するものであり、戸籍と住民票の連絡媒介を行う機能を持っている。
2 住所地の市町村長は、住民票の記載、記載の更正をした場合に、修正すべき事項を本籍地の
市町村長に通知しなければならない。
3 郵送により、住民票の写し及び戸籍の附票の写しを交付申請することができる。
4 戸籍の移動を含め市町村をまたぐ住所移動を繰り返している場合、一の戸籍の附票の中に全
ての住所履歴が記録されることになる。
《立入調査の実務》
問9 用地調査等標準仕様書(平成12年12月26日中央用地対策連絡協議会理事会決定)に定められて
いる用地調査等の処理に関する次の記述のうち、
(
)内の語句の組合せとして、妥当なものは
どれか。
請負者は、用地調査等のために権利者が(
ときは、( ウ )
、当該土地、(
イ
ア
)する土地、
(
イ
)に立ち入ろうとする
)の権利者の同意を得なければならず、土地、
(
の立入り調査を行う場合には、権利者の( エ )を得なければならない。
1 ア.所有
イ.建物等
ウ.あらかじめ
エ.立合い
2 ア.占有
イ.工作物
ウ.立入当日
エ.了解
3 ア.占有
イ.建物等
ウ.あらかじめ
エ.立合い
4 ア.所有
イ.工作物
ウ.立入当日
エ.了解
総合補償
イ
)
問10 土地収用法
(昭和26年法律第219号)
第35条に関する次の記述のうち、
妥当でないものはどれか。
1 事業の認定の告示があつた後は、起業者等は、事業の準備のため又は第36条第1項の土地調書
及び物件調書の作成のために、その土地又はその土地にある工作物に立ち入って、これを測量
し、又はその土地及びその土地若しくは工作物にある物件を調査することができる。
2 第35条第1項の規定によって土地又は工作物に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日
の5日前までに、その日時及び場所を当該土地又は工作物の占有者に通知しなければならない。
3 宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入ろうとする場合においては、その土地に立ち
入ろうとする者は、立入の際あらかじめその旨を占有者に告げなければならない。
4 日出前又は日没後においては、宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入ってはならな
い。
《境界確認の実務》
問11 地図又は公図に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 地籍図は、国土調査の一つである地籍調査により一筆毎の所有者、地番及び地目の調査並び
に境界及び地籍に関する測量を行い、その結果を地番毎に記載した地籍簿に付属する地図であ
る。
2 地図に準ずる図面として登記所に備え付けられているものの多くは、いわゆる公図と呼ばれ
る旧土地台帳の付属地図で、昭和25年に土地台帳法等が改正されて、土地台帳とともに税務署
から登記所が引き継いだものである。
3 地籍図及び地籍簿は、上部機関の認証を受けると、その成果の写しが登記所に送付され、こ
れまでの登記簿、地図が更新された後、特別な事情がない限り、不動産登記法(平成16年法律
第123号。以下、問11から問15までの間において「不動産登記法」という。
)第14条地図として
登記所に備え付けられる。
4 公図は土地台帳の付属地図で、区割と地番を明らかにするために作成されたものであり、面
積の測定については必ずしも正確に現地の面積を反映しているとはいえず、境界確定に当たっ
て重要な資料とは考えられない。
総合補償
問12 境界確認に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 隣接土地所有者間の境界確定についての協議書が存する場合には、これによって直ちに公法
上の境界とすることはできないものの、境界の調査確認の一資料としての意義を有することに
なる。
2 公図を作成するための測量は、現在行われているような精密な測量ではないため、公図上直
線で描画されている土地の境界線は、現地においては多少屈折している場合も十分あり得ると
考えられる。
3 境界標識等に基づく土地の境界が、公図に描画されている土地の境界と異なる場合があるが、
これらは地租改正事業以降に設置されたものでも境界を確認するための重要な資料となる。
4 不動産登記法に基づく筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る境界について民
事訴訟の手続により境界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界確定は、
当該判決と抵触する範囲において、その効力を失うこととなる。
《地籍調査概説》
問13 国土調査法(昭和26年法律第180号。以下、問13から問15までの間において「国土調査法」とい
う。
)に基づく地籍調査に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 国土調査法の目的は、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわ
せて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的且つ総合的に調査することを目的とする。
2 都道府県知事又は市町村長は、国土調査の成果として認証され送付された国土調査の成果の
写しを保管し、一般の閲覧に供しなければならない。
3 地籍調査は、登記簿と無関係に調査し、その結果を新たな地籍成果とし、その結果に基づい
て登記簿の記載事項を改める方法である。
4 地籍調査を実施する者は、土地の所有者等の協力を求め、現地調査に着手する日までに毎筆
の土地について、その所有者の氏名又は名称、地番及び地目を記載した標札並びに筆界標示杭
を設置するものとする。
総合補償
《用地測量概説》
問14 「用地実測原図等」に関する下記の文章の(
)内に入れるのに妥当な字句は、次のうち、
どれか。
用地実測原図等の作成とは用地測量の全工程の結果に基づき用地実測図原図及び用地平面図
を作成する作業をいう。用地実測図原図は境界点等を図紙に展開して作成され、用地平面図は用
地実測図原図の境界点等を透写したうえ、現地において(
)等の位置等を測定描写して作
成される。
1 建物
2 用地境界仮杭
3 用地境界杭
4 用地幅杭
問15 境界点間測量は、境界測量等において隣接する境界点間の距離を測定して精度を確認する作業
をいう。境界点間測量は、下記の作業の終了後に行うが、妥当でない作業はどれか。
1 境界測量
2 境界確認
3 用地境界仮杭設置
4 用地境界杭設置
総合補償
○土地評価部門
《公共用地の取得における土地評価の実務(理論)
》
問16 公共用地の取得に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 公共用地の取得等に係る土地評価は、原則として標準地比準評価法により行うものとされ、
標準地と各画地の個別的要因を比較して、各画地の比準価格を求めることが原則である。
2 同一需給圏とは、評価対象地と代替関係が成立し、その価格形成について相互に影響を及ぼ
すような関係にある近隣地域及び類似地域を含むほか、他の用途的地域を含む広域的な地域を
いう。
3 標準地の選定方法については、同一状況地域において、個別的要因がおおむね標準的と認め
られる一の画地とする。
4 類似地域は、
近隣地域を含む同一需給圏から選定した当該近隣地域と類似する地域をいうが、
価格形成要因も価格水準も近隣地域と同じでなければならない。
問17 標準地比準評価法に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 土地の評価を行うに当たって、標準地比準評価法により行うことが困難な場合は、路線価式
評価法によることができるものとする。
2 農地地域内にあって建物等の敷地の用に供されている土地は、当該土地の近傍において建物
等の敷地の用に供している土地の取引価格を参考として求めるものとする。
3 同一状況地域は、地勢及び地盤、道路、鉄道、河川、水路及び公園、街区及び集落、土地利
用の状況、市町村、大字、字等の境界等に配慮して区分する。
4 標準地は、同一状況地域区分図を基に、当該地域において個別的要因がおおむね標準的と認
められる画地、すなわち当該地域の特性が如実に反映しているような土地を同一状況地域内に
一画地選定する。
総合補償
問18 土地評価の単位に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 土地の所有者及び使用者をそれぞれ同じくし、かつ同一の用途又は同一の利用目的に供され
ている一団の土地は、一画地として評価する。
2 土地の所有者が同一で、かつ同一用途に供されている2筆の土地の間に公道が介在している
場合は、一画地として評価できない。
