題材名

第5学年1組
家庭科学習指導案
古川市立古川第四小学校
教 諭
1.題材名
2.目
荒井由美子
わたしたちと食物
標
(1)日常の食事に関心を持ち,食物の栄養や調理のしかたを進んで学ぼうとする。
【意欲・関心・態度】
(2)調理用具や食器の安全で衛生的な取り扱い及びこんろの安全な取り扱いができ,
たまごや野菜をゆでることができる。
【技能】
(3)材料の洗い方や調理の目的に応じた切り方,ゆで方などを調べたり,工夫したり
する。
【創意・工夫】
(4)野菜やたまごの栄養や調理の仕方について理解する。
【知識・理解】
3.指導にあたって
(1)題材について
本題材は,大題材「わたしたちと食物」の中に位置付けられ,調理実習を通して,
自分たちの食生 活を見つめ,
「なぜ食べるのか。」
「何をどのように食べたらよいか。」
ということについて考え,主体的に食生活を学んでいこうとする態度を育てることが
ねらいである。
5年生になり,児童の一番の楽しみは,調理実習ができるということである。最近
の子供たちの衣食住に関わる経験が少なくなってきている現状の中で,基礎的・基本
的な知識や技能を身につけていくためには,児童が意欲や関心をもち,主体的に学ぶ
ことによって獲得していかなければならないと考える。そうすることによって,でき
る自信となり,自分の家庭生活に創意工夫して生かしていく力になると考えるからで
ある。 また,ここでは,身近な食品である卵の加熱調理を経験することによって,ガ
スこんろの正しく安全な使い方に必要な知識や技能を身につけたり,初歩的な調理と
して野菜サラダを取り上げ,「洗う」「切る」「調味する」という基礎的,基本的な技
能を習得させるねらいもある。
調理の一つずつを一人一人が経験できるようにすること, 繰り返し学習することが
できるようにして,調理の基礎・基本を身につけ, ねらい達成に迫りたいと考えてい
る。
(2)児童の実態(男20名
女16名
計36名)
5年生になってはじめての学習なので,「家庭科」に対する興味・関心が高く,男
女共に,意欲的に取り組む児童が多い。
そこで,本学習を進めるにあたって,児童の実態を把握するために,次のような事
前調査を行った。
-1-
《 児童の実態調査から》
調
(平成13年6月8日実 施)
査
項
目
考
①家庭科の学習で楽しみにしていること
は?
察
①から見ると,どの内容にも興味関心を持っ
ている児童がみられる。このことから,家庭
・調
理
31名
科に対してどの児童も喜んで取り組もうとし
・ぬ い も の
27名
ている姿勢がうかがうことができる。
・ミシンを使う
13名
特に,「リサイクルで何かを作りたい」とい
・リサイクル
7名
う児童もおり,環境に目を向け,学習の拡が
・洗
3名
りが期待できそうである。
濯
②なぜ食べ物を食べるの?
②から,食べ物の必要性は,つかんでいるよ
・生きるために
15名
うである。「病気を防ぐため 」「食事の精神的
・体に栄養を与えるために
11名
な楽しみ」についても学習の中でふれるよう
・元気のもと
5名
・体を大きくするため
3名
・集中力をつけるため
3名
・エネルギーを作るため
2名
・おなかがすくから
1名
にしていきたい。
③料理を作ったことがあるか?
③④から,ほとんどの児童は,調理の経験
・ある
31名
がある。しかし,作り始めからできあがりま
・ない
5名
でという児童は少なく,調理用具・器具の安
全な使い方については、繰り返し指導してい
④何を作ったか?
・カレー
く必要がある
16名
また,調理に少しでも携わったと言うこと
・たまごやき
9名
で,でき上がったときの喜び,そして,家族
・チャーハン
8名
にほめられたときのうれしさも味わっている。
・目玉焼き
6名
学習したことを各家庭で実践することにより,
・サラダ
4名
さらに主体的な取り組みができることを期待
したい。
⑤卵料理で知っているものは?
