TetraMAX Ⅱ ADV

Datasheet
TetraMAX Ⅱ
次世代の ATPG および診断ソリューション
概要
主な特長
TetraMAX Ⅱ は、設計のテスト品質と
▶ 高カバレッジのテストパターン生成にかかる時間を数日単位から数時間単位に短縮
コスト の目 標 を 比 類 な いスピード で
▶ 既存のソリューションより少ないパターン数でテストにかかる時間とコストを削減
達成できるシノプシスの次世代 ATPG
▶ ATPG および診断のためのハードウェア・リソースの高い使用効率
®
および診断ソリューションです。前代未聞
の実行速度を実現し、最初のテストチップ
を 入 手した 時 点 で テストパ タ ーン の
準備が完了します。さらに、生成される
パターン数が既存のソリューションと
比べて大幅に少なく、シリコン・テストに
かかる時間とコストの低 減、または、
同 じ テスト・コ ストでより 高 品 質 な
テスト を 実 行 すること が で きま す。
TetraMA X Ⅱ は、シノプシスの特許
取 得 済み の 高 度 なテスト合 成 ツール
DFTMAX™およびDFTMAX Ultraと
統合されています。
▶ 設計フローやテスト・フローへの導入が容易でリスクフリー
▶ 故障箇所を迅速に特定し、歩留り改善にかかる期間を短縮
主な機能
▶ 高度に最適化されたメモリー使用効率の高いパターン生成、故障シミュレーション、
診断エンジンにより、ATPGの実行速度がTetraMAXやその他の市販ATPGツールに
比して桁違いに高速
メモリーのボトルネックを
▶ 細粒度マルチ・スレッディングで複数のコアを効率よく使用し、
解消
▶ 異なるサーバー構成やマシン間でも同一のテスト・カバレッジとパターン削減を行い、
一貫性のある解析を実現
▶ 実績豊富なルール・チェック、デザイン・モデリング、故障モデリングを継承している
ため、導入が容易でリスクフリー
▶ フィジカル診断による高精度の故障箇所特定
▶ Yield Explorer との統合による高速な歩留まり解析
TetraMAX Ⅱ ADV
▶ 先進的な故障モデルにより、きわめて高いテスト品質を確保
− スラックベース、セル対応、スタティック/ダイナミック・ブリッジ、パス遅延、ホールド
時間、遷移
− PrimeTime ®、StarRC™、HSPICE® とのインターフェイスにより、モデルで
使用するフィジカルデータ、およびタイミングデータへのアクセスが容易
▶ VCS ® を使用した IDDQ パターンの生成と検証による静止状態のテスト
▶ パワーを考慮したパターン生成により、シフト時とキャプチャ時の電力消費を抑制
従来にない高速な ATPG 実行時間
SoC 設計の複雑化と短納期化に伴い、ATPG 開発期間の短縮が必要になっています。処理サーバーが複数のコアを備えてパターン
生成に対応していても、既存の ATPG テクノロジでは1つのコアあたりに割り当てられるメモリー量が膨大なため、実質的にコアの
使用効率が低い傾向があります。
TetraMAX Ⅱ には、最新のテストパターン生成、診断エンジン(図 1)が搭載されており、きわめて高速でメモリー使用効率が高く、
複数のコア間の ATPG および故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化されているため、このようなメモリーの
ボトルネックを解消します。TetraMAX Ⅱ ではコア・エンジンの設計を見直し、メモリー使用量の多さゆえに限界があった従来の
テクノロジを凌駕して、コアの使用効率の向上(図 2)と実行速度の 10 倍高速化(図 3)を実現しました。また、複数の高速シミュレー
ションを内部で実行し、診断スループットの向上を透過的に実現します。
PrimeTime
DFTMAX
Traditional
TetraMAX Ⅱ ATPG
Max server memory available
Memory
シリコン
診断
$
VCS
パターン
生成
HSPICE
StarRC
10X Faster — 25% Fewer Patterns
細粒度
マルチ・
スレッディング
TetraMAX Ⅱ
Yield Explorer
Number Cores and Speed-up
図2. TetraMAX Ⅱはメモリーのボトルネックを解消し、
コアの増加にあわせてATPGが高速化する
図1. TetraMAX Ⅱは新しいエンジンにより実行時間とパターン数を
大幅に向上させる一方で、ルール・チェック、
デザイン/故障モデリングのインフラストラクチャ、
ツールのインターフェイスは従来を継承している
Speedup(X)
25
20
15
10
5
13.1
8.1
21.2
46.4
