視察期間(6日間) 平成17年2月21日∼2月26日 西尾市議会姉妹都市行政視察団 国際姉妹都市(ポリルア市)視察 ポリルア市 ニュージーランド国旗 ★ 愛知万博におけるフレンドシップ事業では、西尾市とニュージーランド(NZ)がフレンド シップ国となっています(他に、イエメン共和国とモーリタニアイスラム共和国がある) 【1】ポリルア市(2泊) 西尾市との国際姉妹都市であるポリルア市では、市長をはじめとした市議会議員との 懇談による懇親を深め、夜に開会される市議会を傍聴し、更にはパタカ博物館や学 校等の公共施設、ごみ収集等の市内施設について視察する 【2】ウェリントン市 ニュージーランド(NZ)の首都であるウェリントン市では、日本大使館大使の斎藤正樹 氏と面会して、二国間の関係(政治・経済・教育)について会談させていただき、歴史 あるテパパ国立博物館や国会議事堂を視察する 【3】オークランド市(2泊) ニュージーランド(NZ)最大の都市であるオークランド市では、交通・運輸・インフラ整 備の状況と焼却場の跡地を活用した商業施設を視察し、南太平洋諸国の文化、風俗、 マオリ族の伝統等が展示され学習できるオークランド博物館を見学する 【4】中部国際空港(セントレア)視察 セントレアは本年2月17日(木)に開港したばかりで大変な賑わいの中、西尾市からの 交通アクセス(特にバス路線)や将来国内の他空港を凌駕できる可能性を秘めたセン トレアならではの機能とエアシティとして行ってみたい街づくりと人の流れ等について 視察する −1− 国際姉妹都市(ポリルア市)視察日程表 月/日 地名 現地時間 交通機関 行動予定 セントレア施設見学 出国手続き NZ航空でオークランドへ (機内泊) 西尾市役所発 名鉄西尾駅発 セントレア空港着 セントレア空港発 10::00発 10:20発 11:22着 17:15発 2/22(火) オークランド空港着 オークランド着 08:10着 09:30着 専用車(バス) 入国手続き オークランド・リジョナル・トラ ンスポートリミテッド視察 (オークランド泊) 2/23(水) ホテル発 オークランド空港発 ウエリントン空港着 09:00発 11:30発 12:30着 タクシー NZ航空 (427便) オークランド博物館視察 ポリルア市行政視察 ポリルア市役所表敬訪問 市議会議員13人と面会 議員食堂にて夕食・懇談 ポリルア市議会傍聴 (ポリルア泊) 2/24(木) ポリルア市 終日 専用乗用車 市内公共施設視察 パタカ博物館 福祉施設 ごみ収集方法 総合運動施設 など (ポリルア泊) 2/25(金) ホテル発 ウエリントン空港発 オークランド空港着 09:00発 12:00発 13:00着 専用乗用車 NZ航空 (NZ432便) 専用車(バス) 日本大使館訪問 国会議事堂視察 ウエリントン市役所視察 テパパ博物館見学 オークランド商業施設視察 (オークランド泊) 2/26(土) ホテル発 オークランド空港発 セントレア空港着 セントレア空港発 西尾市役所着 06:00発 08:00発 15:50着 16:30発 17:30着 専用車(バス) NZ航空 (NZ93便) 名鉄バス オークランド空港へ移動 出国手続き 帰国 入国手続き 西尾市役所へ 2/21(月) 名鉄バス NZ空港 (NZ94便) −2− ◆ 2月21日(月)晴れ 【1】西尾市役所集合出発 午前10時、黒柳議長・磯村議員・鈴木(楢)議員・齋藤事務局長ほか数人のお見送り を受けながら、西尾市議会を代表する姉妹都市視察団としての責任と言葉への不安 を感じながら市役所から名鉄西尾駅へと向かった。 【2】名鉄西尾駅出発 名鉄西尾駅では、寒風の吹く中でセントレア行きのバスを待ったが、駅員さんからバス の故障で定刻より20分ほど遅れて車庫を出たとの連絡があり、視察に対する一抹の 不安が頭をよぎった。10時40分、定刻より遅れながらも10人ほど乗車して、何事もな かったかのようにバスは中部国際空港へ向かって西尾をあとにした。 ■蒲郡・西尾・碧南⇒中部国際空港(セントレア) 運賃 停留所名 (東) (名) (知) (東) (名) (知) (東) (名) (知) (東) (名) 1,800円 蒲郡駅前 5:00 13:10 1,500円 西尾駅 5:40 6:50 7:50 8:50 10:20 12:20 13:50 14:50 15:50 16:50 17:50 1,500円 西尾文化会館北 5:43 6:53 7:53 8:53 10:23 12:23 13:53 14:53 15:53 16:53 17:53 1,200円 鷲塚 5:50 7:00 8:00 9:00 10:30 12:30 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 1,200円 碧南中央駅 5:58 7:08 8:08 9:08 10:38 12:38 14:08 15:08 16:08 17:08 18:08 1,200円 衣浦港湾会館 6:07 7:17 8:17 9:17 10:47 12:47 14:17 15:17 16:17 17:17 18:17 750円 半田市役所前 6:17 7:27 8:27 9:27 10:57 12:57 14:27 15:27 16:27 17:27 18:27 750円 住吉町駅 6:22 7:32 8:32 9:32 11:02 13:02 14:32 15:32 16:32 17:32 18:32 中部国際空港 6:42 7:52 8:52 9:52 11:22 13:22 14:52 15:52 16:52 17:52 18:52 ----- −3− 【3】中部国際空港(セントレア)視察 名鉄西尾駅を遅れて出発したのに加えて、開港5日目のセントレアへ向かう旅行者と 見学者の車両が多く、有料道路降り口料金所では大渋滞であった。 ちなみにこの日は見学者が約60%、旅行者が約40%ということであった。 ■アクセスプラザ1階に到着(西尾へ帰る場合も6番のバス停から乗車する) 午後、搭乗までの時間を利用し感動が舞い降り、感動が飛び立つところエアシティ・セ ントレアを限られた時間の中、混雑する中で精力的に視察した。 日本の中心に誕生した中部国際空港、セントレア(造語=セントラル+エア)空港、こ こは単に飛行機が発着するエアポートではなく、訪れる人すべてが感動を体験できる 街、まさに「エアシティ」であった。 伊勢湾に広がる景観に溶け込みむ海上空港には、利便性と機能性、安全と安心を追 求した本来の空港であることは勿論、買い物や食事、更には展望大浴場の整った、来 場者が楽しく快適に過ごせるだけの魅力あるエンターテイメント施設が揃っている。 成田空港や関西空港に劣らない、愛知県は勿論ですが中部経済の躍進に必要不可 欠となる日本のハブ空港となることは間違いないと確信しながら、行政の発想でなく、 企業感覚・企業マネジメントの結集により創り上げたセントレア空港に、日本の空港も ここまで進化したのかと新たな感動と感激が体中を駆け巡った。 −4− ■エンターテイメント・エアシティ視察 新時代の空港といわれるセントレアは外観 視察は数回あるものの、中に入るのは勿論 4人とも初めてである。とにかく人の多さには 驚いた。セントレアスカイタウンのレストラン 街にたどり着くまでの行列と昼食予約待ち 時間で一苦労であった。(写真上) 「エアポートからエアシティ」のスローガンで も分かるように、セントレアは見る・食べる・買 うといった三拍子が揃い、訪れた人に開放・ 快適・感動を与えるエンターテイメント・エア シティであった。 1階のウェルカムガーデンとセンターピアガー デン(写真上)を除いて、2階から4階までは 旅行者と見学者の人波であふれていた。 いよいよエア・ニュージーランドの直行便で 日本を飛び立つ時間が迫ってきた(写真左) 午後5時15分、次の視察先であるNZ最大 の都市オークランドに向かってセントレアを 離陸した。 −5− ◆ 2月22日(火)晴れ 【1】オークランド空港到着 日本からオークランドまでは8,930km飛 行時間は約11時間、機内の座席は狭く 食事や同じ姿勢での睡眠、更に寒さと乾 燥に苦労しながら何とか機内で一夜を明 かすことができた。 時差は4時間、現地時間の午前8時15 分ごろ(日本時間午前4時過ぎ)無事に オークランド空港に到着した。 入国手続きも無事に通過して、到着ロビーで待ち合わせの通訳兼ガイドを依頼してあ る堤さん(JTB)とも会うことが出来て、いよいよNZでの視察活動のスタートである。 視察専用車ということだが、駐車場で待っていたのは大型バス(写真上)であった。 