3年 体育科実践事例 1 .単 元 2 .指 導時 期 3 .目 標 タグラグビー型ゲーム(陣地を取り合うゴール型ゲーム) 11月 ○ ボールを持って前へ走ったり、パスをしたり、相手のタグを取ったり して、みんなで楽しくゲームができるようにする。 (運動・技能面) ○ ルールを守り、みんなで協力してゲームを行い、勝敗を素直に認める ことができるようにする。 (意欲・態度面) ○ チームの課題をもち、やさしいゲームの仕方やルール・マナーを工夫 することができるようにする。 (思考・判断面) 4.指導にあたって タグラグビー型ゲームには、以下のような運動特性があげられる。 ○ 1回ごとのセットプレーになるので、攻め側・守り側の位置関係についてわかりやすく、 多くの児童に理解させることができる。 ○ 攻め側・守り側とも一定時間内で順番にプレーしていくことで、何度もボールを持って 走ったり、タグを取ったりする機会が与えられ、ゲームを楽しむことができる。 ○ 1チーム6~7人とする。コート内でプレーする人数は攻め側3人・守り側2人とし、 交代しながら進めていく。待っている児童がプレーする児童にアドバイスをしたり、励 ましたりするようになり、仲間とのかかわりを増やすことができる。 指導者も児童も経験の少ない運動種目であるが、以下のように学習を進めていきたい。 「はじめ」の段階では、タグを使ったゲームを取り入れ、タグやボールの扱いに慣れるとと もに、1対1や2対1のミニゲームを行い、ゲームの仕方やルール・マナーを理解できるよう にする。 「なか」の段階では、みんなで協力して楽しくゲームをすることができるように支援する。 ゲームの中で困ったことがあればみんなで話し合い、より楽しくゲームができるようにするこ とも体育における言語活動の大切な機会である。さらに、友達のプレーを見てアドバイスする 大切さにも気付かせ、教え合いや励まし合いが活発になれば言語活動もより深いものになる。 また、パスがうまくつながらなかったり、ボールに触れることができなかったりする児童がい れば、パスを出すタイミングや動く位置を具体的に指導するようにする。 「はじめ」 「なか」の 段階では、簡単なボール操作(投げる・受ける)やボールを持たないときの動き(相手を引き 付ける、もらいやすいところに動くなど)の工夫を練習から意識できるようにさせたい。 「まとめ」の段階では、これまでの学習を生かし、ルールを守り、みんなでゲームを楽しむ。 こ の単元での基本重要語彙 タグ 前パス サイドライン ゴールライン トライ ○ ルールやマナーについて確認や変更をするなかで、互いの 思いを伝え合い、より楽しくゲームを行う。 ○ 友達のプレーを見てアドバイスする大切さに気付き、教え この単元で重視した言語活動 合ったり、励まし合ったりする。 ○ めあての達成状況や、ゲームや練習でよかったことなどを 報告し、がんばりを共有する。 5.学習指導計画(全8時間) ●は主なコミュニケーションの場 次 時 は じ め 1 学習活動の流れ 指導上の留意点 簡単なゲームをする中で、タグやボールの扱い方に慣れ、学習への見通しをもつ。 1.タグラグビーのルールやマ ナーについて知る。 (5分) ・やってみて「難しいなあ」 「もう一度説明 を聞きたいなあ」と疑問に思うことは、あ りませんか? 2.タグの扱い方を知る。 (5分) 3.準備運動・チーム練習の仕 方を知る。 (10分) 4.ボールを使ってゲームをす る。 ・ボール(両手持ち)リレー (10分) ・ボールパスゲーム(10 分) ・ついつい前の人にパスしてしまうのですが、それは 絶対だめなのですか? ・それは、ルールだからだめじゃないかな。 ・タグを取られたら、後ろを向いて、 味方にパスするようにすれば、前に パスするのを防げるって先生が言ってたよ! ・パスをもらう人も後ろについて声をかけてあげた ら、うまくいったよ! ○いろいろなゲームを通して、タグやボールを操 作する楽しさを味わうことができるようにす 6.