9.6
12.4
Instances(Millions)
図3. 様々なデザインでTetraMAXと比較した場合のTetraMAX Ⅱの実行速度
テストパターンを 25% 削減
パターン数を削減することにより、テストにかかる時間とコストを削減、もしくは設計の要件に応じて、同じテストコストでより
高品質なテストを容易に実現できます。TetraMAX Ⅱ ではアルゴリズムの進化により、従来の手法よりパターンあたりの故障検出率
が高く、平均 25% のパターン削減を実現しています(図 4)。新しいマルチ・フォルト・パターン最適化では、デフォルトの ATPG
設定でパターンセットを実質的に最小化します。さらに TetraMAX Ⅱ は、使用するコア数に関わらず同一のコンパクトなパターン
セットを生成するため、異なるサーバー構成やマシンでも、QoR 解析とパターンのデバッグには一貫性があり、容易です。
2
TetraMAX Ⅱ 次世代のATPGおよび診断ソリューション
Pattern Reduction
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
13.1
8.1
21.2
46.4
Instances(Millions)
9.6
12.4
図4. 様々なデザインでTetraMAXと比較した場合のTetraMAX Ⅱのパターン削減
リスクフリーで容易な導入
TetraMAX Ⅱ は既存製品である TetraMAX と完全に互換性があり、同一の実績豊富な機能をサポートしているため、最も難易度の
高いデザインに対してもリスクなく迅速に導入できます。新しいエンジンが実行時間とパターン数を大幅に向上させる一方で、ルール・
チェック、デザイン / 故障モデリングのインフラストラクチャ、ツールのインターフェイスは従来と変わりません。
たとえば、TetraMAX Ⅱ の設計ルール・チェッカ( DRC )は、マックス・スキャン、クロックド・スキャン、レベルセンシティブ・スキャン
設計(LSSD)、また内製のスキャン法を用いたフルスキャン、およびパーシャルスキャンのテスト手法を全てサポートしています。
柔軟性を最大限にするため、TetraMAX Ⅱ は、スキャンチェーン・シフトを適切に実行するために必要な、ユーザー定義の制約や
初期化パターンをサポートします。また、IEEE 1149.1/6 内部スキャン・シフトのプロトコルに準じた設計や、ATPG に必要な外部
I/O ピン数を最小限に抑える関連テクニックを使った設計を完全にサポートしています。
フィジカル診断
自動化された高精度の故障検出は、製造立ち上げ時および量産時の重大な歩留りの問題を診断するうえで重要なステップです。
TetraMAX Ⅱ には、製造時の故障チップの検出に加えて、設計のフィジカル情報を利用してテストパターンでエラーを引き起こした
デバイス内の故障箇所を迅速に特定する機能があります。この機能では、テストパターンとテスターからのフェイル・データ(テスト
パターンに対する測定結果と期待値の相違を示したデータ)を読み込み、テスターで観測されたデバイスの誤動作の原因となって
いる可能性が最も高い故障箇所候補をレポートします。TetraMAX Ⅱ は、先進の発見的手法と高性能な故障シミュレータを用いて
量産環境で信頼性の高い結果を迅速にもたらします。
量産用診断と歩留まり解析を実行するため、Yield Explorer は診断結果をTetraMAX Ⅱ から直接読み出して、これまでの診断
結果、その他のテストデータ、複数の分野に渡る設計データや可能であればファブのプロセスデータを網羅したデータベースにロード
します。その後、診断結果を特定の欠陥メカニズムに関連付けて、歩留り損失の原因となる主要な設計上またはシステム上の問題を
特定します。
TetraMAX Ⅱ ADV
さらに、TetraMAX Ⅱ ADV には、高度な故障モデリング、IDDQ テスト、パワーを考慮したパターン生成などの機能があります。
高度な故障モデリング
多くの製造故障は、微小なナノメーターの故障をターゲットとした高度な
故障カバレッジ・テストを実施してさらにチップの故障率( DPPM )を
故障モデル
Galaxyデザイン・プラットフォーム
削減しないかぎり、検出は困難です。TetraMAX Ⅱ ADVはスラックベース、
Bridging
セ ル 対 応 、スタティック・ブリッジ、ダイナミック・ブリッジ、パス遅 延 、
Path delay
PrimeTime
故 障カバレッジ・テスト・パターンを生 成します 。これらの モデルは、
Hold-time
PrimeTime
Galaxy™デザイン・プラットフォームの他のツールで生成されたデータを