我々4人と運転手・ガイドを合わせて6人ですが、40人乗りの大型バスをオークランド 100万都市の中心部に向けて出発した。 【2】オークランド市内視察 NZは日本と同様、自動車は左側通行であり、 日本車の中古車が非常に多いのには驚き を隠せなかった。(写真左) 国内の車の台数は勿論日本車が一番多く 中でもトヨタ車が一番人気だということです。 次にフォード車で、韓国のヒュンダイ車や欧 州車も人気急上昇だということです。 交差点の信号機が日本とは違うが、午前9 時ごろまでは渋滞が激しいということで日本 と似ているようです。 オークランドに限らずNZでは住宅の売買(2千万円∼ 3千万円)が盛んなようで、高く売るためにも休日には 外壁等の家や庭の手入れに余念がないようです。 (写真左) 最初に向かったのは、マウントイーデン(標高196m)と いうオークランドのほぼ中央に位置した山で、ここは市 街が一望でき、国外からの観光客のほとんどが最初に 訪れる所らしいとのことです。(写真下) −6− 【3】オークランド博物館 オークランド博物館は、古代の火山噴火の跡地につくられたドメイン公園(24万㎡)の 中心に建てられ、オークランド市街とワイテマタ湾の雄大な眺望を見渡せる。 博物館の特徴は、原住民であるマオリ族および南太平洋諸島の秘蔵コレクションとし ては、世界で最も壮大なスケールを誇り、NZでは最も歴史の古い博物館である。 入口を入ったグランドフロアにはマオ リ族の秘宝や南太平洋諸島の人々の 生活や文化芸術を日用品や祭事・公 式行事で使われる品々で展示紹介さ れていた。(写真右) 1階は装飾ギャラ リーとNZの自然 史が展示されてい ました。 ここでは、NZ特有の動植物の生態系や地質学に関する歴史 を垣間見ることができました。(写真左) 絶滅した巨大な鳥モアの骸骨やレプリカが展示され、恐竜と見間違えるようでした。 2階はNZと戦争をテーマとしたコーナーとなっています。 博物館そのものが、オークランド地方における戦争追憶の記念シンボルの役割を果た しているようです。 NZ国民が戦争によって受けた苦し みや窮地の状態を悲しみの歴史的 ストーリーによって伝えていましたが、 当時の日本軍との戦いやゼロ戦の 展示もしてあり、日本人としては複 雑な思いで、平和への有り難さを感 じながら博物館を出た。 −7− 【4】オークランド リージョナル トランスポート リミテッド視察 (鉄道会社) 1885年に海を埋め立て、1905年に最初の駅を建設し、その後リニューアルを1912年と 2003年に施工して現在に至っている。 《当時の面影を残した駅東側(写真左上)と近 代的なガラス張りの建築デザインの駅西側(写真右上)》 NZの鉄道は国営から民間に変わりトランツ・レイルとよばれています。 今回視察したトランスポートリミテッドもその一つで、オークランド市の近隣市町を巻き 込んだ第三セクター方式で運営しているとのことです。 現在、会社が抱えている課題は、地下駅舎としたことのコスト削減と駅地上部の市街 地再開発による年間見込み乗降客数400万人の確保である。 そのために、10年計画でアーケードや高層ビルの建設に着手しながら駅上開発を推 進し、展望を楽しめる車両を導入したり、車内でのサービスを工夫したりとそれぞれの 路線を走る列車の魅力づくりに積極的に取り組んでいるようでした。 駅構内のデザインは一つひと つに意味があり、例えば左の 写真の天井部分の丸い形状 の物は9個ありオークランドに ある9ヶ所の火山を意味して いるそうで、外気取り込み口と して地上とつながっている。 セキュリティールームの中央管制システムや監視システムはあっ たが、コントロール・オペレーターに言わせると「経験と固有技 能で列車を管理した方が早い」とのこと驚いた。 どこのお国も人材育成に苦労しているようでした。(写真右) 偶然にも、駅舎のリ ニューアル設計を担 当した設計者お二人 とバッタリ出合った。 (写真左) 駅舎の地上部分は再開発中で、西尾の駅西再 開発を思い出し、10年後はオークランドの新し い顔となっていることを期待している。(写真右) −8− ◆ 2月23日(水)晴れ 【1】オークランド発→ウエリントン着(空路) 視察3日目、今日はオークランドからウエ リントンを経由して、視察の最大目的であ るポリルア市へ向かう予定になっている。 