整理運動、後片付けをする。 る。 (3分) ○苦手な児童も楽しめるように、友達と励まし合 5.学習のまとめをする。 (2分) えるように声かけをする。 2 1.コート・タグなどの準備を する。 (2分) 2.学習カードの書き方など学 習の流れを知る。 (6分) ○タグを取られてもよいという意識をもつこと ができるようにする。 7 人チームの場合 コート図 3.準備運動、チーム練習をす る。 (12分) ● 守り ○ 攻め ◆ 審判 ゴールした○の3人全員で、 を 回って[戻りライン]を通過すれば、 4.ためしのゲームをする。 次の3人が攻めにいく。 (20分) 5.学習のまとめをする。 (2分) 6.整理運動、後片付けをする。 (3分) 3 ゴールライン ● ● ◆ タ ッ チ ラ イ ン 1.コート・タグなどの準備を する。 (2分) 2.準備運動、チーム練習をす る。 (12分) ○ ○ ○ ● タ ● 次の2人が用意 ● ッ ● チ ● ラ イ ン ◆ ◆ 得点板 ◆ 戻りライン スタートライン 3.ミニゲームをする。 (11分) ○ ・ 1対1 ・ 2対1 ○ ○ ○ 縦9m・横9m 次の3人が用意 4.ためしのゲームをする。 (15分) 5.学習のまとめをする。(2 分) 6. 整理運動、後片付けをす る。 (3分) な か 4 ルールやマナーを工夫して友達とゲームを楽しむ。 1.コート・タグなどの準備を する。 (2分) 《はじめのルール》 ・1チーム7人、5チーム 2.めあて・ルールの確認をす (攻め側3人、守り側2人) る。 (3分) ・相手のゴールラインを超えれば1点 3.準備運動・チーム練習・ミ (1トライ) ニゲームをする。 (12分) 『攻め側』 4.ゲーム①をする。 (前・後半) ・前にパスはできない。 ・タグを取られたらすぐにパスをする。 (4分―1分―4分) ・コートのタッチライン、スタートラインか 5.振り返りをする。 (4分) らボールが出た場合、コーンを回って次の 【ゲームでの気付きなど】 グループと交代する。 6.チーム練習をする。 (12分) ・ボールを落とした場合、コーンを回って次 のグループと交代する。 7.整理運動、後片付けをする。 『守り側』 (3分) ・ボールを持っている人のタグを取る。 ・パスカットは禁止 《マナー》 ・ゲームの始まりと終わりはあいさつをする。 ・タグを取ったら、大きな声で「タグ」と言い、 タグを頭上に掲げる。 ・タグを取られた場合、返されたタグをつけて からゲームに参加する。 ・タグを取った場合、相手に手渡しで返してか らゲームに参加する。 ※詳しいルールについては、164ページを参照 ○ゲームの中で、よい動きや声かけをしている児 童を紹介し、称賛するようにする。 ○ルールやマナーを守ってゲームをすることが できるようにする。 ●ゲームの中で困ったことやわからないことが あれば、みんなで相談し、話し合うようにする。 ○タグを取られてもボールをつないでいき、トラ イする意識をもつことができるよう声かけを する。 5 6 7 ( 本 時 ) 1.コート・タグなどの準備を する。 (2分) 2.めあて・ルールの確認をす る。 (3分) 【ワークシート①】 「めあて・ふりかえり カード(チーム用) 」 3.準備運動・チーム練習・ミ ニゲームをする。 (12分) 4.ゲーム①をする。 (前・後半) (4分―1分―4分) ・それぞれのチームが、作戦を使ってゲー ムに臨めるようになってきましたね。 どんな作戦を使ってみたいですか? ・あまりトライできない人もいるので、空いている 方にうまく走り抜けるようにコートの横からアド バイスしたいです。 ・たくさんタグが取れるように、 最初にどっちの人をマークするかを 決めてみたいです。 ・わたしも○○さんのチームと似ていて、素早く走 5.