就職試験問題集解答例

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図書館概論
IF LA (国 際図 書館 連盟 )
I nt er nat io n al F eder at ion of Libr ar y As s o c iat io n s an d I n s t it u t io n s
書誌活動、情報サービス、図書館員の養成など図書館活動の全分野にわたって国際的な
規 模 で の 相 互 理 解 ・ 協 力 、 討 議 、 研 究 ・開 発を 推進 する こと を目 的と して 、1 9 2 7 年 に設 立
された団体。世界各国の図書館協会や図書館・教育研究機関を会員とする。運営理事会、
専門理事会、プログラム管理委員会、部会、本部事務局などから構成されており、活動は、
ALP 、 P AC、 UAP 、 UBCI M、 UD T と い う 5 つ の コ ア プ ロ グ ラ ム ( 基 本 計 画 ) と 部 会 の 二 種
類の形態で行われる。部会は、図書館の種類、図書館活動、地域活動の3種類合計8つあり、
それぞれの部会は、複数の分科会やラウンド・テーブルから構成されている。毎年各国も
ちま わり で年 次大 会が 開催 され てい る。
コア プロ グラ ムは 変更 され てい る。 詳し くは 英単 語集 を見 るこ と。
JL A( 日本 図書 館協 会)
1892年、前身に当たる日本文庫協会が設立。1908年に名称を日本図書館協会と改め今
日に至る。アメリカ図書館協会、イギリス図書館協会など、世界各国に図書館協会がある
がその一つ。図書館の振興を最終目標とするが、そのために、図書館員の資質の向上、図
書館技術・政策の調査研究、雑誌やハンドブック・研究結果の報告書等の出版活動、図書
館間の協力・調整、専門職としての社会的地位を向上させるためのさまざまな活動、など
を行 う。 個人 会員 と施 設会 員と から なる 。
デポ ジッ ト・ ライ ブラ リ
①複 数の 図書 館が 各館 の稀 用図 書を 共同 で保 管す るた め設 けら れた 保存 セン ター 。
保 存図 書館 。
②納 本図 書館 (こ の意 味で 用い るこ とも ある )
館種 ごと のサ ービ スの 特質
『 図書 館ハ ンド ブッ ク』 第5 版、 p . 3 - 5を 参照 。
図書 館振 興月 間
昭和25年4月30日、図書館法が公布されたことにちなみ、「図書館記念日」が昭和46年
に定 めら れた 。5 月を 図書 館振 興月 間と し、 全国 で記 念行 事が 催さ れる 。
図書 館協 議会
図 書 館 法 第 1 4 条 で 定 め ら れ た 公 立 図 書 館 の 運 営 に 関 し て 、 館 長 の 諮 問 に 対 し て 答 申を 行
い、また、公立図書館の提供サービスについて意見を述べる機関。図書館協議会の委員に
関 し て 、 以 前 は 委 員 構 成 に つ い て 細 か く 規 定 し て い た が 、 9 0 年 の 法 改 正 に よ っ て 「 学 校教
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育及び社会教育の関係者並びに学識経験のある者の中から,教育委員会が任命する。」と
いう よう に大 枠の みが 定め られ た。
文書 館
公 文書 館法 が1 9 8 8年 に施 行さ れた 。
公 文書 館
歴史資料として重要な公文書等を永く保存し、閲覧などに供するとともに、その有効な
活 用 を 図 る た め の 調 査 研 究 を 行 う 機 関 。1 9 7 1年 に国 立公 文書 館が 設置 。地 方自 治体 の設 置
する 公文 書館 も次 々と 設置 され てい る。
公 文書 館以 外に 、歴 史資 料館 、史 料編 纂所 等が ある 。
文 書館 入門 小 川千 代子 著 国際 資料 研究 所 1 9 9 7
生涯学習概論
生涯 学習 時代 にお ける 公共 図書 館の 役割
①資料・情報提供を通して個人の学習を支援する
②図書館資料の利用促進を目的とする集会・文化活動の開催
講演会や資料展示会等の図書館主催行事のほか、図書館の資料を契機とする利用者相互の
グループ活動など。
③各種の学習プログラムへの資料補給
生涯学習センター、公民館等の求めに応じ、資料面での支援活動を行う。
④地域における生涯学習機関で継続的に学ぶ人々にとっての学習センター
放送大学、通信教育、など生涯学習機関で学ぶ人たちに対して、学習センターとしての機
能を果たす。
⑤地域課題等についての情報発信
地域の抱える課題等について、資料・情報ファイルの作成や、講演会や講座等の文化活動
を企画して、その記録を作成・刊行する。
図書館資料論
「ア メリ カの 図書 館権 利宣 言」 につ いて
Libr ar y Bill o f Rig h t s
ALA(アメリカ図書館協会)の提唱する図書館の自由に関する基本方針。1939年に最
初 の 宣 言 が 出 さ れ 、 そ の 後 数 回 の 改 訂 が行 われ 、最 も新 しい もの は1 9 8 0 年 版。 図書 館員 の
資料 選択 ・提 供の 自由 、利 用者 の資 料ア クセ スの 権利 等を 定め る。
「各 務原 図書 館事 件( 1 9 8 6 ) 」 につ いて
1986年8月、岐阜県各務原市(カガミハラ)で起こった少女誘拐事件に関連して生じた図書館
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の自由に関する問題。犯人所持の本のラベルを少女が記憶していて、それに基づき該当図
書の貸出者が調査された。新聞が「図書館ラベルを追え!」というような刺激的な見出し
の報道を行い、図書館利用者に「利用実態が調査されるのではないかという」不安を与え
た。「利用者のプライバシーを守る」という図書館の自由の基本原則を、ジャーナリズム
が十 分に 理解 して いな かっ たた めに 起こ った 事件 であ った 。
「広 島県 立図 書館 事件 ( 1 9 8 4 ) 」に つい て
広島県立図書館において、同和問題に関連して内容に問題があるとされる図書が、担当
課長 によ って 別置 され たり 、破 棄さ れた りし た事 件。
「山 口県 立図 書館 事件 ( 1 9 7 3 ) 」に つい て
反戦的な図書など数十冊が、段ボール詰めにされて書庫の片隅に放置されていた事件。
図書館側の自己検閲ともいえる事件であるが、図書館界で大きな問題となり、「図書館の
自由 に関 する 宣言 1 9 5 4年版 」が 改訂 され る契 機と なっ た。
図書館の自由に関する個々の事件については、あと「ピノキオ事件」と「ちびくろサン
ボ問 題」 は概 要を 押さ えて おく こと 。
「図 書館 員の 倫理 綱領 」に つい て
「 図 書 館 の 自 由 に 関 す る 宣 言 1 9 7 9 年 改 訂 」 の 採 択 を受 けて 、翌 1 9 8 0 年に 制定 され た。
知的自由に関し、図書館が社会に対して果たすべき責務を誓約したものが「宣言」である
のに対し、その理念を日常業務を通じて実践して行くべき図書館員の任務を表明したもの
が「綱領」である。「利用者を差別しない」、「図書館の自由を守り、資料の収集、保存
及び 提供 につ とめ る」 等、 1 2ヶ条 から 成る 。
AV 資料
視 聴覚 資料 au d io v is ual m at er ials
文字よりも、音声あるいは映像情報に重点をおく資料。映画、スライド、ポスター、地
図 、 レ コ ー ド 、 CD 、 ビ デ オ テ ー プ 、 等 の 種 類 が あ る 。 こ れ ら の 資 料 は 特 別 な 再 生 装 置 を
必 要 と す る こ と が 多 い 。 そ の ほ か 、 最 近 で は CD - RO Mな ど の ニ ュ ー メ ディ アが 出現 し、 視
聴覚 資料 の範 囲も 大き く拡 大さ れよ うと して いる 。
従来、視聴覚資料は教材あるいは娯楽としての性格が強く、図書を補完するという役割