3 借地人が同一で、かつ同一利用目的に供されている隣接する2筆の土地は、土地の所有者が
異なる場合でも、土地(底地)
、借地権とも一画地として評価する。
4 1筆の土地の一部に大きな高低差があり、一体的に利用することが困難な土地は、一画地と
して評価できない。
問19 鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価
修正を行って試算価格を求める手法であり、対象不動産が土地のみである場合においては再調
達原価を適切に求めることができない。
2 取引事例比較法は、近隣地域において対象不動産と類似の不動産の取引が行われていない場
合には適用することができない。
3 収益還元法は賃貸用不動産又は賃貸以外の事業用不動産の価格を求める場合に特に有用であ
るが、一般的に市場性を有しない不動産以外のものには適用すべきでない。
4 不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法、収益還元法に
大別され、このほか三手法の考え方を活用した開発法等の手法がある。
《公共用地の取得における土地評価の実務(算定)
》
問20 取引事例比較法により標準地の評価格を算定する場合の取引事例地の選択の要件に関する次の
記述のうち、妥当なものはどれか。
1 事情補正率が20%程度以内で適正に補正できること。
2 取引時期が3年程度以内であること。
3 画地の面積が著しく相違していないこと。
4 敷地と建物等が一括して取引されていないこと。
総合補償
問21 取引事例比較法により標準地の評価格を算定する場合の取引事例の事情補正に関する次の記述
のうち、妥当でないものはどれか。
1 場所的限定がある事業を営むことを前提とした取引については、当該事例の取引価格に影響
を及ぼしていると認められるので、適正に補正しなければならない。
2 大手開発業者が造成して販売した分譲地の取引については、特殊な事情が存するものとして、
適正に補正しなければならない。
3 買主又は売主の不動産に関する知識や情報の不足により生じた過大又は過少な額の取引につ
いては、特殊な事情が存するものとして、適正に補正しなければならない。
4 金融ひっ迫、倒産等のため緊急を要した取引については、当該事例の取引価格に影響を及ぼ
していると認められるので、適正に補正しなければならない。
問22 取引事例の取引の時点が価格時点と異なる時の時点修正に関する次の記述のうち、妥当でない
ものはどれか。
1 近隣地域又は類似地域内の公示価格又は基準地の標準価格の対前年変動率を基に適正に定め
た率により補正する。
2 都道府県別又は市町村別の用途別の公示価格又は基準地の標準価格の対前年変動率を基に適
正に定めた率により補正する。
3 全国農業会議所調査に係る田畑の価格の対前年変動率を基に適正に定めた率により補正する。
4 全国総合消費者物価指数及び投資財指数の変動率を基に適正に定めた率により補正する。
問23 土地価格比準表を用いて格差率を求める場合の地域要因及び個別的要因の比較の方法に関する
次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 土地価格比準表中の「基準地」とは、価格比準の基礎となる土地であって、標準地、取引事
例地、地価公示地及び都道府県地価調査基準地が該当する。
2 土地価格比準表中の「格差の内訳」に示されている数値を格差率といい、地域要因比準表に
あっては基準地域と対象地域との格差を、個別的要因比準表にあっては基準地と対象地との格
差を百分率で示している。
3 土地価格比準表において、
「優る」、
「劣る」等の態様区分の判定に当たっては、地域要因比準
表にあっては同一需給圏内の類似地域の標準的なものを、個別的要因比準表にあっては基準地
又は対象地の存する地域の標準地をそれぞれ基準として判断する。
4 個別的要因及び地域要因の格差率は、各条件ごとの修正値{(100±格差率)/100}の相乗積
により算定し、各条件ごとの修正値は、各細項目ごとの格差率の総和により求める。
総合補償
問24 住宅地の標準地から比準して各画地の評価格を求める場合の個別的要因に関する次の記述のう
ち、妥当でないものはどれか。
1 環境条件の細項目「隣接地の利用状況」においては、工場・倉庫あるいはアパート等によっ
て取り囲まれている場合等は影響を受けることとなり、危険施設等があればダブルペナルティ
を受ける。
2 画地条件の細項目「地積」においては、地積過大地は、標準的規模の画地として利用する場
合の潰地が生じること等による減価であり、地積過小地は、標準的使用ができない画地である
ことによる減価である。
3 画地条件の細項目「不整形地」と「三角地」においては、標準的な形状と比較して不整形の
程度、画地利用上の阻害の程度を判定するものであるが、三角地の補正をする場合、不整形地
の補正も重複して適用することとなる。
4 画地条件の細項目「角地」においては、角地の方位及び側道の広さから勘案して利便性、快
適性を判定するものであるが、角地の方位の優劣の順位は、南東、南西、北東、北西が一般的
である。
《土地の使用に係る補償額算定の実務》
問25 「公共用地の取得に伴う損失補償基準細則」
(昭和38年用地対策連絡会決定)第12第1項に定め
る別記2「土地利用制限率算定要領」に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 高度市街地内に存する宅地の土地の利用価値は「建物による利用価値」及び「その他の利用
価値」の合計である。
2 「高度市街地以外の市街地及びこれに準ずる地域」内の宅地の土地の利用価値は、
「建物によ
る利用価値」
「地下の利用価値」及び「その他の利用価値」の合計である。
3 宅地見込地の土地の利用価値は「地上の利用価値」
「地下の利用価値」及び「その他の利用価
値」の合計である。
4 農地の土地の利用価値は「地上の利用価値」
「地下の利用価値」及び「その他の利用価値」の
合計である。
総合補償
問26 建物利用における各階層の利用率を判定するにあたり勘案すべき事項に関する次の記述のうち、
妥当でないものはどれか。
1 当該地域において近年建築された建物の中で最大の階数及び用途。
2 土地の容積率を当該土地の建ぺい率で除して得た値の階数。
3 当該地域における都市計画上の建ぺい率に対する標準的な実際使用建ぺい率の状況。
4 当該地域における用途別地域及び将来の動向等。
《残地補償額算定の実務》
問27 残地補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 取得に係る画地が農地地域内の田又は畑であって、その残地の水利が不良となること等によ
り、これを従前の利用目的に供することが著しく困難になると認められる場合は、当該残地を
他の利用目的に転換する費用及び利用目的転換により生ずる価格の低下を補償することができ
る。
2 残地の売却損に関しては、建物の移転先を残地(構内移転工法)に認定した場合についても
補償を行う必要がある。
3 残地売却損の額を算定するための売却損率は、当該地域の実情、残地の評価格、早急な売却
の必要性の程度等を勘案のうえ、0%から30%までの範囲内で適正に定めるものとする。
4 残地の評価格は、取得画地の評価方法に準じて行うものとする。
問28 取得に係る画地が宅地のときの借地権等の残権利(以下「残借地権等」という。)の補償に関す
る次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 残借地等が建物の移転先とならない場合で残借地権補償を行った場合に、土地所有者がその
残借地権等を取得し完全な所有権を得る場合がある。このような場合に、土地所有者の残地補
償は土地所有者が受ける利益を補償において考慮することは許されない。
2 残借地権等の売却損率に関しては、残地補償の売却損率に準ずる。
3 残借地権等に関して生ずる損失の補償額は次式によって算定する。
{消滅させる借地権等に係る当該画地の借地権等の評価格 - 当該残借地権等の評価格 ×
(1-売却損率)
}× 当該残借地権等に係る面積
4 残借地等が建物の移転先にならないと認められる場合であって、残借地権等の市場性が相当
程度減ずると認められるときは、残借地の面積に対応する従前の借地権等の価格相当額を限度
に補償することができる。
総合補償
《地価公示制度概説》
問29 地価公示法(昭和44年法律第49号)に基づく地価公示(以下、本問において「地価公示」とい
う。
)に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指
標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に
資し、もつて適正な地価の形成に寄与することを目的とする。
2 都道府県知事は、公示区域内の標準地について、毎年一回、一人の不動産鑑定士の鑑定評価
