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4 月
2 0 1 6
運用レポート
米国ハイ・イールド社債
米 国 ハイ・イールド
社債市場レビュー
図表1
バークレイズ米国ハイ・イールド債インデックス(個別発行体2%上限付)のリターン
ベーシス・ポイント
バークレイズ米国ハイ・イー
当月トータル・ 年初来トータル・
当月
年初来
イールド・トゥ・ オプション調整後
リターン
リターン
超過収益
超過収益
ワースト(YTW)
スプレッド(OAS)
ルド・インデックスの 2016
2016年4月
3.92%
7.40%
394 bps
485 bps
7.37%
577 bps
年 4 月のリターンは 3.92%
とな った。2 月 中 旬 に 始
出所:バークレイズ 2016年4月30日現在
まった米国ハイ・イールド
図表2 バークレイズ米国ハイ・イールド債インデックス(個別発行体2%上限付)
市場のラリーは 4 月に入っ
オプション調整後スプレッド
ても衰えず、2 月 12 日以降
900
の同インデックスの上昇率
図表2 850
は 13.24% に達している。3
バークレイズ・キャピタル米国クレジット・ボンド・インデックスのオプション調整後スプレッド
月、4 月の 2 カ月のリターン
800
は 8.53% となり、連続する
750
2 カ月のリターンとしては、
700
2009 年 5 月、6 月(9.78%)
以降で最も高い水準となっ
650
た。オプション調整後スプ
600
レッド(OAS)は 79bp 縮小
550
して 577bp となった。また、
500
発行体等による期限前償還
12/31/2015
1/31/2016
2/29/2016
3/31/2016
4/30/2016
を考慮した最低利回りであ
るイールド・トゥ・ワースト
出所:バークレイズ 2016年4月30日現在
(Y TW)は、前月から 81bp
低下して 7.37%となった。ハ
ンデックスを構成するセクターのリターンは、絶対ベース
イ・イールド債は、投資適格社債(リターンは 1.37%)と
でも相対ベース
(対米国債)でも例外なくプラスとなった。
米ドル建てエマージング債(同 1.76%)
、S&P500 種株価
意外なことではないが、リスクオンの市場環境において、
指数(同 0.39%)をアウトパフォームした。
ハイ・イールド市場では格付けが相対的に低い銘柄が高
世界経済の減速懸念の後退、コモディティ価格の上昇、
金融政策の追加緩和を背景に、ハイ・イールド市場のラ
リーは 4 月を通して継続した。エネルギーセクターの 4
月のリターンは 12.67% に達し、ハイ・イールド市場全体
のラリーを牽引したが、原油価格が 1 カ月で 20% 上昇し
たことを考えると意外なことではない。4 月に原油価格
が上昇した主な要因としては、米国市場での原油の在庫
および生産の減少やドル安が挙げられる。米国で稼働
中の掘削リグ数は、2014 年 9 月のピーク時(1,601)から
79% 減少して 332 となった。また、米エネルギー省情報
局と国際エネルギー機関が予想を修正し、世界的な原油
の過剰供給状態は 2016 年末までに解消されると結論付
けたことが、原油価格の上昇を一段と後押しした。同イ
い銘柄をアウトパフォームした。具体的にみると、BB 格
のリターンが 2.56% だったのに対して、CCC 格のリターン
は 7.78% に達した。ハイ・イールド市場が幅広くラリーす
る一方で、これまでのところ 2016 年第 1 四半期(1 月∼
3 月期)の企業決算は概ね予想を下回っている。現時点
では、
S&P500 構成企業の収益、
利益、
1株当たり利益
(EPS)
は減少すると予想されている。
米国金融取引業規制機構(FINRA)の一部門で、日次
で出来高を集計している TRACE(Trade Reporting and
Compliance Engine)によると、市場価格に基づく4 月の
ハイ・イールド債の取引額は 1,727 億ドルとなった。ちな
みに、前月は 2,209 億ドル、前年同月の 2015 年 4 月は
© Western Asset Management Company 2016. 当資料の著作権は、
ウエスタン・アセット・マネジメント株式会社およびその関連会社(以下「ウエ
スタン・アセット」
という)に帰属するものであり、
