花粉のくしゃみ大敵 40代以上の4割悩む 体操で治せることも 「暮らしアイ」 女性の尿漏れ 共同通信社 4 月 2 日(火) 配信 花粉の季節は「尿漏れ」に悩む女性が増える。引き金となるくしゃみの回数が多く なるためだ。40代以上の女性の4割に尿漏れの症状があるとされ、受診しやすいよ う女性医師がいる泌尿器科も増えてきた。軽症なら体操で治すことも可能だという。 横浜市の直美さん(43)=仮名=は花粉の季節が憂鬱(ゆううつ)だった。花粉 症によるくしゃみや鼻水だけでなく、尿漏れをしてしまうからだ。外出には尿漏れ用 パッドが欠かせなかった。 きっかけは長男(8)の出産。気になってはいたが、子育てが忙しく後回しにして いた。しかし、子どもから「縄跳びしよう」と言われてもできず、信号で子どもの手 を引いて走りだすこともできなかった。 昨年、女性医師のいる診療所で受診した。尿漏れ防止の体操をしたり、カフェイン を控えたりした結果、症状は改善している。 女性の尿漏れには主に、急に立ち上がった時やくしゃみをした時におなかに力が入 って起きる「腹圧性尿失禁」と、急に尿意を催してトイレまで我慢できずに漏れる「切 迫性尿失禁」、そしてその混合型がある。 女性医療クリニック・LUNAグループ(横浜市)理事長の関口由紀(せきぐち・ ゆき)医師によると、出産などで骨盤内のぼうこうや尿道、子宮などを支える「骨盤 底筋」が弱ることが主な原因。難産だった人や、逆に極端な安産だった場合は骨盤底 筋が緩みやすい人もいるため、特に注意が必要だ。加齢に伴う筋力低下も影響する。 関口医師がまず勧めるのは骨盤底筋運動だ。おなかとお尻に力を入れず、持ち上げ るような感覚で肛門や腟(ちつ)をぎゅっと閉め、5秒ぐらいで緩める運動が基本。 1日30~50回繰り返す。「腹圧性尿失禁の場合、この運動を3、4カ月続ければ 8割から9割の人が生活に支障がなくなる」と関口医師。 欧米は患者が多く、特にフランスでは骨盤底筋運動などの取り組みが盛んだという。 ただし、症状が重く薬や手術が必要な人もいる。 日本排尿機能学会の調査では、40歳以上の女性の44%に尿漏れの症状があった。 40歳未満の患者が増えているとの指摘もある。和式トイレの使用や布団の上げ下ろ しをしなくなったためとみられている。 メーカーのユニ・チャーム(東京)によると、軽い尿漏れ用のパッドなどの市場規 模は2012年に267億円で08年の1・6倍に急増。冷え込む12月と3月に売 り上げが伸びる。「自分だけではないと知り、購入する抵抗感がここ数年、薄れてき た」と担当者。 体操やヨガのほか、日常生活の中で尿漏れを防ごうという取り組みもある。東京都 内のウオーキング教室で、谷英子(たに・えいこ)さんは骨盤底筋を鍛える歩き方を 指導している。「ズボンのファスナーを上げる時の腰の傾きで、さっそうと歩く」が 理想だ。「歩く、立つという日常の動作で骨盤を正しい位置にするよう意識すること が大事」と谷さんは話している。
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