富山大学 理学部 数学科 案 内 NAVIGATOR TO DEPARTMENT OF MATHEMATICS FACULTY OF SCIENCE TOYAMA UNIVERSITY 郵便番号 930-8555 富山市 五福 3190 番地 富山大学 理学部 数学教室 電 話 : 076—445—6572 FAX : 076—445—6573 http://www.sci.toyama-u.ac.jp/math/indexJ.html はじめに 表紙デザインをじっと見てください。ここにはいくつかの黄金比,相似関 係などが巧みに組み込まれ, 無限も暗示しています。まさに霊峰立山連山の ように高く聳え, 日本海のように深遠な数学を象徴しています。 大学は学問の場です。急速な変化をとげつつある高度情報化社会, 多様な る価値観。今こそ, 大学本来の役割を再認識し, 時代に合った新しい革袋に 新しい酒を注ぐときがやってきました。 発展の一途をたどる高度情報化社会を担っているのがコンピュータです。 コンピュータは今や現代版読み・書き・ソロバンといえるだけでなく, 人間 の思考力の創造物である数学とますます関係を深めています。最近では相 当高度な数学的内容をコンピュータで表現できるようになり, コンピュータ も純粋数学に影響を与えるようになってきています。このような時代背景 を直視して, 理学部数学科では全く新しい教育体制を整えています。 富山市は大自然に囲まれ, それでいて中核都市としての機能を備えていま す。サークル活動, スポーツなどで楽しい学生生活を送れる環境も整ってい ます。しかし, 四年間は長いようで短い。“学びかつ問う” すなわち “学問す る” という基本姿勢がとても大切です。 かず こ まなぶ 新入生の数子さん (K) と 学 先生 (M) の会話も参考になるでしよう。 i 目 次 数学は期待されています . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .1 富山大学 理学部 数学科は このように変革しています . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 四年間のカリキュラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5 大学院理工学研究科 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8 先輩からの声 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10 教官スタッフと研究テーマ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13 過去四年間の就職状況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14 求人状況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16 ii 数学は期待されています 現在の情報科学を支える大きな柱の一つが数学です。そのため数学科に対 する社会的要請は年々強まっています。それは,数学科の卒業生の進路状況 の変化にもあらわれています。これまで数学科の卒業生は,中等 · 高等教 育に携わる者が多かったのですが,最近では情報処理関連企業,各種メー カー,金融関係への就職も好調です。 • 大局的な見通しと解析力 • 厳密な論理の構成力 • 数学的なセンスと基礎学力 などの能力をもつ人材の必要性を認識され始めたからです。 富山大学では,四年一貫のカリキュラムによる教育体制が,平成 5 年度よ りスタートしました。これにより,入学時から専門の数学の学習ができる ようになりました。また数学の演習の時間も増え,きめの細かい指導が可 能になるなど,従来より柔軟で厚みのある教育体制ができあがりました。 さらに高度な専門知識と研究能力をもった人材の養成を目指し,大学院 理工学研究科(博士前期課程,博士後期課程)も設置されています。