卵や野菜の栄養素については,数人の児童
・目玉焼き
27名
が,テレビ番組を見て知っている程度である。
・卵焼き
23名
毎月出される「給食だより」を参考にさせた
・ゆで卵
14名
い。
・オムレツ
8名
・ハムエッグ
6名
-2-
⑥野菜サラダにはどんな野菜を使うか?
⑥から,サラダに使用する野菜は,生のも
・トマト
34名
のが多くあげられた。手軽で簡単に作れると
・レタス
26名
いうことである。
・キャベツ
23名
・きゅうり
20名
・ニンジン
16名
⑦サラダのドレッシングは?
⑦から、市販のドレッシングを使う家がほ
・買ったのを使う
33名
とんどである。材料を工夫して使うことによ
・たまに家で作る
3名
り,オリジナルなドレッシングを作ることも
できることを教えたい。
(3)学習指導の工夫
◆生活を見つめる目を拡げるための工夫
野菜には,「どのようなものがあるか」,「どのように選べば良いか」,「卵の選び
方はどうすればよいか」など材料の選択の仕方や,ゆで卵は「どのように作ってい
るのか 」,野菜サラダは ,「どのように作っているのか」という調理の仕方などを
観察のポイントとして与えた「見つけカード」を使い,事前に聞いてきたり,調べ
てきたり,実際に作ったりしたことをもとに話し合うようにする。
◆子供一人一人を生かした学習を高める工夫
野菜サラダの調理法を知り,家庭実践に意欲的に取り組む態度を育てるようにす
るために,オリジナルサラダをお互いに紹介し合うようにする。計画の段階で料理
カードを作るようにし,個性的なネーミングも考えさせたい。
野菜サラダの調理実習計画では,盛り付け皿を用意しておき,材料の一人分の量
をつかませるようにする。また,ゆで卵の切り方を工夫させ,視覚的にも食欲をそ
そるようにサラダの色どりを考え,子供一人一人の創意工夫がみられるようにした
いと考えている。
◆家庭実践へとつなげるための工夫
日常の生活の中から課題を見つけ,学習に生かし,家庭での実践へとつなげるた
めに,児童ができるだけ多くの調理を観察したり,手伝ったりするように,家庭に
協力を呼びかける。
後日,実践発表の機会を作り,家族の反応とそれに対する子供の感想を聞き,さ
らに,実践していこうという意欲を持たせるように励ましていきたい。
調理の基礎・基本は,繰り返し実践することにより身につき,ひいては,「生き
る力」にもつながっていくものと考えている。
-3-
4.教材の系統
5 年
6 年
わたしたちと食物
計画的な食事作り
・食べ物を調べてみよう
・毎日の食事を見てみよう
・たまごと野菜の簡単な調理をしてみよう《本題材》
・ごはんとそしるを作ろう
・なぜ食べるのか 考えよう
・計画的な食事作りを考えよう
健康を考えた食事
調理の工夫
・調理のしかたを調べてみよう
・食品の利用のしかたを調べよう
・たまごを焼いてみよう
・じゃがいもの調理をしよう
・野菜をいためてみよう
・魚や肉の加工品を使って調理
・健康を考えた食事をしよう
しよう
楽しいひととき
心のつながりを深めよう
・なごやかなふん囲気を考えよう
・ふれあいの工夫をしよう
・おやつを整えよう
・楽しいひとときを持とう
・ふれあいの会を工夫しよう
・楽しい会にしよう
5.学習計画(9時間扱い
小
題
材
本時
名
1.食べ物を調べよう
2/9)
主
な
学
習
内
容
・食物と食品
間
学習形態
1
一
斉
1
一
斉
2
グループ
・たまごをゆでてみよう
1
グループ
・たまごと野菜のサラダ
1
一
・調理実習
2
グループ
・食べ物と栄養
1
一
2.たまごと野菜のかんたんな ・たまごをゆでる計画を
調理をしてみよう
時
《本時》
立てよう
・用具や器具の衛生的な
扱い
斉
の作り方
3.なぜ食べるのか考えよう
-4-
斉
6.調理実習時における安全と事故防止について
(1)調理実習の前の身じたく
・髪の毛が食品や調理器具にふれないように,三角巾または帽子を着用する。
