第11章 開放経済の成長 (Growth in the Open Economy)

第 11 章 開放経済の成長
1
– 財の貿易に開放的 → 2 国で同一の財なら同一の
価格で売られる
第 11 章 開放経済の成長
– 生産要素の移動が開放的 → 同一要素は 2 つの市
場で同一の所得を得る
これらの 2 つの指標を使えば,完全な自給自足経済と完全
⋆ 講義ノートは
http://www2.asia-u.ac.jp/˜ shin/lecture/growth.html にある.
⋆ 第 2 版のスライドは
http://wps.aw.com/aw weil econgrowth 2/ → Classrom ReR Slides にある.
sources → PowerPoint⃝
⋆ 第 3 版のスライドは
http://wps.aw.com/aw weil econgrowth 3/ → Classrom ReR Slides にある.
sources → PowerPoint⃝
な開放経済という両極端のあいだのどこに国が該当するか
を計測できる.
11.1.1
開放経済における生産高の測定
国内総生産 (gross domestic prodect, GDP)
ある国に立地している生産要素によって得られたすべて
1. 世界経済に開放していることがどのように一国の経済
成長に影響するのだろうか ?
の所得の合計である.
2. 開放性が成長に影響するのはどのような経路による
のか ?
国民総生産 (gross national prodect, GNP)
3. なぜ開放経済に反対する人がいるのか ?
自給自足 - 対 - 開放経済
11.1
ある国の住民が所有する生産要素が稼いだすべての所得
の合計である.
GDP と GNP
閉鎖経済,自給自足経済
自給自足とは 1 国が経済的に世界の他地域とは一切の関
係を持たない国の状態.
GNP または GDP のどちらがよい指標であるかは,何を知
りたいかに依存している.ほとんどの使えるデータは GDP
を計測している.その理由は 1 国で生産された量を測る方
が,誰がどんな生産要素を所有しているかを測定するより
容易であるからである.
開放経済
経済学では他国との経済相互作用の形態を 2 つに区分し
ている.
• 国際間の生産要素の移動は GDP と GNP の乖離を導
く可能性がある.
1. 貿易 (trade): 財とサービスの交換
2. 生産要素の移動 (flow of factors of production)
経済の開放性の測定
• 国々を流れる財または生産要素の数量を計測
11.1.2
グローバル化 (Globalization): 事実
グローバル化の 2 つの波
1. 第 1 波
– 貿易 → 開放
• 19 世紀半ばに始まる.
– 開放 → 貿易,必然性はない
• 第 1 次世界大戦の直前で最高潮
– 2 国で同じ財を生産しているとか,2 国に同じ生
産要素があるならば,たとえ貿易が可能であった
としても貿易の誘因がない.
• 1914 年から 1950 年の期間は 2 つの世界大戦と
大恐慌に象徴されるが,グローバル化が衰退し
た時期である.
• 一物一価 (law of one price)
2. 第 2 波
– どちらの市場でも同一の財は同一の価格で売ら
れていること
• 第 2 次世界大戦以降に起きる.
第 11 章 開放経済の成長
2
物の移動
輸送費用
Figure 1
• 経済統合の主な駆動力は輸送費用の低下である.
世界貿易の成長, 1870 年から 2005 年
一物一価の法則によると,もし輸送費または貿易障害が
ないなら同じ財は市場が違っていても同じ価格で売られる.
• 横軸: 年度
• 1870 年に小麦はシカゴよりロンドンで 58%の高値だっ
た.米はラングーンよりロンドンではるか高く 93%の
高値であった.
• 1913 年になるとこの価格はそれぞれ 16%と 26%の差
• 縦軸: 世界の GDP に対する世界貿易の比率
に下がった.
価格格差の減少は経済的統合の増加を証明している.
物的資本の移動
• 物的資本はもっとも移動が多い生産要素である.
• 国家間の物的資本の移動についてもグローバル化の 2
つの波が見える.
• 国際的資本移動の黄金時代は第 1 次世界大戦前の 20
年間であった.
情報伝達
• 経済統合を促進させた第 2 の力はより急速な情報の伝
達である.
