簿記3級~第4回 テーマ6 期中取引の仕訳②

簿記3級~第4回
テーマ6 期中取引の仕訳②
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■期中取引②
【商品の返品と値引き】
「返品」とは品違いにより商品を返すこと
「値引き」とはキズなどによる代金の減額のこと
・仕入側
・販売側
総仕入高・総売上高
仕 入
100 / 買掛金
100
買掛金
30 /
30
売掛金
100 / 売 上
100
売 上
30 / 売掛金
30
仕 入
...
… 返品・値引時は逆仕訳になります
財務諸表(損益計算書)には、総
売上高、総仕入高ではなく、返品・
値引を控除した純売上高、純仕入高
結果的に両者の仕入高、売上高は
が計上されます!!
純仕入高 70、純売上高 70 となる。
【仕入諸掛と売上諸掛】
しょがかり
諸掛 とは、仕入時や売上時に生じる諸費用のことで、引取運賃や発送費などがあります。
これらの費用は簿記のルールに基づいて次のように処理されます。
・商品を仕入先から 100 円仕入れ、代金は掛とした。同時に当社負担の引取運賃 10 円は現金で支払った。
仕 入
・売上諸掛
110
買掛金
100
現 金
10
当社が負担 = 「発送費」(費用)とする
相手が負担 = 「立替金」(資産・債権)又は「売掛金」とする
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1
【前渡金と前受金】
商品を仕入れる前に代金を渡しておくことがあります。この場合には、商品を受け取ることができる権利としての、
「前
渡金」
(前払金)という資産の勘定科目を用いて処理します。
・前私い時
前渡金 ** / 現 金 **
・商品到着時
仕 入 ** / 前渡金 **
… 前渡金から仕入へ振り替え
前受金も同じです。商品を販売する前に代金を前受けしていれば、商品を引き渡す義務としての、
「前受金」という負
債の勘定科目を用います。
・前受け時
現 金 ** / 前受金 **
・商品引渡し時
前受金 ** / 売 上 **
【貸付金と借入金】
お金を貸したら、後日、返してもらうわけですから、それまでの間、資産としての「貸付金」勘定で記録しておきます。
受け取れる利息の計算方法は、 元本×年利×貸付日数÷365 日 です。
・例題
現金 500 円をB社に貸し付けた。貸付期間は 73 日で利息は年利 5%である。なお、利息は返済時に受け取ることと
した。
・貸し付け時
貸付金
500 / 現 金
500
・返済時
現 金
505 貸付金
500
受取利息
(収益)
5
← 500 円×5%×73 日÷365 日=5 円
(日割り計算という)
たいしゃく
借入金(負債)の場合も貸付金と全く同じ考え方です。 貸借 逆(左右逆)になるだけで、費用としての「支払利息」
が計上されます。
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2
【未収金と未払金】
商品以外のモノの代金未収分は「未収金」勘定(資産)を使います。
.....
・備品を売却した。代金はいまだ未収である。
...
未収金 **
ちょうぼかかく
備 品 **← 帳簿価額 という
備品の簿価(帳簿価額の略)よりも、入ってくるお金(未収金)
のほうが多いときは、貸方に「備品売却益」
(収益)となり、備品の
簿価より未収金が少なければ「備品売却損」
(費用)となります。
・例題
① 4/10、車両(簿価 400 円)を 300 円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。
未収金
300
.
車両売却損
100
400
車 両
② 4/30、備品の売却代金を小切手で受け取った。
現 金
300
/
未収金
300 ← 未収金という債権(資産)の消滅
期中に固定資産を売却したら、どうなるんでしょうか? 問題は、期首から売却に至る、固定資産の使用分に関
する減価償却です。そこで、売却時に月割計算による減価償却費を仕訳に組み込んで下さい。たとえば…
減価償却累計額
取得原価×0.9÷5 年÷12 ヶ月×4 ヶ月 → 減価償却費
未 収 金
486
54
700
車 両 900 ← 取得原価
車両売却益
340 ←
貸借差額
※最後に求める
.......
商品以外のモノの代金未払分は「未払金」勘定(負債)を使います。
......
・建物を取得した。代金はいまだ未払いである。
...
建 物 ** / 未払金 **
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3
【立替金と預り金】
一時的に従業員や得意先にお金の立替えをすることがあります。例えば、従業員の給料の前払い、得意先が負担する運
賃の立替払いなどです。このときに使用する勘定が「立替金」です。
・例題
① 従業員に現金で 20 円の給料の前払いを行った。
資産→ 立替金
20 / 現 金
20
.......
