講義資料

サービス・マーケティング
13
サービス・エンカウンター
サービス・エンカウンター(Service encounter):
顧客がサービス企業と接触し、相互作用を行う
一区切りの時間単位
CCP(Customer contact person)
接客従業員
真実の瞬間(Moment of Truth)
顧客がサービス企業に接触し、ある印象を抱く
機会
1
サービス・エンカウンターの種類
A.機械ー人間軸のタイプ
①リモート・エンカウンター
②電話によるエンカウンター
③フェイス・ツウ・フェイスのエンカウンター
B.コンタクトの量的・質的区分
①ハイ・コンタクト・サービス
②ミディアム・コンタクト・サービス
③ロー・コンタクト・サービス
クリティカル・インシデント・テクニック
サービス・エンカウンターの調査方法として優れている
「顧客として、XXとの相互作用において、とりわけ満
足、または不満足を感じた場面を思い出して、説明
してください」。
①その出来事はいつ起きましたか。
②どんな状況で起きたのですか。
③その従業員はどんな事を言い、どんな行動を取りましたか。
④あなたが、その出来事を満足または不満足と感じた事の
結果どうなりましたか。
⑤どのような違ったやり方ができたか、またはすべきであった
か。
2
サービス・エンカウンターにおける4つの問題
(ビットナー、ブーム、テトリオート)
①リカバリー(従業員の失敗)への対応
②アダプタビリティ(顧客のニーズや要望への対応)
③スポンテニティ(自発性、自発的な従業員行動)
④コーピング(Coping、問題への対応)
• サービス・エンカウンターにおける「態度」の問題
「態度は媒介変数、サービスそのものではない」。
態度変数
サービス担当者
顧客
相互作用
3
「態度」はサービスではない
「態度的サービス」と「機能的サービス」の分類の間違い
理由
・サービス商品は顧客にある便益をもたらす目的的行動。
態度はサービス活動の「過程」の問題。(グルンルースの
技術的品質と機能的品質の区別では機能的品質に入る)
・態度の良さから生まれる良い感じだけが目的となっている
サービス商品はほとんどない。
・態度の良さはサービス過程での重要な媒介変数。
態度の3要素
認知
態度
行動
感情
4
Hospitality
hotel と hospital の語源 hospitale
hospitality industry (飲食、宿泊)
・ホスピタリティは「おもてなし」か
「ご馳走」の意味
・過程品質、態度、ホスピタリティの関係
態度は過程品質に影響する媒介変数
ホスピタリティは態度の一種。(日本では「おもてな
し」の意味に汚染されている。
シュナイダー&ボウエンのサービス理論
サービス組織の3つの階層
顧客の階層
顧客の期待・欲求・能力
境界の階層
サービス・エンカウンター
調整の階層
組織管理とデリバリー・システム
期待と欲求
期待: 意識的、特定的、表面的、短期的
顧客の求めるサービス内容
欲求: 無意識的、一般的、深層的、長期的、
人間としての基本的欲求
基本的欲求
①安全の欲求
②自尊欲求
③公平の欲求
5
接客における5つの基本原則
基本的欲求に応える対応
①顧客の立場に立ち顧客の視点から考えて接する。
②礼儀正しく、ていねいな言葉使いをする。
③安心感を与える。
④顧客の自尊心を尊重する。
⑤公平の原則を守る。
サービス・エンカウンターにおける
サービス担当者の5つの役割
顧客のサービスへの「期待」に応える
①カウンセラー(顧客の欲求を明確化する)
②コンサルタント(専門家としての情報提供)
③ミーディエイター(企業と顧客との仲介)
④プロデューサー(サービス提供プロセスの演出)
⑤アクター(サービスの実行)
6
マニュアルについて
・マニュアルは、従業員が取るべき「望ましい行動」
パターンを定式化し、記述したもの。
・形式陶冶の理論
・熟練度によって使い方は異なる。
世阿弥の「花伝書」
守:形をなぞる。基本の形を身につける
破:基本を崩す。応用編
離:新しい自分のスタイルを打ち出す。
・心・技・体での完成
7