大学院 では,各学生ごとに研究テーマを持ち,先生との文字どおりマン · ツー · マ ンでの勉強が行われます。 高度な潜在能力をもつ数学科出身者を積極的に採用したい とする企業側のニーズにもマッチし,大学院修了者の就職も好調です。ま た,教員を志望する人は,大学院で 専修免許 を取得することもできます。 M: 入学おめでとう。四年間の学生生活うらやましいね。 K: ありがとうございます。とっても嬉しいのですが, やって行けるかという不 安もあります。高校の先生からも, 先輩からも数学は難しいと聞いています し, 新しい教育内容というとなおさらです。 M: もっともな話だね。確かに数学は簡単ではないよ。だから理解しやすいよう に, まず現代数学の基礎となる微分積分と線形代数に今までの 1.5 倍の時間を かけ, 演習は二人の教官が担当するなどの工夫をして, 丁寧に教え, じっくり 勉強してもらうことにしたんだ。 K: 大学で演習を二人の教官が担当するなんて聞いたことがありません。すっ かり安心しました。でも基礎ばかりに力を入れて, よそに比べて遅れる心配 がありませんか? M: それが意外と “コロンブスの卵 ” なんだ。どこの大学の数学科でも数学の 急速な進展に目が行き, 先を教えることばかり考えていた。どんなスポーツ でもまずランニング等で充分基礎体力をつけないと伸びないよね。いわば急 がば回れだと気付いたんだ。それに実は大きな工夫があるんだよ。 富山大学 理学部 数学科は このように変革しています 富山大学 理学部 数学科は三つの点で大きく変わりました。第一点は社 会の情報化に合わせた講座改造,第二点は教養教育の変革,第三点はコン ピュータと英語教育の重視です。 かつて, コンピュータは数値計算のための機械と見なされていました。し かし現代では中国語の電脳と言う言葉が適切に思えるほど情報なら何でも 処理するのがコンピュータです。 ところで,その電脳の基本原理は数学にあります。砂糖を何グラムと量る のと同じように,情報を何バイトと量るためには,数学が必要なのです。マ ルチメディアにおける画像処理においても,その技術は数学の言葉で書か れているのです。そういう意味で情報科学は数学と切っても切れない関係 にあります。 富山大学 理学部 数学科では,いままでは純粋に数学を研究するやり方を 学生諸君に伝え,自らも純粋数学の研究を天命として来ました。でも,私 達は気がついたのです。 • 社会の情報化は産業革命以来の社会規模の革命である,と。 • 数学の研究もこの革命に無縁ではいられないのだ,と。 • 英語とコンピュータは現代の “読み・書き・ソロバン ”,使えてあたり まえ。 そこで,平成 5 年度より,これまでの五講座制から二大講座制に大改革さ れました。これが第一点の変革です。二大講座のうちの一つは,上に書いた 理由から,情報数理講座です。もう一つの大講座である数理解析講座は情 報科学の数学的な基礎づけに欠くことのできない講座です。この二つの大 講座がいっしょにセットで数学科の中にあることも,私達が自慢できる特 徴です。 第二点の変革は教養教育に関連したものです。富山大学は,平成 5 年度か ら教養部制をやめて四年一貫の教育に切り替えました。入学したけど数学 の本格的な講義は二年生の後半までお預け,という事態はありえなくなった のです。 第三点はコンピュータと英語教育の重視です。インターネット等の通信手 段, データ処理, 計算にと, 強力な力を発揮するコンピュータを使えるよう な教育環境が整えられています。また, 英語については一, 二年の教養教育 における語学教育を引き継ぎ, 二年次に科学英語,三年次に洋書講読, 四年 次では数学講究が英語のテキストを使って実施されます。つまり四年間英 語漬けというわけです。 K: そんなにじらさないで, その大きな工夫とやらを教えて下さい。 M: まあまあ, あわてないで。 カリキュラム表を見てごらん。情報処理, 統計 データ処理, プログラミング演習 I, II とあるでしょう。