を求め、その結果を審査し、一定の基準日(毎年7月1日)における価格を判定し、これを公
示する。
3 地価公示の標準地は、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる
地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定する。
4 標準地の所在は、郡、市、区、町村及び字のみではなく、地番も公示する。
《公共補償における土地に関する補償》
問30 「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」
(昭和42年2月21日閣議決定)第7条の土地代に関
する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 道路、鉄道、電線路等及び上下水道等の長物といわれる施設については、延長、幅員、構造
及び工費等を総合的に考慮して、技術的、経済的に合理的と認められる地点を選定する。
2 建物等の施設については、廃止又は休止する敷地の総価額を標準として当該施設の有する公
共性、公益性及び地縁性等を総合的に考慮して合理的な地点を選定する。
3 公共施設等を合理的な建設地点に建設し、又は合理的な移転先に移転するために必要な土地
を取得するために必要な費用を補償するときは、一般補償基準により算定した正常な取引価格
による必要はない。
4 既存公共施設を合理的な移転先に移転させるために仮施設を建設する必要がある場合、仮施
設の土地を使用する権利に対する費用は補償できる。
総合補償
○物件部門
《建物移転補償の実務》
問31 建物の移転先の認定に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 構内移転が可能かは、
同種同等の建物が残地に再現できるのか、又は最低限の建物階数の増加、
建物の形状の変更を行うことにより従前の建物に照応する建物が残地に再現できるかを検討する
ことになる。
2 有形的検討とは、残地内に建物を物理的に、かつ技術的に可能であるかについて、当該建物の
配置の状況、構造上あるいは残地面積から検討を行うことである。
3 機能的検討とは、庭木等の植栽、自動車の保管場所、従前の生活等の維持に必要な生活空間が
確保できること及び建物の用途・利用の状況、建物の立地状況等から当該建物等の従前の機能が
失われないように移転が可能か検討を行うことである。
4 法制的検討とは、従前建物と同程度の建物を建築しても、建築基準法(昭和25年法律第201号。
以下、問31から問45までの間において「建築基準法」という。)等の法令の規定に違反しないもの
であるか検討を行うことであり、行政指導及び条例は当該検討から除外されている。
問32 建物の標準的移転工法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 建物の標準的な移転工法のうち、移転先を必要とする移転工法は①再築工法②曳家工法③改造
工法④復元工法⑤除却工法の5種類がある。
2 再築工法のうち構内再築工法は、残地が合理的な移転先として従前の価値と機能が確保できる
と認められる場合に採用される移転工法であるが、平家建を2階建にすることは認められるが木
造建物を非木造建物に改造することは認められない。
3 改造工法の場合の改造部分の範囲を判断するに当たっては、改造部分の施工が構造上、技術上
可能な範囲において認定するとともに、従前の利用形態の維持、建物の景観等にも留意する必要
がある。
4 曳家工法による移転は、通常、浮揚→曳行→回転補正→曳行→据付けという順序により施工さ
れるが、曳行せず浮揚するいわゆる揚家は曳家工法には含まれない。
総合補償
問33 法令改善費の運用益損失額の補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 法令改善の対象となる法令としては、建築基準法、消防法(昭和23年法律第186号)
、大気汚染
防止法(昭和43年法律第97号)などがあるが、この法令には、条例と成文化され、かつ、公表さ
れている要綱等の行政指導も含まれる。
2 法令の規定に基づき改善を必要とする時期とは、法令の規定に基づき改善の時期が明らかであ
る場合を除き、原則として既設の施設の耐用年数満了時とする。
3 法令改善費の運用益損失額の補償対象となる建物等とは、既存不適格物件と法令上の違反状態
が明らかな建物の2種類である。
4 基本的に建物の移転先を残地以外と認定した移転工法の場合には、従前地において法令の規定
に基づき施設の改善の必要が生ずるときは、法令改善費の運用益損失額の補償を行う必要がある。
問34 建物の再築工法による移転料の算定に関する次の記述のうち妥当でないものはどれか。
1 基本算定式は、
「建物の現在価額+運用益損失額+取りこわし工事費-発生材価額」であるが、
「建物の現在価額+運用益損失額」は、「推定再建築費×再築補償率」として算定することとして
いる。
2 建物の現在価額は、推定再建築費、耐用年数、経過年数及び残存価額率との相関により決定さ
れるが、減耗分の算定方法は定率法により算定することとしている。
3 電気設備、給排水設備などの設備費は、建物本体と一体的に施工されていることと、その額が
推定再建築費に占める割合も10%前後となっていることから、推定再建築費に取り入れることと
している。
4 整地費の補償は、構外再築工法については同種同等の移転先であることから補償する必要がな
く、あくまでも残地内に限る補償項目である。
問35 残地移転の場合の経済的検討に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 残地移転の経済的検討の結果、構外移転を認定した場合には、残地を極力取得することとして
いる。
2 残地を移転先と認定した場合でも、構内移転の補償総額が構外移転の補償総額に残地の価額を
加えた合計額を超えるときは、残地を移転先と認定できない。
3 残地が合理的な移転先と認定されれば、採用可能な複数の残地内工法の中で、より利用環境面
で優れている工法を決定する必要がある。
4 残地を合理的な移転先と認定し、曳家工法が採用可能と判断した場合には、補償金が低廉とな
るので、いかなる場合にも再築工法で算定した補償金との比較は必要ない。
総合補償
問36 照応建物に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 照応建物を検討する際の機能的検討は、利用環境面等を検討し建築可能か、かつ、従前の生活
又は営業を継続できるかどうか判断し検討しなければならない。
2 平家建の建物を2階建に、あるいは複数棟の建物を1棟にすることにより従前の機能を維持す
る等の工法による建物も照応建物である。
3 照応建物による建物移転料は、常に同種同等建物の再築工法による建物移転料を上回ることと
なる。
4 照応建物は、移転工法で言えば再築工法の中の構内再築工法に分類される。
《木造建物の調査と算定の実務》
問37 「木造建物調査積算要領(案)」
(平成24年3月22日中央用地対策連絡協議会理事会申し合わせ。
以下、問37から問45までの間において「木造建物調査積算要領」という。)に関する次の記述のう
ち、妥当なものはどれか。
1 基礎の鉄筋の有無などの不可視部分の調査は、既存図が入手できる場合はこれを利用するが、
既存図が入手できない場合には建築士等の有資格者の意見書による。
2 仮設に係る調査は、各階ごとに外壁の面数及びシート張りの要否について調査を行なう。
3 軸部に係る主たる調査は、柱径、柱長、柱の材種、品等及びこれらの分布について行なう。
4 外壁調査における1階壁高の測定は、地盤面から軒(敷)桁までを測定する。
問38 木造建物調査積算要領に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 推定再建築費の構成は、次式のとおりである。
推定再建築費=純工事費+直接工事費+共通工事費+諸経費
2 基礎工事における布コンクリート基礎長は、延べ床面積に基礎率を乗じた値である。
3 軸部工事費は次式により算出される。
工事費=(木材材積量×軸部木材費単価)+(延床面積×労務費単価)
4 電気設備工事費は、電灯、コンセント、スイッチ、分電盤の器具設置数量と配線位置を調査
し、それぞれの単価を乗じて算出する。
総合補償
《非木造建物の調査と算定の実務》
問39 標準仕様書に定める「非木造建物[Ⅰ]調査積算要領」で規定する調査に関する次の記述のう
ち、妥当なものはどれか。
1 非木造建物の調査で再築工法の場合は、再築補償率の補正を行わないため、現地調査で建物
の位置、用途、構造、規模、仕様、経過年数を調べることとなるが、管理状況については調査
する必要はない。
2 不可視部分の調査については、既存図を利用して調査を行うが、不可視部分の調査を統計数
量により行う場合には、当該不可視部分の調査は不要である。
