高校理科 化 学 Ⅱ 学習指導案

高校理科
化
学
Ⅱ
日 時
場 所
授業者
1. 題
材
学習指導案
平成
年
月
第 学年 組教室
○ ○ ○ ○
日(
)
校時
「溶液の性質」
溶液の性質」
2. 目
標
(1) 溶解現象など,溶液に関する事象に関心をもち,実験結果や法則性を予測できる。(関心・意欲・態度)
(2) 溶解度や凝固点降下、浸透圧など,溶液には共通した法則があることを考察できる。(思考・判断)
(3) 溶液に関する観察・実験を通して、法則性や現象の原理に気づき、表現できる。(技能・表現)
(4) 溶液の性質の法則性,コロイド溶液に関する事象が理解でき,それらの知識が日常生活で見られる諸
現象の理解に応用できる。(知識・理解)
3. 指 導 に あ た っ て
(1)
教 材 観
「溶解」は、とても身近な現象であるが、その本質の理解には、イオン結晶や分子結晶、極性及び化
学結合など、既習事項の知識が基礎として必要である。また、実験観察などのマクロな視点とイオン・
分子の立場で考えるミクロな視点の両方の視点で現象を見つめ、理解を深める力を養成するための格好
の題材である。
本単元と関連のある現象は、日常生活の多くの場面で目にすることができる。授業で学んだことの応
用として、それらの現象を積極的に取り上げていく。
(2)
生 徒 観
指導する学級はABC各クラスからの化学選択者34名(男子 28 名,女子 6 名)である。選択クラス
であるため単独クラスのようなまとまりは見られないが、学習しようとする雰囲気はかなり良好である。
化学の学力に優れた生徒および学力は高くないが化学が好きな生徒が集まっているが、基礎学力が不
足している生徒も見受けられ、また女子生徒の中には化学に対する興味関心が薄い者も見受けられる。
全ての生徒が授業に興味を持てるような授業の工夫が必要である。
(3)
指 導 法
理論的な展開を要求される単元であるので、頭の中だけで内容を組み立てていくだけでなく、理解を
助けるために、実験やモデル図を多用し、視覚的な面からも迫るように留意する。また、段階に応じた
発問の工夫など、全ての生徒が興味を持続できるように留意する。
今年度の指導においては、動機づけの工夫「実験結果の論理的展開」を研究テーマに設定している。
年間を通して、簡単な演示実験を授業展開の動機づけとして扱うように留意して指導する。
(4)
評
価
① 授業を通して身近な現象に関心を持ち、化学的に見ようとする態度が育ったか。(関心・意欲・態度)
② 溶液に関する計算が法則を基にしていることを理解し、基本的な計算ができるか。(思考・判断)
③ 確実な実験操作が身についているか。実験報告書で自分の考えが述べられているか。(技能・表現)
④ 日常見られる諸現象について、授業で学んだ知識を用いて簡潔に説明できるか。(知識・理解)
4. 指 導 計 画
題材(単元)
溶液の性質
項
目
1.溶 解 と 溶 液
1)溶 解 と 水 和
←(本時)
2)固 体 の 溶 解 度
3)再 結 晶
4)気 体 の 溶 解 度
2.希 薄 溶 液 の 性 質
3.コ ロ イ ド と コ ロ イ ド 溶 液
配当時間
3
3
3 ( 実 験 1)
5. 本 時 の 指 導 - 題 材 :「 溶 解 と 水 和 」
(1)
目
標
①食塩が水に溶ける現象を、水分子の極性と関連させて説明できる。
②溶解という現象を、一般化した形で理論的に説明できる。
(2)
指
導
過
程
時間
区分
(
学 習 活 動 ◎ ,演 示 実 験 ◆
主 な 発 問●○
指 導 上 の 留 意 点
)
導
入
10
既習事項(分子の極性、水素結
合、ファンデルワールス力等)
について説明できる。
既習事項について、確認する。 ※本時の授業内容にとって必要
特に水分子の特徴については十 な事項なので丁寧に時間をかけ
て扱い。細かく発問する。
分に補足説明を加える。
分
展
開
1
20
分
展
開
2
15
分
整理
評価
5分
◎溶解現象をミクロ的視点から ●食塩はなぜ見えなくなったの ※実験に用いる物質は日常的に
か?(溶けるとはどういうこ なじみの深いものを選んである
説明できる
となのか?)
◆ビーカーの水に食塩を投入し
水
:極性分子
⇒イオンに分かれて水中に分散
かき混ぜる
ベンジン:シミ抜き(無極性)
⇒食塩が見えなくなる(溶ける) <NaCl は Na+と Cl-で構成>
食
塩:調味料(イオン結晶)
○水の中では何故たやすくイオ
ナフタレン:防虫剤(無極性)
ンに分かれてしまうのか?
※化学結合の強さを確認
共有>イオン>金属>>分子間力
◆ベンゼンに食塩を投入する
●水以外の液体ではどうか?
⇒溶けない
○水とベンジンの違いは?
※溶ける→小さな粒(分子,イオン)
⇒分子式,構造式を提示する
に分かれる
◎分子式から分子の極性を推定 水:H2O…極性分子
→そのための力は?
できる
ベンジン: C6H12…無極性分子
※水和
◎ 極 性 溶 媒 ( 水 ) と 無 極 性 溶 媒 ●水分子はイオンに対してどの
(ベンジン)のイオンに対する作 ように作用するか(水分子の動
用の違いを説明できる
きは?)
※水と油は混じり合わない
◎どんな物質が水に溶けないか ○水に溶けない物質を挙げよ
→「油の仲間」は水に溶けない
⇒ナフタレン:C10H8・・・無極性分子
◆水にナフタレンを投入する
⇒溶けない
●ナフタレン分子同士には弱い
ファンデルワールス力しかはた
◎溶解とは溶媒分子と溶質との らいていないのに、何故水の中
相互作用であることに気づく ではバラバラにならないのか? ※溶解の仕組みを既習事項から
説明できる
○溶解とはどんな現象だったか
○水分子同士は?
○ナフタレンと食塩の違いは? ※今までの授業内容からベンジ
ンとナフタレンの溶解を予想
できるか
●ナフタレンはベンジンに溶け
◆ベンジンにナフタレンを投入
るか?(無極性同士)
する
○そう考えた理由は?
⇒溶ける
◎溶解が起こるための溶媒と溶 ●どんな物質同士がよく混ざり ※溶解現象の法則化
質の組み合せの条件がわかる
合うのか?
○砂糖は分子結晶なのに水によ ※法則が応用できるか
く溶けるのはなぜか?
(3)
評
価
① 演示実験に関心を示し、実験結果を予測しようとしているか。
② 既習事項を基に、実験結果を説明し、溶解の原理や法則性について考察できるか。