朝方の雨も止んで、空には南半球の青空 がのぞいていたが、ホテルからオークラン ド空港に向かう道路は予想通り混雑して いましたが、それにしても日本の中古車 の多さに改めて驚かされました。 (写真右) NZは日本同様島国であるためかオークラン ドもそうだったように、ウエリトン空港も海側か ら着陸態勢に入る。(写真左) 左の写真以後10分程度でウエリントン空港 に無事着陸した。 空港では、西尾市議会と交流が深いブライ アン・クロス氏と通訳の節子・ペットマンさん のご両人が笑顔で出迎えていただきました。 【2】ウエリントン市からポリルア市へ(専用車で移動) 専用車でウエリントン市街を通過して姉妹都 市であるポリルア市へと向かった。 途中で高速道路を使ったが、NZではすべ ての高速料金は無料だということです。 一般道には空き缶やゴミ放置もなく、雑草も ほとんど生えている様子がなく、道路清掃や 整備が行き届いているようで、昼休みを利 用したビジネスマンのランニング姿がとても さわやかに映りました。(写真左) ポリルア市に到着後、まずは市内で一 番新しいというホテル(ベルモント・モー ター・ロッジ)に落ち着いた。 建物外観は和風仕立てで、屋根は瓦葺 で室内も簡素に出来ていましたが、残念 ながらシャワーだけでお風呂がない。 簡単なキッチンもできて、ビジネスで使う というよりも、週末に家族や仲間で使うこ とが多いようです。 西尾市にもあると使っていただけるので はと少し頭をかすめた。 −9− 【3】ジェニー・ブラッシュ市長との昼食会 モーターロッジから徒歩で5分程度のところ にあるレストラン (Mungavin Brues)でジェ ニー・ブラッシュ市長と昼食をご一緒させて いただき、市長からの歓迎のお言葉をいた だきながら和やかにそして少しの緊張を交 えながら歓談させていただきました。 昨年、西尾市の市制50周年記念でお見受 けした時よりも髪型がショートカットで、失礼 ながら全体がスリムに見えましたが、食欲の 旺盛さには、これまた驚かされました。 (写真上 中央がブラッシュ市長) 歓談の中で、私たちは3人は議員3年目 であることなどを紹介し、今後も両国、両 市の友好をますます深めて行きたいこと をお伝えさせていただいた。 ブラッシュ市長からは「本田市長はお元 気ですか」と尋ねられ、姉妹都市として の市長を気遣っておられました。 また、姉妹都市を交わしたころの西尾市 とのエピソードや昨年秋のポリルア市議会選挙で4人が入れ替わり女性議員が増えた (13人中7人)ことなどを紹介していただきました。(写真上) 【4】ポリルア市役所表敬訪問 4時ごろ、市長との遅い昼食を終えてから市 役所を訪問させていただき、玄関を入るとそ こには「西尾市の皆さまようこそ!」と日本語 で書かれたプレートが置いてあり、いきなりの 歓迎に感激しました。(写真左) 市長室でブラッシュ市長・ムラエル副市長と プレゼントの交換をして、数人の議員と懇談 し、議会改革等について「議員自ら変らなけ ればならない」と女性議員の言葉がとても印 象的でした。 議員との懇談も終え、慌しく隣の議員食堂で 議会前の夕食会が始まりました。 食事はバイキング方式で、市長・議員・理事 者全員が同じ部屋で意見交換をしながらの 夕食会であり、党派は不明ですが、議員間 の交流が大変うまくいっていると思われまし た。ポリルア市の議員のほとんどが昼間は仕 事を持っているため、通常は夜に議会を開 催するということでありました。 −10− 【5】ポリルア市の議会メンバー Porirua City Council Members Mayor(市長) Deputy Mayor(副市長) 2004年10月の選挙による新メンバー 市長は議会の議長を兼務している形式であり、日本でいう市長役は、市長と議員が任 命した、行政長のロジャー・ブラッケリー氏が実務を執り行っています。 副市長の人選は市長が議員の中から推薦し、議会選挙にて決めるようで、今回の選 挙で新議員・新副市長となったのはユーオン・ムラエル氏です。 また、議員の選挙は選挙区制を採用しており、大きくは北地区(8人)と東地区(5人) に分けられているようです。 日本の議会制度(市長と議長、議員と理事者の関係)の違いについては、過去の議員 交流の中で概ね理解をしているようでした。 −11− 【6】ポリルア市議会傍聴 軽い夕食後、市長以下全員が議会場に移動して市議会が始まりました。 