3 既存図とは、建築確認申請通知書の設計図面、請負契約書の添付図面以外に関係者が任意に
作成した図面も含まれる。
4 既存の建物の一部又は全部を変更する場合において、構造計算を行うこととなるが、この計
算は、建築時に遡って行う。
問40 標準仕様書に定める「非木造建物[Ⅰ]調査積算要領」で規定する推定再建築費の積算に関す
る次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 コンクリートの数量の算出は、捨てコンクリート、土間コンクリート、く体コンクリートに
区分し、土間コンクリートを除く各部分の数量は、統計数量表で算出できる。
2 土工のうち、根切、砂利・割石敷の数量の算出は、統計数量表で算出できる。
3 直接工事費の部位別の算定項目は、仮設工事費、基礎工事費、軸部工事費、屋根工事費、外
壁工事費、内壁工事費、床工事費、天井工事費、開口部(金属製建具)工事費、開口部(木製
建具工事費)
、造作工事費、樋工事費、塗装工事費、建築設備費工事費、建物附随工作物工事費
である。
4 共通仮設費の積算で構内再築(曳家・改造も含む。
)工法の場合は、原則的に計上しない。
総合補償
《附帯工作物、立竹木の調査と算定の実務》
問41 立竹木の種類における区分のうち、
庭木等に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 鑑賞樹とは、住宅、店舗、工場等の敷地内に植栽され、鑑賞上の価値を有すると認められる
立木をいう。
2 効用樹とは、主に屋敷回りに生育し、防風、防雪その他の効用を目的として植栽されている
立木をいう。
3 風致木とは、名所又は旧跡の風致保存を目的として植栽されている立木又は風致を保たせる
ために敷地内に植栽されている立木をいう。
4 収穫樹とは、屋敷内に植栽されているりんご、みかん等の立木で、果実等の収穫を目的とし
ている立木をいう。
問42 附帯工作物に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 附帯工作物は、建物の附随工作物で建物と一体として施工されるもの及び建物の効用に寄与
しているものを除くとされている。
2 附帯工作物の調査算定方法には、
物理的に移転が可能な移築費及びそれ以外の再築費がある。
3 標準耐用年数を経過した附帯工作物の残価率は、建物移転料の残価率と同様である。
4 附帯工作物とは、建物、機械設備、生産設備、庭園及び墳墓等として取り扱うもの以外のす
べての工作物をいう。
《建物等の移転に伴い通常生ずる損失の補償》
問43 建物等の移転に伴うその他の通常生ずる損失の補償に関する次の記述のうち、妥当でないもの
はどれか。
1 建物が構外に移転する場合には、原則として、仮住居等に要する費用は不要とされている。
2 移転通知費、その他の雑費における建築祭儀費は、地鎮祭、上棟式及び建築祝等に係る費用
であるが、地元慣行がない場合は補償しないとされている。
3 屋内動産の運搬に必要な貨物自動車台数は、原則として住居面積を基準としているが、この
住居面積とは移転対象建物の延べ面積とされている。
4 取得する土地が、建築基準法第6条による確認を受けている土地であっても当該土地が、た
な卸資産の場合は移転先の選定に要する費用を補償することはできないとされている。
総合補償
問44 借家人補償に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 賃貸借建物の移転に伴い、当該建物に居住している賃借人はすべて借家人に対する補償を受
けられる。
2 借家人補償における家賃差の補償期間は、居住年数が半年の場合は、実際の居住期間である
半年とされている。
3 借家の際に要する一時金は、賃貸借契約の約定にかかわらず月額標準家賃に補償月数を乗じ
た額とされている。
4 標準家賃は、従前の賃借建物に照応する建物の当該地域における新規賃貸事例において、標
準的と認められる月額賃借料とされている。
《公共補償における建設費等の補償》
問45 公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱(昭和42年閣議決定)及び公共補償基準要綱の運用申
し合せ(昭和42年用地対策連絡会決定)
(以下「公共補償」という。)で規定する建設費等の補償
に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 公共補償でいう建設費とは、既存公共施設等に代替する公共施設等を新たに建設するために
必要な費用をいい、土地代及び建設雑費その他通常要する費用は含まれない。
2 公共補償でいう移転費とは、既存公共施設等を移転することにより行う場合に移転に要する
費用をいい、土地代、建設雑費その他通常要する費用及び仮施設の建設等に要する費用は除か
れる。
3 異種施設とは、既存公共施設等と異なる施設のことをいい、公共用地の取得に伴う損失補償
基準細則(昭和36年用地対策連絡会決定)第15の1の(四)中の「従前の建物に照応する建物」
は異種施設に該当する。
4 維持管理費の増加分の一定期間の補償は、同種施設及び異種施設の両方とも、すべて代替の
公共施設の一代限りの耐用年数とするのが原則である。
総合補償
○機械工作物部門
《機械工作物関係法規概説》
問46 JISマーク制度に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 誰が認証するのか
2 申請の対象は
3 認証の方法は
4 審査の基準は
国に登録された民間認証機関(登録認証機関という)
原則として品質要求事項、試験方法、表示事項が完備された全ての
製品規格
工場の品質管理体制の審査(書面審査及び現地審査)+製品試験に
よる製品の JIS(日本工業規格)適合性の審査
国が定めた品質管理体制の基準+該当 JIS
問47 工場立地法施行規則(昭和49年大蔵省・厚生省・農林省・通商産業省・運輸省令第1号)に定
める緑地、緑地以外の環境施設に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 樹木が生育する10m2を超える区画された土地又は建築物屋上等緑化施設であって、10m2当た
り高木(成木に達したときの樹高が4m以上の樹木をいう。以下同じ。
)が1本以上あれば緑地で
ある。
2 低木(高木以外の樹木をいう。
)又は芝その他の地被植物(除草等の手入れがなされているも
のに限る。
)で表面が被われている10m2を超える土地又は建築物屋上等緑化施設は緑地である。
3 噴水、水流、池その他の修景施設として区画された土地で、緑地と重複しない部分は環境施
設である。
4 屋外運動場として区画された土地は環境施設であるが、単なる広場として区画された土地は
環境施設ではない。ただし、いずれも緑地とは重複しない部分。
問48 消防法
(昭和23年法律第186号)
で定める危険物に関する次の記述で、
妥当でないものはどれか。
1 第4類の引火性液体には、特殊引火物を含む7つの品名がある。
2 第4類第1石油類とは、1気圧において引火点が21度未満の引火性液体であり、アセトンがこ
れに属する。
3 第4類第3石油類とは、1気圧において引火点が70度以上250度未満の引火性液体であり、灯
油、軽油等がこれに属する。
4 第4類動植物油類とは、動物の脂肉等又は植物の種子若しくは果肉から抽出したものであっ
て、1気圧において引火点が250度未満のものである。
総合補償
問49 機械設備調査算定要領(案)平成24年3月22日中央用地対策連絡協議会理事会申し合わせ(以
下、問49から問60までの間において「機械設備要領(案)」という。
)で定められた調査及び調査
表等の作成に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 機械設備調査表に記入する機械名称は一般的な名称を記載し、調査先で使用されている特別
な呼称等があれば備考欄に記載しておくと、固定資産台帳の閲覧や聴き取りをするときに便利
である。
2 機械設備調査表に記入する配管設備の名称は、積算をする場合を考慮に入れて配管材料の種
類別に区分して記入すると図面の作成にも便利である。
3 機械設備の調査は、現地における調査を基本とし、必要に応じて聴き取り調査資料調査及び
市場調査等の補足調査を行う。又、不可視部分の調査は既存の機器等に関する資料の写しなど
を利用することができる。資料等が入手困難な場合は一定の基準に基づいて、計算によって基
礎等の寸法を推定する必要がある。
4 復元可否の判断は非常に難しいため、機器等の専門メーカーの意見を聴取するなどして、復
元が困難な場合はその理由を明確にしておかなければならない。
問50 機械設備要領(案)に定める移転工程表に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 機器等の移転工期は、算定で求めた据付・撤去の工数に基づき作業人員・班体制から算出し
