頂門の一針 - Melma!

2013/09/26発行
頂門の一針
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わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 3079号
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2013(平成25)年9月26日(木)
「精神の自立」なしに一国の独立は保てない:加瀬英明
機密保全は安全保障のイロハのイ:杉浦正章
安倍首相の血液型は角さんと同じB型:古澤 襄
川瀬一馬の学者魂:平井修一
諫早(いさはや)の「赤とんぼ」:馬場伯明
話 の 福 袋 反 響
身 辺 雑 記
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第3079号
発行周期 不定期(原則日曜日発行)
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「精神の自立」なしに一国の独立は保てない
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加瀬 英明
8月15日の前に、安倍首相が靖国神社を参拝するべきか、週刊誌からコメ
ントを求められた。
私は「参拝するべきだ。そうしても、日中、日韓関係がいま以上、悪化す
ることは考えられない」と、答えた。
ワシントンは中東で手一杯だから、日中が尖閣諸島をめぐって、万一、軍
事衝突することがあったら、アメリカは日本に肩入れして、巻き込まれて
しまうことになる。2正面で戦う余裕がないから、日本が中国を刺激しな
いでほしいと、おびえている。
それに、オバマ政権は発足当初から、対日関係を左派が牛耳ってきた。私
は鳩山由紀夫政権が誕生した時に、彼らが「これで日本が正しい方角へ向
かう」と喜んだのを、覚えている。菅内閣もお眼鏡にかなった。野田首相
になると、よく分からなくなった。
彼らにとって、安倍政権は不協和音だ。私はワシントンの親しい同志の要
路の友人たちに、日本はアメリカの思惑に右顧左眄することなく、信じる
道を行くべきであり、それが日米の国益に適うことだと、説いてきた。
アメリカは興隆しつつある中国にアジアにおいて対抗するために、日本な
しではやってゆくことができない。安倍内閣が信じる道を進めば、アメリ
カは受け容れる他ない。日本はイスラエルのネタニエフ首相を、手本にす
べきだ。友人たちは賛成してくれた。
『潮』9月号に劇作家の山崎正和氏が、日本が歴史認識について主張する
と、「第二次大戦後の現状(ステータス・クオ)の変更を要求することに
なり」「アメリカの反感を買う結果」になるから、慎むべきだと寄稿して
いる。国民の多くが、68年前の敗戦の衝撃と、アメリカによる占領下の教
育によって、腰が抜けたままでいる。
アメリカが強要した憲法を「平和憲法」と呼んでいるが、この憲法が軍備
を禁じているのは、日本がアメリカの属国としてしか、生きられないよう
にしたものだ。だが、今でもアメリカに縋り続けたら、アメリカも迷惑だ。
日本国民の大多数が「食料の自給」、「エネルギーの自立」といったら、
諸手をあげて賛成しよう。だが、「精神の自立」なしに、一国の独立を保
つことはできない。それなのに、この68年、「精神の自立」を顧みること
がなかった。
幕末から、旺盛な独立心が帝国主義勢力の脅威から、日本を守った。その
精神を発揮することによって、日清、日露戦争に勝つことができた。
私は慶応義塾で学んだが、福沢諭吉先生といえば、「独立自尊」の箴言
(しんげん)によって、よく知られる。30年以上も前のことになるが、私は
母校で「福沢精神と今日の日本」という演題で、講演したことがあった。
三田まで行く途中で、どのように話を始めようかと、迷った。「独立自
尊」という言葉が浮んだ。いったい、独立と自尊の2つの言葉のうち、ど
ちらのほうが大切なのだろうかと、案じた。そして自尊が先だと決めた。
人も国家も自らを尊べば、自(おの)ずから独立する。何よりも、日本を尊
ばなければ、自立できない。
もっとも、私は首相をはじめ国民が8月15日に靖国神社に奔流のように参
拝するのは、好ましくないと、考えている。敗戦の日に「不戦を誓う」の
では、敗者の平和を讃美することになる。首相も国民も、春秋の例大祭に
詣でるほうが、ふさわしいと思う。
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機密保全は安全保障のイロハのイ
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杉浦 正章
早期に法案成立を図れ
例えばNSC(国家安全保障会議)を運営する米・英・仏の3国が、その機密
漏洩の厳罰があるが故に報道の自由が制約されて、民主主義が危機に瀕し
ているかということだ。3国とも全く健全なる民主主義国家であり、報道
の自由は十分保障されている。
共産党や朝日新聞が反対しているNSC設置法案に伴う特定秘密保全法案は
遅きに失したというべきものであろう。罰則強化による情報管理は国家に
とって当然の責務であり、中国、北朝鮮、テロリストなどの情報が欠如し
た結果、何万人、何十万人の犠牲者を出してからでは手遅れなのである。
米国を始め主要国でとかく言われているのが「日本に機密情報は教えられ
ない。漏れる」ということだ。その例証を挙げれば日本の取材・報道史上
の最大の汚点の一つである西山事件であろう。
同事件は第3次佐藤内閣当時、米ニクソン政権との沖縄返還協定に際して
の密約を毎日新聞社政治部の西山太吉が非合法に取得して日本社会党議員
に漏洩した事件である。
その取材方法は外務省高官の秘書と情を通じ「肉体関係があったため被告
人の依頼を拒み難い心理状態に陥つたことに乗じて秘密文書を持ち出させ
た」(最高裁判決)という手口であった。
結局最高裁で有罪が確立した。こうした教唆・そそのかしの罪は刑法61
条で罰せられる。今回の秘密保全法案は国家公務員が「特別秘密」を漏ら
