ファイナルレポートのアブストラクト

ファイナルレポートのアブストラクト
名 前
ソロモン ハブツ
国 名
エテイオピア
現 職
メケレ大学講師
1. 各研修において,あなたが設定していた自己の研修目標とそれに対する研修結果を簡潔に箇条書きして下さい。
(Crystal Water の総括)
研修科目
自己の課題
研修結果
灌漑・水利施設の布設事業全体の持続可能性を保証する 私の地域で持続可能な灌漑管理システムを確立するために必要な次の
ための管理システムをいかなるアプローチで開発する ヒントを得ることができた:
-日本の灌漑事業と世界的な灌漑事業の概観
か
(1) 貯水送水施設・施設管理
-ダムの設計原理
-アースダムの浸透流と斜面の安定性
-効率、妥当性、信頼性指標による灌漑システム評価および equity モデル
−圃場水効率を測定する方法
私の地域の圃場管理に貢献する次のような考察を得た:
−圃場水効率の向上させるためによい方法
-灌漑水の不適切な利用のために塩類集積した事例の研究
−圃場水効率を調べるための適切なリサーチ・メソッド、 -灌漑区で塩類集積を防ぐために適用可能な方法
圃場レベルで効果的な水管理システムを構築する
-さまざまな蒸発散の推定モデル
(2) 圃場水管理
-植物内の土壌水分の移動と土中から大気中への水分移動を解析するた
めに開発されたモデリング・アプローチ
-さまざまな廃水処理方法と節水のために再生処理した廃水を灌漑に使
う可能性
−土質水質の分析と塩度(塩害度)の測定方法
4 日間鳥取県の東部、西部、中部の現場を訪ね、次のような知識を得た:
−年月を経て集積した塩類の累積的な効果
−環境にやさしい技術を基本とした農業試験事業
−持続可能なシステムを作るための適切な治療法的処置 −高い認識レベル、環境に大いに配慮した八頭郡の大規模農家である田
(問題発生前および発生後)
中農場(有機農法・環境にやさしい農業)
(3) 土壌・水質評価
−参加型、堅固な信頼関係で成り立っている東伯町の農家と協同組合
(JA)の組織的な繋がり。その主たる活動は、農家の生活手段の改善と
住環境の改善である。
−コンポスト製造のプロセス
−園芸研究および生物の多様性に関連する活動
(4) 土壌管理
−不適切な灌漑活動による侵食を防止するための適切な この研修科目で得たこと:
1
対策
−土中の水溶質の移動の原理
−異なる土壌水分測定装置
−土質劣化に関する灌漑区(地球規模)に対する説明
−代替エネルギー源の使用と選択方法、持続的開発のため この研修科目で得たこと:
の耕地の条件
−日本の砂丘に関するコンセプトと固定方法
(5) 緑地保全・植生評価
−樹体中の水分移動と気候的要因および他のパラメータ、たとえば経年
変化等に関連する樹木生理学のコンセプト
−送水システムの持続可能な運転と保全をどう行うか
この研修単元で実機を確認しながら次のようなことを学んだ:
−永続的に水の収量を保証する方法論
−送水バルブ(水圧により無動力で作動)およびポンプに様々な選択肢
があることを知った
(6) 送配水システム設計実習
−管路で水撃圧を回避するための方法
−管路の水利ゲートに関するコンセプト;特にウオッチマン・ゲートを
使った場合のネルピック・ゲートに比較した利点
地下水位マップ作成のための適切なツールおよび適切な この研修単元では次のようなことを学んだ:
(7) 地下水・流出解析
水利の方法
―海域に近い地下水の帯水層への海水侵入現象に関するコンセプト
−帯水層における流体の伝達速度モニタリング
−いかに効果的に作物、肥料、水を連繋づけるか
この研修単元では次のような知識を得た:
(8) 乾燥地適性作物+植物栄 −適切なリサーチ方法
−水不足および塩分濃度の厳しい条件に適応した植物に関するコンセプト
−悪名の高い雑草ストライガの生物学的生態に関するコンセプト
養(施肥)