・実習衣として,きれいに洗濯したエプロンを着用する。
・爪は短く切る。
・手洗い石けんを用い,指先,指の間,手のひら,手の甲,手首を洗う。
・手拭きは,各自用意をする。
(2)調理器具・用具の安全で衛生的な使用
・包丁を洗うときは,まな板の上に刀身をぴったりつけて浮かさないように置き,
たわしを使うようにする。スポンジは, 刃先を洗う場合,危険を伴うので使用
しない。また,包丁の付け根や柄も洗うようにする。
・まな板を使う時は,使う前に水でぬらして水気をふきんでふいて使う。使用後
は,洗剤をつけたたわしでこすりながら汚れを落とし,水洗いをする。水気を
切って日光消毒をする。
・食器用ふきん,調理器具ふきんと,調理台やガスこんろをふく台ふきんを区別
して使うようにする。
・ガスこんろを使うときは,必ず換気し,点火したら着火したかを確認する。実
習後は,元コックも締める。
・ガスこんろのまわりには,燃えやすいものは置かないようにする。
7.本時の学習
(1)題 材
たまごをゆでる計画を立てよう
(2)本時の目標
・たまごをゆでる時間,水の量,火加減の違いで,ゆでたまごに違いがあるこ
とが分かる。
・自分の好みのゆでたまごの作り方がわかる。
(3)本時の学習にあたって
・本時の学習は,ゆでたまごについて,児童が家庭での観察や手伝ったこと,実
際に作ってみたことなどをもとにして進めるようにする。
・はじめての調理なので,一人一人の思いや願いを大切にした「お好みゆでたま
ご作り」の計画を立てさせるようにする。
(4)準 備
(ア)教師側:ゆでたまご(固ゆで・半熟・とろーり),プリント(お母さんの知恵袋)
調理手順表,絵カード,調理用具・器具
(イ)児童側:見つけカード,お好みゆでたまごカード,
ワークシート(お好みゆでたまごを作ろう)
-5-
(5)学習活動の過程
段階
見
主
な
学
習
活
動
教
師
の
支
援
1.本時のめあてをつかむ。
資料・評価☆
・見つけカード
つ
め
お好みゆでたまごの作り方を考えよう
る
・ゆでたまごを作った経験を発表する
・好みのゆでたまごを発表する。
・自分の好みのゆでたまごを作ることを伝
え,児童の興味関心を高め,主体的な活
動を促すようにする。
・お好みゆでたまご
の絵カード
・どんな作り方をしたか,うまくできたこ
とやできなかったことを発表し,経験の
ない児童にも興味を持たせたい。
☆ゆでたまご作り
に意欲的に取り
組もうとしてい
るか。
《見つけカード》
2.「お好みゆでたまご」の作り方を
解
考える。
・一人一人の児童の「見つけカード」から
・調理手順表
作り方を見つけ,調理手順表を完成させ
決
・ゆでたまごを作る手順を見つける。
す
・ゆでたまごを作る手順を知る。
る
・
「固ゆで・半熟・とろーり」は,
どの段階で決まるのか考える。
各自が作り方をつかむようにする。
・調べ学習をしていない児童もいると思わ
れるので,ほかの児童のを参考として準
備しておくようにする。
・ゆでたまご作りのポイントをカードに書
◆ポイント1
たまごをいれる時期
かせ,手順表に貼っていく。
◆ポイント2
水の量
・好みのゆでたまごを作るために分からな
◆ポイント3
火加減
ところを出し合いみんなで解決策を話し
◆ポイント4
ゆでる時間
合うようにする。
・ワークシート
(お好みのゆでたまごを作ろう)
☆ゆでたまごの調
理手順がわかっ
たか。
《発表》
☆自分の「お好み
ゆでたまご」の
作り方をまとめ
ることができた
か。
《ワークシート》
働
3.実習にあたっての準備について
き
・児童一人一人に問題意識をもって取り組
確認する。
・調理用具
ませるために,はじめから教師が提示す
(なべ,さいばし,あなじゃくし,
か
・どんな調理用具・器具を使うか?
るのではなく,児童の経験や「見つけカ
ボール,包丁,まな板,
け
・ガスこんろの正しい使い方は?