した場合には「10年以下の懲役」とする厳罰化が柱となっているが、取材
する側も教唆犯の思想が取り入れられて同様の厳罰があり得る。
マスコミなど取材する側はこの点を懸念する論調が多く、読売、産経など
は報道の自由を担保した上での実施論だ。朝日は現行法規の厳格な運用で
対処すべきという社説を掲載している。政党では共産党が「秘密保全法は
軍事体制への流れ」(国対委員長・穀田恵二)と真っ向から反対の構えだ。
連立内部では公明党も慎重姿勢だ。これに対して政府・自民党は、西山型
の教唆・そそのかし取材のケースなどは厳罰を適用するものの、法案に
「報道の自由を保障する規定を明記する」ことにより通常取材には影響が
生じないように配慮する方針だ。
官房長官・菅義偉も報道・取材の自由は「十分に尊重する」としている。
幹事長・石破茂も「法案は報道の自由に配慮する。基本的人権を侵害する
ものにはならない」と述べている。 安倍政権が「特別秘密」にこだわるのは、これがNSC設置法案にとって必
要不可欠であるからだ。外交・安保の司令塔となるNSCは米国では1947年
に設置され、英国では2010年にキャメロン政権が設置している。いずれも
有事に不可欠の存在として機能している。
安倍としては「防衛」「外交」「諜報活動の防止」「テロ活動の防止」の
4分野に限ってその機密漏洩に厳罰をかけることにより、米、英、仏など
のNSCと連携を取りやすくしたい思惑がある。米国と同じ懲役10年の最高
刑を設けるのもそのためだ。
この外国からの機密情報に加えて、省庁の情報もNSCに届きやすくする必
要がある。ただでさえ外務省や防衛省は情報管理が厳しく、首相官邸に対
してすら情報を出し渋る傾向がある。下部組織が機密漏洩を懸念している
ようでは、NSCは全く機能しない屋上屋を重ねるものにならざるを得ない。
従って重大な国家機密の漏洩に対する厳罰化は必要不可欠なのである。こ
れまでのように最高刑が懲役1年では緩みが生じることは避けられまい。
国内外の情報をNSCがまず入手できる体制を確立するためには、NSCの情報
管理が厳しいという証左を内外に向けて打ち立てる必要があるのだ。
この機密漏洩の厳罰化は普通の国家が普通のこととして行っているもので
あり、安倍政権が突出しているケースではない。
共産党は真っ向から反対するが、自らの過去を顧みるがいい。ソ連をはじ
めとする他国の共産主義者と連携を取って情報を流出させ、一時は社会主
義革命を起こそうと狙ったではないか。今は猫をかぶっているが、そのよ
うな過去のある政党が、「軍事体制への流れ」を指摘する資格はない。
そもそも戦後70年近くなって、日本の民主主義は定着しており、選挙を経
て成立した政権が行おうとしていることである。もちろん報道の自由は民
主主義の根幹であり、厳しく監視しなければならない。
しかし緊迫する極東情勢や世界中にテロが横行する時代である。情報の掌
握度によって国の安全保障の強弱が確定することを肝に銘ずるときだ。
(政治評論家)<2013年09月26日>
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安倍首相の血液型は角さんと同じB型
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古澤 襄
6年前に「歴代首相の血液型」という記事を書いた。深い意味があったわ
けではない。政治記者時代に酒飲み話で政治家の性格を血液型であれこれ
品定めしたことを想い出したからである。
私が現役時代に接した総理大臣たちのナマの姿と血液型の性格がぴったり
合致している。その後、1971年に能見正比古氏が「血液型でわかる相性」
を新書版で発売したらバカ売れしたことがある。
能見正比古説は明確な科学的根拠がないと批判され、いまでは話題にすら
なないが、24日の杜父魚ブログで読者の選んだベスト・テンに再登場して
いる。理由は?と聞かれると、筆者の私は首を傾げるばかり。
この時に日本の歴代首相の血液型でもっとも多いのはO型だと紹介した。
もっとも少ないのはB型で田中角栄元首相だけであった。
私もB型人間なのだが、良くいえば慣習や既成の枠にとらわれない柔軟で
アイデイアが豊富。芸術家に多いタイプである。その半面、ズボラで用心
深くないのは私の性格そっくり。角栄さんと血液型が同じだと分かり、何
となく嫌な気分に襲われた記憶が残る。
安倍晋三さんの血液型も調べたが、分からないのでA型人間と目星をつけ
た。自由奔放なアッキーこと昭恵夫人はB型人間と思ったが、深く調べる
こともしなかった。
ところが安倍首相は、政治家には数少ないB型人間だった。田中角栄さん
と同じ血液型・・・。独創的なアベノミクスはB型首相の産物なのかなあ!
■血液型によって人間の気質が分かるという説が一時は流行したことがあ
る。能見正比古氏が「血液型でわかる相性」を出したのは1971年。この本
が売れに売れて、テレビでも大きく取り上げられた。
だが能見正比古説の統計は明確な科学的根拠がほとんど存在しないという
批判が起こって現在では下火となっている。政治家の血液型に興味があっ
た私は知りうるかぎり歴代首相の血液型を集めた時期があった。
能見正比古説は科学的根拠に欠けるかもしれないが、歴代首相の血液型
でみるかぎり不思議とその性格が当たっている
たとえばO型は岸元首相、福田元首相、中曽根元首相。能見正比古説に
よれば、O型は言い出したら引っ込まない。強引で独善的。英雄的性格だ
という。世界史上でも偉人、英雄、名将の70%以上はO型ではないかと能
見正比古氏は推定している。
もっとも欧米ではA型とO型が総人口の9割近くを占めるというから 世
界史上 という冠をつけるのは強引すぎるきらいがある。混血の少ないア
メリカ先住民族は、ほぼ全ての構成員がO型という調査もある。O型しか
いなければ、O型の英雄が現れても不思議ではない。
この論争は学者にお任せで、深入りするつもりはない。
日本では血液型のバランスが比較的にとれている。戦時中に爆撃などで傷
を負った国民に輸血するために全国民の血液型を調査することが義務付け
