豊かな感性と創造性を育てる

平成18年度広島市学校教育研究グループ活動研究成果報告書
豊かな感性と創造性を育てる
−音楽活動を中心に−
わくわく・うきうき研究会
代表
広島市立矢賀幼稚園
山野井
敏子
目
1
次
・・・・・・・・・・・・・・1
(1)研究主題
・・・・・・・・・・・・・・1
(2)研究主題設定の理由
・・・・・・・・・・・・・・1
(3)研究主題について
・・・・・・・・・・・・・・1
(4)研究仮説
・・・・・・・・・・・・・・2
(5)研究構想図
・・・・・・・・・・・・・・2
2
研究の概要
研究の実践
(1)音に触れる環境構成の工夫
・・・・・・・・・・・・・・3
・・・・・・・・・・・・3・4
(2)表現(音楽)に関わる指導計画の作成と保育実践
・・・・・5・6
(3)
「感性」と「表現」に関わるエピソードの収集と読み取り ・・7・8
3
研究の成果と課題
・・・・・・・・・・・・・・9
(1)研究の成果
・・・・・・・・・・・・・・9
(2)研究の課題
・・・・・・・・・・・・・10
資料1
資料2
1
研究の概要
(1)
研究主題
豊かな感性と創造性を育てる
−音楽活動を中心に−
(2)
研究主題設定の理由
本園の子どもたちは、家庭での温かいかかわりや生活リズムの定着により安定した
生活で支えられている一方で、直接体験や感動体験が不足していると考える。それは
子どもたちの生活環境は自然に触れる機会が少なく、直接体験によるおもしろさや不
思議さなどを感じるものが少なくなっている実態からである。また、園内の環境の中
で小動物や飼育動物、草花に触れる機会があるにもかかわらず、子ども達が十分な関
心を持っているとは言えない。「きれい」と感じたり、「どうしてだろう?」と疑問に
思ったり、
「おもしろそう」と興味・関心を持ったりするなどの、心を動かされる感動
体験が希薄になっている実情が伺える。よって、自然とのふれあい・友達とのふれあ
い・絵本や物語とのふれあい・音楽とのふれあいなど様々な環境作りの必要性を感じ
る。こうした環境とかかわりながら心を動かし、その体験や心の動きを表現すること
を通して、感じること・考えること・イメージを広げることなどの経験を重ねるとと
もに、教師や友達との感動の共有によって一人一人の豊かな感性と創造力を育ててい
きたい。また、子どもが本来持っている、体を動かす心地よさやイメージしたことを
音や形で表現しようとする気持ちを、友達と共感し伝え合う活動を通して音楽への主
体的な態度を養っていきたいと考える。
(3)
研究主題について
幼児にとって、音やリズムは生活の中にごく自然にあり身近なものである。幼児期
は特に心地よい音やリズムに触れることを楽しみ、音やリズムを感じて思わず体を動
かすことは日常的に見られる姿である。また、それによって情緒が安定する様子も多
く見られ、素晴らしい音楽や心地よいリズムに触れることは、多くの感動体験が期待
できる。また、音楽は、人と人とのコミュニケーションの手段でもあり、素朴で自ら
の体を使って行うことができ、未分化な幼児期の子どもにとってふさわしいものであ
ると考える。相手に合わせる・待つ・分担するなど、幼児期に身につけさせたい
ことの多くが、音楽を楽しむ中で経験できることは、音楽の持つ大きな力である。
現代社会において「音」環境は騒々しく、穏やかとは言えない。このような環境の
中で「聴く」という感覚そのものが危ぶまれているのではないだろうか。適切な環境
構成や援助の工夫によって、音楽を感じる・
「聴く」感性を研ぎ澄ますことができ、体
を動かす心地よさやイメージしたことを音(楽)や形で表現したいという、幼児が本
来持っている自己表現意欲を育てることができると考える。また、音楽を通して、幼
児の発達を総合的に促すものであることを共通理解し、教師自身が共に音楽を楽しむ
ことを大切にしていきたいと考える。
−1−
(4)
研究仮説
○音に触れる環境構成の工夫
生活の中の音をみつける・自由に楽器に触れる場を設ける・いろいろな音楽に生
で触れる機会を継続してもつことにより、子どもたちが音に気づき、音やリズムを