を帯びていたが、ニューメディア出現後は、印刷資料にとって代わられる、あるいは図書
と並 ぶ新 しい 形態 の資 料と して の性 格が 強ま りつ つあ る。
マイ クロ 資料
マイクロ化した資料で、マイクロフィルム、マイクロフィッシュなど。拡大機(リーダー)、
拡大 複写 機( リー ダー プリ ンタ )な どの 機器 を用 いて 読む 。
マイクロフィルム:資料を縮小して写したロール状のフィルム。35mm幅と15mm幅のも
のが ある 。
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マイ クロ フィ ッシ ュ: シー ト状 のフ ィル ムに 数1 0コ マの 縮小 した 写真 画像 を納 めた もの 。
加除 式図 書
必要な箇所で加えたり除いたりができるように、各ページに穴があいていて、バインダー
など で保 存さ れる 図書 。法 規集 など でよ く用 いら れる 。
漢籍
広義には漢文でかかれた書物をさす。漢書に同じ。狭義には儒教関係の図書に限定され
る。
紀要
大学、研究所などで発行する学術的な逐次刊行物。通常その機関の構成員の論文を掲載
する 。
検閲
信書や出版物、映画などの内容を強権的に検査すること。思想統制の手段とされ、日本
国憲 法は これ を禁 止。
公共 図書 館に おけ る収 書方 針
・収 書方 針の 記述 要素
①そ の図 書館 の奉 仕対 象と サー ビス 活動 が基 本的 にめ ざす とこ ろ
②図 書館 資料 と知 的自 由と の関 連
③収 集・ 選択 の機 構と 決定 にあ たる 責任 の所 在
④収 集す る資 料の 範囲
⑤利 用者 から の要 求と 蔵書 に対 する 批判 への 対処
⑥蔵 書か らの 除去 、廃 棄に つい ての 基本 的な 考え 方
・収 集資 料の 種類 (市 町村 立の 場合 )
①地域住民の日常生活に役立ち、貸出を中心としたサービスを行うための教養、趣味、レ
クリ エー ショ ンな どの 一般 資料
②児 童・ 青少 年資 料
③各 市町 村の 地方 行政 ・郷 土資 料
④日 常的 課題 にこ たえ る参 考資 料
公貸 権
著作権の一つで「公衆への貸与する権利」をいう。公表された著作物の複製物を図書館
等において多数の公衆に貸与するとき、当該著作物の利用に関する著作者の財産的な利益
がそれだけ失われることとなるので、この貸与にかかる著作者の財産的権利を保障しよう
とするもの。ドイツ、イギリスなど図書館の発達した北ヨーロッパでこの権利が認められ、
貸出に際して著作者側に一定の補償が行われている。わが国の図書館では、書籍、雑誌に
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関し ては 公貸 権は まだ 適用 され てい ない 。
合本 (が っぽ ん)
2冊以上の雑誌や図書を、雑誌の場合は1年分とか、図書の場合は上下巻とかいうよう
に、 1冊 に綴 じた もの 。
合集 (が っし ゅう )
複 数の 著作 から 成り 立つ 図書 。個 人の 合集 と2 以上 の著 作の 合集 とが ある 。
再販 制度
正確には再販売価格維持制度といい、独占禁止法で指定された商品が、製造元で定価に
より卸業者・小売店を経て 消費者に販売される制度。書籍、雑誌、新聞の場合原則とし
て、 再販 制が 認め られ てい る。
酸性 紙
1 9 世 紀 初 め 以 来 近 代 的 な 製 紙 技 術 の 開 発 、 発 達 に 伴 い 、 図 書 用 の 用 紙 と し て 、 機 械処 理
された「酸性紙」が生産、使用されてきたが、この用紙は長い間空気に触れる中で、次第
に劣化する性質がある。この用紙で作られた図書は次第に利用に耐えないものが多くなり、
こう した 図書 を古 くか ら集 積し てい る図 書館 に深 刻な 問題 を与 えて いる 。
酸性紙の欠点を取り除いたものとして「中世紙」があり、これが次第に普及しているが、
過去 の酸 性紙 問題 を解 決す るも ので はな い。
私家 版
著者自身が、狭い範囲で配布する目的で印刷発行する図書。通常非営利的で少部数発行
する 。
資料 提供 を制 限で きる ケー ス
「 図 書 館 の 自 由 に 関 す る 宣 言 1 9 7 9年改 訂」 によ れば 、「 第2 図 書館 は資 料提 供の 自
由を有する」の副文において、以下の3つのケースで資料提供の自由を制限することがあ
る、としている。(1)人権またはプライバシーを侵害するもの、(2)猥褻出版物であ
るとの判決が確定したもの、(3)寄贈または寄託資料のうち、寄贈者または寄託者が公
開を 否と する 非公 刊資 料。
ただし、「これらの制限は極力限定して適用し、時期を経て再検討されるべきものであ
る」 と表 現し てい る。
複製 本
写本、刊本などを原本のまま、そっくりの形に複製すること。写真撮影によって複製し
た図 書を 影印 本( えい いん ぼん )と いう 。
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取次
書籍、雑誌の流通過程における問屋に相当する。数多くの出版社と書店との間にあって、
配本、返本という流通機能を受け持つ。トーハン、日販の2大取次が圧倒的なシェアを誇
る。
受入 の種 類
① 購入 、② 寄贈 、③ 交換 、④ 編入 、⑤ 数量 更正 、⑥ 保管 転換 、⑦ 自館 生産 、⑧ 弁償 など
この手の問題は古典的設題で、最近はあまり出題されない。昔は特に⑤や⑥などを聞い
た。
図書 の各 部の 名称
『 図書 館資 料論 』p . 3 2を参 照。
逐次 刊行 物と は何 か
終期を予定せずに定期または不定期に継続出版され、同一の名称をかかげ、表示する巻
号、年月次の順に刊行されるもの。雑誌、新聞、年鑑、紀要などが含まれる。大学図書館
においては逐次刊行物の比重が高く、公共図書館においては相対的に低いが、最近はその
重要 性が 主張 され てい る。
著作 権法 にお ける 複製 (著 作権 法3 1条 )
図 書館 では 次の よう な場 合、 著作 者の 承諾 なし に著 作物 の複 製を 行う こと がで きる 。
1. 利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分
(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあっては、その全部)
の複 製物 を1 人に つき 1部 提供 する 場合 。
2. 図 書館 資料 の保 存の ため に必 要が ある 場合
3. 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが
困難 な図 書館 資料 の複 製物 を提 供す る場 合。
点字 図書 と録 音図 書
点 字図 書: 著作 者の 許諾 なし に誰 でも 点字 化が でき る。 (た だし 公表 され た著 作物 )
録音図書: 点字図書館等、盲人の福祉施設で、もっぱら盲人向けに貸し出しする場合
に限り著作者の許諾無しに録音図書を作成できる。公共図書館は、盲人の福祉施設ではな
いから著作者の許諾を得る必要がある。また盲人以外の寝たきり老人等に対しては、たと
え盲 人の 福祉 施設 であ って も許 諾な しに 録音 図書 を作 成す るこ とは でき ない 。
廃棄 と除 籍
内容が劣化して時代遅れとなったり、盗難、紛失、汚損、破損などにより使用・保存に
耐えなくなった資料を処分すること。廃棄と除籍は現在ほとんど同じ意味に用いられるが、
不用となった資料を取り除くため、その資料に関係のあるすべての記録(カード類や原簿)
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を改 め、 また は抹 殺す る手 続き 部分 を特 に除 籍と いう こと があ る。
わが国の図書館では資料は備品扱いされることが多く、除籍のためには会計規則上面倒
な手 続き を必 要と する 。
本の 判型
