「大規模修繕のすすめ」 12月の花 プリムラ

■ 発 行 日 ; 2013.12.1 第 2 巻 7 号 ( 通 算 19 号 )
■ 発 行 所 ; 有 限 会 社 NOC グ ル ー プ HD(ア パ マ ン シ ョ ッ プ 加 盟 店 )
大 阪 市 淀 川 区 西 中 島 5 丁 目 8 番 11 号 コ ス モ 新 大 阪 1F
■ 発 行 人 ;中 島 勲 / 盛 田 哲 司
TEL 06-6390-2258
FAX 06-6390-7878
12月の花
プリムラ
桜草(さくらそう)科。
花言葉「永続する愛情」「神秘な心」
開花時期は12月10日から5月15日頃まで。冬から春の花が少ない時期
に、赤、白、ピンク、紫、黄色などの色彩の花を咲かせる草花です。浅く切れ
込みの入った花びらはサクラのようで可愛らしいです。放射状に出す丸みのあ
る葉とその中心に咲く花のバランスがよく、コンパクトにまとまるので鉢植え
や寄せ植えに広く利用されます。また、耐寒性も強く、花壇にも適しています。プリムラの語源は
primos(最初)からだそうですが、早春に花が他に先駆けて咲くことから名付けられたのでしょう
か。「ポリアンタ」「ジュリアン」などの品種があります。
「大規模修繕のすすめ」
大規模修繕とは「完成時の性能を維持し
ていくために必要な最小限の修繕」です。
そもそも賃貸経営は「商売」ですから、
で きるだけ収 入を増やして
支 出を減らし たいのが道理
で す。大規模 修繕のような
多額の支出は「できるなら」
避 けた いですね。3 0年~
5 0年 の耐用年数の 中で、
大規模修繕などをしなくても収入が維持で
きて、入居者の安全を保てるなら、こんな
多額の出費をしたくないと考えるのは当然
です。しかし、建物は時間とともに劣化し
ていきます。何も手を打たないでいると、
「見た目の築古感」を感じさせてしまい、
内見に訪れた人に敬遠されたり、入居者の
退去を促進させてしまいます。そして、
「緊
急の修繕」が発生して余分なコストを負担
することになってしまいます。大規模修繕
は、賃貸経営にとって「避けて通ることの
できない道」のようです。
周期は10年~15年が目安
大規模修繕の周期は10年~15年が目
安といわれます。たとえば外壁ですが、モ
ルタルやサイディングは経年によって塗装
表面の劣化で防水性が低下します。モルタ
ルはクラックが入り、サイディングは継ぎ
目の防水性能が劣化します。塗装というバ
リアを破って内部に水が染み込むと建物の
劣化が一気に進んでしまいます。外壁がタ
イルなら経年劣化はほとんどありませんが、
躯体のゆがみや目地からの漏水などで「割
れや浮き」が発生します。モルタルもタイ
ルも、共に10年~12年が補修や塗り直
しの時期なのです。
屋根は、アパート等の傾
斜した屋根(カラーベスト)
では年が経つと「割れや雨
漏れ」が起きますので表面
塗装が必要です。マンションに多い平らな
屋根(陸(ろく)屋根という)は、年数によ
って防水面が「腫れや亀裂」を起こして漏
水につながる可能性があります。両方の屋
根ともに10年~15年で塗装か防水処理
が必要となります。
建物本体だけでなく室内設備も交換を要
するものがあり、そのひとつが「給湯器・
風呂釜」です。これらの故障は冬場や夏場
に多く発生するので、シャワーや入浴の出
来ない入居者からのクレームの元になりま
す。その時期が来たら「一斉交換」のタイ
ミングでしょう。エアコンも同じように交
換時期が訪れますが、ともに目安が10年
~15年です。
-1-
大規模修繕の実態は?