そこで, コンピュー タの基本操作・基本ソフトのこなし方, プログラムの組み方を学ぶと, 微分積 分, 線形代数の計算などわりと簡単にこなせるようになるんだよ。 K: それだったら, 講義や演習なんか, いらないのではないの? M: おいおい, それはとんでもない勘違いですよ。例えば, 今は小学生でもパソ コンを操作して, いくらでも漢字を表示することくらいできるでしょうが, そ の意味や使い方を知らないとほとんど文章を書けないね。創造的な仕事をす るには原理やいろいろなつながりを知らなければならないんだ。 四年間のカリキュラム 一年生 · 二年生には,教養科目や情報処理 · 言語表現科目と合わせて,数 学の基礎として一番大切な授業である線形代数学と微分積分学(科目名は 解析学)が組まれています。線形代数学では,高等学校で学習したベクトル と行列の理論をより抽象化された高い立場から学習します。また,微分積 分学では,実数の連続性を基礎として組み立てられた厳密な理論を学習し ます。これらの科目には,それぞれ演習の時間が設けられていて,二人の教 官によりバッチリ基礎を養います。さらに,二年生では,後の学習の基礎と なる科目(代数学,位相数学,複素解析学)を学びます。また, 一, 二年生 を通じ, 情報処理, 統計データ処理, プログラミング演習 I, II でコンピュー タの基本操作から始め, 大事な機能を使いこなせるように訓練します。 三年生になると授業を次のようなバラエティに富んだ科目から, 自分の進 路に合わせ選択して学べるようになっています:抽象代数学,位相空間論, 微分幾何学,複素関数論,実解析学,関数解析学,確率論,常微分方程式 論,偏微分方程式論,数値解析学,情報科学など。 さらに進んで,四年生に対しては古典的理論や最近のホットな話題をテー マにした授業が,内部の先生ばかりでなく,他大学の先生によっても開かれ ます。 上にあげたのは,先生が説明をして学生がそれを聞いて勉強する講義 と 呼ばれるものです。これに対して,大学では,学生が与えられたテキストを 勉強してきて,先生を含む少人数のグループの中で発表するセミナー と呼 ばれるものがあります。セミナーでは,自分がどのくらい勉強してきたか が,先生にはすぐわかってしまうので,学生は気を抜くことができません。 学生はここで厳密な理論の構成の仕方を徹底的にチェックされ,数学的セン スを磨いていきます。 このようなセミナー形式の勉強には,三年生の 洋書講読 と,四年生で行 う 数学講究 との二つがあります。前者は,学生に洋書で数学を勉強するこ とに慣れてもらい,また自分で勉強していく姿勢を確立してもらうことが ねらいです。後者は,四年間の勉強の総仕上げとして,自分の関心の高い得 意な分野を研究するために,少人数で各先生について行うものです。 K: やっぱり大きな工夫の意味がまだはっきりしないわ。 M: 数学が難しい理由の一つは, 論理を厳密にするため, どうしても抽象的にな るんだ。宿命とも言えるがね。そこで重要なのは, その内容を表す例や演習 問題を君達自身で一つ一つこなしていくのが大事なんだ。 K: コンピュータとどう関係があるんですか? M: そこなんだよ。コンピュータに慣れてくると, 数学で大事な例などが実際に 見られるんだ。例えば, 相当複雑な曲線や曲面等の図形が画面に現れてくる ので, たちまち理解できてしまうというわけだ。 K: コンピュータができると, 数学が本当に調子よくわかってしまうんですか? M: ごめんごめん, 調子に乗り過ぎた。コンピュータはとても人間には処理でき ない多量の情報をこなし, 計算もするが, 考えるのは苦手だし, 直観力などは 無しだね。実は数学的内容をコンピュータで表現できるのは全体から見てそ う多くはないんだ。 M: コンピュータを積極的に取り込んで行くのは, むしろこれから発展していく 分野で, 君達がチャレンジして実力をつけるのに格好の舞台の一つだ。こう いう積み重ねが社会のいろんな桧舞台で活躍できる源泉というわけだ。 K: なんだかうまくだまされたような気がする。