図 書 の 大 き さ を い う 。 19 4 0 年 に JI Sが 制定 され 、今 日の よう にA 判系 列と B判 系列 の
2系列に定められた。例えばA5判、B6判のような本が作られている。また規格外とし
て、A20取判やB40取判(新書判)などがある。このほか明治以来の伝統的な判型と
して 菊判 や四 六判 など があ る。
落丁
図書の一部が脱落したもの。ふつう8ページ、16ページ、24ページなどの単位で脱落す
る。
乱丁
ペ ージ の順 序が 違っ たも の、 また は重 複し たも のな ど、 丁取 りの 乱れ をい う。
零本
図書の一部分が欠けた本。零とは、極めて小さいという意味で、全体のうち本の少しし
か残 って いな い本 をさ す。
和装 本
わが国の古い時代に刊行された装丁の本。普通和綴じ本とか、和本とかいう。和綴じ本
とは 、鎌 倉時 代以 後、 1枚 の紙 を2 つ折 りに して 紙端 を糸 で綴 じた もの をい う。
小口 ( e dge )
図 書の 中味 の外 辺の 3小 口を いう 。上 端: 天 下端 :地 、根 、下 小口 前 面: 前小 口
図書館サービス論
『中 小都 市に おけ る公 共図 書館 の運 営』 日 本図 書館 協会 、1 9 6 3
「中小公共図書館こそ公共図書館のすべてである」「大図書館は、中小図書館の後ろ盾
として必要である」とし、中小図書館を活動の基盤に据えた。サービスを重視し、なかで
も「自発的に来館しない大衆の手元まで本を接近させることが大切」とし、館外サービス
を図書館サービスの中心と位置づけた。館外サービスとは「図書館員が図書館という建物
から外に出てサービスする形態」であるとし、その有力な方法として貸出文庫をあげた。
これに対し、館内奉仕は、館外奉仕に余力があれば行うものとした。したがって個人に対
する館外貸出やレファレンスサービスも軽視されることになる。また児童・青少年サービ
スの 位置 付け もあ いま いで ある 。
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日野 市立 図書 館に おけ るサ ービ スの 理念 と実 践
1 9 6 5 年 設 置 、 館 長 に 前 川 恒 雄 が 就任 。「 中小 レポ ート 」の 理念 を実 践す る。 「図 書館 と
は一つの建物をいうのではなく、市民に資料を提供するシステム全体を指す」という理念
の元に、まず移動図書館による資料提供(貸出)から出発し、次に地区館を設け、最後に
中央図書館を設けるという方式で、図書館サービス網を充実させた。また予約・リクエス
ト制度を前提とした貸出を最重点サービスとした。図書費が最も重要であるとし、他の経
費を 圧縮 して 、資 料費 の確 保に 全力 を挙 げた 。さ らに 、児 童サ ービ スを 重視 した 。
『市 民の 図書 館』 日 本図 書館 協会 、1 9 7 0
「市町村立図書館は公共図書館の中核である」とし、(1)市民の求める図書を自由に気
軽に貸し出すこと、(2)児童の読書要求にこたえ、徹底して児童にサービスすること、(3)
あらゆる人々に図書を貸出、図書館を市民の身近に置くために、全域サービス網をはりめ
ぐら すこ と、 を重 点目 標と した 。
「図書館とは一つの建物をさすのではなく、全市にはりめぐらされた分館、移動図書館
などからなる一つの組織である」と捉えるなど、中小レポートの流れを受けつぐものであ
り、 児童 サー ビス を重 点項 目と する など それ を越 える もの でも ある 。
アウ トリ ーチ サー ビス
公共図書館サービスエリアの中に存在しながら、サービスを享受していない、あるいは
サービスを享受できない〈特定の人々の集団〉へのサービスをいう。高齢者、障害者、入
院 患 者 、 外 国 人 、 受 刑 者 へ の サ ー ビ ス など 。ア メリ カに おい て、 1 9 6 0 年代 以降 、黒 人市 民
権運 動等 の社 会的 背景 のも とに 発達 した 概念 およ び実 践活 動で ある 。
ブッ クト ーク
教師や図書館員などが、子どもたちあるいは図書館の一般利用者を対象に、特定のテー
マに関する一連の本を、エピソードや、主な登場人物、著作者の紹介、あらすじを含めて、
批評や解説を加えながら一つの流れができるように順序よく紹介したもので、図書の利用
を促 進し よう とい う目 的を 持っ て行 う教 育活 動。
読み 聞か せ
読み手が本や絵本を子どもたちに読んで聞かせること。絵本の絵を見せながら読んで聞
かせ るの が一 般的 であ るが 、物 語を ただ 読ん で聞 かせ るこ とも ある 。
スト ーリ ーテ リン グ
語り手が物語を覚えて、聞き手に語ること。図書館では、公共図書館や学校図書館で子
どもを対象に図書館員や教師が物語を語ることを指す。読み聞かせが本屋絵本を書いてあ
るとおりに読んで聞かせるのに対し、ストーリーテリングは語り手が自分の言葉に直して
語る とこ ろに その 特徴 があ る。
ヤン グア ダル トサ ービ ス
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おおむね12歳から18歳までの青年期利用者に対して主として公共図書館が行うサービス。
青少年サービスともいう。ヤングアダルトの個人的関心、学習課題、娯楽などの総体的要
求 に 応 え て 図 書 館 資 源 を 最 大 限 に 提 供 する こと を目 的と する 。1 9 9 2 年 の日 本図 書館 協会 に
よる 調査 では 、実 施館 は2 8% ほど であ り、 まだ 定着 した とは いい がた い。
移動 図書 館
公共図書館が図書館を利用しにくい地域の住民に対して、何らかの移動手段を用いて図
書館資料を運び、図書館員による図書館サービスを提供する方式。利用者の近くまで車や
船などで移動し、資料と職員を運び、貸出、レファレンスなどの図書館サービスを提供す
る。人口密度が低い地域、あるいは何らかの理由により分館設置がむずかしい地域の人々
に奉仕するために設けられるもの(図書館用語辞典)。代表的なものが自動車図書館(ブッ
クモ ビル )で ある 。
文庫 活動
「図書館法」による図書館ではないが、公共図書館に準じて、図書の閲覧、貸出、その
他サービスを行っている民間の運動を総称していう。規模、対象、活動内容等はさまざま
であるが、一般には比較的小範囲の地域住民、特に子どもを対象に、住民有志が行ってい
る例が多く、地域文庫、子ども文庫などということが多い。個人が自分の蔵書を開放して
行う場合は、家庭文庫、個人文庫などといわれる。公共図書館から団体貸出を受ける例も
多く、公共図書館の側からも、地域サービスの一環として積極的に協力し、ないしはこの
ような図書館運動を育てようとする場合も増えている。文庫運動が発展して図書館作り運
動に 至る ケー スも 多い 。
家庭 文庫
図 書 館 情 報 学 辞 典 を 参 照 。 1 9 6 5 年、 石井 桃子 主宰 の『 子ど もの 図書 館』 が発 行さ れ、 文
庫を 始め る人 が増 加し た。
貸出 文庫
図書館未設置自治体や図書館が遠く日常的に利用できない地域に対して行われる図書館
サービスの一種。通常、図書館が、地域の公共施設や各種団体にまとまった冊数の図書を
一定期間預け、そこから近隣の住民が本を借りることができるようにするものである。図
書館 法第 3条 に「 貸出 文庫 の巡 回を 行う こと 」が ある 。
貸出 方式
帳簿式、スリップ式、カード式、ニューアーク式、ブラウン式、トークン式、写真式、
コンピュータ式などがある。中小レポートで貸出の重要性が指摘され、ブラウン式貸出法
が紹介されたため、日本の公共図書館では同方式やその変形方式が普及したが、近年は大
学図書館、公共図書館ともにコンピュータ式貸出法の採用が増加している。貸出方式で重
要な点は、返却後に利用者個人の貸出記録が残らない、貸出、返却、予約、督促の処理が
スム ーズ にで きる 、人 出や 費用 がか かり すぎ ない こと など であ る。