情報伝達はまた安くもなった.過去 70 年にわたって通信
価格は年当たり 8%で低下してきた.たとえば,ロンドンと
• 1990 年代に発展途上国の中の「新興国の市場 (emerging markets)」への投資ブームが起きた.
ニューヨークの電話は 1930 年には 3 分で 300 ドルかかった
が,1960 年には 50 ドルになった.いまではこのような電話
はインターネットならタダである.
人の移動
• グローバル化の今の波は 1914 年に頂点に達した急上
昇に見られた統合度にやっと達したところである.
• 1870 年から 1925 年に約 1 億人が国を移動した.これ
1
に等しい.
は 1870 年の世界人口のほぼ 10
貿易政策
• 関税,数量割り当てなど.
現代のグローバル化の波を高めている力の 1 つは,“関税
と貿易に関する一般協定 (GATT)”とその後継者である世界
• 約 5,000 万人がヨーロッパ (主に東と南ヨーロッパ) か
らアメリカとオーストラリアに移民した.
• 残りは主に中国とインド → アジアのその他の地域,
南北アメリカ,アフリカへ向かった.
貿易機構 (WTO) のもとで交渉された一連の貿易制限撤廃
であった.
工業国における平均関税は第 2 次世界大戦後の 40%から
2000 年には 6%に下がった.
■ 関税,数量割当ておよびその他の通商制限
非関税障壁 (non-tariff barriers)
11.1.3
グローバル化: 諸要因
• 自発的輸出制限
• 反ダンピング関税
グローバル化を推進した力は 2 つある.
• 過大な基準
1. 技術進歩が財と情報の移動を容易にしたこと
2. 経済政策の変化が貿易障壁を低下させたこと
• 官僚の演出
第 11 章 開放経済の成長
11.2
3
• 縦軸: 1 人当たり GDP 成長率,1965 年-2000 年
開放が経済成長に与える効果
開放度は関税水準,為替相場操作,輸出の政府独占など
データを用いる.
Figure 4
開放経済の成長率
Figure 2
経済開放度と 1 人当たり GDP の関係
• 横軸: 海外への開放度,1965 年-2000 年
• 横軸: 1965 年の 1 人当たり GDP (2000 年のドル価値
基準,比率目盛)
• 縦軸: 1 人当たり GDP 成長率,1965 年-2000 年
• 縦軸: 1 人当たり GDP,2000 年ドル価値
世界経済への開放性が高い国ほど裕福になる.
グラフの結果
• 常時開放している国は,開放していないくにより平均
して 4.5 倍豊かである.
1. 閉鎖経済は年当たり 1.5%の平均所得成長率で,年
3.0%の開放経済より著しく低い.
• 半分以上にわたり開放している国は,半分以下しか開
放しなかった国の 1.5 倍豊かである.
2. 全期間,あるいは何年間か閉鎖経済にあった場合,一
国の GDP の初期水準とその後の成長率との間には,
観察可能な関係を見当たらない.
世界経済に開放されていることが一国を豊かにしている
3. これに比べて開放経済には強い収束傾向が見られる.
と証明しているわけではない.逆に,豊かな国が開放する
かもしれない.
4. 経済を開放していた貧しい国は豊かな国より成長が早
い傾向がある.
世界経済に開放されていることが国を豊かにさせている原
経済を開放していた貧しい国は豊かな国よりも成長が早い
因となるのかどうかを調べる 3 つの方法
こと,経済を閉鎖していた貧しい国は豊かな国より成長は
1. 開放経済と閉鎖経済との間で所得成長率を調べてみる
遅いことである.
こと.
2. 国の開放性を高めるかまたは低めるかしたときに経済
成長はどのように変わるかを検討すること.
3. 一国の開放性に影響するが,貿易政策とは違って,そ
の国の他の特徴によって影響されない地理的要因のイ
11.2.2
開放性の拡大 → 成長の拡大
• 19 世紀日本の開国
ンパクトを考察する.