た日数により認定する。
2 機器等の移転工期について専門家の意見等を聴取する必要があれば意見を求め採用すること
もできる。
3 建物は移転工法に関係なく再築補償となるため、工場等の移転工期は機器等の移転期間よっ
て決定されることになるから、工程表は休止期間に関係する機器等の移転期間のみを正確に表
示する。
4 機器等の移転に伴い営業の休止等が生じる場合、工程表にはこの期間及びその時期等を正確
に表示する。
総合補償
問51 機械設備要領(案)に定める工事費の算定に用いる資材単価及び機器等の価格に関する次の記
述で、妥当でないものはどれか。
1 工事費の算定に用いる資材単価及び機器等の価格は、
「建設物価〔(財)建設物価調査会発行〕
」
、
「積算資料〔
(財)経済調査会発行〕
」のいずれかに掲載されている単価又は専門メーカー等の資
料価格(カタログ価格等)及び見積価格によるものとする。
2 資料価格(カタログ価格等)による場合は、実勢価格を適正に判断し取り扱うものとする。
3 専門的知識が必要であり、かつ、専門メーカー等でなければ算定が困難と認められる機器等
については徴収した見積を見積価格として使用する。
4 専門メーカー等から見積を徴収する場合、当該機器等と同種同等の機器等について見積を徴
することができない場合は、市販されている機器等のうち、その機能が最も近似の機器等につ
いて徴収した見積を見積価格として使用する。
問52 機械設備要領(案)に定める機器等の据付工数に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 機器等の据付に要する工数は、機械を第1類から第4類に区分して工数歩掛を定めているの
で、該当する区分の工数歩掛と機器等の1台当たりの質量(t)を用いて算出する。ただし、この
工数には据付完了後の機器の単体試験に要する費用は含まないものとする。
2 機器等の質量が10tを超える場合など、第1類から第4類に区分して定めた工数歩掛により難
い場合は、専門メーカー等から見積を徴するなど、その他適切な方法により算出する。
3 キュービクル式受変電設備の据付に要する工数は、専門メーカー等から見積を徴するなど、
その他適切な方法により算出する。
4 据付工数は施工現場の状況、作業環境及び施工条件等により、作業区分に応じて補正するこ
とができるものとする。ただし、残地以外の土地を移転先とする場合は、原則として高所又は
地下における作業のみ補正するものとする。
問53 機械設備要領(案)に定める補償額の構成に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 復元費の構成で、直接工事費とは据付費、機械基礎費、運搬費、直接経費、補修費等、材料
その他の計である。
2 再築費の構成で、再築工事費とは純工事費に据付間接費、現場管理費、一般管理費等及び機
器等購入費を加えたものである。
3 純工事費は直接工事費に共通仮設費を加えたものであるが、共通仮設費の費目には、
運搬費、
準備費、安全費、役務費、技術管理費等がある。
4 工事原価に含まれる据付間接費は据付工事に係る設備機械工、普通作業員の労務費に関する
法廷福利費、福利厚生費であり、その他の経費については現場管理費に含まれる。
総合補償
問54 移転工法を検討する場合の留意事項に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 大規模な工場等の場合、公法上の制限等、法制面での検討が必要であり、特に改造工法等の
場合は、現状において関係法令に適合しているか否か明確にしておかなければならない。
2 同一機械が多数ある工場の場合、一部再築・一部復元の組合せ工法により、既存工場と移転
先工場を並行操業させることで営業の休止期間を短縮し、かつ、機械の再築費を小さくするこ
とも可能である。この場合は必要な休止期間の営業補償と機械の移転費用を補償することで操
業が可能となるので増加経費等については補償対象としなくて良い。
3 機械設備等の移転工事期間の長短により営業補償費が決定するから、改造工法等のように移
転に長期間を要する場合は、全体の移転工事期間の中で営業休止につながる期間を明確にしな
ければならない。
4 移転工法の検討においては、現状の工場機能を正確に把握することが必要であり、特に改造
工法等の場合は作業工程、作業動線、物流等の検討を十分行わなければならない。
問55 機械設備の調査方法及び調査内容についての次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 企業秘密等で機械設備の一部が写真撮影できない場合は、姿図を作成することで対応できる
から、現場で寸法等を正確に測定しスケッチ図を作成する。
2 機械設備の重量は、運搬トラックの選定、クレーン車の要否及び吊り荷重の判断等に必要で
ある。このためトラックやクレーンの能力が1トン或いは5トン単位になっていることから、
最低1トンの単位で求める必要がある。
3 写真撮影を行う場合、シンナーやノルマルヘキサン等の揮発性の高い液体を扱う工場では、
フラッシュ撮影による危険防止のため他の撮影方法を検討しなければならない。
4 プラント機械は単体機械の組合せによって構成されているので、調査では単体機械として
個々の機能を見極め、次に複合としての機能及び全体としての機能を見極めるような調査が必
要である。
総合補償
《機械等に係る電気、配管、その他設備等の調査と算定の実務》
問56 機械設備要領(案)に定める、機械設備図面作成基準の電気、配管設備図等の作成の方法等に
関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 電気設備図及び配管設備図は、原則として建築設備図と区分して作成し、縮尺は1/100又は
1/200とする。
2 電気設備図の引込み部分には、責任分界点、財産分界点を明確に表示する。
3 配管設備図において、配管に関連する機器等は、破線で表示する。
4 プロセスコンピューター設備図は、当該敷地内に設置されている機器間の関連を示すシステ
ム図を作成する。
問57 閉鎖型受変電設備に関する記述で、次の①~③に入る言葉の組み合わせで、妥当なものはどれ
か。
鋼板製の箱内に
したもので、
①
③
、変圧器、
②
、変流器及び関連機器を全て取り付け収納
、表示灯、制御器等は前面扉に取り付けてある。通常、閉鎖型の受変
電設備をキュービクルと称している。
1 ①… 引込開閉器
②… 低圧配電盤 ③… 操作盤
2 ①… 受電盤
②… 分電盤
③… 操作盤
3 ①… 引込開閉器
②… 分電盤
③… 計器類
4 ①… 受電盤
②… 低圧配電盤 ③… 計器類
問58 機械設備要領(案)に定める、電気、配管設備に関する次の記述のうち、妥当でないものはど
れか。
1 建築設備以外のキュービクル式受変電設備、動力設備、ガス設備、給・排水設備等の配管、
配線及び機器類は、機械設備に区分される。
2 配管設備の調査は、配管の用途、種別、規格寸法、経路、長さ、敷設方法、流向、終・始端、
被覆、塗装等を行うものとする。
3 調査表に記載する配管設備の名称は、
流体別、系統別等に区分しそれぞれの名称を記入する。
4 電気設備、配管設備等の写真は、写真番号を付し整理し、撮影の位置、方向及び写真番号を
記載した写真撮影方向図を添付する。
総合補償
《単体機械の調査と算定の実務》
問59 工作機械の名称、機能、仕様等に関する次の記述で、妥当でないものはどれか。
1 形削り盤(シェーパ)は、工具(バイト)が水平方向に往復運動をして、テーブル上に取り
付けた材料を加工する機械で、小物の加工に使用される。
2 立削り盤(スロッタ)は、工具(バイト)が上下方向に往復運動をして、テーブル上に取り
付けた材料を加工する機械で、材料の取付け台は前後左右及び回転送りができるようになって
いる。又、バイトが往復運動するラムは傾斜させることも可能である。
3 平削り盤(プレーナー)は、大物の加工用として使用され、材料を取付けたテーブルが往復
運動し、工具(バイト)は門形或いは片持ち形のサドルに取り付けられ、上下、左右に移動し
て切削量を調整する。
4 平削り形フライス盤(プラノミラ)は平削り盤の工具(バイト)をフライス盤と同じ回転す
る工具(フライス)に変えた構造で、大物の加工用として使用され、工具が回転刃になったた
め材料を取付けたテーブルは移動せず、工具を取り付けた門型のサドルが、往復運動して加工
する。
問60 液体の移動用として扱われるポンプには用途によって色々な種類があるが、各種のポンプに関
する次の記述の中で、妥当でないものはどれか。
1 片吸込み渦巻きポンプは、吸込み口から液体を吸い込み羽根車(インペラー)を高速で回転
させ、遠心力によって液体に圧力を与える。圧力を与えられた液体は、吸込み方向と直角(二
次元の90°方向)方向に吐出される。小容量から大容量まで幅広く使用される。