感じたり、表現したり、伝え合ったりする経験ができ、豊かな感性や創造性を育む
ことができるであろう。
○エピソードの収集と読み取り
幼児の心の動きや素朴な表現を記録し、感性や創造性について読み取りを行うこ
とにより、教師の援助のあり方を見直し、更に豊かな表現活動へとつながりを持た
せることができるであろう。
(5)
研究構想図
学校教育目標
○明るく元気な子どもを育てる
−つながりづくり−
めざす幼児像
やさしい子
○命、自然、仲間を大切にする子ども
がんばる子
○何かなと疑問や興味・関心をもち、やってみようとする子ども
○自分で考え行動する子ども
研究主題
○豊かな感性と創造性を育てる−音楽活動を中心に−
学年目標
4歳児
○いろいろな音や音楽に喜んでかかわり、親しみを持つ。
○自分なりにイメージを膨らませながら表現することを楽しむ。
5歳児
○自分なりに感じたことを、音やリズムで表現することを楽しむ。
○生活の中で自然の変化や様々な音に気づき、美しさや不思議さ、おもしろさを感じる。
研究内容
①音に触れる環境構成の工夫
②音楽に関わる指導計画の作成と保育実践
③「感性」と「表現」に関わるエピソードの収集と読み取り
−2−
2
(1)
研究の実践
音に触れる環境構成の工夫
ア 日常の音に耳を傾ける機会を持つ。
(ア) 日常の生活の中には様々な音が聞かれるが、気づいていないこと
が多い。何気なく聞いている音に改めて耳を傾けてみる機会を持
つようにし、「聴く」ことへの感覚を豊かにするようにした。
(イ)
園庭の遊具や保育室の床などに耳を近づけてみるとどんな音が
するだろう?たたいてみるとどうだろう?こすってみたら?など、
身近な物から聞こえてくる音から音を作る経験ができる。このよう
な遊びを通して、子ども達のイメージを膨らませ創造することの楽
しさを経験できるようにした。
・実践事例1「園庭の音探し」(5 歳児)
数人の子どもがブランコの支柱に耳をあてて聴いていると、
「ブラ
ンコを揺らしたらどうなるかな?」と A 児。「いいねー。やってみ
よう。」と B 児がブランコを揺らすと、
「水の流れる音がする。」A
児の驚きの声に他の子ども達が集まってきた。
「ほんとじゃ。水が流
れとる。」この発見をきっかけに園庭のいろいろな場所で、音探しが
始まった。
「小さいねずみが走っとる音」と、滑り台の手すりを枝で
たたく子。
「怪獣が歩く音みつけたよ」と、ロッククライミングのロ
ープを揺する子。
「のこぎりの音がした」と、仲良しハウスの柱を爪
でこする子など。身近な物や自分の体を使って音をみつけたり、
作ったりして夢中になって遊んでいた。また、静かに耳を澄ますこ
とにより、音へのイメージを膨らませそれを言葉で伝える姿が見ら
れた。感じたことを表現し伝え合うことによって、驚きや発見が広
がり遊びの楽しさが増していった。
子ども達が持っている感性のすばらしさに感動を覚えると共に、
ファンタジーの世界で遊びを楽しむ幼児期の特性を生かした活動内
容や援助の大切さを再認識した。
ブランコに耳をあてて(5 歳児)
−3−
イ
楽器を自由にならしたり、音を作ったりする場を設ける。
意図的な環境として、自由に楽器に触れたり、音を作ったりする
場を作るようにした。いつでも誰でも気軽に楽器に触れることがで
きること・扱い方や技術よりも遊びの中で、音に気づいたり試した
りできること・いろいろな音の出し方(たたく・振るなど)を楽し
むことができるようにすることに留意した。
音がする遊具<玉の塔>で(4 歳児)
ウ
楽器<ジャンベ>をならして(5 歳児)
いろいろな音楽に生で触れる。(なかよしコンサート)
なかよしコンサートを催し、ピアノ・フルート・ベル・ホルン・
琴・オルゴール・ギター・ライアー・チューバなど生の音楽に触れ
る機会を持った。
・ 実践事例2「なかよしコンサート」(5 歳児)
昨年の6月、チューバとピアノのなかよしコンサートが始まる前、
遊戯室でのチューニングをしているチューバの音が漏れてくると、
「あ、
ホルンだ」と声をあげた子がいた。昨年のホルンのコンサートのこと
