コネット通信 - NPO法人 消費者情報ネット「コネット」

2013-1 号
2013.4.20
特定非営利活動法人消費者情報ネット
コネット通信
〒530-0047 大阪市北天満 4 丁目
6番3号
第 5 大阪弁護士ビル 3 階(プロボ
ノセンター内)
発行責任者 石原純子
電話 06-6311-3456
e-mail: [email protected]
http://www.npo-connet.org
第7回コネット企業セミナー開催
2013年3月12日(火)、大阪産業創造館において“消費者相談の現場から見る高齢者対策”を
テーマにして、第7回企業セミナーを開催しました。
日本は世界史上、例をみない速さで65歳以上の人口が21%を超え、
“超高齢社会”に突入しました。
高齢化にともない、消費生活関連においても高齢者が契約当事者である相談は年々増加し、トラブルも
増えています。高齢者の身体的、精神的衰え、心理状態をくみ取った商品づくり、販売が企業に求めら
れています。
このような状況において、企業としてどのような対策を講じなければならないかを考えるため、セミ
ナーの前半1部では各消費生活相談窓口に寄せられた高齢者関連の様々な相談事例(下記参照)を発表。
下記事例 2 は石原理事長と酒井事務局長、そして参加者にも協力を願い、楽しく分かりやすいコントに
して発表しました。それらを基に相談業務の現場にいるコネット会員が問題点等を指摘し、その対策、
解決方法を参加企業の方々に伝え、後半の2部では参加者をグループ分けにし、企業の方々の体験談も
交え、意見交換を行いました。
今回のセミナーは年度末であったことから企業の参加者は少なく、残念な思いでしたが、参加された
方々からは「相談現場の話は臨場感があり、考えさせられた」「なかなか聞けない他企業の方の苦労話
が参考になった」などの声が聞かれ、開催意義があったと感じました。
事例1
(松尾
生命保険
妻が昨年、入院した。妻は寝たきり状態で床ずれがひどくなり、細菌の付着により悪化し
たため入院した。始めに入院した病院で治療を受け、230日程で当病院から症状固定を理
由に退院を言い渡された。自宅で看るのは困難だったため、帰宅せず別病院に移送してもら
い70日ほど入院後、やっと退院した。
妻が加入していた生命保険に入院給付金を請求したところ、120日しか保障できないと
言われてしまった。両病院の入院期間は300日あるのに120日しか保証しないことに納
得できず、保険会社に苦情を言うと、契約時に渡した約款に入院等の給付条件は記載してお
り、契約した妻も承知のことだと言われてしまった。妻は認知症もひどく、聞いても分から
ない。約款なんて読む人は少ない。それより勧誘時にどのような説明をしたか知りたいので、
勧誘員から話を聞きたいと申し入れたが応じてくれない。
(男性・77歳)
保美)
事例2
本日特売!
スーパーの表示
スーパーのチラシ広告を見て安いと思い、ボトル入りのガムを買いに
548 円!
行った。店内には目立つ色のポップ広告が壁に貼ってあって、大きく
548円と書いてあった。通常698円なので安いと思い、2個持って
レジに並んだ。他のものと一緒に買ったのでレジ打ちのときには気づかな
かったが、店内でレシートを確認すると、698円と打たれていた。
すぐに間違いを店員に指摘したが「この商品は新商品で698円です」と
言う。広告の記載価格と違うと言っても取り合ってくれない。
納得できず店長に苦情を伝えたが、「548円の商品はこの下に並べている旧商品で、
あなたがレジに持ってきたのは698円の新商品です。商品をよく見ていただければ
少しデザインが異なっています」と言う。
「ポップ広告の位置がおかしい。誰でも間違
う」と言ったが取り合ってくれなかったので「本部に苦情を言ってやる」と言い捨て、
その商品を返品して帰った。
本部にその店の苦情を伝えると「その店の責任者は店長です。本部には指導する権
利も義務もありません」と冷たい回答しかなかった。当スーパーの広告は通常価格で
販売している商品であっても特価と思わせる広告にしている。意図的に安いと思わせ
て客寄せをする販売である。お客は騙されている。消費生活センターから本部に苦情
を伝えてほしい。
事例3
(男性
リフォーム
事例4
4月初めに訪れた業者から点検に来たと
75歳)
プロバイダ契約
インターネットが繋がらなくなったので、
言われ、1年程前に行ったオール電化工事
“サポートセンター”と書かれていた電話番
の点検と思い、家に入れた。業者が風呂場
号にかけた。何のサポートセンターだったか
の中を見ていたのは覚えているが、浴槽の
は忘れた。途中で他の人に代わり、パソコン
交換や、壁を塗り替え作業など見なかった。
を操作するよう言われた。指示された通りに
5月から夫が認知症で施設に入るため月々
操作したら別のプロバイダ契約になってし
7万円必要になり、工事代金の支払いはで
まった。
きない。
(女性・81 歳)
(女性・73歳)
事例5
(男性・70歳)
ケーブルテレビ契約
一人暮らしをしている80歳の父が訪問してき