② 給料日となり、従業員に以前の立替分を天引きした給料を、現金 80 円で支払った。
給 料
100 立替金
現 金
20 ← 債権の消滅
80 ← 手渡し分
給料総額(企業にとっての費用)
一時的に従業員から源泉所得税などを給料から天引きし、預かっておくことがあります。このときに使用する勘定が「預
り金」
(負債)です。
・例題
① 給料日に従業員に源泉所得税 10 円を差し引いた 90 円を現金で手渡した。
給 料
100
預り金
10 ← 負債
現 金
90
② 翌月、従業員の源泉所得税を現金にて納付した。
預り金
10 / 現 金
10
※本試験では、
「給料」の問題として、立替金と預り金を絡ませた出題もあります。
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4
【商品券と他店商品券】
百貨店などの商品券の処理を説明します。
当店が商品券をお客さんに販売すれば … 現 金 **/商品券 ** という、仕訳で、貸方側に後日、商品を
引き渡す義務としての負債の勘定が計上されます。
後日、お客さんが当店でお買い物をし、支払いは当店の商品券で済ませたならば … 商品券 **/売 上 **
という処理により、負債が消滅し、収益に振り替えます。
他店商品券とは他の百貨店などが発行したもので、お客さんが当店のお買い物のときに使用することがあります。
..
他店商品券 **/売 上 **
つまり、現金の代わりに他店の商品券を持ってきたので、後日、他店でその商品券を現金化できる権利としての、資産
の勘定を使う訳です。
【租税公課】
商売を営んでいると、様々な税金が発生します。例としては、固定資産税、印紙税、自動車税などがあります。これら
そぜいこうか
は会社にとっての費用として捉え、
「租税公課」として借方に記入します。
・例題
...
当店は、土地と建物に対する固定資産税 800 円を現金で支払った。なお、そのうち 300 円は居住用分である。
会社負担分 →
租税公課 500
個人負担分 →
資本金
現 金
800
300
土地、建物のうち、会社が利用している部分は租税公課として費用処理してよいのですが、
同じ建物の上階部分が個人の居住用であれば、その部分は費用とすることができません。しか
し、税金の支払はすべて会社が行ったわけですから、元手(資本金)の取り崩しとします。
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5
☆豆知識~簿記の感覚と上達方法
資 産
よくあるパターンとして、「資産が無くなって、費用が発生す
70
る」という取引がありますよね(給料の支払いとか)
。
費 用
費 用
70
資 産
70
資 産
70
70
上記の処理をすることによって、うまく、資産を減らし、費用
を増加させることができるのです。言い換えれば、資産から費用
費 用
への移動(振り替え)です。
70
この原理は簿記の基本ですから、仕訳をするときに、
「何をどうしたいのか?」を必ず考えてみてください。
くどいですけど、
「何勘定から何勘定にいくら金額を移動させたいのか?」を意識することが鉄則です。
【訂正仕訳】
仕訳を間違ってしまったら、どうすればいいのか…
簡単。まず、本来やるべき仕訳をメモって、その仕訳になるために追加的にどんな仕訳が必要か?を考えるだけです。
① 売掛金 60 円を現金で回収した祭、逆の仕訳をしてしまった。
売掛金 60 / 現 金 60
本当は、現金
、現金 60 60 / 売掛金 60 60 と、イメージ!
現 金 120/ 売掛金 120
② 上記①の訂正仕訳をしなさい
つまり、このケースであれば、減らすべき売掛金を逆に増やしてしまったので、倍の金額を減少しなければいけない。
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6
●練習問題 ※なお、仕訳不要のときは借方側に「仕訳不要」と記入すること。
①
仕入先に 100 円貸し付け、利息 3 円を控除し、残額は小切手を振り出した。
②
従業員への給料の支払いにあたって、給料総額 600 円のうち、先に立て替え払いしていた従業員の生命保険料 20
円と、所得税の源泉徴収分 60 円を差し引き、残額を現金で支給した。
③
上記②の源泉所得税 60 円を小切手を振り出して支払った。
④
固定資産税 300 円を現金で支払った。この内訳は、居住用2:事業用1の割合いである。
⑤
商品 40 円の販売時に代金の受け取りとして、他店の商品券を受け取った。
⑥
当店の商品券 70 円相当分をお客に現金にて販売した。
⑦
商品の仕入代金として、80 円の小切手で前払いした。
⑧
上記⑦の商品が到着した。
借 方
貸 方
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
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7
【解答】
借 方
貸 方
①
貸付金 100
受取利息 3
当座預金 97
②
給 料 600
立替金 20
預り金 60
現 金 520
③
預り金 60
当座預金 60
④
資本金 200
租税公課 100
現 金 ⑤
他店商品券 40
売 上 40
⑥
現 金 70
商品券 70
⑦
前渡金 80
当座預金 80
⑧
仕 入 80
前渡金 80
300
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