を覚えていたと思われる。ホルンとチューバは違う楽器だが、低い音
の出る金管楽器として、同じ仲間であることを感じ取ったのだと思う。
以前聴いたホルンの低くて重厚な音を子どもたちは体で、例えばお腹
に直接響く、等という感覚で感じ取っていたのではないか。CDなど
ではなく、生で聴くからこその感覚を大切にしてきたことの成果とし
て考えられる。
ホルンを聴いて(5 歳児)
−4−
(2) 表現(音楽)に関わる指導計画の作成と保育実践
ア 指導計画作成について
作成にあたっては「感じる」「表現する」「伝え合う」という視点を意
識し、「音楽」の指導計画ではなく、「表現」にかかわる指導計画とし、
季節の流れを意識した緩やかなものにした。
歌や体を動かす項目では、友達とかかわることでより教育的効果が期
待できるものをあげるようにした。また、音楽だけでなく、言葉の持つ
リズムや韻にも着目した。絵本やお話から広がるイメージや、何かにな
ったつもりで表現することを大切にし、アニミズムやファンタジー等幼
児の特性を生かせるようにした。身近な地域を意識し、取り入れるよう
にした。 ※資料1・2参照
イ
保育実践について
保育実践にあたっては、子どもたちの生活の中から生まれた感動や発
見、あるいは生活そのものを、形にとらわれるのではなく素朴に表現し
ていくこと・わらべ歌遊びやリトミックのように、友達と一緒にするこ
とや体を動かすことを継続して行うことを大切にするようにした。その
中で、教師が音楽的な要素を見つけ出したり織り込んだりしていき、子
どもたちが活動を楽しむことによって、自然に音楽に親しみ、音楽的な
要素を身につけていけるよう工夫するようにした。 常に、
「音楽を通し
て育てる」ことを確認しながら進めていくようにした。
ボールを使ったリトミック(5 歳児)
わらべ歌遊び(4 歳児)
なかよし会(4 歳児・5 歳児の異年齢で)
−5−
実践事例3
ひみつの音をみつけよう
−物語『なないろやまのひみつ』より−(5歳児)
活動の展開
絵本の読み聞かせ
リトミック
どんぐり拾い
「なないろやまのひみつ」の表現遊び
遠足
・ごっこ
園内散歩
・製作
・描画
・影絵
・身体表現
・ボール遊び
・園庭
楽器遊び
物語の中から感じた
音みつけ
・園舎
音マップ作り
音をみつけて遊ぶ。
・楽器や身体、物を使って
楽器作り
ねらい
○
友達と一緒に、音をみつけて遊ぶことを楽しむ。
活動流れ
幼児の活動
○物語の場面を
思い出す。
教師の援助
評価の観点
環境・準備
音のカード
・これまでにみつけた音を振り返
ることで、物語の世界を楽しま
せると同時に音への関心を高
める。
○グループになっ ・一人ひとりの意欲を受け止めな
て友達と相談す
がら、友達と気持ちを伝え合う ○ 音色の 違いに
る。
ことができるようにする。
○音をみつける。
・子ども達が集めた自然物や身近
な物を中心に材料を準備する。
気 づ い て 試 し 自然物
たり、相談した (木の葉・実
りしているか。
石など)
・困っているグループには、気づ
きや発見を認め、一緒に考えて
その他
いくようにする。
(紙・布・缶・
・みつけた音の出し方を工夫した ○ 友達の 表現に
○みつけた音を
紹介しあう。
枝・草・種
り、音の種類を増やしたりして
関心を持ち共
も楽しいことに気づかせる。
感しているか。
・それぞれの音の素敵なところを
しっかり認め意欲を高める。
・静かに耳を澄まして聴くこと
で、その音のイメージが感じら
れるようにする。
・みんなでいろいろな音を見つけ
たことへの満足感を味わわせ
る。
−6−
瓶・箱・ゴム
など)
子ども達が生活の中で感じている季節(秋)を意識して遊びを進めたことで、
遠足で見た大きな樹や拾ったどんぐり、園庭の落ち葉、小枝など、これまでの
経験から音へのイメージが広がっていった。
子ども達は物語を聴いてイメージをふくらませ、主人公や動物達、風や木々
など、様々な音を感じていた。音をみつける遊びの中でも、物語のイメージが
ベースになり「滝の流れる音をみつけた」「さちがいそいで走る音みたい」「リ