られ、上着の胸に血液型を表示した名前を付けたものである。
日本人のA型は40%、O型は30%、B型は20%、AB型は10%という統
計数字は今でも変わっていないのではないか。A型とO型が日本人全体の
7割を占めるが、欧米の9割に比較すると少ない。
さて、そうなるとA型の首相が圧倒的に多くなる筈だが、沖縄返還を実現
した佐藤元首相しか見つからなかった。私がよく通った前尾元衆院議長は
A型。兄貴分の池田元首相の血液型を前尾氏に聞いたことがあるが、「O
型なのかな」と首を傾げていた。
A型は能見正比古説によれば、几帳面でまじめ人間。ルールを尊重し
て、倫理観、潔癖感が強いという。対照的で大雑把なB型の部下には厳し
く当たる傾向がある。
日本人の20%しかないというB型政治家の代表は田中元首相。角栄政治
はB型人間の典型だという。B型の特徴は慣習や既成の枠にとらわれない
柔軟でアイデイアが豊富。その半面、ズボラで用心深くない。佐藤元首相
の下では田中氏は恵まれなかった。
さらに少ないのがAB型。日本人の10%しかいない。人情論とか愛情論に
は関心がない合理主義者だという。いわゆる秀才型なのであろう。その典
型が宮沢元首相。石原東京都知事もAB型だという。
小泉元首相、安倍前首相、福田首相の血液型はどうであろうか。能見正比
古説が下火になってから、政治家の血液型を調べる興味が失せてしまった。
だが察するところ小泉元首相はAB型、安倍前首相、福田首相はA型と目
星をつけている。当たるも八卦、当たらぬも八卦。B型人間の私が勝手に
想像しているだけのことである。(杜父魚ブログ 2007.12.05 Wednesday
name : kajikablog)
2013.09.25 Wednesday name : kajikablog
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川瀬一馬の学者魂
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平井 修一
「私は生きている人と死んだ人を区別しない。私は故人と友になった」と
山本夏彦翁が書いている。この言葉に大いに感銘を受けた小生も故人を師
とも仰ぎ、友とも馴染むようになった。
小生は普通の人だから、どんな世界を見回しても世間の縮図で、そこにい
る人々はピンキリだろう、賢者から愚者までいるに違いないと思ってい
る。だから学者です、医者です、政治家です、教祖ですと言われても、無
条件で敬意を表することはない。
件の人が生きていようが死んでいようが、犬のようにクンクン嗅ぎまわ
り、ピンなのかキリなのかを判断して、ピンならば近づき、キリならば遠
ざかったり時には石をぶつけたりしている。
「棺(かん)を蓋いて事定まる」と言う。以下の意味だ。
<生前には利害関係や認識に情が入ったりして公平な判断が難しく、その
人の真価を正確に見定めることはできない。遺体を棺に納め、ふたをし
て、初めてその人の評価が定まる、人間の真価は死んでから決まるという
こと>
「政策の是非の評価は後世の歴史家に任せよう」「歴史は私に無罪を宣告
するであろう」などと言った人もいる。第56、57代総理(任期1957年2月
- 1960年7月)の岸信介は「安保改定がきちんと評価されるには50年はか
かる」という言葉を残した。文芸評論家の福田和也などが「岸は本物の責
任感と国家戦略を持った戦後唯一の総理」として高く評価しているという。
小生は学者のことを己の無知ゆえにあまり評価していなかったのだが、過
日、川瀬一馬(かずま)の校注・現代語訳「和泉式部日記」の解説を読ん
で大いに感動した。川瀬はこの日記が藤原俊成の作だとの説を掲げた人で
ある。こうある。
<私はこれまで多くの新説を発表し続けてきたけれど、学会の進展ととも
に、私の研究にも足りない点は多々あろうと思うが、生涯を研究にかけて
いる以上、ただ簡単な思い付きを新説として公表することはしたことがな
いつもりである。その一つひとつに研究者としての責任をかけているから
である。
それ故に、私の説に対してどのように反論なさることも、あるいは黙殺さ
れることもまったく御自由ではあるけれども、すべては、後世の第三者が
公平にさばいてくれる日を期待している。
少なくとも常に自分の死後を考え、それを目標にして研究生活をするので
なければ、我々の学問研究などは成り立たない。生前だけを考えていれ
ば、バカバカしくて真の研究などはできないのである>
学者が猛然と啖呵を切って、「俺は常に自分の死後を考えているんだぜ、
命賭けでかかってこい」と真剣を抜きはらった印象だ。
<川瀬一馬(1906−1999年)昭和時代の書誌学者、国文学者。東京出身、
東京文理大(のちの東京教育大)卒。号は柚廼舎(ゆずのや)。明治39年1月
生まれ。昭和25年青山学院女子短大教授。のち静岡英和女学院長、同女子
短大学長をつとめた。古典籍や古活字版の研究で知られ、14年「古活字版
之研究」で学士院賞。平成11年2月死去。93歳。著作に「日本書誌学之研
究」「古辞書之研究」など>(ウィキ)
川瀬の随筆「柚の木」から引用する。
<時たま大衆雑誌などに、学者の研究苦心談と称するものが載っているの
を見受けることもあるが、そういうものの多くは、少しばかり研究に苦し
んだ経験を持つ者の目から見れば、まことにつまらぬ内容しか語られてい
ないのが普通である。後進の学者が、研究上に有益な暗示を与えられるよ
うな話は殆ど見当らないと言ってよい。
それは、一つには語る人が世間的に名声があって、ジャーナリストなどに
大家だと思われていても、実際研究上には大した辛苦の持主でもないため
に、本人にとってはその程度のことが苦心なのだろうが、真の学者には物
の数にも入らない事柄を、苦心談として得々然としてしゃべっている故で
あろう。
元来、世人に研究の苦心を知らせるのは、学問というものの尊さを悟らせ
るがためである。学問の尊さを悟らせようと思えば、真にすぐれた学業を
成就した篤学者の口から親しく苦心談を聞くのでなければなるまい。研究
