361 NZ小さな村の美人登山家 定年退職記念でニュージーランドの山を選び16日間トレッキングした。 Mt クック周辺、ミルフォード・トラック、それにオークランド、クライストチャーチあたり の観光と山歩きである。ミルフォードに行く途中のクイーンズタウンで半日の余裕ができた。 ふわく 712 奥津さんが目の前にある大きい湖の最奥まで車で行かないかと誘う。 すぐ10人ほどが賛成しレンターカーに乗った。興津さんは名古屋アメリカ領事館に勤務経験 があり、英語が堪能であり運転技術も抜群である。 地図を見るとヘイズ湖の最奥の集落はグレノーキイ と言い、人口5百人に満たないらしい。澄んだ湖水を 見るとマスらしい魚が沢山泳いでいる。すれ違う車 は殆どない。1時間ほど走ってグレノーキイに到着 した。見渡しても人家がパラパラとあるだけ、他に は何も見るものはなさそうだ。仕方がないので村に 一軒だけの喫茶店に入った。小さい店に客はいない。 そこへどやどやと10人もの日本人が入った。店の主人 「こんなに日本人が来たのは村の歴史はじまって以来だ」 嬉しそうに驚いている。女性群は早々と手作りの衣装や手芸品を買いあさる。私もつられて 羊の毛皮を一着購入した。金3千円也は日本で買う3分の1である。店の女性店員も大忙しで コーヒーを沸かして入れる。この女性店員が私に「NZに来た目的は?」と聞いてくる。 「ミルフォード・トラックと Mt クックのトレッキングですよ」 答える。すると 「私も山登りが大好きです。昨年はむこうの山に登りました」。 ヘイズ湖の向こうを指でさす山を見ると、岩と氷雪の峨峨とした険しい山ではないか、私たち 中高年が簡単に登れる山ではなさそうだ。 「険しそうだけど楽に登れたのですかね」 彼女は 「この辺りの山はどれもピッケル、アイゼン、ザイルの世界です。それに最低5日分 の食料や装備もです。けれどあの山は2500㍍しかないので3日間で登れましたね」 こんな小さな田舎にも山岳会があり、普通の女性が会員となって完璧な氷雪登山技術を持ち、 登山を楽しんでいるのに感心してしまった。さすがエベレスト登頂のヒラリー卿を輩出した国 だと思った。 残念ながら女性の名前を聞いたが忘れてしまった。 【グレノーキイの女性登山家】
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