既にマスコミや傍聴者が10人程度着席して、行政への関心の深さを感じました。 ブラッシュ市長の挨拶の中で、西尾市議会議員 のメンバーが傍聴していることを紹介し、予定よ り少し遅れて定例会議が始まりました。 最初の議題は一般市民からの要望で、子ども連 れの母親が子ども達の通学路の改善を訴え、日 本の議会とは大きく違っていました。(写真右) 市民に開放された議会を垣間見た気がします。 多くの議題の中で、公共施設(体育館等)の建て 替え問題が10年程前から出ているが、実行されていないことから、一つに絞って事業 を早く進めるべきだと激しく詰め寄った場面もあり、一問一答方式で白熱した意見が 飛び交い筋書きのない議会内容でありました。 愛知万博にちなんだ西尾市への訪問も議題に上り、これについては反対意見はなく 全会一致で可決し、6月2日に市長以下議員7人が来西するようです。 西尾市総合計画同様、ポリルア市にも2004年から2014年までの総合都市計画が策 定されており、内容は学校教育関係と福祉関係については国が取り仕切っているた め、それ以外の分野で市民に分かりやすく構成されています。(写真上) 主な市税収入は固定資産税と法人税であり、所得税は国が管理している。 右上の写真は、1,000ドルの税金が市民生活のどのようなところに、どれだけ使われ ているかを表したもので、汚水・下水事業が一番多く、2番目は国への上納金、そして 水道事業、道路維持管理事業と続いていて非常に分かりやすくなっています。 −12− ◆ 2月24日(木)晴れ 【1】ポリルア市内視察打合せ 午前9時、レジャーとレクリェーション事業を担当 するゼネラル・マネージャのゲイリー・シンプソン氏 と議員のリテア・ホイ氏に本日の視察先と概要に ついて説明があり、市役所を出発しました。 【2】ポストケイト小学校視察(グラハム・クラーク校長) 木造・平屋建ての白い建物、校門もなければ学校の名称らしい物 もないので、日本の学校とはかなりイメージが違いました。 事務所の入口を入ると一人の女児が机を前に座っていました。 当日の受付の当番ということで、高学年になると毎日交代で実施 しているとのこと。これは是非、西尾市教委でも研究する価値はあ るのではないかと思いました。(写真左) 運動場は、直線50mが取れる程度のものでした。 また、プールも大きな体育館もなく、そのような施設を 使う場合はバスで子ども達を送迎して市の公共施設を 有効に使っているようです。 写真左は、運動場を横切ってプールへ行くためのバ スに向かう子ども達で、とても楽しそうでした。 職員室というオフィスはなく、ミーティングルームに集 まり、休憩時には、みんなで持ち寄った手作りクッキー を食べて、私たちも美味しくいただいてきました。 生徒もおやつと弁当は家から持参するそうです。 また、先生の構成は校長先生と用務員以外は全員女 性で、これは女児に対するセクハラ問題が発生しない ための予防策のひとつのようです。 各学年・学級毎に児童数や授業方法は違っており、低学年が20∼24人、高学年が 最高28人ということである。低学年には必ず補助教員(パートの先生)が付いており 少人数学級や少人数学習は既に実行され、非常に開放的な学習風景でした。 こうしたシステムや環境の中で育った子ども達290人の中には、一人も登校拒否の子 どもやいじめをする子どもはいないとのことです。 −13− 【3】市内公共施設(パタカ)視察 ポリルア市の複合公共施設「パタカ」は「皆の魂が集 まる所」という意味で、市民の憩いの場所です。 ここの体育館では、西尾市のママさんバレーチーム 代表が一昨年に試合をした場所であり、議会でも審 議されていましたが、建て替えを検討しているが大変 厳しいようでした。(写真左) また、プールもあって小学生が市のバスでプール授 業に来るということでした。(写真左) この他にもギャラリーが隣接され、ポリルア市出身者 の絵画や写真が展示され、購入することもできます。 ブライアン氏の兄さんの写真も展示されていました。 パタカには図書館もあり、蔵書数約6万冊が管理保管・貸し出しが行われています。 日本語学習書、マオリ語コーナー、南太平洋の文化コーナーなどが設けられ、すべて コンピューターで管理されているとのことです。(写真上) 最も利用者が多く、人気の高いコーナーは、学習教育の一環として利用されている児 童図書コーナーであるとのことでした。 