に従事する後進が感心しないような浅薄な苦心談(実は苦心談とも言えな
い程度のもの)が、一般の人々に深い感銘など与えようはずがない。
学者が研究の苦心を語って、一般世人に学問の尊重すべき所以を知らせる
ことは、頗る大切なことでもあり、且つまた、研究と日常生活とをいかに
調和させて、研究の能率を上げているかというようなことまで聞かせて貰
えれば、後進の学者にとっても甚だ有益であって、学術研究の進歩を促進
することにもなるのであるから、一般世人にも興味が持てるように工夫を
こらして、出来るだけ判りやすい形にまとめて、真の研究の苦心談を発表
されることが切に望ましいと思う>
小生は川瀬先生のような覚悟で記事を書いているか。死後にも評価される
ほどではなくても読んでもらえるような内容か。責任ある言論か。曲学阿
世に流れなかったか・・・大いに勉強になった。(2013/09/24)
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諫早(いさはや)の「赤とんぼ」
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馬場 伯明
文藝春秋2013年10月号の巻頭に立花隆氏(評論家)の「赤とんぼと戦争」
という随筆がある。著書『赤とんぼ 1945年、桂子の日記』(長崎文献
社・1800円・2013/7/20発行)と著者レイコ・クルック氏(Reiko Kruk・
西岡麗子1935生まれ)について、2頁半にわたり記述している。
立花氏は「長崎での『赤とんぼ』出版記念シンポジウム」(2013/8/4)に
パネリストの一員として招かれたとある。この著書の概要と著者の紹介を
兼ねて引用させていただく(漢数字は横書きの算用数字に変更した)。
《40年前からパリに住み、欧米の映画・演劇・オペラ・CF・ビデオクリッ
プなどの業界で、世界を股にかけた活動を続けている特殊メーキャップ・
アーティストのレイコ・クルックさんがこのほど本を出した。
日本では必ずしも知られていないが、フランスでは政府から芸術文化勲章
(日本の文化勲章みたいなもの)を受けた(2011)程の著名人。
《既著書:「ば・化粧師(2010)」「メタモルフォーゼ(2012)」》
本のタイトルは『赤とんぼ』(長崎文献社)。昆虫の赤とんぼではない。
あの戦争の時代、日本中の空を舞っていた赤塗りの訓練用練習機の俗称。
木製の骨格に帆布ばりの翼をつけた軽量2人乗り複葉機。エンジンは340馬
力、最大速度210キロ。《「九三式中間練習機」》
昭和14年、長崎県諫早市のレイコさんの家のすぐ近くに、逓信省航空局航
空機乗員養成所ができた。12∼19歳の少年を生徒として受け入れ、民間パ
イロット養成が目的だった(同様のものを全国15ヵ所に設置)。
しかし戦争が激しくなった昭和19年以降、海軍に接収され大村海軍航空隊
所属の軍の養成所になった。さらに昭和20年5月以降は、第五航空隊に編
入され特攻作戦の一部をになわされた。
レイコさんの父親が養成所の村の村長だったため、レイコさん一家と養成
所の職員・生徒との間に交流が必然的に生まれた。養成所の内部を非公式
に見学させてもらったり、「赤とんぼ」にちょっと同乗させてもらって、
空から家の周辺をながめたりした。
レイコさんにとって、「赤とんぼ」に乗ったことは一生忘れられない夢の
ような体験だった。『赤とんぼ』は、小説仕立てではあるが、書かれてい
ることは、ほぼありのままの事実。レイコさんは、少女の目を通してあの
時代(1945年前後)の歴史を語りたいと思ったという。》(引用終わり)
以下、「いまなお耳の底に残っている二つの悲鳴」「従妹一家の原爆被
災」「諫早航空機乗員養成所に在籍していた大田大穣氏(現在は長崎市の
晧臺寺住職・1929年生まれ)の話」などが紹介されている。
ところで、先に、本誌に拙稿「諫早戦時主婦日記抄」(2013/8/4・3029
号)が掲載された。じつは、本書の著者のケイコ・クルックさんは、「諫
早・・」の編者の犬尾博治先生(犬尾内科医院・諫早市)の従妹さんとい
うことで、私は犬尾先生から『赤とんぼ』をいただき、読んでいた。
以下、立花氏の随筆とは別に私なりの関心事や感想などを記したい。
まず、本の装丁(毛利一枝さんら)。とてもおしゃれだ。背は赤地に白抜
きの題字。カバーは空に舞う練習機「赤とんぼ」と見上げる少女。表紙は
反転し黒地に白抜きの素描。全部著者の絵。内扉は濃い赤が印象的だ。
本文は落ちついた乳白色の少し厚手の用紙。各頁には余白がたっぷりとっ
てあり読みやすい。春夏(初夏・夏)秋冬の5章には5種類の落ち着いた5
色の紙が使われている。終章(冬)のは悲しい赤系のグレーだ。
次に、挿絵。不思議なことに、立花氏は、プロフェッショナルな描き手で
あるレイコさんの挿絵にまったく触れていない。(絵に興味がないのか、
「内容」には無関係と思ったのか・・)
挿絵は黒いペンのデッサンに水彩絵具で淡く着色されている。精密な絵で
はなく未完成のようにも見え、時代の不安な雰囲気をよく顕わしている。
本文200頁の本に1頁丸々の挿絵が23枚もある。そのほかにも頁の余白に13
枚、合計36枚が効果的に配置されている。5.5頁に1枚だ。
かつて幼い頃、私たちは、道の辻で紙芝居おじさんの自転車の傍に群がっ
た。うまい話し方に引き込まれ画面を食い入るように見つめたものだ。
『赤とんぼ』の喜怒哀楽に出会う。暗い話も多い。しかし、懐かしい紙芝
居を見るような臨場感と(無体験なのに)既視感(デジャヴュ仏 déjàvu)があった。不思議な思いのままに、私は流れるように一気に読んだ。
著者の文章は歯切れがいい。大空を舞う「赤とんぼ」の雄姿を誇らしげ
に、後には哀しく表す。長崎市の従妹一家が原爆に被災し従妹は孤児と
なった。白い彼岸花が咲いていた(144頁挿絵)。著者は悲惨な体験など
の真実を、蛮勇を奮って書き切っている。
「そのあとも、言葉も出ないような描写がつづくが、・・」と立花氏は書
く。だが、どっこい、著者はフランス在住40年だ。一般に抑制的な日本人
とは異なり、その描写にフランス人らしい率直で鋭い感性を感じた。
