新井胃腸科診療所 広報誌 平成26年9月号 新井胃腸科診療所 だより 診療所の基本方針 1 私たちは、患者さんが納得のいく医療サービスを提供するため、努力します。 発行者 岸川一郎 前橋市昭和町1-16-10 TEL 027-231-2083 新井胃腸科診療所ホームページ http://arai-ichouka.or.jp 2 私たちは、全力のチームプレイで、正確な医療業務を遂行します。 3 私たちは、適法・適正な保険診療の実践を、厳守します。 桜 欄 心電図検査について 臨床検査技師 川村 さおり 私は以前、健康診断などを行う事業所で働いておりました。そこで心電図検査をしている時に「心電図 検査って何だい?」と聞かれる事が度々ありました。毎年心電図検査をしている方でも、どんな検査か 知らずに受けている方が多いんだなと思って、検査をしていました。そこで今回は、心電図検査について 取り上げてみました。 <心電図検査とは> 心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。その心臓は筋肉 でできた臓器で、その筋肉に微弱な電流が流れることで心臓は動いています。 この心臓の電気的活動を波形として記録したものが心電図です。 心臓で発生する微弱な電流を記録する検査なので、痛みを伴うことはあり ません。「電」の文字が入っているからでしょうか、「ビリッとくるんかい?」 と聞かれたことがありますが、「ビリッ」とくることはありませんので、ご安心 ください。(笑) <検査方法> ベットに仰向けに寝て、胸が出るように服をまくっていただきます。 両手と両足首、胸(6箇所)に電極を取り付けます。 後はそのまま動かずに体の力を抜いて寝ていると、検査は終了します。 検査中のポイントは、リラックスして体の力を抜くことです。そのまま 寝てしまっても構いません!(笑) 体の力が入っていると、筋肉の緊張が筋電図として現れて心電図の 波形と重なってしまい、本来の心電図が判りにくくなってしまいます。 検査後、胸に電極のあとが残ることがありますが、自然に消えます のでご安心下さい。 <心電図検査で判ること> 心臓全体の働きを調べることで、以下の診断に役立ちます。 ① 不整脈 ② 心臓の転位、肥大、拡張 ③ 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など) ④ 心膜炎 ⑤ 右胸心・先天性心疾患 ⑥ 電解質(ナトリウム、カリウムなど)の代謝異常 ⑦ 薬物の効果確認 <心電図波形の例> 正常心電図 不整脈(心室性期外収縮 ) 急性下壁心筋梗塞 <心電図に異常が出たら> 必要に応じて、体を動かしてとる運動負荷心電図、24時間通常の生活時にとるホルター心電図、 心臓超音波検査などの検査が行われます。 診断は、これらの検査結果や血圧、その他の検査結果を総合してつけられます。 毎日ひと時も休まずに動いている心臓です。簡単に出来る心電図検査で、年に1度はチェックして みてはいかがですか? ~「心電図」という名称が付けられたエピソード~ 「心電図」は英語でelectrocardiogramと言います。日本語にすると「electro」は「電気」、「cardio」は 「心臓」、「gram」は「図」で、繋げると「電気心臓図」となります。これを短くすると「電心図」ですね。 実際、昔の教科書は「電心図学」とあったそうです。しかしその後、当時太平洋戦争前で連絡用に 使われていた「電信」と「電心」が紛らわしいとの理由で、 軍部から名称変更を求められ、 「電」と 「心」を入れ替えて「心電図」と呼ぶことになったということです。 時代を感じるエピソードですね。 私は、6月より勤務しております臨床検査技師の川村さおりと申します。 診断に役立つ正確な検査を心がけてまいりたいと思います。 どうぞ宜しくお願い致します。 以上
© Copyright 2024 Paperzz