特集記事著者 : デビッド・S・トンプソン (CA-AM)、スティーブン・E・トウェイト (CSAP) アライアンスマネージャーのグループに最も嫌いな活動は何かという質問をしたら、おそらく提携ガバナンスミーティングで議事録を取ることが最上位近くに入るでしょう。この種の仕事はつまらないものであることを考えるとそのような感情は理解できますが、会議での話し合い、決定事項、および今後の行動項目を正式に文書化することは、アライアンスマネジメントプロフェッショナルが業務遂行の過程で行う最も重要なサービスの 1 つです。契約に基づいて作成される議事録は絶え間なく進化する生きたフレームワークであり、その中でアライアンスは発展します。 2013 年第 3 四半期 1 特集記事提携ガバナンスミーティングでしばしば取り上げられるテーマの範囲と奥行きを考えると、その結果として作成される議事録はさまざまな目的に使用でき、特に次の役割を果たします。 ̶ 歴史的な参考資料 ̶ 戦略、戦術、および予算に関する重要な決定事項の記録 ̶ パートナーシップ紛争における証拠資料 ̶ 監査可能な企業提携ガバナンス文書ご想像のとおり、さまざまな目的に使用できるということは潜在的なリスクも増大します。アライアンスマネジメントの主たる目的はビジネスリスク、人的リスク、および法的不確実性を低減させることであるため、入念に作成された正確な議事録を提供することは重要なアライアンス業務になります。各ミーティングの議事録では、どのような発言があったか、誰がそれを発言したか、どのように発言されたか、どのサポート資料が含まれていたかがすべて不可欠な要素になります。ミーティングの議事録の重要性を考えると、ビジネスリスク、人的リスク、法的不確実性など、さまざまな形のアライアンスリスクを管理して軽減する技術があるプロフェッショナルに、これらの構成要素の記述および集成を任せる必要があります。正確な絵を描くアライアンス提携ガバナンスミーティングを議事録として文書化することによって、各種のアライアンスリスクの可能性が軽減される場合も増大する場合もあります。「議事録の目的が提携ガバナンスミーティングで何が起こったかを文書化することであるなら、議事録によってアライアンスのリスクプロファイルはどのように変わるのですか。」と質問する人がいるかもしれません。これは良い質問です。実のところ、議事録は本質的にミーティングのすべての要素を正確には記録できません。より適切な例えが見つかりませんが、議事録は画家によって表現された風景に似ています。画家は必ずしも実際の風景そのものを表現するとは限らず、風景をどのように解釈したかを表現します。たとえば、パブロ・ピカソとレオナルド・ダ・ビンチが同じ風景を表現したら、おそらく結果として描かれた絵はまったく違って見えたでしょう。話し合いでは、「ダ・ビンチは感情や特定の様式要素を入れないように最善を尽くして、できるだけ正確に風景を表現しようとしている」と言う人がいるでしょう。一方、「ピカソは絵を変えて、見る 2 人からさまざまな反応を引き出すことにより興味があった」と言う人がいるかもしれません。芸術の場合は、風景画の様式はセンスの問題です。しかし、アライアンスマネジメントの場合は、議事録の記録は各ミーティングの風景を構成するビジネス、人的、および法的不確実性に関する健全な判断力の問題です。議事録では、その過程でリスクを増大させずに、ミーティングの内容とその結果として生じる合意を正確に描写する必要があります。アライアンスマネージャーが作る議事録は、ピカソのように特定の反応を引き出すことを意図して様式化されたバージョンを作成するのではなく、ダ・ビンチのように事象を正確に描写することを目標にする必要があります。人的リスクを軽減するための事実に従う記述して見直すために送信されるものは何でも誤解を生む可能性があります。誰もが電子メールを送受信した際に意図していたメッセージが誤解され、しばしば執筆者に迷惑をかけた経験があるでしょう。文書は読み手がしばしば自分の感情を投影するという点で、ロールシャッハテストまたはインクブロットテストに似ていると言われています。そのような誤解の可能性が人的リスクを表します。以降の段落では、人的リスクが生じる可能性があるいくつかの例について説明します。第 1 の例は、読み手が執筆者に対して否定的な感情を引き起こす、感情的意味合いの強い表現を使用することです。感情的意味合いの強い言い回しは、「7 週間遅れた後、X 社はベータプログラムを開始するために必要なリソースを提供しました。」というような挿入句的なコメントとなって現れます。「7 週間遅れた後」という表現は正確であり、それを含めた書き手は満足していることさえありますが、密接な関係がない限り除外する必要があります。これは、書き手が会社をむやみに攻撃していると読み手が考える場合があるためです。議事録を取る上で人的リスクが増大する第 2 のよくある例は、ミーティングでは実際にはそうではなかったのに、執筆者がそうしたいと思っていた言動を反映するように議事録が改変されたときに発生します。これは通常、誰かが許可された権限レベルを超えて何かを約束したり、提携ガバナンスミーティング中に関連する情報に言及しなかったときに発生します。この種の行動は、読み手が議事録の " 情報操作 " の背後に予想される多くの動機について考え始めたときに生じる重大な誤解によって人的リスクを増大させます。 Strategic Alliance Magazine 特集記事人的リスクが生じる場合がある第 3 の例は、不正確で不明瞭な議事録の承認によるものです。パートナーに不快感を与えるリスクを軽減しようという善意によって、議事録の表現が選ばれる場合があります。しかし、それと引き換えに、この種の議事録で、最終的な決定事項、期限、および行動項目が不明瞭になる場合があります。この不確実性は読み手を混乱させ、後で重要な詳細が説明されるまで放置されることによって人的リスクが増大し、不要なコストおよび遅延の原因となる可能性があります。幸いなことに、当事者それぞれがいくつかの単純なルールに同意して従うことができれば、この過程で比較的簡単に人的リスクを軽減できます。 ̶ 提携ガバナンスミーティングの各アジェンダセクションの終わりに、議事録の草案の見直しを組み入れます。様式ではなく内容を正しく把握 2013 年第 3 四半期することに焦点を合わせてグループの時間を費やします。