Asahi カナダ野球の伝説 学習活動3: 判定を下す 朝日の実況中継を演じる 朝日の試合を経験して、 あなたはどのような判定を下すでしょうか? 朝日に関する新聞記事からは、彼らのプレイの様子とメディアがどのように朝日を認識していたかが分かりま す。野球は時間にゆとりのあるゲームですから、 プレイの合間に論評の機会がたくさんあります。朝日の試合内容 と雰囲気の再現を目標に、学生は、 当時の新聞記事や他の資料から具体的な様子を抽出し、朝日の試合の一部 についての架空ラジオ放送を、 当時のチームや選手達についての解説を交えつつ演じます。 説明 ►朝日に関する新聞記事をダウンロードして、学生達にそれぞれ一つ選んでもらいます。 ►学生に、記事が取り上げている試合の一部を含む一場面を再現してもらいます。 この時、 ラジオの実況中継とし て発表できる形に仕上げてもらいます。 ►学生は、発表の雰囲気を盛り上げるために音響効果を取り入れるといいでしょう。 ►また、試合についての説明を補うために、 ウェブサイトや他の資料から、 チームに関する情報を使用するといいで しょう。 ►現在使用されていない、 または、望ましくないと思われる語句や表現は、変更し、 その旨、注記します。 ►各学生はクラスで実況中継を発表します。 出発点 朝日の試合が常にラジオ放送されていたわけではありませんが、 当時ラジオは一般的なメディアとして普及し ていました。 朝日オンライン展示リンク: [偉大なる勝利/業績] カナダ野球の伝説 学習活動3: 判定を下 利用可能な新聞記事 1925年7月11日 日本人野球場で大人気 朝日野球チーム、市で最高のインサイド・ベースボールを演じる ターミナル野球リーグのシーズン後半戦をリードしているハリー宮崎の朝日チームは市で最も人気のある野球チ ームで、 同チームがパウエルストリートの球場に現れるたびに大観衆が集まる。 同チームは最近の連勝によって、 カンダル・サーキットのトップに立ち、恐らくマウントプレゼント・チームと選手権を争うことになりそうである。 こ れは今シーズンの驚異である。 最近のゲームで三連勝したことによって、 日本人チームは選手権へと近づいたし、 同チームは今やサーキットで最 高の試合をしている。 日本人たちのようにインサイド・ベースボールを駆使するアマチア集団は当市にはない。朝 日軍はスクイズを科学的正確さで決め、 ヒット&ランを頻発させるが、 その成功率は高い。先日、前半戦優勝者を 8対5で破った時は、朝日はマウントプレゼントの選手達に完全に作戦勝ちした。対戦相手を出し抜いて何回も 得点した。 伊藤選手が満塁でスリーストライク・バントを決めたときは、 アマチア野球界で最も頭脳的な捕手の一人であるフ ァーガソンも意表をつかれた。 スクイズのサインが出ており、 スクイズが見事に決まったので、 バッターが一塁で アウトになる間に二人の走者が生還したのである。 朝日チームは新たに打撃部門でもリーグ一番になり、盗塁や犠打ではずば抜けている。 チームはリーグでプレイ する選手のなかでもっともクリーンな選手の集団で、 サーキットでプレイするどの選手達よりも審判と問題を起こ すことが少ない。朝日がターミナルリーグのペナントを獲得して、州の名誉をかけたプレイオフに進出すれば、 ファ ンたちは、 アマチアスポーツ界で最も足の早い選手達の活躍を楽しむことができるだろう。 1927年8月10日 日本人選手大人気 朝日チームとターミナルのオールスターチーム、 シーズン最大の観衆を集める パウエルストリート・グラウンドの隅から隅まで埋め尽くした3000人以上の観衆は、 シニアシティー・リーグの朝 日チームが、 ターミナルベースボール・リーグのオールスターチームを相手に、最終回に素晴らしい攻撃を見せて 同点にするのを目撃することになった。 シリーズの第二戦は木曜日の夜六時に行われ、総合得点で勝利者が決定 される。 得点は双方同点の七点だったが、 日本人チームはその中の五点を、最終回の攻撃の際にヒットとバントと相手方 の失策に乗じて得た。 その最終回までは、朝日はカーブを主力に三振を11奪ったビル・リチャードソンの前にほと んどなす術がなかった。 オールスターチームもガッツがあることを示し、 日本側の大攻勢の後、二点負けていたこ の試合の劣勢を挽回、 同点とした。 すなわち、七回に西投手を攻めて二点を奪った。二死後に二走者をおいてテイ トが三塁打を放ったのだ。 また、 クラークとリチャードソンは大ホームランを放った。 バーナビー市では、今夜六時にセントラルパークでこのオールスターチームを迎える。 