11.2.1
– 1858 年に鎖国をやめた 12 年後には,日本の対
外貿易額が 70 倍上昇した.貿易への開放性は 20
開放経済 - 対 - 閉鎖経済の成長比較
Figure 3
開放程度の変化がいかに成長に影響す
るか
年間で日本の実質所得を 65%上げたと推定され
ている.
• 韓国
閉鎖経済の成長率
– 1964 年から 1965 年の貿易全面自由化に続く 11
年間で所得は倍増した.
• ウガンダとベトナム
• 横軸: 1965 年の 1 人当たり GDP (2000 年のドル価値
基準,比率目盛)
– 世界経済に門戸を開いてから 1990 年代に急速な
経済成長を記録した.
開放性の拡大は,より高い成長とつながっている.
第 11 章 開放経済の成長
4
開放性の低下 → 成長の低下
– 世界銀行 (World Bank) など多国籍金融提供機
関からの貸し出し.
1807 年から 1809 年にトマス・ジェファソン (Thomas Jefferson) 大統領による貿易禁止で,全国に失業と銀行破産が
広がった.
2005 年に発展途上国に流れた資金 4,807 億ドルのうち 2,808
億ドルが外国直接投資であった.
同じく 1930 年には世界に広がった関税の増税,アメリカ
ではストーム・ホーレイ (Smoot-Hawley) 関税を含む関税
障壁は 1930 年代の大恐慌の厳しさを増していた.
資本移動を伴う成長
11.3.1
他国との資本移動に完全に自由な経済の場合.そのため
11.2.3
貿易に対する地理的障害の効果
投資は海外貯蓄で調達でき,同様に国内貯蓄は海外投資の
融資にも使われる.
貿易への自然的障壁が政府による障壁と同じ役割を果た
している.
地理的要因が貿易の決定に果たす役割
• 2 国間の距離
前提
1. 一物一価の法則
• 一物一価の法則を使うと,移動可能な生産要素
ならば,それらの価格は対象国とその他の世界
• どちらかが陸に囲まれているかどうか
• 両国の面積など
で同一水準になる.
• 資本の価格を推定する方法はそのレンタル・レー
ト,つまり単位期間に資本一単位を貸し出す費用
が資本の価格である.
南アフリカの内陸国レソト (Lesotho) とヨーロッパの同
じ面積をもつ沿岸国ベルギーと比較: レソトの貿易量はベ
• 資本フローに開放されたいる経済では資本のレ
ルギーの貿易量の 40%程度
ンタル・レートはその他の世界と同じになる.
2. 小国 (small country)
地理的に決まった貿易量は一国の所得にどの程度影響したか
• 単純化のため,検討している経済はその他の経
GDP に対する貿易の比率が 1%ポイント上昇すると 0.5%2.0%の割合で所得は上昇する.
済に比べて小さいと仮定する.つまり,この経済
で何かが起きてもその他の世界にの要素価格に
は何の影響もない.
• 世界経済に開かれていることは一国の経済成長にとっ
てよい.
3. 人的資本の効果を無視する.
生産関数
疑問
• 開放の具体的にどの点が経済成長によいのか.
• もし開放性が経済政策としてそれほど有効なら,なぜ
多くの国が開放性を採用しないのか.
y = Ak α
(11.1)
∂y
= MPK = αAk α−1
∂k
(11.2)
限界生産物
11.3
開放と要素蓄積
• 外国直接投資,海外直接投資 (foreign direct investment)
– 外国企業が他国で施設を買ったり建設すること.
• 資産選択投資
– 外国の投資家が株や債券を購入すること.
• 政府の補助金,借款
利潤最大化
企業の利潤最大化の結果,資本の限界生産物は資本のレ
ンタル・レートに等しい.
r = MPK = αAk α−1
r を資本のレンタル・レートと定義.
(11.3)
第 11 章 開放経済の成長
5
一物一価
自由資本移動モデルの重要な意味
要素移動が完全であるとする開放性の仮定は一物一価の
法則が成立することを意味する.1 国の要素価格はその他の
(1) 貯蓄率が低い国
• 貯蓄率が低い国では資本の流れが開放されると GDP
国の要素価格と同一でなかればならない.資本のレンタル・
が増加することができる.
