NO1698 (毎月10・25日発行) 教 育 通 2016年 2月10日号 (昭和27年12月9日第3種郵便物認可) ②骨フッ素症 ―12月19日・養護教員部学習会の報告― “むし歯は減っているのに、 フッ素洗口をおしすすめるのはなぜ?” 高知県が推進している「第3期高知県健康増進計画 よさこい健康プラン21」のもと、小中学 校でのフッ素洗口が急速に広がっています。学校では、劇薬であるフッ素は鍵のかかった場所に保 管されています。1週間に1回保管庫から出して来て作った水溶液で、子どもたちは1分間フッ素 洗口をしています。養護教諭の仕事は、フッ素洗口の準備と後始末をすることではなく、保健指導 によってむし歯予防を含む歯科保健を進めることです。 フッ素洗口については賛否両論あり、保護者の中には不安を感じフッ素洗口を希望しない家庭も あります。私たちは、子どもたちのむし歯は減ってきているはずなのに、なぜ今これほどフッ素洗 口をすすめるのか疑問に思ってきました。今回「フッ素について」本当のことを聞きたいと思い学 習会を開催しました。 12月19日(土)養護教員部が行ったフッ素についての学習会には、養護教諭だけでなく子ど もさんを連れた保育士さん、栄養教諭、県教組、市教組の関係者、退婦教の方など幅広い分野の方 々が参加してくださいました。講師の日本フッ素研究会会長である成田憲一さんからフッ素とはど ういうものか、データもとに詳しいお話を聞くことができ、更にフッ素洗口をすすめることに疑問 をもちました。安易にフッ素洗口を受け入れるのでなく、子どもたちのむし歯予防を進めるのに本 当にフッ素洗口が必要なのか、各職場で論議をしていって欲しいと思います。 以下に、講演の要旨をまとめましたので、ぜひ参考にお読み下さい。 ―講演よりー むし歯予防と言えばフッ素があげられます。フッ素は、海産物や海藻、小魚、お茶などあらゆる 食品に含まれており、私たちは食生活の中で摂取しています。小魚の中に含まれているフッ化カル シュウムでは血中フッ素濃度は高くなりませんが、フッ素入り歯磨き剤に含まれるフッ素は体に吸 収される為、毎日使い続けると血中フッ素濃度は2~3倍になることが分かりました。更に、学校 ではフッ素洗口、歯医者さんではフッ素塗布が行われており、子どもたちの体への影響が心配され ます。 1、体への影響 ①歯フッ素症(斑状歯) 歯が形成される子ども時代にフ ッ素を摂ることで起きる慢性中毒 症状で、歯が生えた後にフッ素を 摂っても斑状歯にはなりません。 フッ素洗口で斑状歯が起きにくい のはそのためです。 斑状歯は、歯に白い斑点やシミ などが現れ重症になると、歯は脆 くなって少しでも硬いものを噛む と欠けたり、すり減ってしまった りします。 兵庫県宝塚市で1971年にフ ッ素濃度の高い水道水が供給され たために斑状歯が増加したという 報告があり、大きく報道されまし た。調査委員会が作られるほどの 問題になっています。 信 フッ素は、骨に蓄積し骨フッ素症を引き起こします。骨を脆くし、筋肉を弱くし、関節を固めて労 働能力を奪ってしまいます。背中が曲がったり、重症になると全身に症状が出ます。水俣病とイタイ イタイ病を合わせたような病状になります。フッ素は、歯ばかりでなく神経系から筋肉、内臓まで全 身を中毒に巻き込んでいきます。 ③その他の健康被害 フッ素の中枢神経へ与える影響としてIQの低下 AD-HD(学習困難児)の増加が疑われてい ます。大人になれば骨に蓄積したフッ素による骨折の増加,糖尿病(Ⅱ型)甲状腺機能障害、動 脈硬化、骨関節のガン、脳へのフッ素蓄積による認知症などが心配されます。 2、環境への影響・・・ フッ素は環境汚染物質 地下から掘り出してきた石炭、様々な鉱石を熱するとフッ素が放出されます。産業革命以前か ら人類は地下から掘り出して来た物を加熱して陶器、磁器、レンガ、瓦などを作ってフッ素を環 境中に放出してきました。それが、産業革命後急速に増加して、大規模なフッ素公害が起きるよ うになりました。 例えば、1933年ベルギーで起きた世界最初の大 規模な大気汚染被害により数千人が重い病気になり、 60人が死亡した例があります。 右の表は、1974年に国連人間環境委員会で世界 各国にその監視と測定を呼びかけられた環境汚染物質 のリストです。フッ素は、優先順位6番目に取り上げ られており、アスベストやヒ素(A s)より優先順位 が高いということです。 こうした点からも、フッ素の危険性についてしっか り認識しなければなりません。その上で、その使い方 をどうするのが安全なのか、考えなければなりません。 健康な歯、むし歯にならな い歯をめざしたいです。その ためには、何が良いのか。 しっかり考えましょう。 <参考資料>日本弁護士連合会意見書 2011年1月21日発表 集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書 (要旨) *当日の参加者・約 50 人。 ※WHOは、1994年に「6歳以下の子どもへのフッ素洗口は強く禁止する」という見解を出 しています。 むし歯予防のために、保育所、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校等で実施されるフッ素洗 口・塗布には、安全性、有効性、必要性・相当性、使用薬剤・安全管理、追跡調査、環境汚染に関 して、さまざまな問題点が認められる。 このような問題点を踏まえると、集団フッ素洗口・塗布の必要性・合理性には重大な疑問がある にもかかわらず、行政等の組織的な推進施策の下、学校等で集団的に実施されている。これによっ て、個々人の自由な意思決定が阻害され、安全性・有効性、必要性等に関する否定的見解も情報提 供されず、プライバシーも保護されないなど、自己決定権、知る権利及びプライバシー権が侵害さ れており、日本における集団によるフッ素洗口・塗布に関する施策遂行には違法の疑いがある。 よって、当連合会は、医薬品・化学物質に関する予防原則及び基本的人権の尊重の観点を踏まえ、 厚生労働省、文部科学省、各地方自治体及び各学校等の長に対し、学校等で集団的に実施されてい るフッ素洗口・塗布を中止するよう求める。 *日弁連のHPに掲載されていた同意見書の要旨をそのまま転載しました。
© Copyright 2024 Paperzz