Sodate 230号 H240810 〒947-0031 小千谷市土川1丁目5番53号 小千谷市 青少年育成センター Tel 0258-82-6750 相談専用電話 Fax 0258-82-6750 82-6771 e-mail: [email protected] URL http://www.city.ojiya.niigata.jp/s-center/ 第 230 号 「ごめんなさい、知らなかったの」 谷井 伶子 もう半世紀も昔のことですが、私が教職に就きましてか らまだ新米だった頃の経験で、その事がそれ以後今日まで、 ずっと私の生きていく指針となった大事件がありました。 転勤で新任校に赴任し、(さあ、やるぞ。どんな子供達か ながら な)と胸をわくわくさせ 乍 ら6年1組の教室に入って行きました。当番は、当然の事 ながら、「起立、礼、着席」の号令を掛けました。子供達は、どんな先生かなと興味津 津と私の顔を見ます。 うつむ ふと、その時、最後列の女児がベレー帽をかぶったまま 俯 いていました。私は、 「教室に入ったら帽子を脱ぎましょうね」と注意しました。でも、脱ぎません。私は、 再度声掛けをしましたが、脱ぎません。そこで、スッーと教壇を降り、その女児の席 に行き、さっとベレー帽を取り上げました。「あっ!」女児の頭には毛髪が一本も無く ツルリとしていたのです。私は、思わず、女児の頭を抱きかかえ「ごめんなさい。先生、 知らなかったの、知らなかったの」と何度も何度も「知らなかったの」を繰り返し、ワ ァーワァ大声を出して泣き続けました。 すると、当番の男児が「先生、先生は今日初めて来たのだから、知らないでしょうが、 A子ちゃんは白血病でそうなったのです。僕達は幼稚園の時から知っています」と言い 放ったのです。担任として新しい子供達の学籍簿に事前に眼を通すのは教師の鉄則で す。 一通り眼を通したつもりでも、 A 子ちゃんの病歴欄を見落としたのでしょう。 私に注意され、どんなにか恥ずかしく、心苦しい思いをしたことか。そんな A子 ち ゃんの心の痛みを察っせず、いとも簡単に「知らなかった」を連発した私は、何んと罪 深い女かと、また、教師の資格は無いも同然と自分を責めました。この「知らなかっ た」という言葉、どれだけ簡単に社交辞令的に挨拶言葉として、今日使われていること ため か。結果として、相手の心情や立場を理解していなかった為 に、子供達の間では、い じめや喧嘩が発生したり、国家間では戦争の元となったり、家庭内では夫婦や家族間 のトラブルの原因にもなったり、ご近所トラブルも「あら、知らなかったわ」の一言が 起因であったりもします。 私も、この大事件以降、子供達には相手の身になって、そして自分の 眼で見て自分の耳で聴いた上で、物事を起こそうね、と退職しますまで、 ずっと言ってきました。現在でも「知らなかったの」は私自身に科せら れた戒めの言葉です。 略歴 〇元小学校教師(28年間) 〇元家庭裁判所家事調停委員(15年間) 〇現在 専業主婦 Sodate 230号 H240810 薬物依存症について考える 小千谷市青少年育成センター相談員 佐川通 平成24年6月10日、アオーレ長岡で「薬物依存症者を抱える家族の会」が主催 する第5回新潟県薬物依存症フォーラムが開かれ、講演や家族の体験発表等が行 われました。 日常生活に物が豊かになり、生活が便利になりました。その一方で、いつの間にか依存症に陥っ てしまう現象が出てきて、社会問題になっています。とりわけ、薬物依存症の場合は深刻です。こ の問題に、医師はどう取り組み、家族はどう向い合っているかについて、フォーラムからたくさん のことを学びました。 「人は、なぜ薬物依存症になるのでしょうか」。「それにどう向い合えばいいのでしょうか」。 国立精神神経医療研究センター医師の小林桜児先生の講演と依存症者の家族のお話から、私が受け た印象を述べたいと思います。 