レートを rw と定義.
• 国内では供給されない資本は海外から供給される.
r = rw
(11.4)
式 (11.3) と式 (11.4) から
• 資本水準がの低い国ならばどこでも適用される.
経済が資本のフローを開放しているならば,その国へ海外
rw = αAk α−1
(11.5)
比率 k は世界の資
資本の完全移動性を仮定すると, 資本
労働
本のレンタル・レートで決まる.
から流入してくる投資は労働者 1 人当たり GDP の成長を
生むことになる.そして海外から流入した資本はその国が
自国の貯蓄で生産できるよりもさらに急速に GDP の成長
を生む.
(2) 貯蓄率が高い国
労働者 1 人当たり資本水準
高い貯蓄率をもつ国では,資本フローの開放は労働者 1
労働者 1 人当たり資本水準 k について解くと,
k=
1
( αA ) 1−α
人当たり GDP 水準を下げる.資本の限界生産物がより高
い海外に資本が流れるからである.
(11.6)
rw
資本フローの開放は貯蓄率の高い国も低い国も労働者 1
人当たり GNP 水準を引き上げる.
労働者 1 人当たり生産
11.3.2
式 (11.6) を式 (11.1) 生産関数に代入すると,
(
y = Ak α = A
1
( αA ) 1−α
)α
rw
1
= A 1−α
α
( α ) 1−α
rw
資本フロー自由化モデルの評価
(11.7)
Figure 5
先進諸国の貯蓄率と投資率, 1960 年から 1974 年
結果の解釈
閉鎖経済におけるソロー・モデルでは労働者 1 人当たり
の GDP 水準は貯蓄率に依存する.多くの貯蓄をする国は
定常状態ではより豊かになる.
しかし,貯蓄率は式 (11.7) のどこにもない.そのゆえ式
• 横軸: 貯蓄の GDP 比率
• 縦軸: 投資の GDP 比率
(11.7) は貯蓄が低い国よりも高い国で労働者 1 人当たり GDP
が高くなるとは限らない.
投資と貯蓄は高度に相関している.自由な資本移動の前提
は適当ではない.
GDP と GNP
貯蓄保存係数
もし経済が要素のフローを開放しているなら,貯蓄率の
貯蓄保存係数 (savings retention coefficient): 追加的貯蓄
高い国は低い国より豊かにならないことを意味しているの
の 1 ドルごとにどれだけの割合が国内投資に追加されるか
だとろうか ? 答えは,NO
を計測.
貯蓄率の変化は GDP には影響をしないけれども,GNP
には影響する.それは海外に所有する資本の量に影響を受
けるからである.多くの貯蓄をする国は全体としてより多
くの資本を所有することになり,資本所得をより多く稼ぎ,
結果として GNP は高くなる.
• 資本移動がない経済では貯蓄保存係数は 1
– 貯蓄 → 100% 国内投資
• 完全な開放経済では貯蓄保存係数は 0
第 11 章 開放経済の成長
6
• 図 5 の点に当てはめた直線の傾きに等しい.
Figure 6
アメリカ製自動車と日本製自動車の品質
図 5 (1960 年から 1974 年) の貯蓄保存係数は 0.89,これ
は対象とした経済が資本の流れにはほとんど完全に閉ざさ
れていることを意味する.
1990 年から 1997 年の貯蓄保存係数は 0.60
• 貧しい国は,一般的に豊かな国より資本フローの開放
性は少ない.
• 横軸: 年度
11.4
開放と生産性
11.4.1
技術の一形態としての貿易
■ 統合錬金術会社の興亡
Table 1
日本の貿易開始以前と以後の茶と砂糖の価格
• 縦軸: 100 台当たり欠陥車
海外からの競争に刺激されアメリカ自動車産業は技術変
化を加速化し,新しい生産方法を採用し,製品の品質を改
善して消費者に訴えた.
11.5
開放反対論
11.5.1
新技術と開放の類似点
貿易はある国の得意なものを生産し,不得意なものは止
めてしまうという,モノを変換する技術の一形態である.
