カンピロバクター菌による食中毒に注意!! 18.8.16 平成 18 年8月に大田原市内で、この菌による食中毒が発生しました。 事件の概要は、平成 18 年 8 月 16 日の新聞各紙をご覧下さい。 カンピロバクター菌による食中毒は、全国的に年々増加の傾向にあり、 昨年は、原因物質ごとの発生件数では、一昨年に引き続き1位となってい ます。 本県のこの菌による発生状況は、 平成14年に4件 700 平成16年に1件 600 平成17年に1件 500 400 となっておりますが、今年は 645 300 558 490 447 今回の事件を含めまして、 428 200 100 3件(3月と4月に各々1件) 0 すでに発生しています。 H13 H14 H15 H16 H17 全国発生件数 ★ カンピロバクター菌の特徴 ・少ない菌の数で、食中毒になる可能性があります。 通常の食中毒をひきおこす菌は、食品1g当たり数100万個ぐらい 付着していると食中毒になると言われておりますが、本菌は数100 個ぐらい付着していても、食中毒になるといわれております。 それだけにちょっとした油断が、事件の引き金になってしまいます。 ・酸素濃度の薄い空気環境を好みます。 通常大気中には約18%の酸素が含まれていますが、本菌は酸素濃度 が10%ぐらいの空気のところを好みます。 ・鶏肉、豚肉等が原因食品です。 特に鶏肉の取り扱いには要注意です。 野菜等の食品に、これら肉類から二次汚染さ れることもしばしばあります。 ★ 1 カンピロバクター菌による食中毒の予防ポイント 調理の際、十分な加熱をすることが重要です。 特に大勢の焼肉・鉄板焼き等では注意が必要です。 2 鶏肉など食肉の生食は避けましょう。 「鶏刺し」「たたき」などによる食中毒が多発しています。 3 生肉を取り扱った後の手指は良く洗い、生肉を使った調理器具は十 分に洗浄・消毒しましょう。 4 生肉を冷蔵庫に保存する時は、ほかの野菜等の食品に直接触れない ようにしましょう。 平成18年7月19日に下野市内の小学校でジャガイモが原因の食中毒が発生 しました。この食中毒はジャガイモの中に含まれる植物性自然毒『ソラニン』に よるものです。そこで、この『ソラニン』について詳しくお知らせします。 ●ジャガイモの芽などに含まれる有毒な成分は、ソ ラニンなどのアルカロイドで、中毒の症状は、吐 き気、下痢、腹痛などがあります。 ジャガイモに含まれる有毒なアルカロイドは、ソ ラニンと呼ばれることが多いため、単一の物質と 思われがちですが、実際はジャガイモにはα−ソラニンとα−チャコニンを主 成分とした複数のグリコアルカロイドが含まれています。アルカロイドのうち、 α−ソラニン、α−チャコニンなどは、糖と結合しており、これらをグリコア ルカロイドと呼んでいます。 ●ジャガイモの有毒な成分は、芽に多く含まれていますが、光が当たった部分に も多く含まれています。 ジャガイモは日に当たると、クロロフィルが生成され表面が緑色になるほか、 グリコアルカロイドも表皮の近くに生成され、苦味やえぐ味が出てきます。 特に小さい未熟なジャガイモは、光に当たったときグリコアルカロイドが生成 されやすいといわれております。 時には、ジャガイモの表皮が緑変していなくても、グリコアルカロイドの生成 量が多いということもあります。 ●ジャガイモの食中毒を防ぐためには、次の3つの事項が重要です。 ① 調理の際に芽を完全に除去すること ② 緑化した皮は厚くむくこと ③ 保存中はできるだけ光に当てないこと ジャガイモ中のグリコアルカロイドは、熱には強く、調理による熱ではほ とんど分解されません。 グリコアルカロイドは、水溶性なので皮をむいてから、水さらしをしたり、 ゆでたりするとある程度は取り除くことができます。ただし、ゆで汁にグ リコアルカロイドが溶け出していますので、ゆで汁は捨ててください。 念のために、調理後のジャガイモに、苦味やえぐ味がするときは食べない ほうが無難だといえます。 ●ジャガイモの品種の主なものは、「男爵」と「メークイン」がありますが、緑化 しやすいメークインのほうが、グリコアルカロイドの含有量が多いといわれて おります。 ●ジャガイモの保存方法は、常温の場合は、新聞紙で包んでかごにいれるか、ネ ットに入れて、通気性をよくして、日光に当たらない風通しのよいところで保 存してください。 5℃ぐらいの暗いところであれば、長期保存も可能です。 冷蔵庫での保存の場合は、野菜室が適当でしょう。 ―以上、農林水産消費技術センターHPよりー
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