俳優の卵にたとえられるのは悪 い気がしないわ。でもよい役者になるには, 良き指導者がいて, 良き環境が必 要と聞きますが? M: よくぞ聞いてくれました。当数学科は長い時間と費用をかけて, そのような 教育ができるスタッフを整え, コンピュータ環境, 舞台装置も一新したんだ。 数学科でこれ程整っているところはないと自負しているよ。 K: 私はコンピュータに興味があるので, それを聞いてすごくやる気が出てきま した。でも同じく入学した友達で, 「私はコンピュータというよりじっくり 考えるのが好きなのにコンピュータ, コンピュータとばかり聞こえてきて心 配だわ」といっている人がいますが。 M: そりゃーそうだよね。コンピュータに興味ある人もいれば, 数学の理論を組 み立てる方が好きな人もいることは当然だよ。数学科の先生方の中にもコン ピュータを使っているといいながら全部御膳立てをしてもらってワープロ機 能と e-mail だけを使っている人もいるよ。 K: 今どき流行らない先生の話はどうでもいいの。私の友達のことはどうしたら いいんですか? M: 君の友達に安心してもらうつもりでそう言ったんだ。カリキュラムの半分は 数学理論中心の科目で, 少し力を入れれば充分に大学院にも進学できる力が つくように組んであるんだ。むしろ従来の数学の内容も充実したと思ってい るよ。 K: やっと “大きな工夫 ” の意味がわかりました。つまり, 基礎を充分にやって 自分の個性に合わせて進む道を選択できるようになっているんですね。 M: 大正解。今までは教育の時間をかけるウェイトがどちらかというと4年間の 後半にあった。それを前半に置き学生諸君自らが自分の進路を決断できる基 礎を作り, 自らが進んで学ぶ能力を養うところに力点を置いたんだ。 K: 私も勇気が湧いてきました。友達も安心すると思うわ。頑張ります。 M: 安心するのはまだ早い。実際分かるというのは大変なんだよ。でも, しっか り努力して力をつけて, 野茂やイチローみたいに表舞台では淡々としたらい いかもね。 大学院理工学研究科 高度に成熟した現代社会は, 科学技術の成果のたまものと言えるでしょう。 しかし, さらなる進展を遂げるためには, 理工系の大学院に対し, 創造性豊 かな若手研究者の育成と同時に, 企業等における研究開発活動の中核となり 得る高度の専門知識を持った職業人の育成が求められています。とりわけ, 技術革新の基盤とも言うべき自然科学の分野における先端的研究者への期 待が大きくなっています。また, 教員を志望する人にも, 専修免許状を取得 するために人気が高いようです。 当数学科でも, 昭和 55 年より理学研究科数学専攻(修士課程)で毎年 10 人前後の修了者を輩出し, どの卒業生も教育現場(中学、高校、大学)や企 業などで中核となって活躍しています。平成 10 年度からは理学研究科と工 学研究科が改組され, 理学及び工学を融合した大学院理工学研究科(博士前 期課程(従来の修士課程)と博士後期課程)として新たに発足し, 文字どお り総合的な大学院として生まれ変わりました。博士後期課程の数学関係の 研究分野はシステム科学専攻の中の「情報数理解析学」と「信頼性数理解 析学」です。どちらの分野もコンピュータ等を駆使して、様々な自然, 社会 現象に潜む「数理的法則」を解明するための解析手法の研究や解析能力の 育成を目標としています。 さらに,現役の社会人に対しても門戸を開いています。博士前期,及び後 期課程において,大学院設置基準第 14 条(教育方法の特例)を適用し,夜 間及び休日等にも教育研究指導を行い,リフレッシュ教育の場を提供してい ます。すでに、現役の高校の先生や気象庁の職員の方などが学んでいます。 Coffee Break 『パスカルの三角形』 2002 年は平成 14 年である。2002 と 14 は相性がいい。2002 は 14 で割り切れる。実際, 1001 は因数分解すると 7 · 11 · 13 であるからである。ちなみに, このことから, 3 桁の数を使っ て, 例えば, 365365 は 7 でも 11 でも 13 でも割り切れることがわかる。 