日本が貿易を開始すると茶の価格は上がり,砂糖の価格
は下がった.
• この砂糖獲得方法は国内で砂糖を育成・加工するより
もはるかに生産的であった.
11.5.2
技術遮断
多くの新技術は平均すればその国によいものであるが,す
べての人に,またすべての生産にとってよいとは言えない.
11.4.2
開放と技術進歩
新技術によって損害を受ける人々は最善を尽くして,その
導入に反対する.
経済の開放性がより高度な技術水準に貢献する理由
1. 貿易に開かれている国は海外に存在する技術を容易に
輸入できる.
2. 新技術を開発する誘因を広げることができる.
11.5.3
開放反対
• 技術遮断と同じ.
比較不利益がある産業の労働者や企業は保護貿易の生枠の
11.4.3
開放と効率性
経済の開放性が生産の効率水準に大きな貢献する.
11.4.4
支持者である.同じく国内での独占的地位を失う企業は,開
放に反対する.いずれの立場も平均して国にとってはよく
ても,ある特定の集団に有害なのである.
貿易の重要な効果
• 独占の存在は非効率の 1 つの源泉.国内企業の独占力
を弱め,効率を引き上げる.
• ある国の企業が生産物をより大きな市場に供給して規
模の経済を利用可能にする.
• 海外との競争は国内企業に立ち向かう努力を高める効
果を持っている.
貿易政策の歴史
貿易制限の最強の支持者たちはしばしば国益になるよう
な行動をとっていると主張しているが,一般的には彼ら自
身の利益のために行動をしてきたのである.
19 世紀のイギリス穀物法 (Corn Law) は,穀物輸入に関
税をかけるべしという大土地所有者が支持し,製造業者と
産業労働者は反対した.
第 11 章 開放経済の成長
7
• 全体として相対的その国で希少な生産要素をもつ人々
が自由化に反対するのは当然である.
希少性
保護関税が廃止されると比較的希少性が少なくなる生産
要素の所有者からも開放反対論が出てくる.比較的資本が
自由貿易反対論のほとんどは新織布機械の導入に反対し
希少な国が国際資本フローにその市場を開放したとする.海
たラダイトの人々と同様に,合理的な叫びなのである.
⋆ memo
外からの資本がその国に入り,資本のレンタル・レートを
引き下げ,賃金を相対的に引き上げる.1 人当たり平均所得
はこの場合上昇する.しかし,資本家 (労働所得よりの資本
所得に依存している) の所得は低下する.
■ 反グローバル化論 (Anti-GIobalization)
• 労働者搾取論
• 貧しい国の競争不能性
11.7
• 環境破壊
基本用語
• 国家主権の損失
• autarky (閉鎖経済,自給自足経済)
• 海外資本の隠れた価格
• trade (貿易)
• 豊かな国側の偽善行為
• flow of factors of production (生産要素の移動)
• law of one price (一物一価の法則)
11.6
結論
世界経済への開放性は一国の経済成長にとって利点となる.
• 開放性は経済の収束につながる.
– 貧しい国が開放すると平均して豊かな国の成長
より急速に成長する.
– 閉鎖したままの貧しい国は豊かなくによりずっ
とゆっくりしか成長しない.
• 市場を世界に開放した国は成長の加速化を経験する.
他方,閉鎖したままの国は成長の鈍化を経験する.
• 地理的に世界の貿易に参加が難しい国はその孤立性の
結果,より所得が低くなることになる.
開放は平均してその国の住民に利益を与えるけれども,住
• gross domestic product (国内総生産)
• gross national product (国民総生産)
• tariff (関税)
• quota (数量割り当て,数量制限)
• non-tariff barriers (非関税障壁)
• foreign direct investment (外国直接投資,海外直接
投資)
• portfolio investment (ポートフォリオ投資,資産選択
投資)
• savings retention coefficient (貯蓄保持係数)
民のすべての利益になることはまれである.開放は技術進
歩に似ている.
• 開放性の場合には世界市場で競争していない産業の労
働者や企業が交易を反対するのは当然だともいえる.
11.8
問題
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7