著者は今後『赤とんぼ』の映画化を視野に入れているという。約40枚の挿
絵などは映像のキーショットになるだろう。完成が待ち遠しい。
ところで、九三式中間練習機「赤とんぼ」は今どこかにあるのか。靖国神
社・遊就館の1階に「零戦五二型(A6M5)」の展示があるが「赤とんぼ」
はない。写真の資料のみ。九段下の昭和館にも図書資料がある。
西新宿の住友ビル「平和祈念展示資料館」は主に兵士・戦後強制抑留者・
海外からの引揚者等の状況が主な展示であり「赤とんぼ」はない。
山梨県に河口湖自動車博物館(飛行館)があり、「赤とんぼ」を毎年8月
中だけ公開するという。HPに写真がある。本物ならば、ぜひ見たい。
立花氏は「付け加えたいと思うのは」として「8月15日に戦争をやめな
かったらどうなっていたかだ。(「赤とんぼ」は)・・かき集めると2500
機あり、これを全部特攻作戦に突っ込む予定だったという」と書く。随筆
はこの文章で終わる。
「赤とんぼ」最後の特攻は、1945/7/29台湾新竹航空基地から第三竜虎隊
(三村弘兵曹が指揮する)8機が出撃、石垣島・宮古島経由7機が沖縄を攻
撃。その1機が米駆逐艦「キャラハン」に250キロ爆弾を命中させ撃沈。他
3機が「ブリチット」「カシンヤング」「ホラスAバス」に命中した。
(Blog「ねずさんの ひとりごと『赤とんぼの戦い』」より)。
「(「赤とんぼ」は)私の青春のすべて」。「小野島で訓練を受け、『赤
とんぼ』に乗った我々の先輩が、最後の特攻に成功したのです」と晧臺寺
住職の大田大穣氏はインタビューに答える(『赤とんぼ』解説212頁)。
立花氏は、単に「(終戦が)若い兵の命を救った」と言うのか。散った兵
への配慮:想いが霞んでいる。後出しジャンケン・後講釈で、散っていっ
た兵を(結果的に)貶めるような言い方をするのは、いかがなものか。
『赤とんぼ』の私のいち押しは最終頁、桂子と良子(従妹)の別れのシー
ンだ。「黒い煤煙を吐きながら・・汽車のお尻がとうとう桂子の視野から
消えてしまった・・(198頁)」。
「叔父がフロックコートの袖の下に良子を引き入れ・・良子の(赤いス
カートと)足だけが見え隠れし・・立ちつくす桂子(199頁)」と「走り
去る汽車(200頁」)の挿絵。この絵は涙なしには見ることができない。
一転、201頁には遠くを見つめる10歳の西岡麗子さんの端正なポートレー
ト。襟付きのセーターに飛白(かすり)のモンペ姿。「太編みの毛糸の帽
子」は別れた従妹と(おそらく)お揃いだったのであろう。
著者は「あとがき」の最後に書く。「この本は事実をもとに書いた小説で
す。中に出てくる、登場人物、場所、事件、人名、などはすべてが事実で
はないことをお断りしておきます」と。
厳密な作法である。しかし、この毅然とした宣言により、68年前の事実と
体験は「ノンフィクション・ノベル」として、丸ごと客観性を与えられ
た。(不遜な「少年H」の作者との質の差は明らかである)。
著者の体験の真実が重く読者に迫る。政治的な立場は様々でも平和を願う
心は誰も同じだ。だが、世界各地で争いは今も続く。この小説を読んだ人
たちはこの後どんな行動に向かうのであろう。(2013/9/23千葉市在住)
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話 の 福 袋
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◎【顕彰】第11回国民の自衛官に9人・2部隊 尖閣防衛や人命救助など
災害派遣や国際貢献などで著しい功績のあった自衛官らに贈る「第11回国
民の自衛官」(フジサンケイグループ主催、産経新聞社主管、防衛省協
力)の選考委員会が24日、東京・大手町の産経新聞社で開かれた。
この顕彰制度は、わが国の守りをはじめ、日本各地の災害派遣や緊急搬送
などに活躍し、任務の枠を越えて「自己犠牲の精神で人命救助・人助けな
どを行った自衛官」や、日常の行動を通じ「社会との絆を強めた自衛官」
を表彰している。
選考会では、陸、海、空それぞれの専門分野で功績のあった自衛官が推薦
され、尖閣諸島を含む南西地域における対領空侵犯に対する任務を遂行し
ている第83航空隊や、心肺停止の2歳女児を救命した自衛官、砕氷艦「し
らせ」艦長などとして8年間、南極観測隊を支援し国民に感銘を与えた自
衛官など9人2部隊を選出した。
表彰式は10月4日、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ケ谷で行われ
る。受章自衛官は次の通り。
【陸上自衛隊】第101不発弾処理隊(沖縄・那覇)石生雅久陸曹長(50)▽
第7普通科連隊本部管理中隊(京都・福知山)井本淳2等陸曹(33)、足
立繁俊3等陸曹(31)▽第10後方支援連隊第1整備大隊(愛知・春日井)
加藤親3等陸曹(34)▽第47普通科連隊(広島・海田市)櫻田和子予備1
等陸曹(40)▽防衛部情報通信・研究課(東京・市ケ谷)萱沼文洋3等陸
佐(36)
【海上自衛隊】第31航空群第71航空隊(山口・岩国)▽砕氷艦「しらせ」
(神奈川・横須賀)松田弘毅1等海佐(52)
【航空自衛隊】第5高射群本部(沖縄・那覇)小林丈人1等空尉(32)▽
第83航空隊(沖縄・那覇)▽第1輸送航空隊飛行群第401飛行隊(愛知・小
牧)加藤治3等空佐(53)
◇
協賛=一般社団法人日本防衛装備工業会、防衛懇話会
特別協賛=航空新聞社
選考委員=志方俊之・帝京大教授▽井上和彦・ジャーナリスト▽堤富男・日
本防衛装備工業会理事長▽樫山幸夫・産経新聞社論説委員長▽小林毅・産経
新聞社編集局長▽関田伸雄・産経新聞社事業局長
産経ニュース 2013.7.24
〔情報収録 − 坂元 誠〕
◎海上警備、ノウハウ伝授=海洋国招き、24日からセミナー
政府は、東南アジアや中東などの海洋国家の海上警備能力の強化に向け、
各国政府担当者を招いた「新興海洋国能力構築支援セミナー」を24日か
ら3日間、東京都内で開催する。ソマリア沖やマラッカ海峡など日本に
とって重要なシーレーン(海上交通路)の安全確保につなげていきたい考
えだ。