さて, 二項係数を書き並べたものは, パスカルの三角形と呼ばれている。第 14 段目は, 1 − 14 − 91 − 364 − 1001 − 2002 − 3003 − 3432 − 3003 − 2002 − 1001 − 364 − 91 − 14 − 1 であり, 14 と 2002 が仲よく並んでいる。 この数列でもう一つ気になることがある。 2002 と その前後の 3 数が等差数列になっている。 これは珍しいことであろうか。 n 段目の二項係数 を {aj }0≤j≤n とする。 aj 中心の隣接 3 項が等差である条件は, aj−1 + aj+1 = 2aj である。 aj+1 = aj (n − j)/(j + 1), aj−1 = aj j/(n − j + 1) なので, 条件は j/(n − j + 1) + (n − j)/(j + 1) = 2 となる。 n について整頓すれば, n2 − (4j + 1)n + 4j 2 − 2 = 0 となる。 解の公 √ 式より, n = 2j + p と置けば, 1 ± 8j + 9 = 2p なので, n = p2 − 2, j= p(p − 1) −1 2 を得る。 |p| ≥ 3 なる全ての整数 p に対して, n と j は条件をみたす。(−p には, 中心に対し て線対称な j の値 n − j が対応する。) このとき, 3 項の比は, aj−1 : aj : aj+1 = (p − 2) : p : (p + 2) となる。 例えば, p = 3 のとき, n = 7, j = 2 で, 3 項の比は, 1 : 3 : 5 であり, p = −3 のとき, n = 7, j = 5 で, 3 項の比は, 5 : 3 : 1 となる。 また p = 2q のとき, 3 項の比は, 3 続きの整数 (q − 1) : q : (q + 1) である。 1 1 1 1 1 1 1 1 7 2 3 4 5 6 1 3 6 10 15 21 1 4 10 20 35 1 1 5 15 35 1 6 21 1 7 1 先輩からの声 数学科四年生から高校生の皆さんへのメッセ−ジです 1. 数学科では毎日数学ばかりやります。数学が好きな人にはいい所です。実験もない し一日に授業が三つもあれば多いほうです。他の理学部の学科に比べればかなり暇 です。ただ計算が好きだからという理由だけで数学科を選ばない方がいいです。な ぜなら数学では計算力も必要ですが,それ以上に論理的に考える力が必要だから です。 2. 数学科を受験する皆さんに知って欲しいことが一つある。それは大学の数学は高校 の数学とは異なるということだ。だから高校の数学をさらに発展させて学びたいと いう人は数学科に来ると失望するかも知れない。 そういう自分も失望した一人である。しかし今こうして数年間,大学の数学と つきあっているうちに,数学の奥深さというものを知り,結構楽しんで授業やセミ ナーに出席している。だから,数学の奥深さというものに触れてみたい人は是非数 学科に進んで欲しい。 3. 数学科で学ぶ数学は、本質的な数学である。高校で学習したような形式的なものと は違い、今まで学んできたことを理論的に位置づけて、それをもとに発展させ探求 するところである。また、実用的なコンピュータの演習授業もカリキュラムに含ま れており、プログラムを学びたい人にもいい場ではなかろうか。 4. 受験生諸君へ。私は数学科の学生でありますが,大学の数学はとても難しいです。 高校であいまいにしていた所を非常に細かく考えていくことが多いです。また新し い概念などもたくさん出てきます。ただ,難しいだけに何か一つでも新しいことが 分かると頭がよくなった気がして,気持ちのよいことがあります。 5. 数学科は理学部の中では比較的自由な時間の多い学科です。だから、遊ぼうと思 えば遊べます。しかし、数学の勉強はもちろんのこと、英語の勉強もありますし、 PC プログラムなどを勉強する環境もそろっていて時間はいくらあっても足りない かもしれません。