その議事録に話し合い、決定事項、または行動項目の要点が記録されていることがすべての当事者に認められるまで、次の主要なアジェンダ項目に進まないでください。編集は、後で提携ガバナンスミーティングの時間外に行います。 ̶ 議事録を正式なものにする前に、アライアンスマネジメントチームによって記述されて修正された議事録の草案を見直すために 1 週間の期間を設けます。この期間に、各組織で適切かつ必要な情報交換を行うことができます。多くのチー 3 In partnership, there is strength Since 1999, Lilly’s Integrated Alliance Management professionals have helped companies maximize the value of partnered assets. With strong roots in governance and relationship management, we excel at problem solving and value-chain integration at all stages of discovery, development, and commercialization. AnOffice Officeof ofEli Eli Lilly Lilly and Company Company An 4 As an organization and as individuals, we are committed to the success of every partnership we manage. By staying true to mutual goals—and by doing everything necessary to achieve them—we help partners realize the value inherent in every strategic alliance. E-mail [email protected] for more information. 特集記事ムが次の提携ガバナンス集会で前のミーティングの議事録を実際に承認し、その承認を決定事項として記録します。 ̶ 提携ガバナンスグループの議事録担当者を交替させます。当事者双方が交替できるようにすると負担を分担でき、各チームに議事録の記録の微妙な違いに対する洞察力を与えます。 ̶ 必要があれば、当事者全員が情報をさかのぼって見つけやすくするためのミーティングテンプレートを承認します。 ̶ 関連するすべてのミーティング文書を 1 か所で入手できるように、すべてのプレゼンテーションおよびサポート資料のコピーを議事録に含めます。ビジネスリスクを管理するために重要なすべての要素を含めるアライアンス提携ガバナンス議事録の主たる目的の 1 つは、割り当てられた仕事と関連する期限だけでなく、そのアライアンスの戦略、戦術、および金銭上の取引に関連する決定事項を記録することです。残っているこれらの活動に着手し、次回の提携ガバナンスミーティングでそのステータスを報告する必要があります。議事録は簡潔でありながら、アライアンスに新しく参加した人がその提携ガバナンスミーティングで何が話し合われ、どのような決定が行われたかをさかのぼって確認できるように、十分に詳細な情報を含める必要があります。ミーティングで使用された事前配布資料やスライドがある場合は、それらも議事録の最終版に含めてください。この過程で標準的な形式に従うと、読み手が特定の種類のアライアンス固有の情報をすばやく検索できます。たとえば、次のセクションはアライアンスのビジネスの重要な要素です。 ̶ 予算 ̶ スケジュールの変更 ̶ プロジェクト範囲の変更 ̶ 緊急時対応計画る人によって草案作成および見直しが行われる必要があります。 ̶ 製品または患者の安全性 ̶ 市場または顧客の区分 ̶ 政府による規制の順守 ̶ 価格設定テンプレートと過程議事録はエンドユーザーが閲覧しやすい形式にし、次の基本的な情報を含む必要があります。 ̶ ミーティング開催日 ̶ アジェンダのコピーまたはリンク ̶ ミーティング参加者の名前と所属会社名 ̶ サポート資料として使用されたすべてのプレゼンテーションのコピー ̶ ミーティングでの決定事項 ̶ ミーティング後に対処する必要がある、所有者が割り当てられた行動項目またはフォローアップ項目結論議事録を取る仕事は、アライアンスマネージャーがミーティングで果たすことができる最も重要な役割の 1 つです。提携ガバナンスミーティングの進行を正確に反映する適切な議事録を取ることは、経験と堅実な判断力が要求されるスキルです。近道は不正確または曖昧な議事録の原因となってリスクが増大するため、リスクを回避するために十分に注意する必要があります。契約に次ぐ位置にある議事録では、アライアンスで何が起きたかに関する効果的な記録が作成されます。議事録を取ることによって、アライアンスマネージャーがミーティングに参加するためのすばらしい方法が提供される場合があります。アライアンスプロフェッショナルは、議事録を取ることを、その価値と影響力をアライアンスの中心に広げる機会として捉える必要があります。デビッド・S・トンプソン (CA-AM) は、イーライリリーアンドカンパニーの最高アライアンス責任者であり、ASAP 取締役会の一員でもある。連絡先 : Thompson_David_S@Lilly. アライアンスの当事者がミーティングの文書化を急 com、+1- 317-277-8003 いで近道をすると誤解につながる可能性があり、議スティーブン・E・トウェイト (CSAP) は、イーライリ事録の法的不確実性が無意識に生み出される場合がリーアンドカンパニーのアライアンスマネジメントおよびあります。繰り返しますが、議事録作成の目標は、 M&A 統合担当シニアディレクターである。連絡先 : stwait@ 個人的な観点やミーティング後の独自の解釈を含め lilly.com、+1-317-276-5494 ずに、ミーティングの要点を正確に記録することで最後に、日本語版への翻訳にあたり、す。次のトピックで触れる話し合いは、ミーティンご助言頂いた山口栄一氏グ議事録を完成させる前に、堅実な法的判断力があ（薬学博士、CA-AM）に感謝する。法的不確実性を管理するために弁護人に相談する 2013 年第 3 四半期 5