た業者の説明を受けて、テレビ放送と電話の契約
をしていた。父にパンフレットを見せて内容を確
認したところ、通話料金を別に支払うことになる
ということを全く理解していなかった。
(男性・53歳)
コネット劇団が葬儀寸劇「こんなんじゃ死なれへん」を公演しました
平成 24 年度のコネット劇団は 6 月 30 日のシンポジウム「消費者にとってより良い葬儀とは~おサイフに
も心にも優しい葬儀~」で寸劇「コネットが提案するお葬式―家族葬巻き戻し編」を実演したほか、12 月
6 日に岸和田市で、平成 25 年 3 月 17 日に大東市で葬儀関連をテーマにした寸劇を行いました。今までに
も行政や消費者団体などの依頼で「家族葬編・互助会編・墓地墓石編」の三部作を各地で演じてきました
が、今年度から特に「巻き戻し編」として“コネットが提案する葬儀”の寸劇を行っています。消費者に、
自分はどのような葬儀を希望するのか?と考えていただくきっかけになればいいなーとの思いで情報発信
しています。
内容を紹介しますと、病院で死亡した極楽一太さん(80 歳)、病院紹介の葬儀業者に勧められ、あれよ
あれよというまま葬儀を済ませた極楽さん一家。葬儀業者から高額な請求書が届きびっくり。しかしもう
済んだことだと諦めていた極楽さん一家に、突然現れた天女のコネットさん「一太さんがあの世で嘆いて
いるよ」と一太さんが書き残しておいたエンディングノートの存在を知らせました。
そこで葬儀のやり直しを命じたコネットさん。今度は一太さんの希望通り、簡素で心のこもった葬儀がで
きたとのストーリーです。
寸劇の舞台は小道具作りが大変。豪華な祭壇を作るため大きな祭壇の絵
を描き、その周りに供花の絵を 3 対。しかも僧侶まで登場し、お経まで流
れるという演出に参加者はびっくりです。最後にコネットが提案する葬儀
としてお花いっぱいで飾った棺で演出します。
これらの小道具はみんな手作りです。コネット劇団のメンバーは重たい小道具を担ぎ、せりふ覚えもそこ
そこに会場に出かけ、2 時間の公演をこなします。アドリブもバンバン飛び出し楽しい葬儀寸劇です。コ
ネット劇団のメンバーはパラダイスチームを中心としたコネット会員です。機会があれば是非ご観覧くだ
さい。どこへでも依頼があれば参上いたします。 (酒井 佐代子)
エンディングノート作成講座をしています
コネットでは4~5年前くらいから「オリジナルエンディングノート」の作成を手掛けています。自分
の希望に沿った葬儀を望むならエンディングノートに書いておくことが必要と感じ書き込む内容等を検
討してきました。折しもエンディングノートはブームとなり、本屋の店頭には豪華なノートが並んでい
て購入された方も多いでしょう。しかし、どこから書けばいいのか、何をどう書けばいいのかわからな
いまま眠っているという声も聞かれます。
コネットでは自分だけのエンディングノートの作成指導と
葬儀の問題点を解説した講座をしています。
台紙に好きな色の和紙を張り自分だけのエンディングノ
ートを完成させます。久しぶりの工作に高齢者はじめ若
い方もうきうきと楽しく作業されています。接着剤を乾
かす時間を利用して行う講座は、最近の葬儀関連の苦情
事例も交えながら書き込む内容について説明、何を書き
残せばよいか分かると好評です。お申し込みはコネット
事務局へ参加費は一冊500円です。(材料実費)
エンディングノート完成!
(酒井 佐代子)
パラダイス紙芝居作り顛末記
葬儀調査グループパラダイスは、コネット座と共に、「消費者が望むより良い葬儀と
は」と題し、葬儀関連の問題を消費者に伝えるため、葬儀3部作として「家族葬編」
「互
助会編」「墓地・墓石編」を寸劇と解説で、楽しく分かりやすい消費者啓発として実施
してきました。
それとともに「自分で作るエンディングノート作り」講座を通し、葬儀などの実態を
伝えてきました。しかしこれらの啓発活動には数多くのコネット会員を動員しなければ
ならないため、1人でも2人ででもできる『紙芝居』にしてはどうかとの提案があり、
紙芝居作りに突入したのです。
寸劇で平成24年6月に実施した「家族葬まきもどし篇―コネットからの葬儀提案
―」に絞って紙芝居作りを短期集中で作り上げました。キャラクターを決め、パラダイ
ス・コネット座会員が作画係・色塗り係・セリフ係と分担し2日掛かりで、18枚に仕
上げました。国民生活センター主催の消費者フォーラムの発表後、他団体からの問い合
わせも多く、これからの啓発スタイルとして『紙芝居』はトレンドと自画自賛していま
す。
5月25日総会で発表します。ぜひ見てください!!
編
集
後
(石原
記
2006 年 12 月に特定非営利活動法人の認定を受け、6 年半たちました。
コネットは保険、葬儀、クレジットの研究など他の団体とは一味違った
特色を活かした活動をしています。
紙芝居をみても分かるように、全て手作り、コネット通信も手作りで、
ようやく創刊号にこぎつけました。
年 4 回ぐらいの発行になると思いますが、皆さんのご意見や投稿をお待
ちしています。
PPi
純子)