勉強する意欲のある人にとっては、実力を伸ばせる学科だと思い ます。 6. 少なくとも数学科はやりがいのある学科だと思う。ある意味で実力主義で,やって いて緊迫感があっておもしろい。自分に自信のある人は入ってみる価値は充分ある 所だと思う。もっとも,数学的センスのない人にとっては地獄かもしれない . . . 。 7. 高校の頃のやり方とはまるで違っていると思う。最初の頃は, 日本語なのに頭が働 かない毎日でした。ここで少し頑張らないと後に尾を引きます。でも少し頑張って おくと, 三, 四年になった時, とても楽しく, 深く学べると思います。最近, 大学が とても綺麗になっている。 8. IT 改革の波がここ数学科にも、確実な変化をもたらしています。PC を効果的に使 用した授業の増加、コンピュータプログラミングについての講義の出現、ネット ワーク環境の充実、などなど。 9. まず,数学科には卒業論文がない。このことを知ったのは入学してからだったので, 当たりくじを引いたときのようにラッキーと思いました。それから数学科は授業の 数もそれほど多くなく,自信と要領さえあればあき時間を有効(! ?)に使うこと が可能です。 10. 大学の数学には高校の数学のようなパズル性はあまりありません。式の羅列だけで は成立しません。式と式の間を埋める言葉にも重要な意味があります。言葉である 以上ある種,哲学的でさえあります。もちろん,非常に論理的です。高校の数学で は思いもつかないくらい論理的です。また,大学の数学は社会に出てもあまり役に 立ちそうもありません。 11. 「数式はどこへ行った?」, 「文字ばかりじゃないか!」。数学科の授業は高校まで の授業と違い,分野によっては数式がほとんど出てこないものがあります。数学科 は数学のできる人よりは数学の好きな人や文章作成能力のある人にきてほしい所で す。証明をするときに実感します。 12. 大学の数学は高校での数の計算などはほとんどなく文字を使った計算や証明ばかり です。高校時代,計算が好きで数学科に入った僕は理論中心の授業に戸惑っていま す。また,洋書を使うこともあり,英語力も必要です。理論を学びたい人は数学科 に来てがんばってください。 教官スタッフと研究テーマ 講 座 数理解析 氏 名 (Name) 研 究 テ ー マ 教授 東川 和夫 教授 池田 榮雄 教授 渡邉 義之 助教授 阿部 幸隆 講師 水野 透 (Azukawa Kazuo) (Ikeda Hideo) (Watanabe Yoshiyuki) (Abe Yukitaka) (Mizuno Toru) 複素多様体 非線形現象の解析 リーマン多様体 準アーベル多様体 体論 教授 風巻 紀彦 教授 小林 久壽雄 教授 久保 文夫 教授 菅谷 孝 教授 吉田 範夫 助教授 藤田 安啓 助教授 菊池 万里 助教授 古田 高士 助手 木村 巌 助手 幸山 直人 (Kazamaki Norihiko) (Kobayashi Kusuo) (Kubo Fumio) (Sugatani Takasi) (Yoshida Norio) (Fujita Yasuhiro) (Kikuchi Masato) (Koda Takashi) (Kimura Iwao) (Kouyama Naoto) 確率解析 確率過程と非線形問題 システム解析 符号化理論 微分方程式論 エルゴード的確率制御 マルチンゲールの理論 概複素多様体 代数的数論 情報符号化理論 情報数理 Mathematics Journal of Toyama University 富山大学 理学部 数学科では欧文の数学研究誌 Mathematics Journal of Toyama University を毎年一巻のペースで刊行しています (1978 年創刊)。国 内はもとより国外からも多数の研究論文が寄稿され,関係する専門家による閲 読の上でその採否が決定されています。この研究誌は,国内外の大学 · 研究所 の発行する約 300 種類の研究誌と交換されています。 