リチャードソンとパーマル は、木曜日の晩に再び朝日と対戦する。 カナダ野球の伝説 学習活動3: 判定を下 1934年9月17日 日本人投手西原、 インペリアルを完封 朝日、見事な投球により、 ターミナルリーグの最終プレイオフ第一戦に勝利 昨年、 「ナグ」西原という大柄な若い投手が、最終プレイオフシリーズで朝日をターミナル野球リーグの優勝に導 いて、朝日のヒーローであることを証明した。 土曜日の晩、 コン・ジョーンズ球場に集った約3000の熱心なファンの前で、 同じ西原投手がアイオコ・インペリア ルスの強打線を2対零に完封して、今年度の選手権を決める最終シリーズの初戦を飾った。今シーズンのリーグ 戦でもめったに見られない最高の投球であった。 メラノマスを片付けたばかりのインペリアルスは僅かヒット三本 の散発に終った。 「ナグ」 は打者一人を歩かせただけで、三塁に達した走者は僅か一人。 その走者も内野ゴロで得 点を狙ったが、本塁上で憤死した。 この日本人投手は四回以降を三者凡退に押さえ、 アイオコの打者は一塁も踏めなかった。 日本人はいつものよう に素晴らしい守備を見せ、 エラーとはまったく無縁であった。 インペリアルスも守備においては華麗さを見せ、僅 か一つのミスがあっただけであった。敗戦投手になった若いホーンもよくマウンドを守ったが、 チームが得点でき なかったので敗れたのである。 朝日は四回に最初の点を得た。 白石が単打で出塁の後、封殺、続く田中が代って一塁に出塁。 その後、安井と福井 の安打で満塁にし、益田が見事にバントを決めて田中が本塁生還。 最後の得点チャンスは八回に訪れた。西原が四球で出塁した時、 山村はバント、 スパイサーの一塁への送球が悪 くセーフになった。 その後、 田中が左翼に安打して西原を本塁に迎え入れた。 最終シリーズの第二戦は今夜八時にコン・ジョーンズ球場で行われる。 1941年9月19日 バラード・リーグ ランシー・ロランガー記す 野球に別れを告げる朝日軍 エンジェルス、 日本人チームをバラードリーグ準決勝で退ける エンジェルス3、朝日1 次の試合は土曜日-エンジェルス対ディサーズ 驚異的な朝日チームは驚くべき本シーズンを終えた。 昨夜、 パウエルグランドの大勢の熱心な日本人ファンを前に して、 日本人チームはエンジェルスとの準決勝最終戦の第五試合を3-1で落とし、 この数年で最も奮闘を強い られたシーズンを終えた。 野球の墓場に行く前に、 日本人チームは手に汗握る最後の場面を見せてくれた。 自分のチームが3-1でリード されている最終回 (7回)、監督を兼ねているロイ山村は左翼席に二塁打を打ちこんで、観客を興奮させた。 ケン 沓掛に代ってエディ中村が打席に入った。 いささか動揺したフレッド・イェールが彼を歩かせると、大歓声が挙が った。 ジョージ宍戸が第一球をバントしたが、 ファールに終った。 だが、 ツーストライクの後、一塁ベース線上にバ ントを決めて、走者を二、三塁に進めた。 ナグ西原がイェールへの凡フライに終ると嘆き声が起り、 カズ菅がバット を折りながらの一塁のコーリー・ホールへのゴロに終ると、涙が流された。 朝日は二回に、三井が単打で出て宍戸の二塁打で得点した。 その回の裏、 エンジェルスは唯一だが勝つのに十分 な打撃を与えた。一死後、 ラルフ・ストングが歩くと、 コーリー・ホールが三振する間に二盗した。 その後、 コンドン の一団がカズ菅を捉えた。 われわれのような後知恵の批評家に言わせれば、 カズ菅は最初から先発すべきではな カナダ野球の伝説 学習活動3: 判定を下 かったのだ。 ラリー・ホールデンとビル・アドシェッド、 そしてイェールは2塁打の3連打で猛攻、菅をマウンドから ひき降ろした。 その後はナグ西原が投げ、 その後の回はエンジェルスをシャットアウトした。 ナグは完璧な守備に助けられた。特 に、 ユキ宇野はストロングの一塁線内側の低いライナーを好捕して、一塁にいたマクドナルドもダブルアウトにし た。 フレッド・イェールはよく投げた。 そして最終回を除いて危なげはなかった。 エンジェルスのナインはダイザースとの最終シリーズ七回戦(先に四勝した方が優勝) を土曜日の夜、 5時15分 に開始する。 追加情報 足立パット、 『朝日:野球界の伝説:日系カナダ人野球チームから後継者への遺産』、 オンタリオ州エトビコック:コ ロネックス・プリンティング・アンド・パブリッシング社、1992年。 カナダ野球の伝説 学習活動3: 判定を下
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