使 用 す る 場 合 も あ りま す( 表 1 )。た と え ば 、セ ル 対 応 モ デ ル は
StarRCの寄生抽出からのフィジカル・データを利用しており、HSPICE
シミュレータからの詳細なタイミング情報はTetraMAX Ⅱ ADVに活か
Slack-based
PrimeTime
ホ ー ルド時 間 、遷 移といった 先 進 の 故 障 モ デ ル を 利 用して 高 度 な
され、タイミング・クリティカルな故障に対応します。
TetraMAX Ⅱ 次世代のATPGおよび診断ソリューション
Cell-aware
StarRC
StarRC, HSPICE
表1. ATPG故障モデルの種類と、そのためのフィジカル・データ
またはタイミング・データを生成するツール
3
IDDQ テスト
TetraMAX Ⅱ ADV は、IDDQ テスト用に故障検出率の高い最小限のパターンを生成すると同時に、静止状態で電流が過剰になら
ないようにテストパターンを抑制します。その後、これらの静的状態用のパターンをシノプシスの VCS などの Verilog シミュレータを
使用して正確に検証し、IDDQ パターンが確実に ATE で機能することを保証します。
パワーを考慮した ATPG
スキャン・テストでは通常、トランジスタのスイッチング動作が一般に機能するレベルのピークより何倍にも増加し、過剰に電力が
消費されます。テスト時の電力消費量が過剰になると、テスター上で良品デバイスが故障し、不要な歩留り損失が生じる可能性が
あります。TetraMAX Ⅱ ADV では、設計者が指定したパワー・バジェットに基づいてスイッチング動作を自動的に通常の動作レベルに
まで削減することにより、スキャンおよびキャプチャ時の電力消費を制限します。このパワー削減処理は、テスト・カバレッジを損なう
ことなく行われます。
TetraMAX Ⅱ ADV は、DFTMAX や DFTMAX Ultra に採用されているスキャン・チェーン・グループの個別制御を利用したハード
ウェア支援によるシフトパワーの削減にも対応し、ATPG のみの手法に比べ、平均のシフトパワーとパターン数をさらに削減します。
シノプシス製ツールとの緊密な統合
TetraMAX Ⅱ は、Galaxy デザイン・プラットフォーム構成ツールおよびその他のシノプシス製ツールと緊密に統合されているため、
最も生産性の高いフローで、最高品質のテストを短時間で実行します。
▶ RTL 合成 Design Compiler ® に組み込まれた DFTMAX および DFTMAX Ultra との統合により、テストを考慮しつつタイミング、
パワー、面積、配線混雑と機能ロジックを最適化
▶ Yield Explorer との統合によるシームレスな量産用診断と歩留まり解析で、歩留り損失の原因となるデザインやプロセス上の
問題を発見
▶ TetraMAX Ⅱ ADV は、PrimeTime からのスラック・データをガイドにしてタイミング・クリティカルな故障を正確に特定
▶ TetraMAX Ⅱ ADV は、寄生抽出ツール StarRC のからのフィジカル・データを活用、また HSPICE シミュレーションからの
詳細なタイミング情報を活用して、セル内部のタイミング・クリティカルな故障をターゲットにしたセル対応 ATPG を実現
ネットリストとテストパターンのフォーマット
TetraMAX Ⅱ はデータ・フォーマット、シミュレーション・テストベンチ、テスター・インターフェイスの業界標準に対応しています。
▶ 回路ネットリスト : Verilog、VHDL(1987 および 1993)
▶ ライブラリ : Verilog ファンクショナル(ストラクチャおよび UDP)
▶ タイミング例外 : Synopsys Design Constraints(SDC)
▶ デザイン・レイアウト : LEF/DEF インターフェイス
▶ シミュレーション・テストベンチ : Verilog(シリアルおよびパラレル)
▶ テスト・パターン : STIL、WGL、Verilog
▶ テスター・フェィル : STDF(V4 および V4-2007)
シノプシスの製品、サポートサービス、トレーニングの詳細については、ウェブサイト
いただくか、営業担当にご連絡ください。
www.synopsys.com/japan をご覧
日本シノプシス合同会社
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シノプシスの商標一覧は、http://www.synopsys.com/Company/Pages/Trademarks.aspx をご参照ください。その他の名称は、各社の商標または登録商標です。
07/05/16.CS7385_TetraMAX II_DS.