1-3 データと情報の相違性 ※松原伸一著「情報学教育の新しいステージ-情報とメディアの教育論」(開隆堂,2011)より作成。 MLab. Matsubara Laboratory Faculty of Education, Shiga University, Japan 滋賀大学教育学部 松原研究室 1 データと情報 z 皆さんは,データと情報の意味を区別して利用してい ますか? z 以前の調査では,データと情報を区別していないという 人は,94%でした。 z それは,ある意味で当然ですが,ある意味では,当然 ではないのです。 z どうしてでしょうか? 2 データと情報 #1 (質的考察) z定性的考察 ○ データも情報も,記号およびその系列(同義性) ○ データは中立的・客観的,情報は主観的(相違性) ○ データと情報の相対的な関係(相対性) • 人への影響の強度,インパクトに依存する z情報の2つの側面 • 記号(パターン) → 「データ」に相当 • 意味(人間が行動の意思決定または選択に役立てる) 3 日常語 と 専門用語 z 「データ」や「情報」という概念 ○ 普段,私たちがあまり意識しない意味もある。 ○ それは,おもに,情報学で取り扱われます。 例えば, z 「頂点」 ○ あの歌手の人気は,頂点に達した。・・・ 日常 ○ この三角形の頂点をA,B,Cとする。・・・ 専門(数学) z 「速さ」と「速度」 ○ 日常では,同じ意味。 ○ 物理学や数学では,異なる。 • 「速度」は,運動の「速さ」と「向き」をあわせたもの。ベクトル量 4 情報の本質 z情報は,移動しない。情報は,複製により伝播 する。 ○ 情報の広範性,保存性,一方性,不滅性 z情報のやり取りには意図がある。 ○ 意図の介在,目的の存在,有効性の追求 z情報の価値は,一定ではない。 ○ 人依存性,時依存性,場依存性 →情報確認 と 確認情報 5 データと情報 #2 (量的考察) z定量的考察 ○ データの情報量 • 記号の数やそれに関係する量を指標とする場合 バイナリデータに変換した時のビット数(バイト数) ○ 情報の情報量 • 定性的な考察結果を踏まえて, データと情報の相対的な関係 → 情報(人への影響)の強度を指標 情報理論における通報の情報量に一致 » 通報の確率をpとする時,情報量は,log2(1/p) 6 迷言1 データと情報 情報とは 情に報いるものなり 伸 7 事例から学ぶ MLab. Matsubara Laboratory Faculty of Education, Shiga University, Japan 滋賀大学教育学部 松原研究室 8 ところ変われば… (オーストラリア編) z日本とオーストラリア(北半球と南半球) ○ 地図 • “north-up” or “south-up” down) ○ 星座 • 北極星 と 南十字星 (upside zオーストラリアのコンセントは? zオーストラリアの1階は? 9 upside down South-Up Map North-Up Map 10 オーストラリアのお札 Movie 11 オーストラリアのコンセント 12 オーストラリアの1階は? zオーストラリアの 1st Floorは, 2階のこと z日本の1階は, オーストラリアでは, Ground という。 (イギリス式) エレベータの案内板 13
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