2 往復動ポンプは、プランジャー、ダイヤフラム、ペローズなどを往復運動させて液体を移送
するポンプで、往復動の長さを変えることにより吐出圧力が調整可能で、プランジャー等の寸
法を変えることにより大容量のポンプとしても使用されている。
3 歯車ポンプは、ケーシング内の2つの歯車の噛み合わせ部分を使って液体を移送するポンプ
であり、歯車ポンプは粘度の高い液体の移送にも対応ができ、一定量(定量)の移送に適して
いる。
4 渦流ポンプは、カスケードポンプと言われ渦巻き型よりも吸込み・押上揚程(圧力)とも上
がるが揚量少ない。家庭用の浅井戸ポンプは殆どこの形式である。
総合補償
○営業補償・特殊補償部門
《営業調査の実務》
問61 営業補償に関する調査のうち「物的関係調査」及び「権利関係調査」に関する次の記述のうち、
妥当でないものはどれか。
1 物的関係の調査における土地関係は、対象土地及び周辺の利用状況が判別できる位置図、地
図(公図)、用地実測図、工事平面図、住宅地図、都市計画図等の図面等を入手し確認する。
2 物的関係の調査における建物関係は、建物の規模、構造、用途等の物件全般の利用状況が把
握できる建物等配置図、建物平面図、写真等を入手し確認する。
3 物的関係の調査における機械設備関係は、生産設備等に関する配置及び生産工程ライン等が
判断できる生産工程図、動線図、屋外・屋内別配置図等を入手し確認をする。
4 権利関係の調査において、土地、建物等の営業用施設の所有形態等については、商業登記簿、
法人登記簿を入手し確認する。
問62 営業補償に関する調査のうち、
「会計書類に関する調査」に関する次の記述のうち、妥当でない
ものはどれか。
1 確定申告書は収集した資料が信頼しえるか否かを確認するための資料であり、税務署の受付
印のあるものが必要である。この確定申告書の記載内容の真実性の確認は、損益計算書に記載
された数字の確認及び確定申告書の内訳明細等により確認することができる。
2 損益計算書は、一会計期間の企業の経営成績を表示する計算書類であり、営業補償額を算定
するための中心的な重要資料である。この損益計算書については、過去3ヶ年分を収集し、過
去の営業成績を知り、将来の営業成績を予測するとともに、収益額を認定するうえで必要な資
料である。
3 貸借対照表は、企業の財政状況を表示する報告書で、営業補償の算定において必要とされる
ものではない。
4 総勘定元帳は、勘定科目ごとに一会計期間の費用及び収益の発生事実に基づき記録する会計
書類で、収益額の認定及び固定的経費の認定に必要な資料である。
総合補償
問63 営業補償の調査に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 青色申告書による確定申告には、損益計算書及びその付属明細書が添付されているため、確
定申告書の控えとともにこれらの資料をあわせて収集する。
2 青色申告者の確定申告書は、必ず正規の簿記で記載されているため、確定申告書の控えを収
集する場合には税務署の受付印がなくてもよい。
3 青色申告者は専従者給与、交際費、接待費など家事関連費の必要経費算入が認められていな
い。
4 白色申告者の確定申告書は、定められた帳簿の作成が義務付けられていないので、勘定科目
の整理がされていなかったり、経費の内訳が不明なこともあるため、営業補償が不可能となる
場合が多い。
問64 用地調査等標準仕様書(平成12年12月26日中央用地対策連絡会理事会決定)の「営業に関する
調査」の「収益及び経費に関するもの」として定める次のアからウの資料について、
[ ① ]か
ら[ ④ ]にあてはまる数字の合計として妥当なものはどれか。
ア 税務署の受付印のある直近[ ① ]か年の事業年度の確定申告書(控)写を収集する。
イ 直近[ ② ]か年の事業年度の損益計算書写、貸借対照表写を収集する。
ウ 直近[ ③ ]年の事業年度の総勘定元帳写、固定資産台帳写、特に必要と認める場合は直
近[ ④ ]か年を収集する。
1 8
2 9
3 10
4 11
総合補償
問65 営業補償の種別ごとの補償額算定にあたり必要な調査事項等に関する次の記述のうち、妥当で
ないものはどれか。
1 営業休止の補償の場合は、合理的な移転先及び移転工法に基づき休業期間の調査、収益(所
得)減、固定的経費に関する調査、得意先喪失に関する調査、従業員(人件費)の調査、商品、
仕掛品等減損に関する調査、移転広告費等の調査をする。
2 営業廃止補償の場合は、法令等の規制で同種の営業の再開ができないことから営業の権利に
関する調査、売却損の対象となる営業用固定資産及び流動資産に関する調査、従業員の雇用に
関する調査、転業に必要な期間の収益相当額等を調査する。
3 営業規模縮小補償の場合は、規模縮小に伴い売却損の対象となる営業用固定資産に関する調
査、解雇予告手当相当額に関する調査、その他資本及び労働の過剰遊休化による損失、規模縮
小に伴い経営効率が低下すると認められる損失の認定に必要な資料並びに規模縮小後の損益分
岐点比率を調査する。
4 仮営業所を設置して営業を継続させる場合には、近隣での借上げ市場の状況、賃料、権利金
等のほか、設置する場合の建設費及び地代等の調査をすれば足り、商品、仕掛品等減損に関す
る調査、移転広告費等の調査は不要である。
《営業補償額算定の実務》
問66 営業休止補償について、社内の勉強会における参加者の次の発言のうち、妥当でないものはど
れか。
1 甲 社 員: 営業休止補償とは、土地等の取得等に伴い、通常営業を休止することが必要
と認められるときに、休業期間中における予想収益等の損失を見積もり、補償
するものですよね。
2 乙第一係長: 営業休止補償の補償内容(項目)は、休業期間中の収益(個人は所得)減の
補償、一時的に得意先を喪失することによる損失の補償、固定的経費の補償、
休業(人件費)の補償及び商品等の減損、移転広告費その他店舗等の移転に伴
い通常生ずる損失の補償である。
3 丙第二係長: 固定的経費の補償は、営業体が営業を休止しても支出を余儀なくされる経費
があるため、これを補償するもので、たとえば、従業員賞与や固定資産税等で
ある。
4 丁上級係員: 一時的に得意先を喪失することによる損失の補償の唯一原因となるのは、移
転に伴い営業場所の位置が従前と異なることと基準細則で規定されている。
総合補償
問67 仮営業所の補償に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 仮営業所の補償は、従前の営業を継続することを前提とした補償であるため、当然、仮営業
所であることによる収益(所得)減の補償は考えなくてよい。
2 仮営業所の補償の要件の一つは、仮営業所を設置するのに適当な場所が存すると見込まれ、
かつ、仮営業所による補償額が、営業休止による補償額相当額以下である場合である。
3 仮営業所の設置の費用は、従前と同種・同等の構造、規模及び設備を有する仮の営業所を設
置するために要する費用とされている。
4 仮営業所による補償は、営業の休止補償の例外的補償方法であるため、必ず営業の休止補償
と補償総額での比較を行い、その適否が判断される。
問68 営業休止補償について、次の講師からの質問に対する受講生の説明のうち、妥当でないものは
どれか。
1 講 師: Aさん、得意先喪失の補償とは、どのような場合に補償されますか。
Aさん: はい、先生。それは、営業を休業することにより、又は営業所の位置を変更する
ことにより、一時的に得意先を喪失する場合に補償するもので、休業又は位置の変
更のいずれか、又は両方に起因する損失です。
2 講 師: B君、固定的経費の補償とは、どのようなものですか。
B
君: はい。固定的経費の補償とは、売上がない状態となる営業を休んでいる間も、営
業体は固定資産税や法定福利費等、一定の経費の支出を必要とするので、これらの
うち認定収益額の算定の過程で損金経理とした費用から補償するものです。
3 講 師: Cさん、従業員に対する休業手当相当額の補償とは、どのような補償ですか。
Cさん: はい、先生。それは、労働基準法第26条の規定に基づき、使用者に支払いが義務
付けられているものを、原因者として補償するものです。内容は、その休業期間に対
応する平均賃金の60%から100%の範囲で定めた額ですが、通常は、80%とするのが
多いです。
4 講 師: D君、営業休止補償の場合、商品や仕掛品の減損の補償、移転広告費等の補償の
ほか、店舗等の移転に伴い通常生ずる損失額の補償が規定されていますが、これには
たとえばどのような損失が考えられますか。
D
君: はい、そうですね。たとえば、休業に伴い、材料の仕入れ先である取引先に生ず
る売上の減少に伴う損失の補てんの補償が考えられます。
総合補償
問69 営業規模の縮小補償を行う場合のその要件についての次の記述のうち、妥当でないものはどれ
か。
1 構外再築工法や改造工法などと経済合理性の面から検討することにより、営業規模の縮小の
補償が合理的と判断されること。
2 規模縮小後の売上高が、損益分岐点売上高を上回るなど、営業を継続できる最低限の規模が
