7月の「産業医便り」 - 首里城下町クリニック

だな~
Dr田 名 の産業医だより 2012 年 7 月
関節リウマチ
~目標達成にむけた治療~
だ な
たけし
産業医 田名 毅 (首里城下町クリニック)
今月の地域向け医療講演会は、「関節リウマチ ~目標達成に向けた治療~」 というタイトルで、
当院の比嘉 啓(あきら)医師が担当しました。関節リウマチは日進月歩の勢いで新しい治療薬が開発されてお
り、リウマチ専門医がどのような視点をもって治療に取り組んでいるかについて話してもらいました。
1、新しいリウマチの診断基準
新リウマチ分類基準
新しいリウマチ診断基準
診察で腫れ(腫脹)または圧痛のある関節の数
1つ以上の関節腫脹
(診察、超音波、MRIのいずれか)
いいえ
0点
2~10ヶ所の中、大関節
1点
1~3ヶ所の小関節
2点
4~10ヶ所の小関節
3点
最低1つの小関節を含む11ヶ所以上
5点
血清反応
はい
現時点では関節リウマチと
分類しない
1ヶ所の中・大関節
他疾患で説明できる関節炎
リウマチ因子、抗CCP抗体の両方が陰性
0点
リウマチ因子、抗CCP抗体のいずれかが低値陽性
2点
リウマチ因子、抗CCP抗体のいずれかが高値陽性
3点
××××
MP関節
×
罹病期間
いいえ
新リウマチ分類基準へ
はい
他疾患
6週間未満
0点
6週間以上
1点
×
炎症反応
CRP、血沈の両方が正常
0点
CRPもしくは血沈のいずれかが異常高値
1点
6点以上でリウマチ
×
※リウマチかどうかはっきりしないときは、関節の超音波(エコー)検査、MRI 検査も利用されるようになっています。
※血液検査は、リウマチを疑う症状があるときに実施すると参考になりますが、“心配なのでとりあえず採血する”という
方法では、診断につながりません。
2、症状のあらわれ方
関節リウマチにおける関節破壊
50歳,罹病期間
歳,罹病期間1.5年
歳,罹病期間 年
関節破壊スコア:23
関節破壊スコア:
66歳,罹病期間
歳,罹病期間12.5年
年
歳,罹病期間
関節破壊スコア:96
関節破壊スコア:
45歳,罹病期間
歳,罹病期間21年
歳,罹病期間 年
関節破壊スコア:123
関節破壊スコア:
4、治療の目標 3 カ条
3、リウマチのおもな治療薬
関節リウマチでの
治療目標
関節リウマチのおもな治療薬
• 臨床的寛解;痛み、炎症、こわばり、疲労のような
①
非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs)
症状をコントロールする
• 構造的寛解;関節や骨に対する損傷を起こさない
②
• 機能的寛解;身体機能を正常に戻し、再度、社会
③
活動に参加できるようにする
腫れや痛みをやわらげ、熱を下げる。
副腎皮質ホルモン (ステロイド薬)
炎症を抑える。免疫を抑える作用もある。一時
的な使用に限定される。
リウマチ治療薬
抗リウマチ薬 (DMARDs)
異常な免疫機能に作用したり、免疫を抑えるこ
とで、病気の活動性を抑える。
2010年ヨーロッパリウマチ学会より、
治療の姿勢;Treat to Targetという概念が発表された
生物学的製剤
関節リウマチの原因となる炎症性サイトカインなど
の働きを直接抑える。
5、専門医が用いているリウマチの活動性(病気の状況)の評価方法
疾患
活動性
スコア
DAS(Disease Activity Score)28の算出に必要な情報
リウマチの診療では、この図のように
28 個の関節を触って診察しています。
①
②
③
④
圧痛関節数(0-28)
腫脹関節数(0-28)
赤沈1時間値あるいはCRP値
患者本人による全般評価(0-100mm);Visual Analogue Scale(VAS)
握手して痛みがないか、などチェック
していくそうです。
6、 リウマチの経過
下の図をみてわかるように、現在は初期の治療をしっかり行うことが重要と考えられています。関節リウマチ
と診断されたら、決して治療を中断せずに、主治医とよく話し合って治療方法を決めていただきたいと思い
ます。
関節リウマチの経過
関節破壊は従来考えられていた以上に進行が早いことがわかってきま
した。そのため現在は早期からの積極的な治療が推奨されています。
関節破壊の進行
100%
実際の変化
関節破壊の割合
発症2年以内に
急速に進行する
従来の予測
10年以上経過してか
ら関節破壊が進行す
ると考えられていた
0%
0
2年
10年
発症後経過年数
20年
お 知 ら せ
第 113回 首里城下町クリニック 『地域むけ医療講演会』
日 時: 7月31日(火) 19:00~
テーマ: “胃がん” なりやすい? なりにくい? あなたの胃は?
~ピロリ菌感染をふまえた胃検診~
講 師: 豊見城中央病院付属健康管理センター
医師
その他クリニックに関しては HP をご覧ください
仲吉朝史 先生
http://www.shuri-jc.jp
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田名 毅
だの健康を支援します。
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保健師・産業カウンセラー
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又吉雅代
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