−植物栄養に関するコンセプト
2. 研修結果を踏まえ,あなたが特に効果的であると認めた研修内容とその理由を簡潔に箇条書きして下さい。
研修科目
研修内容
理由
1.貯水送水施設・施設管理
−様々なタイプのダムを建設するにあたっての基本原理
−ダム建設は私の地域(多年性の河川があり雨季が短く降
−日本のダム建設に関する経験
雨が不安定)で流出水を有効に貯える為の1番の選択肢
私の地域に適しているのはアースダムなので、信頼性の高
2.アースダムの浸透流と斜面の安定性 −浸透流解析、−斜面の安定性解析
いダム建設のために浸透流と斜面解析の知識が重要
3.持続的な灌漑排水開発のための環境 −灌漑ブロックにおける水と塩分のバランス
灌漑システムを持続可能なものとするためには、水と塩分
影響評価
−EIA の手順(方法)
のブロック内の収支バランスに注意することが重要。
4.節水および塩分コントロールのた −灌漑方法(灌漑水量、散水方法)を選択する際の要因
乾燥地では灌漑用水が常に欠乏し蒸発率が高いために
めの圃場灌漑
−塩分をコントロールするための方法
塩害が生じるので、
乾燥地における灌漑の関連要因中で
2
5.蒸発散(量)
−太陽放射の基本原理
−基準蒸発散量ペンマン・モンテス
6.土壌管理について理解するための
土中の水分流量と溶質の移動の基本
原理と測定方法
7.GISデータベースのデータ源と
してのリモートセンシング
−水と溶質が土壌から植物へ移動する基本原理
−水と溶質の移動を計測する方法
8.開水路用の自動チェックゲート
−RSとGISの概要
−様々な土地資源をRSツールとGISツールを用いて
識別化することとモデリング
−異なるタイプのゲートの特性比較
−開水路上の水を制御するゲートの役割(機能)
9.フィールドでの飽和土の水理特性 −帯水層の貯水機能及び流体の伝達速度の基本的考え方
の測量技術
−帯水層の貯水量を推定する方法
10. 半乾燥地における食糧増産に向
けて根寄生雑草ストライガの発芽を
抑制すること
−ストライガ Striga の生態の基本的概念
−ストライガを抑制する方法の基本原理
最も重要なのは節水と塩類の抑制である。
水を無駄にしないための節水対策として水利用の適正
さを保持するためには、作物ごとの水要求量を PE を基
に決定しなければならない。
圃場レベルにおいて灌漑水効率を高めるために、
水が移
動する現象と量測定の方法を知ることは必要不可欠
RSとGISは、対象地域の土地利用の変化を調査し、
モニタリングするための重要なツール
導水系統において、効率の良い水流を保証するために
は、水理的構造物を用いて水を制御し、計測する必要が
ある
乾燥地では十分な地表水がないため、
地下水資源を調査
研究することが代替の選択肢となる。
ゆえに帯水層の貯
水量と流体の伝達速度に関わる現象を知ることは、
この
資源を多様な用途に利用することの助けとなる
ストライガは、
現在私の国で拡がり続けている最もよく
知られた悪名の高い雑草であり、
迅速な解決が望まれて
いる
3. 研修結果を踏まえ,帰国後あなたが自国で行う予定の事業または活動の内容,もしくは行いたい事業または活動の内容を簡潔に箇条書きして下さい。各事業ま
たは活動には,その内容を簡潔に表現するタイトルと実施上解決しなければならない問題点も記述して下さい。
タイトル
事業または活動内容
解決しなければならない問題点
−プロポーザルの作成・準備は利害関係者と協議し進める −灌漑水が無思慮かつまた無計画な方法で使われている
−作物ごとの水要求量の決定
(利水効率が低い)
利水効率の向上
−送水量の測定
−灌漑により環境的な問題が生じている
−損失雨量の決定
−データ解析およびデモンストレーションの実施
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