確保できること。
3 営業用の店舗の規模を縮小(売り場の面積減など。
)しても、従前の売上高の確保ができるこ
と。
4 規模縮小の結果、従前に比べて資本や労働に過剰遊休化が発生すること。
問70 営業廃止補償に関する次の説明のうち、妥当でないものはどれか。
1 営業廃止に伴い、解雇する従業員に対しては、事業主に対する退職手当補償は行わず、当該
従業員に直接に離職者補償を行うこととしている。
2 営業廃止補償の要件としては、特定地に密着した有名店の場合や事業主が高齢等で営業継続
することが極めて困難である場合等がある。
3 営業権(いわゆる「暖簾」といわれるもの。)に対する補償は、当該権利に関し取引の実態が
ない場合は、年間超過収益額を8%で除した額を標準としている。
4 営業用の資産である建物等で、解体処分せざるを得ない状況にあるものの売却損の補償は、
現在価格に解体費を加えた額から処分価格を控除した額を補償するものとしている。
《漁業権等補償の実務》
問71 漁業補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 漁業補償の対象となる権利には、漁業権、入漁権、その他漁業に関する権利がある。
2 漁業権とは、漁業法(昭和24年法律第267号)第6条に規定する権利で、定置漁業権、区画漁
業権及び共同漁業権があるが、そのいずれもが補償対象となる。
3 入漁権とは、設定行為に基づき、他人の漁業権漁場において、その漁業権の内容たる漁業の
全部又は一部を営む権利(漁業法第7条)で、補償対象となる。
4 その他漁業に関する権利とは、許可漁業及び自由漁業(免許・許可以外の漁業)のことで、
これらについても補償対象となる。
総合補償
問72 漁業補償に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 漁業権の存続期間は最大で10年、許可漁業の許可期間は最大で5年であることから、漁業権
等の制限に係る補償額の算定に当たっては、制限期間年数を最大でも10年間以内とする。
2 第5種共同漁業権漁場では、漁業制度に則って一般人の遊漁による採捕もあることから、当
該漁場に係る純収益を算定する上で、これら遊漁による数量も漁獲数量の中に含める必要があ
る。
3 漁獲数量の把握に当たっては、各種の統計資料や税務申告書等を参考とし、さらに、漁業者
自身の家での消費数量、近所等への贈物として利用される数量も含めて算定する必要がある。
4 漁業権の消滅が余儀なくされ、当該権利者の漁協が解散せざるを得なくなった場合、当該漁
協だけから漁獲物を仕入れていた水産加工業者にも影響が及ぶので、それらについても補償対
象とする。
《鉱業権、租鉱権、採石権補償の実務》
問73 鉱業法(昭和25年法律第289号)に関する次の記述のうち、
(
)内の語句の組合せとして、
妥当なものはどれか。
特定鉱物以外の鉱物の鉱業権の設定は、
(
出願した土地の区域が重複するときは、
(
ア
ウ
)であれば、
(
イ
)に出願をし、
)により、その(
エ
)を受けなけれ
ばならない。
1 ア 国内外の法人
ウ
願書到達日時の優先
2 ア 日本国民又は日本国法人
ウ
願書到達日時の優先
3 ア 国内外の法人
ウ
願書発送日時の優先
4 ア 日本国民又は日本国法人
ウ 願書発送日時の優先
イ 経済産業大臣
エ 許可
イ 経済産業局長
エ 認可
イ 経済産業局長
エ 認可
イ 経済産業大臣
エ 許可
総合補償
問74 採石権の消滅に係る補償において、近傍同種の採石権の取引がない場合、原石採取場の操業状
況に応じて、それぞれ補償額の算定方法を定めているが、次の記述のうち「操業しているが、未
だ予定収益が生じるまでに至っていない採取場の採石権」の算定方法として、妥当なものはどれ
か。
1 ホスコルドの公式を用いて算定する。
2 オドンネルの公式を用いて算定する。
3 ホスコルドの変形式(純収益を据置期間分について現在価値に換算)を用いて算定する。
4 費用価方式(投下経費を現在価値に換算する算式)を用いて算定する。
問75 農業補償等に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 農業休止補償は、経営地の全部又は大部分が取得され、当該地域において代替農地の取得が
客観的に可能な場合に、代替農地の取得までの間、農業を一時休止しなければならないときの
補償である。
2 農業休止補償額の算定上、休止補償額が農業廃止補償額を超えるときは、廃止補償額の範囲
内での補償となる。
3 立毛補償は、土地に農作物を作付けするためにすでに費用を投下したとしても、契約時に作
付けされていなければ、補償対象とはならない。
4 自然的制約のもとに特定の土地に産出される特産物の代表的なものに松たけ、しいたけがあ
る。
総合補償
○事業損失部門
《事業損失補償の実務》
問76 事業損失に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 公共事業に起因して発生する不利益、損害等がすべて直ちに事業損失となるため、公共事業
の施行に当たっては損害等を未然に防止し、又は軽減させる措置を講じるよう努める必要があ
る。
2 事業損失とは、原則として、第三者に対する起業地外の損失である。
3 公共事業の施行とは、事業の計画から管理に至るまでのすべての段階を含んでいる。すなわ
ち、準備、計画、立入調査、用地取得、建設工事、工事の完成、使用又は稼働、維持管理等で
あり、これらのいずれかの段階で発生した損害(収用損失は除く)を事業損失としている。
4 財産上の損失のほか精神上の損失について請求される場合があるが、精神上の損失は社会生
活上受忍すべきものと考えられる。
問77 事業損失に係る事務処理に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 計画段階において、損害等の発生があらかじめ確実に予見される場合、計画等の変更が不可
能であれば、その損害等に対して事前に塡補措置をとることもある。
2 応急措置を講じた後については損害等の発生の防止等に努めることを検討するが、それが不
可能な場合の救済措置として、機能回復等に要する経費等の負担を行うことができる。
3 事業損失として認定されるためには、損害が、社会生活上受忍すべき範囲を超えると認めら
れることが必要であり、起業者の対応措置の如何は考慮する必要はない。
4 補償は渡し切りとし、原則として金銭をもって行っている。しかし、現物補償とすることが
やむを得ないと認められる場合には、金銭補償の場合の額の範囲内で現物補償を行っているも
のもある。
総合補償
問78 事業損失における因果関係の判定に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 損害等の発生の申出があったときは、損害等を受けた対象を確認するとともに、損害等が生
じた時期及び継続の有無、損害等を受けた対象の存する場所又は範囲等の判定を行う必要があ
る。
2 損害等が自然的な原因により起こったと認められる場合は、他の原因と複合することにより
発生したものでないか否かを確認する必要がある。
3
事業損失の場合は、損害賠償請求訴訟とは異なり、因果関係の立証責任は起業者側にある。
4 因果関係の判定に際して、専門的知識を必要とする場合については、専門家に依頼すること
は妨げない。
問79 事業損失の認定要件に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 公共事業の施行に起因し、公共事業の施行と発生した損害等との間に因果関係が存すること
が必要であり、その因果関係の判定は起業者が行う。
2 当該損害等が、社会生活上、受忍すべき範囲を超えると認められるものであることも要件の
一つであり、起業者側に法的違法行為が無ければ、一般的に受忍の範囲を超えるとは見なされ
ない。
3 工事完了の日から1年を経過する日までに申し出を行う必要があるが、当該期日を超えたと
しても被害者側は損害賠償の請求権は失わない。
4 工事請負者が善良な管理者としての注意義務を怠ったことにより生じた損害は事業損失から
除外される。
総合補償
《日陰による事業損失の実務》
問80 公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担に関する申し合せ」
(昭和51
年3月3日中央用地対策連絡協議会理事会決定。以下「日陰の負担基準」という。)で定める費用
負担の対象となる「日陰時間」
(北海道以外の区域)に関する次の記述のうち、妥当でないものは
どれか。
1 近隣商業地域若しくは準工業地域のうち、土地利用の状況が第1種住居地域、第2種住居地
域、準住居地域における土地利用の状況と類似していると認められる区域においては、2階の
日陰時間が5時間を超える場合とする。
2 第1種低層住居専用地域においては、1階の日陰時間が4時間を超える場合とする。