1.薬物依存症とはどんな病気か 薬物を繰り返し使っていると、脳が変化します。「自分が生きていくためには、他の何よりも薬 物が必要だ」と、脳が勝手に身体に命令するようになります。これを、「脳が薬にハイジャックさ れた」と言う人もいます。食事、睡眠、家族、友人との時間を犠牲にしてでも、薬物を最優先する ようになります。 2.なぜ依存症になるのか 薬物依存症は、遺伝や環境、脳の障害が原因で発症すると一般的に思われています。しかし、小 林医師は、もう一つ加える必要があるのでないかと考えました。例えば、薬物を使い始めた年齢と 依存症との関係や、 一度でも薬物を使うと依存症になるという例には、因果関係が 100%ないこと。 原因として、繰り返し薬物を乱用することから、結果として依存症になることです。 3.なぜ薬物を乱用するようになるのか 人は、困難に出合ったときに、他に弱音をはいたり、相談したり、助けを求めたりします。とこ ろが、依存症になる危険性の高い子供は、根っこに「生きづらさ」があって、心理的孤立や周囲の 大人に不審感を持っていて、何でも一人で解決しようとします。そのいっぱい、いっぱい生きてい る時に薬物に出合うと、これが自己流の治療薬となり乱用を繰り返すことになります。そこに、も し「感情を一定にコントロールする、心と身体の健康を保つ、生きる目的を持つ」 など、「自己調整力」が働けば、健康的に問題を解決してゆけます。この「自己 調整力」が、もう一つの鍵を握っているのです。 <この会に参加して感じたこと> 「薬物は怖い、薬物は絶対ダメ!」、 「社会が悪い。行政はもっときびしく規制するべきだ」など という声が聞こえます。その中で、若い小林医師が、依存症者の治療にあたり、薬物に依存して「生 きている存在」から、健康を回復して社会に「生きていく存在」へ復帰できるよう、臨床現場で活 躍している姿に感銘を受けました。 依存症者を抱えるある家族は、 「子どもの回復は、まず親が健康を回復すること。親が変わらなけ れば子供も変わらない」と考えました。臨床心理士にカウセリングを受ける、薬物依存症者の回復 施設・ダルクの家族と交流し共感を深めるうちに、自分の中の何かがゆっくりと回復していくのを 感じたと言います。その実感から、 「どんな人でも、その人はその人を生きるものです。私は邪魔を しないで息子を見守っていきます」と、話を結びました。 私は、その言葉に「人間の尊厳」の回復を感じて、感動しました。 Sodate 230号 H240810 市内を巡回して気づいたこと 小千谷市青少年育成センター次長 和田義弘 平成24年7月17日午後から、生涯学習スポーツ課、少年警察ボランティア、育成セ ンターの関係者で、子供達を取りまく「地域環境」をパトロールしました。 今回は、書籍等販売複合店舗~白山運動公園~カラオケ施設~ネットカフェ~スーパー 大型店~旭橋橋脚下~信濃川右岸堤防トイレ~小千谷駅駐輪場~無人DVD販売所などで す。 昨年と比べて、心配なことで目につくものは少なくなっているという印象を受けました。 駅前の駐輪場は、落書きも少なく随分明るくなりました。補導委員の皆様のおかげだと感 謝しています。 なお、多少気づいた箇所がありますので、さらに巡回時にご配慮を お願いします。 1.信濃川堤防の落書きと花火の後始末 ▼右岸(駅側)のトイレ 小千谷市の担当部署によれば、これまでも何度か器物損壊や落書きな どの被害があり、そのつど修繕してきたが対応に困っているとのことで した。 ▼左岸の花火と落書き 信濃川左岸の旭橋橋脚下には、打ち上げ花火などのゴミが投棄されて いましたので回収しました。花火を楽しむ事は悪い事ではないが、時間 帯や大声を出す迷惑などを考慮してほしい。花火の後始末はきちんとし てゴミは持ちかえることを徹底することが大切。