ード」をもとに,児童から出させ,足り
生ゴミ入れ,タワシ,皿)
る
・包丁の使い方は?
ないものだけを教師が知らせるようにす
る。
4.次時のめあてと活動内容の確認
・調理用具・器具を使ったことがない児童
をする。
もいるので,次時にしっかり学習してか
ら,調理実習をすることを伝え意欲を持
続させるようにしたい。
(6)評
価
たまごをゆでる時間,水の量,火加減の違いで,ゆでたまごに違いがあることが分かり,好みのゆで
たまごを作る計画を立てることができたか。
(7)板書計画
お好みゆでたまごの作りかたを考えよう
固ゆで
◆そのほかの問題点
・
・
・
半熟
とろーり
題材の評価規準と評価計画
(
●
評
は,本時)
指
導
計
画
価
の
具 体 的 な 評 価 規 準
時
間
評
価
方
法
観
点
1 2 34 5 6 78 9
ゆでたまごや野菜サラダについて,観察したり,聞いたりしている。
○ ●
○
○ ○
○
○
見つめカード・発表
○
発表
関
心
食物の働きについて,自分なりの考えをもとうとしている。
☆
意
ゆでたまごについて,ゆで時間や作るこつを調べようとしている。
●
学習ノート・発表
欲
☆
自分の食事のあり方について改善しようとしている。
○
実践計画カード
態
度
調理実習時に,分担した仕事を進んで取り組もうとしている。
○
○
○
調理実習時の観察・学習ノート
家庭でも進んで実践しようとする姿がみられる。
創
※実践カード
分量やいろどり,食べやすさなどを工夫している。
○
調理実習時の観察
☆
工
技
ゆで方を工夫し, 自分の作りたい固さのゆでたまごができる。
○
調理用具の衛生的で安全な使い方が分かり,適切に取り扱うことができる。
○
操作の観察
ガスこんろを使って,自分で点火や消火をしたり,火を見ながら火力の調節をしたりできる
○
操作の観察
水の量,ゆで時間,火加減を調節し,好みのゆでたまごを作ることができる。
能
調理実習時の観察
○
調理実習時の観察
計画表にしたがって, 手順よく野菜サラダを作ることができる。
○
調理実習時の観察
計量スプーンを使って,塩や酢,油を正しく計り,ドレッシングを作ることができる。
○
調理実習時の観察
○
調理実習時の観察
楽しく試食し,最後まできちんと後片付けをすることができる。
多種多様な食品を食べていることに気づく。
○
○
発表
食品に含まれている栄養素とその働きがわかる。
○
発表・まとめテスト
知
識
ゆでたまごの作り方が説明できる。
●
○
発表・まとめテスト
☆
理
野菜作りサラダ作りに必要な材料の選び方,用具,調理手順が分かる。
○
○
発表・調理実習時の観察
○
発表・調理実習時の観察
解
ガスこんろの安全な取り扱いについての点検や,ガスもれのときの処置
の仕方がわかる。
○
○
家のゆでたまご作り
名前
◆あなたの家でよく作るゆでたまごは
どれですか?(1つに○をつけてください。
)
固ゆでたまご
半熟たまご
中身とろーりたまご
◆どのようにしてゆでたまごを作ってい
ますか?
気
を
つ
け
て
い
る
こ
と
わ
たまごを入れる時期
水の量
火のかげん
ゆでる時間
《そのほかに気をつけていることがあったら, 書いてください。》
け
のお好みゆでたまご
名前
◆あなたのお好みゆでたまごの絵をかきなさい。
◆色のぬりかた・・・固い(黄色)
半熟(オレンジ色)
とろーり(オレンジ色を流れ出るようにぬる)
お好みゆでたまごを作ろう!!
名前
◆お好みは?
かたゆでたまご
はんじゅくたまご
とろーりたまご
◆お好みゆでたまごの作り方は?
①水の量は?
(たまごと水の線を書く)
②ゆでる火かげんとゆでる時間は?
(ふっとうしてから)
火かげん
ゆでる時間
③ゆで終わったら?
強
火
⇒
弱
(
火
分)