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館外 活動
図書館用語集。図書館施設外におけるサービス活動。館外サービスともいう。一般には、
移動図書館や貸出文庫など、図書館外でのサービス活動を総称していう。中小レポートの
提唱 がき っか けと なっ た。
集会 、行 事活 動
集会活動、講演会、読書サークル活動、展示事業などにより、図書館サービスのPRを
図り 、住 民を 図書 館に 引き 付け る業 務。 エク ステ ンシ ョン サー ビス とも いう 。
障害 者サ ービ ス
視覚障害、聴覚障害、肢体等の障害や病気、高齢など、身体的に何らかのハンディキャッ
プを背負っている 人々に対して、図書館が提供するサービス。視覚障害者サービスとし
ては、一般の図書(墨字本)の点字本、録音図書、大活字本、さわる絵本等の提供、対面
朗読、など。聴覚障害者サービスとしては、字幕付きビデオ、手話付きビデオの提供、手
話によるレファレンスサービスや貸出サービス。肢体不自由者サービスとしては、車いす
用の施設整備や介護サービスなど。また入院患者なども含めて、図書の郵送貸出や家庭配
本な どの いわ ゆる 、ア ウト リー チサ ービ スも 含め て障 害者 サー ビス とい うこ とが ある 。
大活 字本
弱視者用に大きな活字で印刷された図書。「大型活字本」ともいう。(1)原本を電子式
複写機等で拡大する、(2)手書きで拡大写本を作成する、( 3) 活字を大きく組み直す等の方
法で 作成 され る。 ( 3 ) によ るも のが 弱視 者に とっ ては 最も 読み やす いと いわ れて いる 。
対面 朗読 サー ビス
図書館が提供する音訳サービスの一つで、朗読者が「目の代り」となって指定された資
料を読むサービス。朗読者は図書館員やボランティアである。対面朗読は、点字図書や録
音図書に訳されていない資料を即座に利用できるという利点がある。また利用者は、その
場で質問ができるために、レファレンスサービスにもつながり、より積極的な障害者サー
ビスができるようになる。日本では、1970(昭和55)年に東京都立日比谷図書館が公共
図書館では初の障害者サービスとして対面朗読サービスを実施した。その後、視覚障害者
サービスの一つとして急速に広がり、新設される図書館には、対面朗読室を設置すること
が一 般的 とな って いる 。
多文 化サ ービ ス
図書館の利用者集団の文化的多様性を反映させたサービス。主たる対象としては、移民、
移住労働者、先住民などの、民族的、言語的、文化的少数者(マイノリティ住民)がまず
あげられる。外国語(もしくはマイノリティ言語)コレクションの構築および提供がサー
ビスの中心。多文化サービスのための資料としては、外国語資料にとどまらず、マイノリ
ティ住民がその地域の主要語を学ぶための資料、異文化相互理解のための資料等も不可欠
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なも のと して 揃え る必 要が ある 。
高知 市民 図書 館
1949年の開館から、貸出文庫の開設、開架式の採用、読書会活動(1951年)。1956年
から ユネ スコ 共同 図書 館事 業に 参画 。
読書 会
数人が定期的に集まって本などの感想を述べあう会合。その場で同じ本を読む方法やあ
らかじめ読書をしてくる方法、あるいは輪読、研究会などの方法がある。日本では、戦前
から行われてきているが、戦後は、公共図書館では図書館行事の一つとして、また、学校
では 読書 指導 の一 つの 方法 とし て位 置付 けら れて いる 。
読書 運動
読書の普及を目的とした運動。主として教育文化団体、地方自治体、図書館や社会教育
機関、出版団体などが、読書週間の設定、ポスターの作成や標語の公募、講演会や展示会
の開催、読書感想文コンクールなどを通じて行っている。日本では、「読書週間」のほか、
1 9 50 年 代 か ら 19 6 0 年 代 に か け て の 地 方 を 中 心 と し 、不 読者 層を 対象 とし た読 書普 及運 動、
1960年代初めの鹿児島県の「母と子の20分間読書運動」、1960年代後半からの子どもを
対象 とし た親 子読 書運 動、 文庫 活動 など の事 例が ある 。
母と 子の 20分間 読書
椋鳩十が館長を務めた鹿児島県立図書館が1960年代に始めた読書運動で、全国的に広がっ
た。1960∼1970年代の家庭文庫運動へとつながった。なお、1951年には、長野県立図書
館が 「P T A母親 文庫 」運 動を 始め た。
読書 週間
1 1 月 3 日 ( 文 化 の 日 ) の 前 後 2 週 間 。 1 0 / 2 7 から 1 1 / 9ま で。 読書 の普 及・ 推進 と出 版文 化
の向上を目標とする全国的年中行事。図書館では読書週間に、記念講演会・展示会・読書
グ ル ー プ 表 彰 な ど が 行 わ れ る 。 「 子 ど も読 書週 間」 は、 1 9 5 9年か ら、 「こ ども の日 」の 前
後2 週間 。
公共 図書 館サ ービ スの 指標
・登 録率
登 録者 (登 録し て貸 出券 の交 付を 受け てい る人 )が サー ビス 人口 に占 める 比率 。
・貸 出密 度
ある期間における貸出延べ冊数をサービス人口で割ったもの。すなわち、住民1人あた
りの 貸出 延べ 冊数 。サ ービ ス人 口と して は、 通常 、定 住人 口が 用い られ る。
・実 質貸 出密 度
ある期間における貸出延べ冊数を登録者数で割った値。登録者あたりの平均貸出延べ冊
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数。 実質 貸出 密度 に登 録率 を掛 ける と、 貸出 密度 を求 める こと がで きる 。
図書 館統 計
主として、図書館評価を行う際に用いられる。一般的には、投入統計と産出統計とに分
けられ、前者には、図書館数、職員数、資料数、施設規模などが含まれ、後者には、利用
登録 者数 、貸 出冊 数、 質問 受付 件数 など が含 まれ る。
図書館経営論
ピジ ョン ホー ル
雑誌を効率よく収納するための書架。図書館学ホームページ中の「図書館学」科目の写
真を 見る こと 。 ブッ クデ ィテ クシ ョン シス テム
ブラ ウジ ング ・コ ーナ ー
ブラウジング・コーナーまたはブラウジングルーム。図書館の建物の中で、ブラウジン
グコレクションを提供するスペース。書架、雑誌架、新聞架、それに椅子やソファーなど
が設 置さ れ、 通常 はく つろ いだ 雰囲 気に なる よう な工 夫が なさ れて いる 。
モジ ュラ ープ ラン
図書館建築特有の平面計画の一つで、モデュールと呼ばれる基準寸法による長方形また
は正方形の区画で構成し、階段、エレベータ、便所、ダクトスペースなどの固定部分を集
約し 、そ れ以 外の 空間 を開 放し て家 具配 置の 融通 性を 高め る方 法。
配架 方法
安全 開架 と自 由開 架
開架式ではあっても、持ち出すときに手続きの必要な方式を安全開架といい、手続きの
必要 でな い方 式を 自由 開架 とい う。
主題 別部 門制
主題別閲覧室制、または主題部門制ともいう。特定の主題もしくは学問分野別に分けら
れた閲覧室。特定の主題に関する資料を集中的に収集、排架し、閲覧、貸出からレファレ
ンスまで総合的に行われることがある。特定の主題に関して資料やサービスの提供を一元
的に 行う 体制
書庫 内の 適温 ・適 湿
温 度= 20 ℃、 適湿 =5 0 % 前後 。
サイ ン計 画
利用者を的確に図書館サービスへと導くためのサインについて、個々のサインと図書館
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サービスを体系的に組み合わせ、一つの体系として効率的に配置すること。サインは、そ
の機能面から、誘導、識別、指示に大別される。文字、絵文字、色彩等の視覚的要素を用
いて、体系的に計画・設置される。『図書館の施設と設備』(現代図書館学講座13)p.