振り返りをする。 (3分) る人に、素早い動きをする人がつくように練習の 6.ゲーム②をする。 (前・後半) ときからためしてみたいと思っています。 (4分―1分―4分) 7.学習のまとめをする。 (4分) ○よかったところなどをまとめる。 【ワークシート②】 「ふりかえりカード(個人用)」 8.整理運動、後片付けをする。 (3分) ま と め 8 学習のまとめとしてゲーム大会をする。 1.コート・タグなどの準備を する。 (2分) 2.準備運動をする。 (5分) 3.めあて・ルールの確認をす ○大会の進め方やルール・マナーについて確認す る。 (3分) ることができるようにする。 4.ゲーム①をする。 (3分―1分-3分) 5.ゲーム②をする。 (3分―1分-3分) 6.ゲーム③をする。 (3分―1分-3分) 7.ゲーム④をする。 (3分―1分-3分) 8.学習のまとめをする。 (4分) 【よかったところ】 9.整理運動、後片付けをする。 (3分) ●まとめの話し合いの場で、学習の成果を互い に認め合うことができるようにする。 6.本時の展開(5/8~7/8) 使用するワークシート【ワークシート①②】 ●は主なコミュニケーションの場 学習活動の流れ 指導上の留意点 ルールやマナーを工夫して友達とゲームを楽しもう。 1.コート・タグなどの ○安全に気を付けて、友達と協力して準備できる 準備をする。 ようにする。 (2分) ○今日のめあてやこれまでのルールやマナーを確 認できるようにする。 課題解決の道筋が 定着するように、 チームで話し合い を進める。めあて を確認し、自分と ○安全に気を付けて、積極的に学習の準備ができ るようにする。 2.めあて・ルールの確 ●個人のめあてとともに、チームのめあてもリー 認をする。 ダー中心に話し合わせ、チーム全体で確認でき (3分) るようにする。 チームの課題に応 じた練習や作戦を 試していく。 (課題把握) 3.準備運動・チーム練 ○はっきりとした声でタグを取ることができてい 習・ミニゲームをす る児童や、タグされるまで前進できている児 る。 童、また、パスを送ったり、キャッチできたり (12分) するチームなどを称賛し、よい動きをクラス全 体に広めていけるようにする。 4.ゲーム①をする。 (4分―1分―4分) ○練習した内容や作戦をゲームで生かそうとして いるチームや、仲間に励ましの声やアドバイス を送っている児童を称賛し、全体に広げていけ るようにする。 満足できたことや ○課題のある児童には励ましや称賛の声を送り、 自信をもたせたり、周りから認められたりでき るように支援する。 5.振り返りをする。 (3分) ○めあてとしていたことで、うまくいったこと、 うまくいかなかったことを確認できるように する。 ゲーム中に発見し たことを仲間と共 有させ、次時につ なげる。言葉だけ でなく、動作も交 えながら、みんな が話す内容をイ 6.ゲーム②をする。 (4分―1分―4分) ○練習やゲーム①でのことを生かせているチーム を称賛する。 7.学習のまとめをする。 ●よかったことやこうすればもっと楽しくなると (4分) いうことを話し合う。 メージしやすくさ せる。また、屋外 でも聞き取りやす い声の大きさに なっているかにも 8.整理運動、後片付け ○安全に気を付けて、整理運動や後片付けを行う をする。 ようにする。 (3分) 注意を払わせた い。 (相手意識) 移動式黒板 板書例(表面) タグラグビーをたのしもう! 《はじめのルール》 ・1チーム7人、5チーム (せめがわ3人、まもりがわ2人) ・あい手のゴールラインをこえれば1点 (1トライ) 『せめがわ』 ・前にパスはできない。 ・タグをとられたらすぐにパスをする。 ・コートのタッチライン、スタートラインからボールが出た場合、コーンを回って次のグループ とこうたいする。 ・ボールをおとしたら、コーンを回って次のグループとこうたいする。 