過去四年間の就職状況 平成 11, 12, 13, 14 年の数学科卒業生の進路です (大学院修了者を含む) 進 学 富山大学大学院理工学研究科 (37) 大阪大学大学院理工学研究科 (1) 九州大学大学院数理学府修士課程 (1) 千葉大学大学院自然科学研究科 (1) 北陸先端科学技術大学院大学 (6) 富山大学大学院教育学研究科 (5) 金沢大学大学院自然科学研究科 (1) 静岡大学大学院理工学研究科 (1) 名古屋大学大学院理学研究科 (1) 専門学校 (3) 教 員 滋賀県 教員 (1) 北海道 教員 (1) 新潟県 教員 (2) 私立校 教員 (2) 公務員 大沢野町役場 (1) 刑務官 (1) 秩父市役所 (1) 北海道教育庁 (1) 金沢市役所 (1) 大門町役場 (1) 富山市消防 (1) 企 業 JA松任 (1) NTT データ東京 SMS (1) yuto engineering (1) アクトライズ (1) アネックス・インフォメーション (1) インテック (3) オスカーホーム (1) キムラユニティー (1) ジェイ・エス・エス (3) セーレン (2) セントラルシステムズ (1) デジタルテクノロジー (1) トヨタ自動車 (1) ハイテックス (1) パルステック工業 (1) ビリヤード店 (1) ベンチャーセーフネット (1) 石川コンピュータ・センター (2) 上田YSA大学予備校 (1) 川鉄情報システム (1) 京進 (1) 秀英予備校 (1) 中部ソフト・エンジニアリング (1) 東京コンピュータサービス (1) NTT-me サービス東海 (1) YKK (2) さなる (2) アコム (1) イー・エム技研 (1) エヌ・ティ・インフォメーションシステム (1) カテナ (1) ケーブルテレビ (1) ジャストミートコーポレーション (1) センチュリー・システムズ (1) ティエスティ (1) トヨタシステムインターナショナル (1) ハイテクシステム (1) バリッドシステム (1) バロー (1) フォーラムエンジニアリング (2) ラテックス (1) 今西数英教室 (1) 榎本工業 (1) 共栄システムズ (1) 滋賀富士通ソフトウェア (1) 大一グループ(大一商事)(1) 天晴データネット (1) 東京システム技研 (1) 富山システムサービス (3) 新潟キヤノテック (1) 日神不動産 (1) 日本コンピュータ・システム (1) 日本原子力発電 (1) 日立システムアンドサービス (2) 福井トヨタ (1) 不二越情報システム (1) 富士通ディジタル・テクノロジ (1) 富士通愛知エンジニアリング (1) 富士通北陸システムズ (1) 北陸インテック技研 (1) 松下情報システムテクノロジー (1) 丸文通商 (1) 富山富士通 (2) 日産サニー山形販売 (1) 日本オープンシステムズ (3) 日本マネジメントアカデミー (1) 八十二銀行 (1) 日立ソフトウェアエンジニアリング (2) 藤久 (1) 富士通システムズ (1) 富士通ビジネスシステム (1) 富士通長野システムエンジニアリング (1) 北都銀行 (1) 北陸製薬 (1) 山形銀行 (1) ( ) 内は人数 求人状況 平成 10, 11, 12, 13, 14 年度に, 数学科へ直接申し込みがあった企業名です CSK MICHELIN NEC マシナリー NTT ソフトウェア PFU SNK YKK アイテック阪神 アルパイン アンリツエンジニアリング インターフェイス ウィンテック エヌエスアンドアイ・システムサービス エムケーシー・スタット オムロンソフトウェア キャデム コニカ コンピュートロン シグマトロン ジャステック セイコープレシジョン ソキア ソニー幸田 ソフトウェア開発 テクシア デンソーテクノ トータルシステム研究所 トヨタシステムインターナショナル トヨタテクノサービス ニトリ ハイマックス フジパン ベンチャーセーフネット マックス マルチメディアシステムズ メイテック ユニシステム ユニデン リード・レックス 伊藤忠テクノサイエンス 江守商事 沖北陸システム開発 科学技術振興事業団 FJB