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象として作成されたものです。第三者への提供はお断りいたします。当資料の内容は、秘密情報及び専有情報としてお取り扱い下さい。無断で当資料
のコピーを作成することや転載することを禁じます。
米国ハイ・イールド社債
1,668 億ドルだった。また、過去 12 カ月間の月間平均出
来高は 1,923 億ドルとなった。一方、多くの企業が市場セ
ンチメントの改善を生かして起債に踏み切った結果、4 月
の新規発行額は1月∼3月のそれを合わせた水準に近い
312 億ドルとなった。
気の回復を順調に進めるために積極的な姿勢をとってい
る。ECB と日銀は、マイナス金利、資産購入の拡大、そ
の他の信用緩和措置など、大幅な追加緩和を発表した。
一方、FRB はよりハト派的な姿勢に明確に転じた。この
ため、第 1 四半期初めに金融市場を悩ませていた不安は
やや後退した。
4 月の米国ハイ・イールド・セクターの額面加重デフォル
ト率
(過去 12 カ月間)は、
3 月の 3.18%
(改定値)から 3.68%
へと上昇し、6 カ月連続の上昇となった。年初来のデフォ
ルトの 85% がコモディティ関連セクターで発生しており、
問題を抱える当該セクターを除くベースでは、デフォルト
率はわずか 0.43% に過ぎない。また、
JP モルガンによると、
発行体加重デフォルト率は4.33%となっている。一方、
リッ
パーによると、4 月はハイ・イールド債のミューチュアルファ
ンドと上場投資信託(ETF)が 36 億ドルの資金純流入超
となり、
年初来の流入額は 84 億ドルに達した。ニューヨー
ク連銀によると、ディーラーの残存 13 カ月超のハイ・イー
ルド債の在庫は、4 月 20 日時点で 6 億ドルとなり、3 月
末の 4.59 億ドルから小幅に増加する一方で、2015 年 4
月末の 37 億ドルからは減少した。
金融緩和策に関してはその有効性が弱まっているとの懐
疑論があるものの、当社は、各国の中央銀行による金融
緩和は最終的に経済成長の下支えに成功すると引き続き
考えている。当面、こうしたスタンスに向けた政策当局
の取り組みに支えられて、金融市場はより速いペースで
の経済成長を後押しする水準に回復するとみられる。コ
モディティ価格の下落は、中期的には消費者の実質所得
と企業収益を押し上げ、世界経済の成長を後押ししよう。
米国に関しては、2016 年の経済成長率見通しを 1.5%∼
2.0%と予想している。当社は、米国の製造業セクターの
軟化と建設支出の伸び悩みが GDP 成長率の主な足かせ
となると強調してきた。最近発表された経済指標の内容
は概ねこうした見通しを裏付けているが、米国が景気後
退に陥るとは予想していない。FRB は 2015 年 12 月に金
利正常化のプロセスを開始したものの、今後の正常化の
ペースは極めて緩慢となり、当面は緩和的な金融政策を
概ね維持すると予想する。
パフォーマンスレビュー
当社のハイ・イールド債コンポジットのリターンは 4 月に
4.51%となり、主要ベンチマークであるバークレイズ米
国ハイ・イールド・インデックス(個別発行体 2%上限付)
を 59bp アウトパフォームした。4 月の相対パフォーマン
スは、下記のポジションから影響を受けた。
•
銘柄選択は相対パフォーマンスにプラス寄与した。
パフォーマンス上位 20 銘柄のうち 8 銘柄をオーバー
ウエイトとしていたことが要因。
•
セクター配分は相対パフォーマンスにプラス寄与し
た。アウトパフォームしたエネルギーセクターをオー
バーウエイトとする一方でアンダーパフォームしたテ
クノロジー・セクター(リターンは 1.38%)をアンダー
ウエイトとしていたことが主な要因。
•
格付け配分も相対パフォーマンスにプラス寄与した。
アウトパフォームした CCC 格をオーバーウエイトとし、
アンダーパフォームした BB 格をアンダーウエイトとし
ていたことによる。
当社では、ここしばらくの間このようなマクロ見通しを基
本スタンスとし、ハイ・イールド・ポートフォリオのポジ
ション構成を検討する際の柱としてきた。緩やかな経済
成長と緩和的な金融政策の継続という市場見通しと経
済全体および個別発行体に関してかなりのディストレス
状態を織り込んでいる市場バリュエーションは、業種や
格付けのアロケーションにおいて積極的なリスク・ポジ
ションをとる根拠となっている。2 月 11 日から 4 月末ま