セミナーには、フィリピン、マレーシア、インドネシア、イエメン、ジブ
チ、パプアニューギニアなどアジア、中東、アフリカ、南太平洋地域の13
カ国の担当者が参加。日本からは外務省、海上保安庁、国際協力機構
(JICA)などの関係者が出席する。
日本政府によるこうした取り組みは初めて。海賊などが横行する中、セミ
ナーで目指すのは「法の支配に基づく安定した海洋」の実現。参加国の多
くは、巡視艇などの装備や操舵(そうだ)技術にたけた人材が不足してお
り、日本の支援に期待している。日本は海上保安庁のノウハウを授けるこ
とで、各国との関係強化を図る狙いだ。 日本はこれまで、マレーシア海上法執行庁の設立や、フィリピン沿岸警
備隊の能力強化を支援してきた。セミナーではこうした実績も紹介され
る。日本としては、海洋での「法の支配」で各国と連携を深め、海洋進出
を活発化させる中国をけん制する意図もあるとみられる。【時事通信】
(2013/09/22-15:43)〔情報収録 − 坂元 誠〕
◎中国で糖尿病人口激増、「警戒水準に」=米医学誌 古澤襄
2013.09.25 Wednesday name : kajikablog
【大紀元日本9月24日】米医学誌「米国医師会雑誌(JAMA)」に最近掲載
された調査結果によると、中国の糖尿病人口が1億人を突破し、世界最大
の「糖尿病大国」となった。
同誌の論文によると、中国の糖尿病有病率は、1980年の1%から2010年
の11.6%までに激増し、糖尿病大国アメリカの11.3%を超えた。もっとも
憂慮すべきことは、中国には血糖値異常の糖尿病予備軍が、3.9億人以上
(成人2人に1人)もいる可能性がある。
中国の糖尿病専門家・紀立農氏の話では、毎年糖尿病予備軍の6 7%
(約3千万)の人が、糖尿病を発症していると推定されているという。こ
のペースで計算すると、中国の糖尿病人口は、すでに1.3億人を超えてし
まっている。2010年「ニュー・イングランド・ジャーナル」の医学誌
(NEJM))に発表された論文は、中国の糖尿病人口は2030年までに1.3億
人に達すると予測している。
糖尿病人口が中国で激増した最大の要因は、アジア人の遺伝的な性質と
生活環境の激変である。西洋人の基準の体重指標が「標準」範囲内でも、
アジア人なら糖尿病の発症率がより高くなる傾向がある。
中国では近年、経済成長に伴って食習慣とライフスタイルが大幅に変化し
てきた。今は、人口の半数以上が都市部に生活していて(1980年には
20%)、そして、人口の9%が65歳以上(1982年には5%)である。
人々の食生活が急速に高カロリー、高脂肪、高塩分の傾向にある一方、
運動不足やストレスの多い生活に変わってきた。中国疾病対策センター
(CDC)が行った調査によると、中国人の毎日の食塩平均摂取量は
10.6g(WHOの推奨量は5gまで/日)である。また、18歳以上の中で、
12%の人だけが定期的に運動をしていて、32%の人が太りすぎで、12%の
人が肥満である。
糖尿病人口の激増に対して、行政が十分な予防対策等を立てていないこ
とも大きな問題である。NEJMの調査によると、中国の現行の医療補償制度
では、多くの地域において、糖尿病のスクリーニングと院外サービスは補
償対象外となっているため、6割の自覚症状のない有病者が病気になって
も気付かないままである。現状では、相当数の人達が早期治療の時期を逸
しており、病状がかなり進行してやっと治療を受けるようになっている。
世界保健機関(WHO)によると、中国政府による医療関連支出の80%超
が国民の慢性疾患に関連した費用に回されているという。また、WHOによ
ると、第1次予防に向けられているのは2%未満だ。
JAMAの調査報告書は、「中国の一般国民の糖尿病が警戒水準に達している
可能性があり、効果的な国を挙げての予防策なしには、近い将来に同国で
循環器疾患や脳卒中、慢性腎疾患などの糖尿病関連の合併症がまん延しか
ねない」と警鐘を鳴らしている。(大紀元)>
◎韓国の大学教授「風水で日本を制圧だ!」朝鮮日報に寄稿
2013.9.25 00:22産経ニュース
【ソウル=加藤達也】「風水を利用し日本を制圧だ!」と主張する、韓国
の大学教授による韓国紙への寄稿が話題になっている。
朝鮮日報が掲載した又石大の教授の寄稿によると、韓国南西部全羅南道の
智異山麓にある実相寺は「日本に流れる地の気を遮断するために建立され
た」という。寺には日本地図を連想させる形がついた鐘があり、「一突き
するごとに日本の(象徴である)富士山を一回殴ることになる」と訪問を
推奨している。
韓国では国家や民族の運命が、自然環境(地勢)によって左右されるとい
う「風水」説が広く浸透しており、現在の首都ソウルも14世紀末、李氏朝
鮮時代に風水で定められたとされている。また日本の朝鮮半島統治時代に
測量などのために打ち込まれたくいは「日本人が韓国の(優れた)地脈を
絶ち大物が生まれないようにしようとした謀略だ」との認識が一般的だ。
教授はこの説を大まじめに論じた著書もある研究者として知られている
が、韓国社会では違和感なく受け入れられている。一読した日本人の間か
らは、大学教授までもが風水を持ち出し日本たたきに精を出す 反日病 に
ため息が漏れている。
2013/09/21 08:39
風水を利用して日本を制圧せよ
キム・ドゥギュ教授=又石大学教養学部
日本の首相による靖国神社参拝は、われわれに大きな怒りを呼び起こす行
動だが、これといった対応策がないのも事実だ。現在の安倍首相は首相就
任後、今のところ靖国神社を参拝していないが、今年8月に山口県萩市に
ある吉田松陰の墓を参り、松陰神社を参拝した。
吉田松陰は安倍首相が最も尊敬する人物で、伊藤博文など朝鮮を侵略した
張本人たちの直接の師匠だ。松陰は「朝鮮を奪ってから満州を取って中国
を制圧せよ」「豊臣秀吉の遺志を継ぐ以外に道はない」などと主張したこ
とでも知られている。
風水の核心は「気」だ。風水で争うとすれば気の争いとなる。その気を争
奪するための戦いはさまざまな形で表面化する。朝鮮王朝時代後期に頻発