スがどんぐりをかじる音」と、自分が「なないろやま」に行ったつもりになっ
て遊ぶ姿が見られた。このように絵本やお話を取り入れることによって、表現
意欲が高まっていた。また、友達と共通のイメージを持つことで、相談したり
認め合ったりして思いを伝え合いながら表現する楽しさを感じることができて
いた。
日々の遊びをつないでいくことにより、友達と一緒に様々な表現活動を楽し
むことができた。つながりをどう持たせていくか、教師の援助が重要である。
リスがどんぐりをかじる音を見つけたよ
みんなで音を聴いてみよう
(3) 「感性」と「表現」に関わるエピソードの収集と読み取り
ア エピソード収集の方法
一日の中で、きらりと光る子ども達の感性や表現の場面を日々の記録
として残すこととした。音楽に関わる事例だけに限定せず、生活全体の
中で見られた行動・言葉・表情などをその場の状況と共に簡潔に記録す
ることを継続した。
イ
エピソードの読み取りについて
各自が記録したエピソードを持ち寄り、定期的に読み取りを行った。
そのことにより幼児理解を深めると同時に、エピソードの背景にある先
行経験やきっかけとなった事柄、成長の共通理解に努めた。
−7−
・実践事例4「くちなしの花を見つけたよ」(4歳児)
【エピソード】
遊戯室であったなかよし会で、「くちなしの花」が幼稚園のどこかで咲いている
という話を聞いた。仲良し会終了後、テラスに一人でいる4歳児E男に声をかけ、
教師も一緒にくちなしの花を探しに行くことにした。E男は、その頃、自分から外
に出ることがほとんどなかったからである。
「どこに咲いてるのかな。
」と教師が言
うと、E男はすぐに東門に向かって走って行った。その場所に到着すると、あたり
をきょろきょろ見回していたが、E男の目線より少し上に咲いているくちなしの花
になかなか気づくことができず、「あれ、ないなぁ・・・」というような表情で少
しの間探していたが、「あったー。」と言ってとても嬉しそうな表情。「くちなしの
花、あったね。E男君が一番に見つけたね。すごいね。」と教師。一緒に見たり、
匂いをかいだりした。
「園長先生にお知らせしなくちゃね。
」と言ったとたん、E男
は一目散に園舎に戻り、上靴を履くのももどかしそうに勢いよくスキップをしなが
ら、職員室に飛び込み、「園長先生!あったよー!」と元気な声で言った。教師に
誘われてすぐ東門のところへ走っていったのは、おそらくE男が東門の所にいろい
ろな花が咲いていることを普段から知っていたからだろう。もしかしたら花がある、
という漠然とした感覚ではなく、はっきりと「あそこにあった、あの花だ。」とい
うような意識があったのかもしれない。教師の働きかけは、遊びが見つからないこ
とへの配慮だったが、普段の様子から、E男が、このような小さな環境の変化に気
づき、それによって心が動かされるのではないか、という教師のとらえがそこにあ
ったのではないだろうか。それもまた教師の感性であろう。E男は、一番に見つけ
た嬉しさをスキップすることで表していた。この行動は伝えたいことがある、伝え
たい人がいる、ことを体全体で表したのだろう。
エピソードを収集することで、教師が日頃何気なく見ていることや見
逃してしまうような小さな出来事や子どもの発見を、見つけよう、気づ
こうとするようになった。子ども達が何をどう感じているか、というこ
とは、子どもの小さな表情の変化やつぶやきを見逃さないことが必要で、
それは感性にとどまらず、その子自身を深く理解しようとすることにも
つながった。このように教師が「感性」と「表現」を意識することで、
教師自らの「感性」と「表現」を磨くことができた。
−8−
2
研究の成果と課題
(1)
研究の成果
○ 教師が音や音楽を見直し、こだわったことが子どもたちに伝わり、
生活の中の音に気づくようになった。ひいては、音だけでなく、周囲
の環境の変化に気づく感性が育ったのではないかと考える。これは、
形としてとらえにくいものであるが、教師が日々子どもとかかわる中
で肌で感じられることである。
○ 特別な場面に限らず、日の生活において楽器にふれる姿が見られ、