での 11 週間に、ハイ・イールド市場のトータルリターン
が 13% を超えたほか、インデックスの OAS が 839bp か
ら 577bp に縮小するなど、バリュエーションは大幅に改
善した。このため、当社のマクロ見通しは変わっていな
いものの、ハイ・イールド市場のバリュエーションに関す
る見方は幾分中立的となったことから、市場改善を機に
一部の高ベータのポジションを削減することとした。ファ
ンダメンタルズが全般に良好ななかで、足元のバリュエー
ションはそれでも依然として割安であり、ハイ・イールド
市場にはさらなる改善の余地があるとみているが、ベン
チマークとの利回り格差を縮小させる方針である。
市場見通しおよび戦略
当社は下振れリスクが依然存在すると認識している一方、
世界的な景気回復は足取りが重いながらも続くとの見方
を維持している。景気の低迷、インフレ期待の低下、金
融市場における最近のボラティリティの上昇を背景に、
各国の中央銀行はより緩和的な金融政策をとり、世界景
ウエスタン・アセット
ウエスタン・アセットについての詳細は当社ウエブサイト
www.westernasset.co.jpをご覧ください。
2
2016年4月
パフォーマンス・ディスクロージャー
2015年12月31日現在
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概要:ウエスタン・アセットの米国ハイ・イールドは、アクティブ運用の投資アプローチを採用し、リスクが管理された戦略です。トップダウンのマクロ
経済の見通しに加え、ボトムアップのクレジット・アナリストによる業界・銘柄のファンダメンタル分析およびレラティブ・バリュー分析を融合させてポ
ートフォリオを構築・維持し、リスク調整後リターンの向上を目指します。高配当証券を投資対象に分散されたポートフォリオを構築、維持します。
運用目標:リスクをベンチマーク水準に維持しつつ、市場サイクルを通じて年率で150ベーシス・ポイント以上の対ベンチマーク超過収益の獲得を目
指します。
ベンチマーク:バークレイズ米国ハイ・イールド債2%の発行上限付きインデックス。2005年6月1日以前はリーマン・ブラザーズ米国ハイ・イールドイ
ンデックスを使用。
基本通貨:米ドル ¦ コンポジット最低運用資産規模:200万ドル
料率:1億ドル以下の部分:年率 0.40%(税抜き)、1億ドル超の部分:年率 0.30%(税抜き)
上記は、一社で最低運用金額以上の個別契約を締結される投資家向けの標準的な報酬体系です。
検証期間:当コンポジットは1994年2月1日から2014年12月31日の期間で検証済みです。
ウエスタン・アセットはグローバル投資パフォーマンス基準 (GIPS®) に準拠しています。GIPS基準に従い、以下のディスクロージャーを添付しま
す。当社は1993年1月1日から2014年12月31日の期間で検証を受けております。
Verification assesses whether (1) the Firm has complied with all the composite construction requirements of the GIPS standards on a firm-wide basis and (2) the
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The Firm is comprised of several entities as a result of various historical acquisitions made by Western Asset, and their respective performance has been
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where 36 monthly returns are not available for the composite or the benchmark. Any gross total three-year annualized ex-post standard deviation measures prior
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米国ハイ・イールド債
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