148- 153を参 照。
全域 サー ビス
市町村立図書館の政策目標である区域全体住民への図書館サービス。市町村立図書館は、
自治体区域のどこに住んでいる人に対しても均一に図書館サービスを提供しなければなら
ない。図書館が単に図書を収集、保管し来館者の利用に供する点的な施設として捉えられ
て い た 1 9 60 年 代 以 前 は 、 自 治 体 を 面 的に 把握 する 「全 域サ ービ ス」 とい う概 念は 存在 しな
かった。しかし、利用者調査の中で公共図書館の利用圏が限定的であることが明らかにな
り、また図書館サービスが自治体の住民に対する行政サービスの一部であることが明確に
なる中で、この考え方が確立し、普及してきた。全域サービスのためには、中央館、分館
や移動図書館等のサービスポイントを計画的に配置することと、それらのサービスポイン
トが均等で効率的、効果的なサービスを提供できるよう図書館システムを形成することと
が必 要で ある 。
図書 館ネ ット ワー ク
複数の図書館が、資料収集、提供、保存、目録作業といった図書館業務において、共通
の目的のもとに相互依存関係を持ち結びついた状態、あるいは結びついてできた組織。図
書館協力の同義語として用いられることも多いが、コンピュータや通信といった技術的要
素が図書館間の結び付きの基盤として存在する。ただし、広義には、図書館と図書館以外
のあらゆるタイプの情報提供機関やそのネットワークとの結び付きも含まれる。また、一
定の規約の有無や運営の中心となるセンター館の役割などにより、図書館コンソーシアム
や書 誌ユ ーテ ィリ ティ とい う用 語と 区別 され る。
図書 館シ ステ ム
複数の図書館が、サービス機能の拡大と充実を図るために有機的な協力関係を結んで作
り上げた全体組織のこと、またはこうした有機的な協力関係を有する図書館群のこと。通
常は各図書館が機能的な役割分担をしている場合にいい、まったく対等なたかちで相互協
力の協定を結んでいる場合などにはシステムとはいわないことが多い。設置者の異なる独
立した図書館間で形成される場合にも、単一の自治体や大学などの中で複数の図書館が役
割分 担を 行う 場合 にも いう 。
蔵書 点検
蔵書全体を書架目録と照合し、蔵書の現状や紛失資料の有無を調査すること。点検時に
不明と判定された図書は、一定期間を経過して後不明の間まであれば、除籍の手続きがと
られ、財産簿および目録上から削除される。通常、この作業を通じ、破損資料の発見、排
架場所の誤りの発見、請求記号の誤記訂正など、副次的な効果が得られる。およそ年に1
回実施される。物品管理として必要なだけでなく、不明資料を目録上から削除して、利用
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者に 無用 の混 乱を 与え ない とい うよ うに 、サ ービ ス面 から みて も重 要な 業務 であ る。
大規 模開 架
分館 設置
児童サービス論
最初 に児 童室 設置
大 日本 教育 会附 属書 籍館 、1 8 8 7年 に児 童室 を設 置
情報サービス概説
『国 書総 目録 』補 訂版
国 初 か ら 18 6 7 年 ま で に 刊 行 さ れ た日 本人 によ る著 作の 書誌 事項 およ び所 蔵館 が分 かる 書
誌。 総合 目録 の要 素も ある 。
『出 版年 鑑』
『日 本書 籍総 目録 』
『日 本全 国書 誌』
クイ ック レフ ァレ ンス
即 答的 質問 。事 実に 関す るレ ファ レン スの うち 、す ぐに 解答 でき るよ うな もの をい う。
レフ ァレ ンス サー ビス にお ける 3大 業務
レ ファ レン スサ ービ スは 情報 サー ビス の中 核と なる 業務 。
「質 問回 答サ ービ ス」
「カ レン トア ウェ アネ ス」
あらかじめ特定の利用者の関心・要求を把握しておいて、図書館員がそれぞれの情報ニー
ズに 応じ た、 最新 の資 料・ 要求 を継 続的 、か つ迅 速に 提供 する 。
図書館などの情報サービス機関が利用者に対して最新情報を定期的に提供するサービス。
コン テン ツサ ービ ス、 新着 図書 目録 の配 布、 S DI など の形 態が ある 。
「書 誌サ ービ ス」
利用者の情報ニーズに応えて、2次資料を駆使して求められる主題関連の資料を探索し、
ふさ わし い文 献リ スト を利 用者 に提 供す る。
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レフ ェラ ルサ ービ ス
1 9 7 0 年 代 以 降 に ア メ リ カ の 公 共 図書 館で 急速 に発 達し た能 動的 サー ビス の代 表的 なも の
で、案内紹介サービスともいう。日常的な問題に関して具体的な情報を提供したり、地域
の適 切な 機関 や専 門家 に紹 介し て、 問題 解決 を援 助す る。
文献や情報の要求に対して、その分野の適切な専門家や専門機関に照会して情報を入手
し、提供するサービス。また、そうした専門家や専門機関を利用者に紹介するサービス。
この よう なサ ービ スを 提供 する 情報 機関 はレ フェ ラル セン ター と呼 ばれ る。
「利 用案 内」 「利 用者 教育 」「 読書 相談 サー ビス 」
レフ ァレ ンス にお ける 最大 理論
レファレンスをとおした人的援助の範囲には、最も大きなもの(最大理論)(自由理論、
自由論ともいう)から最も限定的なもの(最小理論)まで3段階ほどの考え方があるが、
そのうちの最大のものをいう。すべての質問に対し直接図書館員がかかわって調査、検索
を行 うと いう もの 。
これに対し、最小理論とは、求められている情報が検索できる情報源を紹介したり、そ
の利 用方 法を 指示 した りす る方 法で 、利 用案 内と よば れる 。
中 間の もの を中 間理 論と いう 。
レフ ァレ ンス にお いて 回答 して はな らな いも の
・利用者にかかわる制約。例えば大学図書館であれば、学生には直接結果を教えずに検索
方法 を指 導し た方 がよ い場 合が ある 。
・質問事項にかかわる制約。回答結果が主観的判断に左右されるもの。将来の予測や仮想
のことがらにかかわるもの。反社会的なものや個人のプライバシーを侵害するもの。単な
る事 務的 作業 を強 いる もの 。一 つの 調査 にあ まり にも 多く の時 間を 要す るも の。
・図書館員の専門性にかかわる制約。専門知識や経験の不足により回答できない場合と、
法律 相談 、医 療相 談な ど、 当該 分野 の専 門家 が別 にい るよ うな 場合 とが ある 。
・情報源にかかわる制約。回答を提供するための検索ツールや情報源が存在しないために、
情報 を入 手す るこ とが 出来 ない 場合 。
『参考事務規程』では以下を回答の制限事項としている。①他人の生命、名誉、財産等に
侵害を与え、または社会に直接悪影響を及ぼすと見られる質問。②医療・健康相談、法律
相談 、信 条相 談、 仮定 また は将 来の 予測 に属 する 問題 、③ 学校 の宿 題、 ④懸 賞問 題
『参 考事 務規 程』 日本 図書 館協 会参 考事 務分 科会 編( 日本 図書 館協 会, 1 9 6 1)
レフ ァレ ンス にお ける イン タビ ュー
レファレンスプロセスの問題。「対面プロセス」「調査プロセス」の2つのプロセスが
ある。対面プロセスにおいては、まず利用者の質問を受け付け、その質問要旨の確認を行
う。漠然とした質問について「利用者が何を知りたいのか」の、質問の要点の把握を行う。
そして質問内容を再編成する。このプロセスでは、図書館員は確認作業をインタビュー形
式に よっ て進 める 。こ れに よっ て質 問内 容が 確立 され る。
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レフ ァレ ンス レス コレ クシ ョン
図書館で利用者が直接調べものをするために利用したり、レファレンスサービスにおい
て図 書館 員が 用い る図 書・ 資料 ・情 報源 の総 称。
①2 次資 料。 書誌 、目 録、 索引 、索 引・ 抄録 誌、 レビ ュー
②辞 典・ 便覧 類。 辞典 、事 典、 便覧 ・ハ ンド ブッ ク、 図鑑 ・年 鑑・ 年表 、統 計・ デー タ
③1次資料群の中の情報。研究案内書、テキストブック、一般図書中の索引、年表、書誌
など
④1次資料内のレファレンス情報。史料集成、地理・地名参考資料(地図等)、人物・機
関参 考資 料、 法令 集、 判例 集、 統計 資料 集、 規格 、特 許資 料
⑤自館編成資料。インフォメーションファイル、各種パンフレットのファイリング、切抜
資料 (ク リッ ピン グ)
⑥自 館製 ツー ル
書誌 の書 誌
三 次資 料と もい う。 『日 本書 誌の 書誌 』天 野敬 太郎 編が 有名 。
資料組織法(総論、目録関係)