自然に遊びの中に取り入れるようになった。また、生活のあらゆる場
面で歌が出てくることがしばしばみられるようになった。
○ リトミックを継続して取り入れたことで、リズム感が養われ、いろ
いろなリズムに対応して動けるようになった。また、繰り返し体を動
かすことで脚力、持久力がついた。継続による積み重ねが大きな力と
なり子どもを育てるということを実感した。
○ 生活全体を通して「聴く」態度が身に付き、集中力がついた。また、
調やリズム・音・速さ・曲の感じの違いに気づいたり、感じたことを
歌や体で表現したりして自分なりに創り出す姿が自然に見られるよう
になった。
○ 音楽に合わせた二人組の遊びやわらべうた遊びでの幼児の姿から、
「相手に合わせる」ことは「(相手の)リズムを感じ取り、受け入れ、
自分のものにする」とことが必要であることを再確認した。音楽を通
して、リズムを感じ取るという経験は、心と体をバランスよく育て、
人とかかわるためのスキルを育てるうえで教育効果が高いことを再確
認した。
○ エピソードを収集し読み取りを行うことで、一人一人の実態をふま
えて評価することができた。また、活動内容に応じた評価の視点とし
て具体的な幼児の姿をあげることで、活動のねらいに含まれるポイン
トが明確になり、教師の援助に生かすことができた。
(2) 研究の課題
○ 幼児の気づきや小さな心の動きを敏感に受け止める教師であるよう
感性を磨いていくとともに、音楽をはじめとした基礎的な技能やセン
スを高める等、教師の資質や能力を高めていきたい。
○ いつでも楽器に触れる環境構成をしたことで親しむ・なじむ・自分
のものになる一方で、新鮮さや感動が薄れている面がある。いつで
も触れる環境と初めてのわくわく感とがバランスよく経験できるよ
うに工夫していきたい。
−9−
○
幼児の表現は素朴であり、それゆえに大切にしていきたいと考える。
表現の方法を知らせる、増やすことが時として素朴さを失わせてしま
うこともあるのではないか。幼児期の特性を生かした援助の方向を今
後も探っていきたい。
○ ティームティーチングで保育することが欠かせない幼稚園では、幼
児の実態を共通認識したうえでの評価が教師の援助の在り方につな
がる。今後もエピソードの収集や読み取りを継続し援助に生かしてい
きたい。
参考文献・引用文献
幼稚園教育要領解説(文部省
−10−
平成11年)
資料1
表現に関わる年間計画(音楽を中心にして)
<4歳児>
広島市立矢賀幼稚園
ねらい
○ いろいろな音や音楽に喜んでかかわり、親しみをもつ。
○ 自分なりにイメージを膨らませながら表現することを楽しむ。
季節を感じよう
○季節の変化や生活の音に気づく。
・ 風のあたたかさ・園庭の草花
・ 虫(てんとう虫・ちょう)
・ 花のにおい
春
・日差しの強さ・空の色
・雲の形・雨の音
・虫(バッタ セミ)
・夏野菜
・ 木の葉の様子(色・落ち葉)
・ 木の実
・ 風の音
夏
・誕生会の歌
みんなでうたおう
・てをたたきましょう・ことりのうた ・きょうも元気・ひまわり・とまと
○教師や友達と一緒に
・ホホホ・夏だよプールだよ
歌う心地よさを味わう。 ・ともだちできちゃた
・いたずらっ子は水たまりが大好き
・バスごっこ・たんぽぽ・いちご
・わらべうた
・キャーロノメダマ
ひらいたひらいた
・ほたるこい・お茶をのみに
・なべなべそこぬけ
・手をたたく
楽器で遊ぼう
・足を鳴らす
○音色を楽しみながら、
・水かりんば
・ カスタネット・すず
楽器の扱い方を知る。
・タンバリン
・ スリットドラム
・トライアングル
・リトミック
身体を動かそう
○リズムに合わせて動い (音楽に合わせて歩いたり止まった (2分音符・4分音符のリズムで
歩く)
りする。
)
たり、自分なりに表現し
たりすることを楽しむ。
・表現遊び
たんぽぽ・ちょうちょ
言葉のリズムを
かえる・かたつむり
「きょだいな きょだいな」
感じよう
「おたまじゃくしの101ちゃん」 「おじさんのかさ」
○絵本を通し言葉のリズ
「めっきらもっきらどーんどん」
「もこもこもこ」
「せん」
ムや音のおもしろさを
「大きなかぶ」