『まもりがわ』 ・ボールを持っている人のタグをとる。 (○月○日ついかしたマナー:まちがってあい手の体に ふれた時は、 「ごめんね!」とすぐにあやまろう) ・パスカットはきん止 移動式黒板 板書例(裏面) 《マナー》 ・ゲームのはじまりとおわりはあいさつをする。 (○月○日ついかしたマナー:まけても気持ちよくした 方がよい) ・タグをとったら、大きな声で「タグ」と言い、タグを頭上にかかげる。 ・タグをとられたら、かえされたタグをつけてからゲームにさんかする。 ・タグをとったら、あい手に手わたしでかえしてからゲームにさんかする。 コート図 ◆ しんぱん ● ● ◆ ○ まもるチーム ● ● ● たいせんひょう ● ● ○ ○ ◆ ◆ 得点板 ◆ ○ ○ ○ ○ せめるチーム ワークシート活用のポイント 【体-3年 ワークシート①】 重視した言語活動 めあて・ふりかえりカード(チーム用) タグラグビー チーム名( 3年 ) 組 名前( ) ★ チームのめあて( せめ ) (できばえ◎○△) みかたでかたまらずに、あいているところを ○ 見つけてすすむ。 ○チームでどのように攻めたり、守ったり するのかをイメージできるように、仲間 ★ チームのめあて( まもり ) (できばえ◎○△) すばやく走るあい手に、パスが回りやすい ○ ので、パスされる前から、気をつけておく。 △ ○ △ ○ ● ② ○ ① ● ○ ③ ○ △ △ せめ(え) ★ ( 月 「ゲーム中、どのように動くのか話し合 う」 まもり(え) 日)の学しゅうをふりかえって(よかったところ・つぎにむけて) まもりは、一人目をはやくタグしないと、どんどんせめら れるので、ななめよりもできるだけ前でタグすると、トラ と話し合う。 ○ゲームで活用できるように、練習で試し ていく。 (話し合い活動だけでなく、実 際に動く中で教え合っていく。 ) ○文章だけでなく、真ん中の欄を利用し て、マークや矢印などを使って動きを図 で表して話し合う。 ○どのようになったかを振り返ることで、 次時に生かすとともに、仲間のがんばり を認め合えるようにする。 イをふせぎやすいことがわかった。 【体-3年 ワークシート②】 重視した言語活動 ふりかえりカード(こじん用) タグラグビー チーム名( 3年 ①( 月 ) 組 名前( ) 日)の体いくの学しゅうは、楽しかったですか。 (はい・いいえ) ②せいいっぱい がんばることができましたか。 それは、どんなところですか。 (はい・いいえ) せめでも、まもりでもさい後まで走りつづけたこと ③うまくなった、と思うことがありましたか。 それは、どんなことですか。 (はい・いいえ) あい手の走るコースをよそくして、タグをとることができた こと ④そうか、なるほど、と気がついたり、こうすればいいのか、とわかっ たりしたことがありましたか。 (はい・いいえ) それは、どんなことですか。 あいているところを見すぎると、あい手にばれてしまうので、 わざとちがう方こうをみること どんな時に、そう思いましたか。 ぼくが、あいているところを見て走って行こうとしたのに、 あい手に先回りされたとき ※ともだちや先生につたえたいこと、次に気をつけたいことを書きま しょう。 みんなへ:タグを手わたしでかえすルールをもう一どたしか め合ってから、ゲームをはじめたい。 先生へ 「動きだけでなく、学び方や態度など全体 を通して振り返る」 :作せんカードのことは、ほかのチームにしょうか いしてほしくない。 ○個々の頑張りやつまずきを素直に出し、 クラスのみんなで楽しいゲームにして いけるようにする。 ○毎時の「まとめ」で数多くの意見を交流 し合わせたい。 【ワークシート②】を基に、 次時のはじめに共通理解を図り、より楽 しく取り組めるようなゲームにしてい く。
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