した墓訟(墓地をめぐる争い)の多くも風水の考えに基づくもので、言い
換えれば気をめぐる争いだった。
香港の代表的な二つのビルの間に起こった「銃剣戦争」も有名だ。中国銀
行タワービルが刀のような形をしているため、これによって気を抑込まれ
たHSBC(香港上海銀行)はビルの屋上に大砲の形をした造形物を設置し、
これに対抗したという。
気を抑え込まれるケースは国と国との間でも起こる。これまで韓国の土地
の気脈を断ち切った加害者として三つのケースが良く知られている。その
三つとは▲高麗王朝が済州島を完全に服属させるために中国人風水師の胡
宗旦(高麗に帰化し高麗王の睿宗と仁宗に仕える)を派遣し脈を断ち切ら
せた▲壬辰倭乱(文禄・慶長の役)当時朝鮮に出征した明の李如松が全国
の地脈を断ち切らせた▲日本統治時代に日本人が全国に杭を打ち込んだ−
ことを指し、これらは済州島と朝鮮に大物が生まれないようにする鎮圧風
水に基づく行為だったといわれている。
逆に韓国が他国の風水を制圧したケースも幾つかある。智異山のふもとに
実相寺という寺がある。この寺には「日本が栄えれば実相寺が滅び、日本
が滅びれば実相寺が栄える」という言葉が伝えられている。
日本に流れる地の気を遮断するため、この地に寺を建てたという逸話もあ
り、鐘に刻まれた日本地図を連想させる模様を打つたびに、日本の富士山
が1発殴られるそうだ。寺の敷地には秘宝や鎮圧寺院としての痕跡も残っ
ているが、世俗の「成功した寺」などとは大きく違う。
信徒や観光客が多いわけでもない。筆者が現地を訪れたのは8月31日だ
が、この日は土曜日にもかかわらず人影はほとんどなかった。
また日本を鎮圧するための風水の現場も残っている。ソウル市中心部南山
のふもとにある崇義女子大学の校庭に安重根(アン・ジュングン)の銅像
が設置されている。
この銅像は1959年に建立されたもので、67年と73年に一時別の場所に移さ
れたが、2010年に本来あったこの場所に戻ってきた。かつてこの地は日本
統治時代、朝鮮総督府の支援の下で日本人向けに神を祭っていた京城神社
があった場所だ。
今も大学の本館には京城神社の昔の写真が刻まれた石碑があり、歴史の現
場であることを忘れないようにしている。京城神社の痕跡を考証し、安重
根の銅像を本来の場所に移した大学の配慮をうかがい知ることができる。
安重根の銅像が立つ場所から真っすぐ進んだ先にはかつて日本の統監府
(現在はソウル・アニメーションセンター)があった。これはいうまでも
なく1906年に伊藤博文が初代統監となった場所だ。
それから3年後の1909年10月26日、伊藤は安重根によって中国のハルビン
で射殺された。伊藤博文が日本人にとっての英雄ならば、安重根はわれわ
れにとっての英雄だ。
鎮圧風水が効果を発揮するには、われわれにも具体的な行動や発言などが
必要だ。例えば安重根が伊藤を射殺した10月26日を記念し、大統領や閣僚
がこの地にある安重根の銅像を参拝するのはどうだろう。日本の首相はど
のような気分になるだろうか。(情報収録・中山)
◎安倍首相がハーマン・カーン賞を受賞−外国人で初めて
安倍晋三首相は25日、米国の有力保守系シンクタンクであるハドソン研究
所から、同研究所の創設者故ハーマン・カーン氏の名を冠した「ハーマ
ン・カーン賞」を受賞する。同賞は、保守的な立場から国家安全保障に貢
献した創造的でビジョンを持った指導者に毎年贈られているもので、米国
人以外では初めての受賞となる。
同賞はこれまで、ロナルド・レーガン元大統領、ヘンリー・キッシン
ジャー元国務長官、ディック・チェイニー前副大統領ら米国の保守派指導
者が受賞してきた。
授賞式は25日にニューヨークで行われ、同研究所によれば、安倍氏は日本
の経済改革と日米関係の持続的な重要性に関する「重要演説」を行う。ハ
ドソン研究所は「安倍氏は、日本が活力を取り戻すために必要な改革を前
進させようとしている変革期のリーダーである」と称賛した。
カーン氏は、長年にわたり日本の保守派指導者と深い関係にあった。同氏
は、1940年代に物理学者としてランド研究所に入所し、「水爆戦争論」で
核戦略を論じた。その後は地政学の研究に転じた。
カーン氏は、早くも1962年に日本の台頭を予想したことで名を馳せた。70
年には「超大国日本の挑戦」を著し、日本が経済的にも、技術力でも、金
融面でも超大国になるのは「ほぼ間違いない」と予言するとともに、軍事
的にも、政治的にもグローバルな影響力を保持するだろうと述べた。
ハドソン研究所では、11年12月に石原伸晃自民党幹事長(当時)が講演
し、尖閣諸島(中国名:魚釣島)の早期国有化と自衛隊配備を提唱した。
それに呼応して、同氏の父親で保守政治家として名高い石原慎太郎都知事
(同)が12年4月に、同じく米国の著名保守系シンクタンクのヘリテージ
財団で講演、都による尖閣諸島購入計画を明らかにした。同年秋に日本政
府が、都による購入を阻止するために同諸島を国有化した。
安倍氏は、ナショナリスト的な傾向を隠そうとせず、日本の安全保障の強
化を図っている。しかし、まず日本の主要な課題である経済・財政上の問
題を解決しなければ安全保障の問題に取り組むことはできない。安倍氏の
ハドソン研究所での講演は、それにどう対処するつもりなのか、新たな手
がかりを示す機会となろう。記者:Mitsuru Obe [WSJ紙] 2013-09-24
13:41 EST
原文(英語):Abe First Non-American to Win Conservative Hudson
Institute Award
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/09/23/abe-first-non-american-to-winconservative-hudson-institute-award/
〔情報収録 − 坂元 誠〕
◎シナは平気で嘘をつく。 言うことと行動が相反ーー目的のためなら
平気という国柄。それで流石のインドも 「今回譲歩したら、次はシナが
譲歩するだろう」と、騙されるのだ。
親中派やチャイナスクールが この王論文を論拠として日本政府懐柔をし