さて大規模修繕が
「避けて通れない」の
は理解できたとして実
態はどうでしょうか。
分譲マンションなら「修繕積立金」によっ
て計画通りに実施されますが、賃貸住宅の
費用はオーナーだけで負担しなければなら
ないので、オーナーの意向や事情に委ねら
ているのが実情です。工事が長期間に及び
入居者の生活にも影響するので、説明や苦
情処理が面倒という思惑も働くでしょう。
なかなか「教科書通り」にはいかない難し
さがあります。
2008年に公益財団法人「日本賃貸管
理業協会」がオーナーを対象に「大規模修
繕の計画や費用の積立」に関するアンケー
トを実施しました。それによると、大規模
修繕の「計画あり。積立もしている」とい
う回答は 12.5 %でした。「特に計画はない
が積立てている」は 34.5 %で合計 47 %が
「積立派」と答え、残りの 53 %は「積立
てせず」という結果でした。分譲マンショ
ンでは100%が修繕積立金を用意してい
ると予測できるのと比べて、賃貸建物では
大規模修繕の準備が「しっかり行われてい
ない」実態が伺えます。
大規模修繕の手順
では、大規模修繕の手順とはどのような
ものでしょうか。
まず準備段階として資金面の用意です。
(財)日管協では、大規模修繕に必要な費用
を準備するために、新築時から以下の金額
を積立てる必要があると試算しています。
1K ~ 1DK 4,000 円~ 5,000 円
1LDK ~ 2DK 5,000 円~ 6,000 円
2LDK ~ 3DK 7,000 円~ 8,000 円
これだけの額を「新築のとき」から「毎
月」積み立てておく必要があるというので
す。「こんな準備は出来ていない」という
オーナーは多いのではないでしょうか。
用 意できていなければ、
金融 機関からのリフォーム
融資 と「設備機器リース」
とい う選択肢を検討するこ
とになるでしょう。そして、
大まかな資金確保の目途が
立ったら大規模修繕の全体スケジュールを
策定していきます。つぎに計画段階で、手
始めに行うのが建物診断です。前述の事例
で10年~15年で実施する工事項目を列
挙しましたが「あくまでも目安」でした。
新築時の施工の質によって「劣化の進行」
には差がありますので、実際に現場で建物
・設備を点検する必要があります。それを
元に実施する工事内容を決めるのが「建物
診断」です。ただし、工事は足場を組んだ
り、安全対策のためにコストがかかります
ので、出来る限り「まとめて」行う方が効
率的でしょう。そして見積もりをとり、施
工業者と仕様を選定して、いよいよ工事段
階に入ります。
工 事 の 前に は、特 に
入居 者 へ の事 前説明 に
注意 を 払 う必 要があ り
ます 。 工 事中 はシー ト
によ っ て 窓が 覆われ た
り、 塗 料 など の臭気 が
漂い 、 生 活に も不便 を
きたします。
賃貸の借主は、分譲マンションの区分所
有者のように「自分たちのための工事」と
いう認識が薄いので、気を付けないと深刻
なクレームを誘発してしまいます。充分な
事前説明で理解を求める必要があります。
グレードアップ工事も実施
さて、ここまでは「性能を維持するため
の修繕」ですが、ついでに「グレードアッ
プ工事」を実施することも検討してはどう
でしょうか。たとえば、
・外壁の色使いを工夫する
・自転車置き場に屋根をつける
・エントランスの植栽を増やす
・ゴミ置場にゴミステーションを新設
・防犯カメラを取り付ける
などの工事です。
もちろん、費用対効果を第一に考えなけ
ればなりませんが、残りの年数を第一線で
働いてもらうために、検討の余地が大いに
あると思います。以上が、大規模修繕の必
要性とその流れでした。
もし、ご所有の建物が新築や築浅さなら、
今回の記事は「参考程度」にお読みくださ
い。でも、築年数が10年を超えるようで
したら、あるいは15年を超えてるのに工
事が「手つかず」でしたら、2014年の
計画のひとつに加えてはいかがでしょう。
「検討する」という予定だけでもいいと思
います。すべては「賃貸経営で収益を増や
すために・・・」です。
-2-
「事故物件となってしまった場合の対応」
司会 今回は皆さんの物件が「事故物件と
なってしまった場合の対応」についてです。
テーマとしては重いのですが、大家として
の宿命ですので、日頃から心掛けておく必
要があると思います。
S まず「何が事故物件」なのでしょうか?
A 事故物件というと、自殺や他殺や孤独
死のあった物件・・・ということですよね。
つまり、次の入居予定のお客様に告知する
義務があるかどうか。
H 孤独死の場合は必ずしも事故物件とは
ならないみたいですよ。発見されたときの
状況によるのだそうです。
Y ・・・想像したくない(笑)。
K すぐに発見されれば事故物件とはなら
ないのですね。でも、入居者が「後で知っ
たら気味が悪い」と思うかもしれないので、
大家としては告知すべきではないのかな。
H それは個々の大家さんの考え方により
ますよ。いつまでも告知をしていたら、空
室期間が長引くし、家賃を下げなければな
らないし、不動産会社も紹介してくれなく
なります。入居者がいくら「気味悪い」と
言っても個人差があるので、あくまでも「法
的な告知期間」を目安にすべきでしょう。
S 期間は決まってるのですか?
A 明確な線引きはないようです。発見ま
で1日や2日なら告知義務はないでしょう
ね。でも1週間ならあるでしょう。その中
間は微妙だと思います。季節にもよるし。
K 一般的に「気味悪い」と感じるライン
のようです。
Y そこは「あいま
い」ですね。
司 会 孤独死のリス
ク を減らす方法は?
H 独居老人を入居
さ せないという方法
も ありますが、人気
物 件ならともかく、
空室が問題となる物件ではそうもいきませ
んよね。
A これから増々難しくなっていくと思い
ます。日本の人口の24%が65歳以上の
高齢者と言われていますから。「高齢者の独
り住まいには部屋を貸さない」では、これ
からは通りませんよね。
K まあ、大家の選択肢ではありますけど。
S 僕は連帯保証人を立ててもらうことが
大事になると思います。できれば2人は欲
しいですね。滞納家賃は保証会社が補って
くれるかもしれませんが、遺品の片付けや
後始末まではカバーしてくれませんから。
K 保証人というより緊急連絡先ですかね。
S いや、ただの連絡先ではなく、責任を
持って後始末と部屋の整理をしてもらう存
在が欲しいのです。だから連帯保証人です。
H 保証会社が入るなら家賃保証は免除し
てもいいですよね。
S それと、経済的に
余裕があるなら敷金を
余分に預かるという予
防策もありますね。
A 地域の見守り活動
を実施している自治体
があると聞きました。
新聞配達やガス会社や生協と連携して、高
齢者の自宅に行く際に見守りを委託する、
のだそうです。いい試みだと思います。
司会 それでは、自殺や他殺の場合はどう
でしょうか?