記述 ユニ ット カー ドの 作成 問題
標題紙、奥付を与えて記述ユニットカードを作成させる問題がある。この場合、通常
I S BD の 区 切 り 記 号 法 を 用 い な い 、 と い う 指 定 が つ く ( 名 古 屋 市 の よ う に 記 号 を 付 け さ せ
る例 も現 れた から 注意 )。 こう いう 場合 以下 のよ うに する こと 。
①区 切り 記号 法の 代わ りに 、単 に字 空け を行 う。
②出 版に 関す る事 項、 形態 に関 する 事項 、注 記、 IS BN 、の 4カ 所で 改行 する 。
③階層構造を持つ出版物の場合、本法で記載する。おそらく物理単位を含むような問題は
出題 され ない 。
例
資 料組 織法 木 原通 夫[ ほか ]共 著 第2 版補 訂版
東 京 第一 法規 出版 1 9 9 1
viii, 281p 2 1 c m
付属 資料 : 目 録カ ード 実例 集
I S BN 4- 47 4 - 0 0 1 5 4 - 0
t 1. シリョウ ソシ キ ホ ウ a1 . キ ハ ラ, ミ チ オ s 1 . 図書 目録 法 s 2 . 図書 分類 法 ①0 1 4 . 3 ② 0 1 4 . 4
付 属資 料は 日本 の習 慣で は注 記に 記載 する 。件 名、 分類 標目 は与 えら れる
ファ ーミ ント ン・ プラ ン
F ar m ingt on P lan
アメリカにおける大規模な図書館協力。1948年に始まる。大学図書館を中心に60館の
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学術図書館が参加して、外国の学術出版物を少なくとも米国内の一つの図書館が所蔵する
よう計画された。これにもとづき、主題別や国別の分担を決めて計画的な集書を行った。
その後1966年にNPAC(全米収書目録計画)が始まったこともあり、1972年に中止さ
れた 。
NP AC
Nat ional P r ogr am f or Ac quis it ions an d Cat aloging
全 米収 書目 録計 画
アメリカ議会図書館(LC)を中心とする全国収書目録計画。世界各国の新刊学術書を
L C で 網 羅 的 に 収 集 し 、 集 中 目 録 作 業 を行 おう とす るも の。 1 9 6 6年に 発足 。フ ァー ミン ト
ンプランを引き継ぐ形となる。この計画に従い、世界の主要先進国にLC事務所が置かれ、
そ れ ぞ れ の 国 の 機 関 に 分 担 目 録 作 業 ( s h a r e d c a t a lo g in g ) に 参 加 さ せ た り 、 ま た そ の 国 の
全 国 書 誌 を 活 用 す る な ど し て 収 集 と 目 録 作 業 に 努 め て い る 。 ま た MARCが こ の 活 動 の た め
に開 発さ れた 。
典拠 ファ イル
統一著者名、統一タイトル、件名のように、標目を統制する場合、どのような形に統一
したか、別名にどのようなものがあるか、その典拠となった参考資料は何か、等を記載し
たフ ァイ ルを 典拠 ファ イル とい う。 Aut hor it y f ileとい う英 語形 も必 ずお ぼえ るこ と。
NC R1987 年 版の 特徴
書誌階層という概念を導入したこと。新版予備版を引き継いで、記述ユニット方式を採
用 し た こ と 。 記 述 に I S BD を 採 用 し た こ と 。 AACR2 と 同 様 に 、 多 く の 資 料 を 対 等 に 扱 っ た
こと 。コ ンピ ュー タ目 録と 書誌 ユー ティ リテ ィ環 境に ある 程度 対応 した こと 。
NC R新 版予 備版 との 相違
新 版 予 備 版 は 物 理 単 位 で 、 資 料 を 1 点1 点記 述す るこ とを 原則 とす るが 、1 9 8 7 年 版で は
書誌 的な 単位 にま とめ て記 述す るこ とを 原則 とす る。
AA CR 2
Anglo- Am er ic an Cat alo g u in g Ru les . 2 n d ed . の こと 。英 米目 録規 則第 2版 。1 9 7 8年 刊行 。
英 語圏 の国 々を 中心 に、 世界 で最 も広 く使 われ てい る目 録規 則。 事実 上の 世界 標準 。
記 述 に I S BD を と り い れ た こ と 。 多 く の 資 料 種 別 を 対 等 に 扱 っ た こ と 。 基 本 記 入 方 式 で
ある こと 。あ る程 度コ ンピ ュー タを 意識 して 作ら れた こと 。
OC LC
Online Computer Library Center。1967年設立。世界最初かつ最大の書誌ユーティリティ。
アメリカのオハイオ州に本部があり、全世界にサービスを拡げている。Utlas等と並
んで 北米 にお ける 4大 書誌 ユー ティ リテ ィの 一つ 。
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冠称
「改訂」や「詩集」、「続」など、書名の頭部に小さく書かれ、書名を修飾する部分の
総称。わが国の出版物にはこれが多くあり、書名の一部に含めるべきかどうか、といった
議論 が昔 あっ た。
記述 ユニ ット 方式
NCR新版予備版では、記述ユニットカード方式と呼ばれた。記述、標目指示、所在記
号の3つだけを先に作成し、標目指示の枚数だけコピーして、その後で個々のカードに標
目を記載していく方式をいう。記述を先に作成し、後から標目を記載する方法であり、ど
の標目も等価なものとなっている。昔、「記述独立方式」という名で主張された方式であ
る。
目録 の種 類
西欧では、タイトル、著者、件名記入を一本化して並べる辞書体目録があるが、日本で
はま ず用 いら れな い。 タイ トル 、著 者、 件名 、分 類そ れぞ れご とに 目録 を作 るの が普 通。
タイトル、著者、件名、分類目録と、西欧における変種として辞書体目録の5種類を覚え
る。
あ と、 事務 用目 録と して 書架 目録 を覚 える 。
コンピュータ目録では、このような目録の種類はあてはまらない。単に「著者名で検索
する 」、 「タ イト ルで 検索 する 」、 「著 者名 とタ イト ルで 検索 する 」、 とい うこ とに なる 。
辞書 体目 録
タイトル記入、著者記入、件名記入を標目の音順に一括して並べた目録をいう。まるで
辞 書 の よ う に 配 列 さ れ た 目 録 と い う こ と か ら 、 辞 書 体 目 録 ( Dic t io n ar y Cat alo g) とい う。
欧米 では 、辞 書体 目録 があ たり まえ であ った 。
総合 目録
Union Cat alo g。 英語 形も 必ず おぼ える こと 。
複数館の資料の記録を統合し、どの資料をどの図書館が所蔵しているかが探せるような
目録。図書館間の相互協力の前提となるものである。日本では『学術雑誌総目録』、『新
収洋書総合目録』(現在は廃止)が有名。世界的にはNational Union Catalog(LCが編集)
が有 名。
版と 刷
edit ion, im p r es s io n
版とは同じ印刷原版を用いて印刷・制作した総体をいう。刷とは同時期に印刷・制作し
た全 体を いう 。
同じ刷の中の各冊は、当然同じ内容である。同じ版の中のすべても内容に変化はないは
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ずであるが、実際には誤字脱字の訂正以上の変更を加えることがあり、刷が異なれば、同
じ中味であるとはみなせない場合もある。また出版社のなかには、刷のことを版と称する
とこ ろも ある 。
配列 の原 則
NCR1987年版 によ る配 列の 原則
1. 拗音 、促 音、 濁音 、等 は、 すべ て直 音と みな す。 長音 符号 は無 視。
2. アル ファ ベッ ト表 示の 語句 は、 発音 に従 って カタ カナ で表 示。
3. 著者 目録 の場 合、 同じ 著者 の中 は、 タイ トル 、出 版者 、シ リー ズ、 出版 年の 順
4.タイトル目録の場合、同じタイトルの中は、責任表示の最初の著者名、出版者、シリー
ズ、 出版 年の 順
な お、 配列 では 語順 と字 順と いう 大き な2 種類 があ るこ とに 注意 。日 本語 は字 順。
ま た、 配列 規則 は、 as −i fか らa s− is へと 変化 して きた 。
無著 者名 古典
アラビアンナイトや、死者の書などのように、著者ははっきりしないが、古典的作品と
みな され るも の。
目録 にお ける 参照
r ef er enc eあ るい はc r o s s r ef er en c e。 s ee r ef er ec e, s ee als o r ef er c n es
「を 見よ 」参 照、 と「 をも 見よ 」参 照の 2種 類が ある 。