拡大 西尾市が寄贈した日本庭園には「友好の碑」の燈篭が中央に設置されています。 隣接のレストランからも一望できる設計となっており、市民から最も親しまれ愛され とても人気の高いスポットになっているということでした。(写真上) −14− 【4】海岸整備状況・総合グランド視察 行政庁のゲイリー・シンプソン氏(ゼネラルマネージャー)と合 流し、午後の視察に出発した。 ポリルア市の海岸線は約70kmもありますが、清掃活 動は130名の市職員・スタッフを中心に、ボランティア の方が実施しているとのことで、見た限りではゴミという ものは散乱していませんでした。(写真右上) ラグビー、フットボール、野球ができる総合グランドが2 箇所あり、 4,000人の収容観覧席を設置したばかりで した。(写真右下) この事業には、ブライアン氏も携わっていたようです。 【5】保育園・民営高校視察 花ノ木保育園と姉妹提携を結ん でいる保育園を訪問しましたが その一帯は公園(写真右上)と 住宅、更には民間が経営する高 等学校(写真右下)を遊歩道で 結んでいる環境が整備され た場所にありました。 その一角に、西尾JCが40周年 の記念植樹(桜を植樹)の碑が 建立されていました。(写真左) ここでも西尾市がポリルア市民 に受け入れられていることが良く 理解できますが、逆に、西尾市 民はポリルア市をどの程度理解 しているのかが気になります。 【6】汚水処理場と交通環境について視察 下水処理は市街地か ら写真左の丘を越え 終末処理施設を通し てきれいな水として写 真右の太平洋へと放 流しています。 下水処理には予算の約60%を費やし、汚水浄化・環 境保全に対して非常に気を使っているとのことです。 また、家庭ゴミについては各家庭での分別がしっかり 行われ、市民のマナーが行き届いていました。 ゴミの収集はステーション方式でないため、ゴミBOXに 入れて家の前に出されたものを収集しているようです。 交通環境は自動車が主流で、公共交通機関(電車等) には力を入れていないようでした。 −15− ◆ 2月25日(金)晴れ 【1】日本大使館表敬訪問 日本全権大使の斎藤正 樹氏とニュージーランド の観光・治安・医療・産 業・教育等における、日 本との二国間関係につ いて会談しました。 (写真右) ニュージーランドは、他国からの移民が年間 約4万人、出国者が約1万人で、年間約3万 人ほど人口が増加しているが、土地や家屋 が高く、固定資産税も高いとのことです。 観光については、韓国観光客が急増してい るとのことで、治安については日本同様、警 察官の数が不足しているが島国のためか治 安状態は非常に良いとのことです。 日本の治安は近年大きく変わったという印象 が強く、産業については、農畜産物の輸出が 好調で、特に乳製品の出荷による収入は他に類を見ない高額収入とのことでした。 なお、斎藤大使は7月ごろ愛知万博に来られるとのことでした。 【2】ウエリントン市役所見学 市役所内1階フロアにはファミリーレストランや お土産品の販売コーナー等が設けられており、 多くの市民が利用していました。 レンガが敷き詰められ、英国風の香りが漂って くるような市役所前広場も大変広く、散策する 市民の姿も多く見受けられました。 こうしたセンスが開かれた行政・議会に繋がっ てくるのではないかと思われます。 −16− 【4】国会議事堂視察 首都がオークランドからウエリントンへ移転 したのは1865年だということですが、一つひ とつの建造物に歴史の重みと厳粛さを感じ させられ、国の最高機関としては申し分の ないものでした。 外観は重厚ない石造りの3階建てで、議事 堂入口までの通路は石畳となっており、通 路の両脇には広く芝生が敷きつめられ、な んとも気が引き締まる思いでした。 ここでも1階フロアは、見学記念のお土産を販売しており人 気を呼んでいましたが、内部は撮影禁止であったため写真 で紹介できないのがとても残念です。 【5】テパパ国立博物館見学 テパパ国立博物館は、ウォーターフロントに位 置するニュージーランド唯一の政府管理となっ ている施設です。(写真右) 国立博物館といっても入場料は無料でありオー クランド博物館同様、ニュージーランドのマラエ と呼ばれる先住民であるマオリ族の歴史や文化、 さらには伝統的な展示物やテクノロジーを駆使 したアートなどが新しい形で展示されており、何 時間もかけて観ていたい気分でした。 