3 第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域においては、1階の日陰時間が4時間を超え
る場合とする。
4 第2種中高層住居専用地域においては、2階の日陰時間が4時間を超える場合とする。
問81 日陰の負担基準に関する次の記述のうち妥当なものはどれか。
1 第1種中高層住居専用地域又は第2種中高層住居専用地域については、日陰時間が1階で北
海道以外の区域で4時間、北海道の区域で4時間である。
2 第2種住居地域、準住居地域のうち土地利用状況が住居地域における土地利用状況と類似し
ていると認められる区域については、日陰時間が1階で北海道以外の区域で5時間、北海道の
区域で4時間である。
3 第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域については、日陰時間が1階で北海道
以外の区域で3時間、北海道の区域で4時間である。
4 近隣商業地域、準工業地域のうち土地利用状況が第1種住居地域、第2種住居地域、準住居
地域における土地利用状況と類似していると認められる区域については、日陰時間が2階で北
海道以外の区域で5時間、北海道の区域で4時間である。
総合補償
《テレビジョン電波受信障害による事業損失の実務》
問82 「公共施設の設置に起因するテレビジョン電波受信障害により生ずる損害等に係る費用負担に
関する申し合せ」
(昭和54年10月23日中央用地対策連絡協議会理事会決定。以下「テレビ受信障害
負担基準」という。
)に基づく電波障害の改善方法として、次のうち、妥当でないものはどれか。
1 共同受信施設の設置
2 新たに有線テレビジョン放送を利用するための施設の設置
3 個別受信施設の設置
4 受信施設の移設又は改良その他必要な措置
問83 テレビ受信障害負担基準の対象となる受信者の要件等について、次の記述のうち、妥当でない
ものはどれか。
1 当該公共施設の設置により生じたテレビ電波受信障害により、自ら有するテレビ受信設備に
よりテレビ電波の受信を行っている者
2 当該公共施設の設置により生じたテレビ電波受信障害により、共同受信施設を有し、かつ、
当該共同受信施設を通じてテレビ電波を各戸に伝送していた者
3
当該公共施設の設置に係る工事の完了以前から当該公共施設の設置により、電波障害の生ず
る地域において共同受信施設を有し、かつ、各戸に伝送していた者
4 当該公共施設の設置後に電波障害の生ずる地域において受信を行っていた者
《水枯渇等による事業損失の実務》
問84 「公共事業に係る工事の施行に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理について」
(昭和59年9月19日中央用地対策連絡協議会理事会決定。以下「水枯渇等要領」という。)で定め
る費用負担に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 この要領の対象とする水枯渇等の発生場所は、起業地を含む地域である。
2 この要領で定める費用負担の請求期限は、民法の定める期間と異なる。
3 この要領は、施設の管理用水の枯渇、水質汚濁等も対象とされている。
4 この要領でいう施設の新設費における水道等には、簡易水道は含まれない。
総合補償
問85 水枯渇等要領に関する次の記述うち、妥当なものはどれか。
1 既存の施設を改造する方法には、既存の井戸を掘下げて深井戸とする方法と別の位置に井戸
を掘削する方法がある。
2 この要領の対象となる水枯渇等は、不可避的に発生したものに限られている。
3 農業用水の場合で、機能回復以外の方法による費用の負担には、水を使用しない地目に転換
する土地価格の価格差を地目差補償として費用負担する。
4 この要領でいう必要な水量とは、既存の施設の計量器における使用実績水量とされている。
《建物等の損害等による事業損失の実務》
問86「公共事業に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要
領の制定について」
(昭和61年4月25日中央用地対策連絡協議会理事会決定。以下「地盤変動事務
処理要領」という。
)の考え方に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 「事前の調査等」とは、工事の施行による地盤変動により建物等に損害等が生ずるおそれがあ
ると認められるときは、当該損害等に対する措置を迅速かつ的確に行うため、工事の着手に先
立ち、又は工事施行中に起業地及びその周辺地域において必要な調査を行うことをいう。
2 「応急措置」とは、地盤変動が発生したことにより、建物等の所有者に社会生活上受忍すべき
範囲を超える損害等が生じ、又は生ずると見込まれる場合において、地盤変動の原因等の調査
の結果等から当該損害等の発生が当該工事による影響と認められ、かつ、緊急に措置を講ずる
必要があると認められるときは、合理的かつ妥当な範囲で、応急措置を講ずることをいう。
3 「地盤変動の原因等の調査」とは、起業地の周辺地域の建物等の所有者又は使用者から地盤変
動による建物等の損害等の発生の申し出があったときは、地盤変動による建物等の損害等と工
事との因果関係について、速やかに調査を行うことをいう。
4 「費用負担の請求期限」は、原則として、当該工事の完了の日から1年を経過する日までに請
求があった場合に限定されている。ただし、当該施設の供用開始が遅れた場合等は、当該施設
の供用開始日の前日から1年を経過する日までに請求があった場合とすることができる。
総合補償
問87 地盤変動事務処理要領に規定する「事前調査」に関する次の記述のうち、妥当でないものはど
れか。
1 地盤変動の事前調査に関しては、必ずしも工学的に十分満足された研究成果があるのではなく、
経験的予測によるところが多いが、過去の類似事例を参考として、事前に調査方法等を検討し、
適正な調査計画を検討した後に、必要と認められる調査を行うものである。
2 事前調査の目的は、建物等の損害に対する措置を迅速かつ的確に行うためである。
3 地盤変動の事前調査は、いかなる損害の発生にも対応できるよう公共施設の規模、構造にかか
わらず、地形、地質、地下水等地盤に関するすべての調査を実施することが必要である。
4 工事と地盤変動に伴う建物等の損傷との因果関係を実証するための情報を提供するのが、地盤
変動の事前調査等である。
問88 地盤変動事務処理要領に規定する「費用負担」に関する次の記述のうち、妥当でないものはど
れか。
1 地盤変動に伴う建物等の損傷に対する費用の負担の方法は、原則として、建物等の所有者又は
使用者に各人別に金銭をもって行い、契約の相手方に一括して払い渡し、払い渡すことによって
一切の債務が完了する。
2 費用の負担は、公共事業の施行に起因して地盤変動が発生し、建物等が損傷した場合に、建物
等の所有者又は使用者から当該公共事業に係る工事の完了の日から1年を経過した日までに請求
があった場合に限り行うことができる。
3 受忍の範囲を超える損害等とは、建物等の全部又は一部が損傷し、又は損壊することにより、
建物等が通常有する機能を損なわれた場合のことをいう。
4 地盤変動による損傷が壁、床、天井等の部分適損傷であっても、それぞれの損傷が建物全体の
価値を逓減させたと認められる場合には、価値低下分の費用を負担する。
総合補償
《残地及び隣接地工事費等の補償の実務》
問89 残地工事費等の補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 残地等工事費、隣接土地工事費、少数残存者、離職者の各補償は、起業地外の補償であるこ
とから、いずれも補償請求により補償を行う。
2 隣接土地の工事費の補償において、営業休止による損失は仮営業所設置の補償の範囲内で、
かつ土地所有者からの請求により補償を行う。
3 残地工事費等の補償において、残地に関する損失及び工事費の合計額は残地を取得した場合
の価額が限度である。ただし、地域の土地価格水準により、特に必要があると認められる場合
は、これを妨げるものではない。
4 従前は道路の路面より20cm 高かった住宅敷地の残地が、道路工事施行後において道路の路面
より50cm 低くなる場合における補償対象となる標準盛土は70cm である。
問90 離職者補償に関して、妥当なものはどれか。
1 離職者への補償は、雇い主から起業者に対して補償請求が必要であり、請求を受けた起業者
は、雇用されていた者(離職者)に直接補償金を支払うこととされている。
2 離職者補償額は、次により算定した額を基準とする。
賃金日額×補償日数-失業保険金相当額
ただし、補償日数は最長で1年である。
3 職を失う者に対しては、高齢者も含まれることから、他への再就職の難易にかかわらず、離
職者補償を行う必要がある。
4 補償額算定に係る賃金日額は、直近3ヶ月以内に支払われた賃金の総額を総日数で除した額
の80/100を標準とする。
総合補償