資料組織法(分類関係)
NDCの記 号暗 記問 題
・2 ∼3 桁程 度の 記号 を問 う問 題が よく 出る 。
・2桁では、01−08、10−19、20−29、30−39、40−49、50−5
5、59、60−61、67−69、70−79、80−89、90−99。この中でも
特に、01(図書館)、21−27、31−33、36−38、41−43、46、59、
61 、6 7、 72 、7 6、 81 −8 3、 91 −9 3が 重要 。
・3桁では、007(情報科学)、010−019、147(超心理学)、148(占い)、
318(地方行政)、319(外交)、321(法律学)、323(憲法・行政法)、3
31(経済学)、332(経済史・事情)、361(社会学)、365(生活・消費問題)、
366(労働問題)、367(家庭・性問題)、369(社会福祉)、911(日本文学
−詩)、912(日本文学−戯曲)、913(日本文学−小説)、914(日本文学−評
論、 随筆 )、 91 8( 日本 文学 −全 集) を覚 える 。
・289(個人伝記)、291/297(各地の地誌)、312(政治史・事情)、31
9(外交)、322(法制史)、332(経済史・事情)、351/357(各地の統計)、
とい った とこ ろの 使い 方、 記号 の与 え方 を覚 える 。
・特 に2 89 (個 人伝 記) と列 伝の 使い 方を よく 覚え る。
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個人伝記は、289を用いる。ただし、哲学者、宗教家、芸術家、文学者の伝記は、そ
れぞ
れの 主題 へ収 める 。
ただ し個 人伝 記と は2 人ま での 伝記 のこ とを 指す 。3 人以 上の 伝記 を列 伝と 呼ぶ 。
哲学者、宗教家、芸術家、文学者は、主題と人の生涯とが密着しているから、289では
なく、それぞれの主題へおさめるとされる。列伝とこれら以外の分野の人の伝記は、それ
ぞれ の主 題へ 。
ベー トー ベン の生 涯 76 2. 34 (個 人伝 記、 音楽 家)
アイ ンシ ュタ イン 伝 28 9 (個 人伝 記、 物理 学)
ニー チェ の生 い立 ち 13 4. 9 (個 人伝 記、 哲学 者)
鉄の 女、 サッ チャ ー 28 9 (個 人伝 記、 政治 家)
新人 国記 .大 阪府 28 1. 63 (列 伝、 主題 特定 せず 、大 阪府 )
経営 者列 伝 33 5. 13 (列 伝、 経営 学)
NDCに関 して
・補 助表 は日 本の 習慣 では 助記 表と よば れ、 この 使い 方に つい ての 質問 はよ く出 る。
・1995 年 8月に ND C新 訂9 版が 刊行 され た。
8 版と 比べ て大 きく は変 化し てい ない が、 その 特徴 とし て以 下が ある 。
① 出版 点数 の多 いと ころ は分 類記 号が 若干 展開 され た
② 注記 と参 照が 充実 した
③ 中間 見出 しが 取り 入れ られ た
④ 地理 記号 表と 言語 記号 表が 別表 とし て完 全に 網羅 され るよ うに なっ た
授業 中に 配布 した プリ ント が正 式に 採用 され たと 思っ たら よい
⑤ 形態 面で 本表 が1 冊、 補助 表と 相関 索引 とで 1冊 。合 計2 分冊 にな った
特 に⑤ は覚 えて おく こと 。
Me l vi l De we yの業 績( 1 8 5 1 - 1 9 3 1 ) ( 分類 以外 も言 及)
D D C − デ ュ ー イ 十 進 分 類 表 ( 1 8 7 6 年 初 版 ) の 考 案 者 。 そ の ほ か ALA( ア メ リ カ 図 書 館
協会 )の 創立 (1 8 7 6年 )に 尽力 。ま たコ ロン ビア 大学 にア メリ カ最 初の 図書 館学 部を 創設 。
書誌 分類 と書 架分 類
分類目録中で分類標目として使用する分類が書誌分類であり、記号の長さの制約がない
だけに、その資料の主題を詳細に表す。これに対し、主題配架の際、書架上での位置を決
定するための分類を書架分類という。図書ラベルに記載する制約から、あまり長い記号を
与え るこ とは でき ず、 書誌 分類 に比 べれ ば粗 い記 号と なる こと が多 い。
また書誌分類では、2以上の記号を与えることができるが、書架分類は1つしか与える
こと がで きな い。
一般 分類 表と 専門 分類 表
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専 門分 類表 :正 しく は特 殊分 類表 とい うが 、通 常専 門分 類表 と呼 ばれ るこ とが 多い 。
すべての主題領域を対象とする分類表が一般分類表で、特定の主題領域を中心に狭い範
囲の領域をあつかう分類表を専門分類表という。普通の公共図書館や大学の中央図書館な
どでは、一般分類表が用いられるが、医学図書館や法律図書館などといった専門図書館で
は、 特殊 分類 表が 使わ れる こと があ る。
件名 目録
ノ ート を見 て、 分類 目録 と件 名目 録の 長所 ・短 所を 整理 する こと 。
助記 表
ND C8 、 9 版 に お け る 補 助 表 の こ と を い う 。 8 版で は助 記表 と補 助表 が併 記さ れて いた
が 、 9 版 で は 補 助 表 と い う 表 現 だ け と な っ た 。 ND Cでは 、例 えば 日本 はお おむ ねど こで も
「1」で表すし、全集はどこでも「8」で表す。このように、記号が分類表の多くの箇所
で同一の内容を表す性質を「助記性」と称する。そして補助表では、同じ記号を多くの箇
所で共通に使用するわけであるから、当然助記性が生まれる。こういうことから昔は補助
表の こと を助 記表 とい った りし た。
相関 索引
N D C に 付 随 す る 、 分 類 表 の 索 引 を 相 関 索 引 と い う 。 デ ュ ー イ が D D Cに お い て 初 め て こ
ういうものを作った。分類表中の名辞を単に五十音順に並べただけではなく、例えば「結
婚」なら主題領域(観点)によって、いろいろな分類記号が与えられるが、このように名
辞ご とに 種々 の分 類記 号を 意図 的に 集め よう とし たも のが 相関 索引 であ る。
図書 記号
普通図書は主題配架するから、書架上での位置を決定する第一要素は分類記号である。
同じ分類記号の中をさらに細分するための記号を図書記号という。同一分類記号の中を、
著者 記号 を用 いて 著者 順に 並べ たり 、年 代記 号を 用い て年 代順 に並 べた りす る。
著者 記号 表
図書記号として著者記号法を採用するとき、単に著者名の頭文字を1∼3文字とる方式
だと、著者名の場所によって、多い、少ないの差が非常に大きくなる。出現頻度によって
あ ら か じ め 調 節 し て 、 ど こ も 一 様 に 分 布 す る よ う に 作 っ た 記 号 を い う 。 た と え ば 、 S AT か
ら S AT I ま で を S 8 3 と す る の ご と き 。 日 本 著 者 記 号 表 、 カ ッ タ ー ・ サ ン ボ ー ン 著 者 記 号 表 な
どが ある 。
標準 分類 表
特 定の 図書 館で はな く、 一国 レベ ルで 広く 使用 する 、標 準的 な分 類表 のこ とを いう 。
分類 規程
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ND Cの 序 説 に 書 か れ て い る 、 分 類 基 準 の こ と 。 たと えば 「図 書中 に3 つま での 並列 主題
があれば最初の1つに分類し、4つ以上あればそれらを包含する上位の記号に分類する」、
「主 題の 影響 関係 は、 影響 を受 けた 側に 分類 する 」と いっ たこ と。
専門資料論
情報検索演習
情報 検索 I n f o rm a t i o n re t ri e v a l (I R)
情報検索。IRと略される。書誌情報の検索と、事実情報(ファクト情報)の検索に大
別される。また新しい情報を検索するカレントアウェアネスと、遡及的に過去の情報も検
索す る遡 及検 索( Ret r o s p ec t iv e s ear c h ) と に分 ける こと もで きる 。
CD- RO M ( Co m pa ct di s k − re a d o n l y m e m o ry )
CD ( コ ン パ ク ト デ ィ ス ク ) を パ ソ コ ン の 外 部 記 憶 媒 体 と し て 利 用 す る も の 。 読 み 出 し
しかできず、ユーザーが自分でデータを書き込むことはできない。物理的にはオーディオCD
と全 く同 じで 、1 2 c m の ディ スク 1枚 で約 6 4 0 MBほど の大 容量 を記 憶で きる 。