やはりここでもフロアの広い面積を使って手土 産品を陳列してあり、多くの観光客で賑わって いました。(写真右) 【6】ウエリントンからオークランドへ移動 手厚い歓迎と感慨深い多くの思い出を秘めて、ニュ ジーランド中心部にある、ポリルア市と首都ウエリン トンをあとにして、午後2時、NZ428便でウエリント ン空港を離陸しました。 約1時間後の午後3過ぎ、オークランド空港に無事 到着して、ニュージーランド最後の焼却場の跡地 利用と市街化活性化を視察をすることにしました。 −17− 【7】オークランド市内商業施設等視察 オークランドは、人口約100万人のニュージーランドで最も大きい都市で、1800年代の 後半にウ エリントンに首都が移転するまでは、ニュージーランドの首都でした。 現在は、商業と工業の中心であり、ニュージーランドで一番活気に満ちた街で、日本 人をはじめとする韓国や中国出身の人も多く、あちらこちらでハングル文字を見かける ことができます。 オークランドは、“City Of Sails (帆の町)”としても世界的に知られており、休日の湾 内にはたくさんのヨットが行きかっているようです。 ビクトリアパークマーケット街、ここはゴミ焼却場の跡地を利用 したショッピングセンター街ですが、露天的な印象が強く、当 時の面影を残す煙突がどっしりと構えており、ダイオキシン問 題が少し気がかりですが、その下は小公園となっていました。 平日のためか人通りも少なく閑散として、寂れた感じでした。 (写真上・右) この他にも、タウンホールや市立美術館(本館)も古い建物を転用して今に活かされて いるようですが、何をさておいても市内で一際高く目立つ「スカイタワー」は観光名所と 商業施設の中心となっているようです。 ■スカイタワー(328mm)見学 《スカイタワーからのパノラマ展望》 《スカイタワー》 南半球最高のタワーで、オークランドシティー360度のパノラマで街並みがすべて見 渡すことができ、眼下にはヨットハーバーが、はるか彼方には洋々たる南太平洋が望 むことができ、絶好の観光スポットです。 施設内は、コンサートホールやレストラン・お土産品は勿論、カジノまで用意されて観 光客には非常に人気が高いということでした。 −18− ◆ 2月26日(土)晴れ ニュージーランド最終日、出国の日です。 現地時間の午前5時に起床し、6時にホテルをチェックアウトするといった慌しい朝を 迎えながら、四人とも元気にオークランド空港へと向かいました。 8時30分発(日本時間4時30分)のNZ93便は、約1時間の遅れでオークランド空港 を飛び立ち、午後4時50分に無事セントレアに到着し、国際姉妹都市視察すべての 日程を終えることができました。 西尾市国際姉妹都市視察研修を終えて 今回の視察にあたって、準備段階から多くの先輩議員のみなさんから視察のポイン ト等のアドバイスをいただき、また西尾市の国際交流の要でもあります情報課の皆さん にも、大変なご心配と心遣いをしていただきましたことに心から御礼申し上げます。 さらに、ニュージーランドの現地では、いろんな質問に対応して下さり、随所で大変お 世話になりました、通訳兼ガイドさんの堤久美子さん、節子・ペットマンさん、ブライア ン・クロス氏には心より感謝申し上げる次第であります。 視察においては、ポリルア市議会の傍聴により、西尾市議会の議会改革と活性化を 図って行かなければならないと強く感じており、今回の視察を無駄にすることのないよ うにそれぞれの議会活動に活かしていく所存であります。 また、交通・道路問題、学校教育問題、公共施設運営方法、環境問題等々、様々な 分野で文化の違いを超えた考え方として多くのことが参考となり、今後の議員活動に 活かせるところは取り入れて行きたいと考えています。 平成16年度の大変有意義な国際姉妹都市視察であったことに感謝申し上げ、報告 書とさせていただきます。 ありがとうございました 平成16年度 国際姉妹都市視察団 ■ 団 長 工藤光雄 (市議会議員) ■ 副団長 田中 弘 (市議会議員) ■ 庶 務 小島由孝 (市議会議員) ■ 随 行 鈴木英昭 (議会事務局) −19−
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