Web テクノロジー NEC ソフトウェア NEC 山口電気 NTT 東海移動通信網 PFU ソフトウェアラボラトリ TOKAI アイコムシステム工業 アトラス情報サービス アルファシステムズ インターゲイト インテック エスイープランニング エフサスネットワークソリューションズ オープン・アーキテクチャ キタムラ機械 キャノンソフトウェア コムシス ジェーエムエーシステムズ システム総合研究所 セイコーアイテック セントラル・コンピュター・サービス ソニーテクトロニクス ソフテムテクノロジー ダイワボウ情報システム テクノカルチャー デンツウケン トヨタコミュニケーション トヨタシステムリサーチ ニチコン ハイテクシステム パロマ ブレーン マイクロ マリモ電子工業 ミツバ ユーコム ユニテック リーテック ワークデータバンク 榎本工業 応用技術 開発計算センター 学校法人山梨英和学院校 河口湖精密 神田通信機 京セラコミュニケーションシステム 経調 構造計画研究所 三社電機製作所 芝通 住商エレクトロニクス 住友電装コンピュータシステム 昭和情報機器 数理計画 大洋不動産 高木産業 館山デバイス 中部日本電気ソフトウェア 帝人 東京コンピュータサービス 東光 東芝テック画像情報システム 巴商会 富山トヨペット 新潟鉄工所 日進ソフトウェア 日製メックス 日東通信機 日本アイ・エス・ティ 日本コムシス 日本システムウェア 日本テクニカルシステム 日本プロセス 日本電気マイコンテクノロジー 日本放送協会 日立インフォーメーションテクノロジー 日立システム&サービス 日立ソフトエンジニアリング 日立ビジネスソリューション 日立マイクロソフトウェアシステムズ 日立画像情報システム 日立情報システムズ 日立超 LSI システムズ 日立電子サービス 不二越 関西日本電気通信システム 管理工学研究所 極東貿易 広進工業 国土交通省国土地理院 資生堂 住エレシステム東京 住商情報システム 潤工社 新日本工機 第一コンピュータリソース 大日本印刷 宝酒造 中部ソフト・エンジニアリング 千代田情報機器 東海光学 東京ドロウィング 東芝東芝 LSI システムサポート 東北日本電気ソフトウェア 富山システムサービス 富山富士通 新潟日本電気ソフトウェア 日製ソフトウェア 日星電気 日邦産業 日本アビオニクス 日本サーバ 日本ダイレックス 日本ノベライズシステムズ 日本団体生命保険 日本電子 菱友計算 日立エスケイソーシャルシステム 日立システムエンジニアリング 日立ソフトエンジニアリング北陸開発センター 日立プロセスコンピュータエンジニアリング 日立メディコ 日立公共システムエンジニアリング 日立情報制御システム 日立中部ソフトウェア 日立東北ソフトウェア 富士ソフト ABC 富士ファコムシステム 富士写真フイルム 富士通 LSI テクノロジ 富士通アイ・ネットワークシステムズ 富士通サポート&サービス 富士通ディジタル・テクノロジ 富士通ビー・エス・シー 富士通愛知エンジニアリング 富士通関西通信システム 富士通中部システムズ 富士通東北ディジタル・テクノロジ 富士通北陸通信システム 古河インフォメーション・テクノロジー 北陸コンピュータ・サービス 北陸日本電気ソフトウェア 三菱スペース・ソフトウェア 三菱電機インフォメーションシステムズ 三菱電機セミコンダクタシステム 明生システムサービス 讀賣新聞社 類塾 富士フィルムソフト開発センター秋田 富士通 LSI ソリューション 富士通 VLSI 富士通オアシス開発 富士通システムソリューションズ 富士通パソコンシステムズ 富士通プログラム技研 富士通関西ディジタル・テクノロジ 富士通九州ディジタル・テクノロジ 富士通東京システムズ 富士通北陸システムズ 物産システムインテグレーション 文化シャッター 北陸ホットスパー 三井生命保険相互会社 三菱プレシジョン 三菱電機コントロールソフトウェア 三菱電機マイコン機器ソフトウェア 村田機械 両毛システムズ (平成 14 年 5 月 13 日現在)
© Copyright 2024 Paperzz