8 c m の CD - RO Mを 使 用 し た 「 電 子 ブ ッ ク 」 も あ り 、 こ れ は 専 用 プ レ ー ヤ ー に よ り 、 パ ソ
コン なし でも 利用 する こと がで きる 。
CD- ROMソ フ ト と し て は 、 を 使 用 し た さ ま ざ ま な も の が 発 売 さ れ てい る。 テキ スト デー
タ だ け で な く 、 画 像 や 音 声 情 報 を 含 む マ ル チ メ デ ィ ア ソ フ ト も 多 数 作 成 さ れ て い る 。 CD R O Mソ フ ト に は レ フ ァ レ ン ス 関 係 の も の も 多 い こ と か ら 、 レ フ ァ レ ン ス に と っ て 欠 く こ
と の で き な い 情 報 源 と な っ て い る 。 ま た 同 じ CD - RO Mを ネ ッ ト ワ ー ク 上で 、多 くの パソ コ
ンから使用できるネットワーク対応のCD- ROMソフトも増えてきている。CD- ROMよりもっ
と大 容量 の記 憶装 置と して 、最 近DVD- ROMが 普及 しは じめ た。
J− BI SC
日 本 図 書 館 協 会 が 発 売 す る CD - RO Mに 納 め ら れ た 書 誌 デ ー タ の 商 品 名 。 J AP AN MARC
のデータを元にして作られており、現在明治以後の書誌データが、出版時期ごとに数枚のCD
- RO Mに 分 け て 納 め ら れ て い る 。 カ レ ン ト 版 は 年 に 4 回 デ ー タ が 更 新 さ れ る 。 T RC MARC
ど他 のMARCをも とに した 同様 の商 品も 発売 され てい る。
検 索 ソ フ ト も 付 随 し て お り 、 書 名 や 著 者 、 出 版 社 、 I S BN な ど さ ま ざ ま な 項 目 か ら 検 索
でき る。 CD- ROMに よる 書誌 情報 検索 の一 つの 典型 例と なっ た。
JO IS
J I CS T の 提 供 す る オ ン ラ イ ン 情 報 検 索 シ ス テ ム 名 。 わ が 国 に お け る 最 初 の オ ン ラ イ ン 文
献 情 報 検 索 シ ス テ ム 。 J I CS T 作 成 の 科 学 技 術 文 献 フ ァ イ ル を 始 め と し て 、 J I CS T 作 成 、 外
部 機 関作 成の さま ざま なデ ータ ベー スを 提供 。何 度か 機能 が拡 大し てお り、 現在 はJ OI S −
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Ⅳ 。 近 接 演 算 子 な ど 高 度 な 機 能 も 使 え る 。 ま た イ ン タ ー ネ ッ ト を 通 し て W EBに よ る G UI
( gr apic al us er in t er f ac e)環 境で 使え るよ うに なっ た。
NACS I S ( Nat io n al Cen t er f o r S c ien c e I n f o r m at io n S y s t em )
学 術 情 報 セ ン タ ー 。 1 9 8 6 年 文 部 省に よっ て設 立さ れ、 ①大 学間 の学 術情 報ネ ット ワー ク
の建設、②目録・所在情報システムの提供、③データベースの提供といった機能を中心に
運営 され てい る。
② は 図 書 館 向 け の サ ー ビ ス で N ACS I S - CAT 、 ③ は 研 究 者 向 け の サ ー ビ ス で N ACS I S - I R
とい うシ ステ ム名 で提 供さ れて いる 。
OP AC ( O n l i n e pu bl i c a cce s s ca t a l o g )
利用者用オンライン目録。利用者が端末から直接検索することのできるオンライン目録。
コン ピュ ータ 操作 に詳 しく ない 利用 者を 想定 して おり 、以 下の よう な条 件が 必要 であ る。
①十分な端末の数がある、②キーボードにかぎらずタッチパネルなども用い、操作が分
かりやすい、③検索方法が分かりやすい、④打鍵数と画面展開を極力抑える、⑤検索のス
ピー ドが 速い こと 。
書誌 ユー ティ リテ ィー
オンラインで書誌データベースを維持し、参加者に幅広く書誌データを提供する機関。
主として図書館単位でこれに参加し、共同で目録データベースを作成し、参加館が目録デー
タを共有する。目録データの共有だけにとどまらず、目録データベースに付随する総合目
録をもとに図書館間貸出手続きをオンラインで行ったり、コンピュータによる受入や貸出
システムを提供したり、論文単位の書誌データベースを提供したり、といった事業も行う
こ と が 多 い 。 北 米 の O CLCや Ut las 、 そ れ に 日 本 の 学 術 情 報 セ ン タ ー 等 が 代 表 的 な も の で あ
る。
図書館史
アレ クサ ンド リア 図書 館
紀元前3世紀、エジプトの古代都市アレクサンドリアにあった古代世界最大の図書館。
蔵書数数十万冊といわれるが、数百年後に消失した。カリマコスによるピナケスとよばれ
る蔵 書目 録を 備え てい た。 現在 ユネ スコ によ って 復興 事業 が進 んで いる 。
フィ ラデ ルフ ィア 図書 館会 社
ベンジャミン・フランクリンの呼びかけで、フィラデルフィアに開かれた最初の会員制
図 書 館 。 1 7 3 2 年 設 立 。 会 員 が 出 資 金を 出し 合っ て図 書を 共同 購入 し、 共同 利用 する 。非 会
員も条件付きで利用できた。アメリカにおける公共図書館の原型といえる。その後北米に
多く の会 員制 図書 館が 作ら れた 。
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芸亭 (う んて い)
奈良時代末に、文人の大納言石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が設けた書庫。日本最
初の公開図書館とされる。芸亭院といもいう。自宅の寺の隅に書庫を設けて、好学者に自
由に 閲覧 させ たと いわ れる 。芸 は藝 とは 別字 で、 虫害 を防 ぐた めの 香草 のこ と。
金沢 文庫 (か なざ わぶ んこ 、か ねさ わぶ んこ )
鎌 倉 中 期 ( 1 2 75 年 頃 ) 、 北 条 ( 金 沢) 実時 が金 沢の 別荘 (現 在の 横浜 市金 沢区 )に 設立
した文庫。和漢の貴重な書籍を多数蔵し、金沢学校と呼ばれて、中世関東の学問の中心で
あ っ た 。 そ の 後 も 文 庫 は 充 実 し た が 、 1 3 3 3 年 北 条 氏 滅 亡の 後は 、急 速に 衰え て散 逸。 1930
年に 復興 され 、神 奈川 県立 博物 館と して 一般 に公 開さ れて いる 。
紅葉 山文 庫( もみ じや まぶ んこ )
江 戸 時 代 、 幕 府 が 江 戸 城 内 紅 葉 山 に 設置 し、 蔵書 を収 めた 文庫 。徳 川家 康が 1 6 0 2年に 古
書 、 古 記 録 を 収 蔵 し た の が 起 源 で 、 の ち1 6 3 9年 紅葉 山に 移し 、以 後文 庫の 増設 、蔵 書の 収
集な ど充 実し 明治 に至 る。 現在 は内 閣文 庫と なり 、国 立公 文書 館内 にあ る。
塙保 己一 (は なわ ほき いち )
群書類従(ぐんしょるいじゅう)の編者。正編530巻666冊、続編1150巻1185冊からな
る日本最大の叢書。正編は1779年から1819年にかけて刊行。続編も塙保己一が企画・編
集 し 始 め る が 、 1 9 1 1 年 に い た っ て よう やく 完成 。収 載範 囲は 中古 ・中 世を 中心 に多 種多 様
で、当時の稀覯・貴重文献をほぼ網羅する。国史・国文をはじめ、学会に寄与した恩恵は
計り 知れ ない 。
商務 印書 館( しょ うむ いん しょ かん )
上 海 に あ る 大 出 版 社 。 18 9 7 年 設 立。 多数 の辞 典・ 叢書 類を 出版 。『 四部 叢刊 』や 『万 有
文庫 』を 刊行 。
青年 図書 館員 連盟
戦前、大阪の間宮商店を中心に活躍した図書館員の集まり。日本十進分類法、日本目録
規則、基本件名標目表(当時は日本件名標目表)という三大ツールの基礎を作った。森清
など 。
イン キュ ナブ ラ in c u n ab u la, in c u n abu les
「 ゆ り か ご 」 の 意 。 ヨ ー ロ ッ パ に お け る 初 期 刊 本 。 1 5 世 紀 中 に 活 版 印 刷 に よ っ て 、ヨ ー
ロッ パ各 地に おい て印 刷刊 行さ れた 図書 のす べて 。
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