火事がこわいです。 2.携帯電話を購入するときは「フィルタリング」をつける ある販売店から、保護者が子どもの要求に負けてフィルタリングをつ けないで購入した例を聞きました。平成 24 年 4 月1日から、「新潟県 青少年健全育成条例」によって、保護者の責務が強化されました。 子どもを犯罪に巻き込まれないよう、親も努力が必要だと思いました。 3.書籍等販売店でのコミック、ゲーム等の万引 それぞれ図書に、万引防止用のタグがついていますが、一部の子ども たちは、それを外して万引するなど悪質な行為があると、困っていま した。時間帯は、午後4時から 6 時の間に集中しているとのことです。 補導委員のパトロールの時間帯を工夫する必要があるかもしれません。 4.成人用ビデオの無人販売所 市内には国道17号線ひ生地内と117号線塩殿地域にあります。 許認可は魚沼地域振興局が行っています。 Sodate 230号 H240810 ¥」 ― 「愛の一声」活動 6・7月の主な活動記録 ― 補導委員の皆様へ 7月に入り暑さも厳しい折から、街頭補導をしていただきありがとうございます。 次の点について確認の上、ご協力をお願いいたします。 〇班長さんへ: 「街頭補導報告書」を記入する際に、 「声かけした人数」を記入してください。 パトロールに参加できなかった班員の名前には、 「欠席」と明記してください。 〇班員さんへ: 「街頭補導の感想」は、各自が自筆で書いてください。 ◆東小千谷地区 三班;駅前タクシー乗り場の前に、高校生男女数人が座り込んでいました。先日、仕事の 帰りに駅前駐輪場で、タバコを吸っている高校生を見かけました。元中子の街灯が、 改善されており、明るくなっていました。 ◆南地区 五班;川井小学校を起点に、遊園地、JR 内ヶ巻駅・岩沢駅、塩殿小・岩沢小・南中他を 回ったが、子供達の姿は見当たりませんでした。 七班;三連休の中日だったので、もう少し子供達が外に出ていると思いましたが、最後 に訪れた不動寺で小さな子供達が8人で小川で遊んでいただけでした。 すぐ見えるところに保護者達がいたので、特に注意しませんでした。 ◆小千谷市街地区 一班;学校の懇談会で話題になった施設、店舗に顔を出し、様子を見守るようお願いして きました。 (センターから);学校と連絡をとってから、地域に協力を呼びかけたこと、ありがと うございました。他の地域でも参考になると思います。 二班;1時間30分。目いっぱい巡回しました。駅前以外は、子供達には会いませんで したが、平沢町の諏訪神社には食べちらかしたゴミが投げてあり、たまり場のよ うです。気をつけて巡回する場所の一つだと思いました。西部公園のあずまや に、小学生女子のかばんとピンクの帽子の忘れ物。警察に届けて帰りました。ひら がなで名前が書いてありました。後日持ち主が取りに来たと警察から連絡があり良 かったです。 ◆片貝地区 八班;小粟田センターで子供会が笛の練習をしていました。保護者もいたので問題ない と思いました。千谷センターに子供達のものと思われる自転車があり、建物内で打 ち合わせをしていました。三仏生センターでは子供達の気配もありませんでした。 九班;特に気になる行為、注意、呼びかけをすることがなくよかった。これから夏休み 期間になり、子供達の行動の範囲が広がるので、気配りをしたいと思います。 *** ご 協 力 に よ る も の で す 。 画 像 は 、 小 千 谷 幼 稚 園 の *** *** 【この子等に寄りそって】 あかんぼは 歯のない口でなめる やわらかい 小さな手でさわる なめること さわることのうちに すでに 学びがひそんでいて あかんぼは 嬉しそうに笑っている *谷川俊太郎 「かすかな光へ」から
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