蚕の飼育日誌

表現・発表形態別の実例
蚕の飼育日誌
4週間目
もう嫌になってきた。なんかかいこ中心に生活してるように思え
る。まあ慣れたといえば慣れたんだけど。今朝、道の脇に生えて
いる桑の葉を根こそぎとっていく。休み時間、最寄りの桑の木ま
で葉を採りに行く。また休み時間、今度は別の場所へ取りに行
く。昼休み、段ボールの中にたまっている桑の葉をとってきれい
にしてやる。放課後、500メートルほど離れたところまでいって
桑をとってくる。こんな毎日です。でもたまにそんな自分が好き
だったりするから、人生は不思議なんだな。これが。
5週間目
もっとでかくなってきた。数も増えてついに段ボールを増やす羽
目になってしまった。その段ボールだが、ちょっと整備を怠ると
あっというまにかびが生え、下の机まで草原になってしまった。
2時間毎に桑をとってこなきゃいけないし、近くの桑の木も葉が
つきてきた。話は変わって、かいこ豆知識。そろそろまゆをはる
から、体に色をつけてみようということで、マッキーで色をつけ
てみました。5匹つけた結果、死んだの4匹、生き抜いたが2日後
に失そう1匹。これはなぜかと考えました。
(理由)腹に塗っちゃ
ったから。かいこは皮膚呼吸なんですね。
(注)決して遊びでは
なく、実験です。4匹は、僕が責任を持って弔いました。
生後6週間目
ついに数匹がまゆをはり始めました。なので、しきりを作った部
屋へ入れました。予定では、この一つ一つのしきりにかいこがま
ゆを張るはずですが、どうなるでしょうか。ここで、かいこ豆知
識。まゆを張る寸前のかいこの体は、黄色く変色してきます。そ
して桑を食べなくなり、じっとして動きません。こんな状態にな
ったら、しきりを作った部屋に移してあげましょう。以上、かい
こ豆知識でした。
まゆになりました。
ついに、すべてのかいこがまゆになりました。祝、かいこ係卒
業!!でもまだこのまゆ、煮ないといけないんだけど。ちなみに
何でまゆを煮るかっていうと、中にはまださなぎが残っているの
で、煮てミイラ化させます。でも、この残ったまゆ、どうしよう。
もし、どこかの学校の方、または一般人でも誰でもよろしいので、
興味をお持ちになった方はメール下さい。
(注意)黄色くて、あ
まりきれいとはいえません。糸をとろうとしても、とれません。
さて、もう一つ。なんと卵を生んでいきました。どないすんねん。
食農教育 2001.5 ………
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掲示板やホーム ページで表現する
中3のT君がホームページに載せた
生前。
まだ卵です。白いのに黒いのにたくさんいます。それにしても、
アップで見るときつい物がありますね。ちょっと離れてみてもあ
んまりかわらなくグロいんですけど。さて、この中からいったい
何匹がかえってカイコになるでしょう?答えは生後1週間目をご
覧下さい。
生後1週間目
さて、何匹かえるかという事でしたが、正解は、推定300匹。ち
なみに、中条村の人口は3000人です。AHHHHHHHHHH
HHHHHHHH!!!!!!!!!!!。
しかもこの時点で僕がカイコの養育係に大決定。まあいいかなん
て思ってたその矢先、
「桑の葉とってこい」って。おいちょっと
まてや、コラ。ちなみに、写真の2匹はゆうやくんとりょうたく
んです。
生後2週間目
また増えてしまいました。そしてまたでかくなりました。ちなみ
にこの2匹、たかひろ君とたけし君。日曜日はゴルフと競馬って
とこかな。最近のできごとといえば、フンをする瞬間を初めて見
ました。汚い話で申し訳ありませんが、ちょっと感動しました。
本当。
生後3週間目
だいぶでかくなり、桑の葉をたしてもたしてもたりなくなってき
た。朝、箱にいっぱい入れたかと思えば昼にはもうなくなってい
る。昼にめいっぱいいれといても放課後にはもうなくなっている。
食う分にも限度がある。どんどんどんどんでかくなっていくこい
つらに恐怖を感じるのはオレだけではないだろう。
以上、生後3週間目でした。
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……… 食農教育 2001.5