「がちゃがちゃどんどん」
感じる。
「七ひきのこやぎ」
音楽を聴こう
・ピアノ
○さまざまな楽器や音楽 ・琴
・バイオリン・サックス
に触れる事を楽しむ。
・トーンチャイム
・リコーダー ・チューバ
秋
・
・
・
・
木の様子・草花の芽
風の冷たさ
餅つきの音
氷
冬
・とんぼのめがね・秋の七草
・やきいもグーチ―パー
・おいもごろごろ・大きな栗の木の下で
・たきび・ゆげのあさ
・コンコンクシャンのうた
・あわてんぼうのサンタクロース
・十五夜さんのもちつき
・どんぐりころちゃん
・いちじく、にんじん
・オニサノルスニ
・ずくぼんじょ
・鉄琴・オルゴール・音みつけ
・亥の子祭り
・劇遊び・オペレッタ
おむすびころりん
三匹のやぎのがらがらどん
とんぼ・どんぐり
「ねずみくんのおんがくかい」
「つきよのおんがくかい」
「たぬきがいっぱい」
「おばけのコンサート」
(リズムに合わせて歩く・走る
スキップする。
)
・フルート
・ライアー
・二胡
・ギター ・オルゴール
・ホルン ・ハンドベル
こま・雪
「じゅげむ」
「ぽとんぽとんはなんのおと」
資料2
ね
ら
い
表現に関わる年間計画(音楽を中心にして)
<5歳児>
広島市立矢賀幼稚園
○ 自分なりに感じたことを音やリズムで表現することを楽しむ。
○ 生活の中で自然の変化やさまざまな音に気づき、美しさや不思議さ・おもしろさを感じる。
季節を感じよう
○身近な自然事象や変化に興味・関心を持つ。
・風のあたたかさ・園庭の草花
・日差しの強さ・空の色
・木の葉の様子(色・落ち葉)
・虫(てんとう虫・ちょう)
・雲の形・雨の音
・木の実・風の音
・花のにおい
・虫(バッタ セミ)
・夏野菜
春
・誕生会の歌
みんなでうたおう
○声を合わせて歌ったり
季節の事象や情景を感 ・大きな栗の木のしたで
じながら歌ったりする。 ・ホホホ・さんぽ・ことりのうた
楽器で遊ぼう
○楽器を自由に奏でたり
合奏したりすることを
楽しむ。
身体を動かそう
○音楽に合わせたり、友達
と共通のイメージの中
で遊んだりすることを
楽しむ。
言葉のリズムを感じよう
○絵本を通して言葉のリ
ズムや音のおもしろさ
を感じたり想像したり
する。
音楽を聴こう
(なかよししコンサート)
○様々な楽器や音楽に触
れる事を楽しむ。
・わらべうた
たけのこ ・たんぽぽ
・メタルフォン・シロフォン
・水かりんば・オルゴール
・カスタネット・すず・たいこ
・トライアングル・スリットドラム
・ジャンべ
・リトミック
(リズムに合わせて歩く・走る・
スキップする)
(音の強弱を感じて身体表現する)
・表現遊び
ことり タンポポの綿毛
「きょだいな きょだいな」
「めっきらもっきら どーんどん」
「あいうえおっとせい」
「おむすびころりん」
・琴
・ピアノ
夏
秋
・木の様子・草花の芽
・風の冷たさ
・氷
・餅つきの音
冬
・きらきらぼし・かえるのうた
・にじのむこうに
・いたずらっ子は水たまりが大好き
・夏だよプールだよ
・こおろぎ・とんぼのめがね
・秋の七草・小さな世界
・やきいもグーチ―パー
・おいもごろごろ
・たきび
・ゆげのあさ
・カレンダーマーチ
ほたるこい ・たけやぶのなかから
ひとやまこえて
どんぐりころちゃん
おんしょうしょう
・鉄琴・木琴
・音みつけ(園庭の中で)
(身近な素材や自然物を使って)
・亥の子祭り
(2分音符・4分音符・8分音符に合 ・劇遊び・オペレッタ
おしゃべりなたまごやき
わせてボールをつく)
エルマーの冒険
金のがちょう 沼の宝石
落ち葉 どんぐり バッタ
つばめ かえる おばけ
「だんまりこおろぎ」
「落語シリーズ」
「きっときってかってきて」
「わっしょいわっしょい
ぶんぶんぶん」 「ドオーン」
「じこくのそうべい」
「うみのがくたい」
・フルート
「うりこひめ」
・バイオリン・サックス・チューバ ・ライアー
・二胡
・トーンチャイム・リコーダー
・ミュージックベル
・水笛
・鍵盤ハーモニカ
こま 雪
「ゆうきのおにたいじ」
「ふゆのあさ」
「きこえるきこえるふゆのおと」
「かさじぞう」
・ギター・オルゴール
・フォルン・ハンドベル