K そういう属性のある人を「入居させな
い」ことが出来ればいいですね。見極めは
難しいですけど。
A 確かに完全に見抜くのは無理だけど、
リフォームしないで物件の価値を下げて「入
居者の質」を落としていくと、そういう属
性の人が紛れ込む可能性は高まりますよね。
地域の同じ間取タイプの中で「真ん中以上
の家賃水準」を保つことは大事なのではな
いでしょうか。
D もし不幸にも起きてしまったときは、
孤独死と同じく連帯保証人が重要になりま
す。保証会社は「保証外」でしょうから。
H たしかに、保証会社以外に連帯保証人
も必要ですが、これは損害賠償のケースな
ので相続人にも請求できますよね。
S 相続人だと「相続放棄」される場合も
ありますよ。
A そのときは「限定承認」という方法も
あるそうです。限定承認とは、相続した負
債を相続した財産から支払って、負債の方
が超過した分は責任を負わない、という制
-3-
度だそうです。すべて相続放棄されるより
もプラスの財産分だけでも補てんできる可
能性がありますね。
K それから「保険に入っておく」という
予防策もあります。
Y どんな保険があるのですか?
K 事故後のリフォームの間は家賃が入っ
てきませんが、その家賃収入の損失を最大
6ヶ月間まで補償する保険。それから、自
殺や孤独死によって部屋が空いたとき、次
の入居者が決まるまでの空室期間や値下げ
した場合の家賃損失を最長12ヶ月まで補
償する保険。それと、室内を原状回復する
ための修復費用を100万円を限度で補償
する保険とか。
S 「大家のための保険」は色々と増えて
いるのですね。保険会社の中で上位ではな
いところが、いろいろと知恵を絞って開発
しているようです。
D なるほど、保険でリ
スクをカバーするという
のも選択肢ですね。
A 「住む場所を提供す
る」ということは、大げ
さに言うと「他人(ひと)
の運命に関わる」という
覚悟がいるのかもしれま
せん。ある程度の「備え」
というか「心構え」が必要ですね。
Y うーん。重い商売ですね(笑)。
司会
有難うございました。
「シェアハウスは寄宿舎」
国土交通省が「シェアハウスは寄宿舎に
該当する」と通知しました。シェアハウス
とは、ひとつの住居を複数人に貸す賃貸形
式ですが、今回の国交省の通知では、その
区分された各室が建築基準法における「ひ
とつの居室」に該当するとされました。そ
のために建築基準法の「彩光」と「建築物
の間仕切り壁」の規定を満たすことが必要
となったワケです。「彩光」の規定とは、窓
部分が居室の床面積の 1/7 以上の割合が必
要というもので、こちらはほとんどの場合
でクリアしていますが、問題なのは「建築
物の間仕切り壁」の規定です。建築基準法
では、「防火上主要な
間仕切壁を準耐火構造
として、天井裏に達す
るようにしなければな
らない」という厳しい
基準があります。これ
は学校、病院、診療所、ホテル、旅館と同
じ水準の規定です。戸建てやマンションの
一室をシェアハウスに転用しているケース
では、この基準を満たしているものは「ほ
とんど」ないでしょう。国交省は取り締ま
る特定行政庁に対して、違反する場合は是
正指導するよう通知しました。
新米大家VSおんぼろアパート
~満室までの涙の240日~渡辺よしゆき 著
著者は2010年9月に築24年の「ボ
ロ」木造アパートを現金で購入。8室中7
室が空室という状態から8ヶ月で満室にな
ります。その間の奮闘記を面白おかしく(悪
ふざけ過ぎ?)綴っています。著者はご自
分のことを「貧乏、暇なし、低属性」とい
います。本業の年収は300万円なので決
して裕福ではないようです。その方がコツ
コツと貯めた現金(総額1000万円)で
購入できるアパートを「やっと」探し当て
ました。そのアパートの購入後に著者を襲
う出来事が興味深いのです。
・床下浸水から始まった前所有者との瑕疵
担保責任を巡ってての法廷闘争
・購入後40日目に起こっ
た孤独死騒動 ・長期間の
空室で放置されていた各室
の惨状(食事前には読めな
い) ・そして満室にする
ための涙ぐましい努力。
多くのオーナーは、ここま
で悲惨な物件を所有してい
ないので、著者の行動は「そ
れほど」参考にならないかもしれません。
参考にしたいのは「ゼッタイに満室にす
る!」という考え方=マインドです。著者
は現在、3棟24室のオーナーになって成
功しているそうです。
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