かけてくるだろうが、もう2度と騙されるな! 日本の手足を縛っておい
てから日本を叩く、という策略だ。
騙される方が悪い、騙すのは当然 の文化が 中華および小中華なのはも
うわかっている。王外相は創価学会員とも言われている。
http://torakagenotes.blog91.fc2.com/blog-entry-1640.html
高岡氏より: 中国・王毅外相、論文で「日中、対話で解決」を強調
2013.9.25 11:21 産経ビジネス
9月半ばに東京・星陵会館で「現下の難局を乗り越えて∼日中が信頼関係
を乗り越えて」をテーマにした国際シンポジウムが開かれた。日中双方が
尖閣諸島問題をめぐって、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を展開し
たのだが、その中で中国側が「ぜひ読んでほしい」と取り上げたのが、人
民日報に掲載された王毅外相の対話解決を強調した論文だった。(フジサ
ンケイビジネスアイ)
この国際シンポジウムは、日中関係学会(会長:宮本雄二元駐中国大使)
が主催したもので、中国からは中日関係史学会の代表団(団長:王泰平元
中国駐大阪・札幌総領事)8人が共催の形で参加した。日中両国の首脳対
話が思うようにいかず、民間交流も多くが延期・中止となっている中で、
日中関係者が膝を交えて議論し合う数少ない機会となった。
尖閣諸島の領有権をめぐっては日中間の主張が対立したままだったが、特
に目立ったのは中国側が「和すれば共に利あり、争えば共に傷つく」とし
て、現状の打開を訴えたことだった。
まず王泰平氏が取り上げたのが、7月30日に中国共産党の習近平総書記が
海洋建設の推進について語った「主権属我、擱置争議、共同開発」(主権
はわが国に属するが、争いを棚上げて、共同開発する)の12文字である。
この方針が領有権紛争についての最新の方針との説明があった。
もう一つ、シンポジウムの総括を行った馮昭奎氏(中国社会科学院栄
誉学部委員)が、「ぜひ読んでほしい」と取り上げたのが王毅外相の最近
発表した論文だった。日本のメディアではどこも取り上げていないので、
ネットで探してみると、確かに9月10日配信で「堅持正確義利観、積極発
揮負責任大国作用」と題した論文があった。
王毅氏が外相に就任してからほぼ半年経つが、これまでは控えめな姿勢に
終始してきた。とりわけ日中問題については、駐日大使などを歴任した日
本通なだけに、かえって発言を控えてきた経緯がある。今回のようなまと
まった論文は外相就任以来、初めてといえる。
この論文ではあえて尖閣諸島の言葉は使っていないが、それとはっきりと
分かる形で「領土主権や海洋権益の争いは、対話でうまく解決していく。
争いの拡大化、複雑化には反対する」と明確に述べている。
習近平総書記や王毅外相の対話姿勢がどこまで本気なのか、日本側もしっ
かりと見定め、行動に移す必要があろう。(拓殖大学国際学部教授・藤村
幸義) (情報収録:中山)
◎延びるペットの寿命 介護、老犬ホーム…高齢犬と暮らすには
産経新聞 9月25日(水)8時0分配信
延びるペットの寿命 介護、老犬ホーム…高齢犬と暮らすには
「ペットリゾートカレッジ日光」で余生を過ごす犬=栃木県日光市(写
真:産経新聞)
獣医療の進歩やペットフードの進化などでペットの寿命は延びている。
ペットフード協会(東京都千代田区)によると、平成24年の犬の平均寿
命は13・94歳、猫は14・45歳。外に出ない猫の場合は15・74
歳だ。
◆一人で悩まずに
高齢になった犬や猫に待つのは介護の問題だ。
「ペットの介護も人と同じ。自分の生活を削って介護を行うと、心がす
さんでしまう。飼い主が楽にならないと犬にも優しくできない」。ペット
の介護サービスを提供するペットケアサービスレッツ(江戸川区)の三浦
裕子社長はこう話す。
同社はしつけ教室のほか、1日預かりや訪問ケアなど老犬介護のサービ
スを提供。利用者は30∼70代と幅広い。日中仕事をしている人や介護
に疲れて少し休みたい人などがよく利用するのがデイケアだ。高齢で要介
護状態の犬でも利用できる高齢犬向けのホテルも用意。自宅介護用のケア
プランも提案してくれる。
老犬介護を担当する伊藤みのり副社長は「老犬の介護はこれからの分
野。一人で抱え込まず、相談してほしい」。
飼育が難しくなった場合、動物愛護団体やシェルターに引き取ってもら
うなどの選択肢がある。
千葉県大多喜町のシェルター「NPO法人ワンパーズ」に5月末に引き
取られた13歳のビーグル犬。飼い主は東京都内の70代の女性だった。
マンションに1人暮らしだったが、病気で長期入院が決まった。「安楽死
も考えたが、かわいそうでできない。他に手段があるなら…」と考えた。
ワンパーズ理事長の池田豪さんは「犬が悪いわけでも飼い主が悪いわけ
でもない。ただ、飼い主、ペットがともに高齢化する中で保護活動をしな
いといけない状況がある」。
◆余生を過ごす
最近、注目されているのが老犬・老猫ホームだ。
栃木県日光市の「ペットリゾートカレッジ日光」には、住環境や年齢、
病気など飼い主の事情で一緒に生活することができなくなった老犬や老猫
が入居している。利用者のほとんどが60代。8月中旬現在で、犬51
匹、猫8匹を15人のスタッフが世話をしている。猫は定員いっぱいのた
め、引き取りを中止している。
入居費用は犬種や期間によって異なる。預かり責任期間3年で、それ以
降は料金がかからない。一括払いの場合、小型犬と中型犬は8歳未満で
240万円、8歳以上では150万円。所有権は飼い主のままのため、一
緒に暮らせることになった場合、連れて帰ることができる。ホームのマネ
ジャー、藤田泰昌さん(40)は「ペットホテルや動物病院でも1カ月以
上利用すると、料金も大変。今後は老犬・老猫ホームの需要は増すのでは
ないか」と話している。
ペットを託す場合、事前に施設へ問い合わせをして、信頼に足る施設か
どうか確認することが大事だ。
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