第 3 章 2「休んでいる病気の従業員やその家族に対する支援」

第 3 章 2「休んでいる病気の従業員やその家族に対する支援」
従業員もしくはその家族が新型インフルエンザに感染して、自宅待機になることがある
かもしれません。これらの家にいる従業員やその家族には、会社からの支援や励ましが必
要になります。「具合はいかがですか?」などの短い電話ですら、自宅待機の従業員やその
家族は喜ぶでしょう。従業員は、現在もこれからも、ビジネスにおける重要な資源です。
そして彼らは、回復後は会社に復帰し、貢献したいと望んでいます。
病気の従業員とその家族は、闘病が長引くと困難が生じる可能性があります。彼らの食
糧の備蓄や飲料水、現金などがすでに底をついているかもしれません。産業医から見て、
現在会社が行っている物質的支援や道徳的支援は妥当ですか?必要があれば提案すること
も、重要な産業医活動です。
<どのように支援するか>
1.担当者との打ち合わせや安全衛生委員会などを通して、病気の従業員に対する可能な
支援方法について話し合います。電話をしたり、手紙を送ることにより、深刻なパン
デミック下にある病気の従業員やその家族は励まされるでしょう。また、従業員が必
要なものを購入しやすいようにサポートします(備蓄品の準備を助言するなど)
。
2.病気の従業員やその家族と、電話やインターネット(可能であれば)で定期的に連絡を取
ります。治療の上で何が必要か、または、必要な物品がないかを注意深く聞き、支援
の検討に活用します。また、病院や発熱外来のあるクリニックの情報を提供します。
3.会社の私傷病規定から、彼らが正式な病欠扱いとなることを確認します。もしも私傷
病規定がない、病欠扱いとならないようであれば改善するよう助言します。
4.疾患治療や金銭支援に関する最新情報をインターネットや書籍、メディアなどを活用
して集めます。そして、有用情報を病気の従業員やその家族に連絡します。
5.病気の従業員やその家族に精神的支援を行います。相談が長くなっても、彼らの話に
よく耳を傾けましょう。話を聞いてもらえることで、彼らは心強く思うでしょう。
<追加のヒント>
1.電話やインターネットでの連絡を十分かつ定期的に行うためには、産業保健スタッフ
だけではマンパワーが不足する可能性があります。必要に応じて、担当者等を通じて
支援を要請するようにしましょう。
2.実家に帰省したいと望む従業員もいるでしょう。しかし、その地域でパンデミック状
況が更に深刻である場合もあるので、彼らには適切なアドバイスを与えましょう。
3.外国から来た従業員がいるかもしれません。彼らにも十分な情報提供と支援を行いま
す。また、特に必要なものがないか注意深く聞き、解決策を話し合いましょう。