協働のまちづくり基本条例を すべての市民のものに

【暫定施行】
協働のまちづくり基本条例を
すべての市民のものに
―
近江八幡市協働のまちづくり基本条例の考え方(逐条解説)―
近江八幡市総合政策部まちづくり支援課
1
近江八幡市協働のまちづくり基本条例とその考え方
目次
前文
第 1 章 総則(第 1 条−第 3 条)
第 2 章 基本原則
第 1 節 基本原則(第 4 条)
第 2 節 市民の権利と義務(第5条・第6条)
第 3 節 市長等の責務(第7条・第8条)
第 4 節 市議会等の役割と責務(第9条・第 10 条)
第 5 節 市の執行体制(第 11 条−第 13 条)
第 3 章 市民自治基本計画(第 14 条)
第 4 章 情報の共有(第 15 条−第 18 条)
第 5 章 協働と参画
第 1 節 協働・参画(第 19 条−第 27 条)
第 2 節 コミュニティ活動(第 28 条−第 30 条)
第 6 章 条例の見直し等(第 31 条−第 32 条)
付則
前文
近江八幡市は、太古の歴史を育んできた琵琶湖の東岸に位置し、古来より、中山
道や朝鮮人街道、八幡堀等を通じ、陸上と湖上の交通の要所として重要な位置を占
めるとともに、実り豊かな田園に恵まれ、今日には国の重要文化的景観として全国
初の選定を受けた水郷地帯を擁する水と緑豊かな風土に恵まれています。
また、海外にまで雄飛した八幡商人の進取の気象と勤勉・質素倹約・信用を旨と
した家訓や理念は、現在にも引き継がれています。さらには中世において、我が国
の自治組織の規約として最初のものといわれる「奥嶋百姓等庄隠規文」が先人達に
より定められ、近世においては諸役免除を巡って当時の幕府に凛として対峙したこ
とで知られる「御朱印騒動」等に象徴される、市民主体のまちづくりの伝統と文化
が脈々と息づいています。
私たちは、この地で生まれ育ち、或いはこの地に集い、この地で暮らし、働き、
学ぶことによって、それぞれの歴史を刻み、文化を育んでいます。
この大切な郷土を、だれにとっても暮らしやすく、住む喜びが実感できる「まち」
とするため、市民と市は、ともに知恵と力を合わせて、自らの手で築いていかなけ
ればなりません。
そのためには、
「地方自治の本旨」に基づき、市は、市民との適切な役割分担の
もとに、様々な分野における公共的な課題の解決を図るとともに、市民は、自己責
任のもとに、主体的にまちづくりに参画していくことが求められています。
私たちは、一人ひとりの命の尊さや人間の尊厳を認識し、すべての人の人権を尊
2
重しつつ、協働を基本にまちづくりに参画することによって、すべての市民の顔が
いきいきと輝き、近江八幡市で暮らし、働き、学ぶことに魅力と誇りが実感できる
個性豊かな地域社会の実現をめざして、ここに、近江八幡市協働のまちづくり基本
条例を制定します。
【考え方】
協働のまちづくり基本条例は、市民主体、市民主導のまちづくり、市政運営の基本
原則を定めたものであり、この前文では、本市の特性、これからの本市のまちづくり
に求められること、条例制定の理由についてまとめています。
前段は、端的かつ印象的に近江八幡市のこれまで歩んできた足跡を示しています。
中段は、この誇るべき自然、歴史、文化をもつ大切な郷土を、誰もが住んで良かっ
たといえるまちとして次世代に引き継いでゆくためには、
「地方自治の本旨」
(日本国
憲法第 92 条)に基づき、今後予想される様々な分野における公共的な課題の解決を
めざして、市が市民と協働のまちづくりを進めること、また、市民に対して主体的に
まちづくりに関わることを求めています。
後段では、市民一人ひとりの基本的人権が保障されることを前提として、協働のま
ちづくりをすべての市民の参画により、すべての市民の顔がいきいきと輝く地域の実
現をめざして、協働のまちづくり基本条例を定めることを宣言しています。
第 1 章 総則
(目的)
第 1 条 この条例は、近江八幡市におけるまちづくりの基本理念を定め、市民、市
議会、市長等執行機関それぞれの果たすべき役割や市政運営に関する基本
的な事項を定めるとともに、市民自らがまちづくりに主体的に参画し、協
働のまちづくりを推進することにより、近江八幡市で暮らし、働き、学ぶ
ことに魅力と誇りを感じられる個性豊かな地域社会の実現を図ることを
目的とします。
【考え方】
ここでは、何のために、協働のまちづくり基本条例を作るかを定めています。
市民一人ひとりが、それぞれの立場で、行政とのパートナーシップを積み上げ、協
働型のまちづくりを進めていくために、その仕組みを整え、支援していくことが重要
であると考えます。
これからの分権型社会におけるまちづくりは、市民と行政とがまちづくりの方向性
を明確にして共有し、主体は市民であるという考え方を制度として整備し、その制度
の基本的な内容を明確化するため、この条例を制定するものです。市政運営の基本と
して、市民と市が協働してまちづくりに取り組んでいくことや、行政計画や施策に市
民の参画を得て市民の意思を反映させることなどの基本事項を定め、地域社会の発展
を図ることをめざして、各条文を掲げました。
まちづくりは、市民一人ひとりが考え、自らの責任のもと主体的に参画し協働のま
ちづくりを推進することが基本です。近江八幡市において、暮らし、働き、学ぶこと
に魅力と誇りを実感できるまちをつくるため、この条例を制定します。
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(定義)
第2条 この条例において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定める
ところによるものとします。
(1)市民 市内に住む人又は市内で働く人、学ぶ人、事業を営むもの若しくは
活動する団体等をいいます。
(2)参画 市の政策の立案、実施及び評価に至る過程において、市民が主体的
に参加し、行動することをいいます。
(3)協働 市民と市又は市民同士が魅力と活力あるまちづくりを推進するた
め、それぞれの責任と役割分担に基づき、互いの特性を尊重しながら補完
し、協力し、行動することをいいます。
(4) まちづくり 住み良い環境や豊かな地域社会を創造するためのハード・ソ
フト両面の取り組み全般をいいます。
【考え方】
本条例の中で、認識を共通にしておく必要がある言葉について、定義をしたもので
す。
「市民」については、まちづくりに関するさまざまな活動には、住民に限らず、市内
の企業や学校、そこに通勤、通学する人たち、また自治会などのコミュニティ組
織、NPOやボランティア団体などの市民活動団体、PTAや老人クラブなどの
任意団体、そこで活動する人たちの協力が必要不可欠と考え、幅広く定義してい
ます。また、
「もの」は個人のほか団体、企業等を含みます。
「参画」は、政策の立案から実施、評価に至る市の意思形成過程や実施過程で、責任
をもって主体的に関与することをいい、例えば行政計画の策定委員や審議会の委
員として発言したりすることを指します。参加よりも行政活動への関与の度合い
が強く、責任ある役割を担うことになります。
「協働」とは、市民と市、市民同士が、それぞれの責任と役割分担に基づいて、お互
いの立場や特性を尊重しながら協力しあうことをいいます。
「まちづくり」は、今日までの既成概念にとらわれず、道路や公園の建設などハード
分野の街づくりだけでなく、健康づくりや男女共同参画社会の形成などのソフト
分野まで、住み良い環境を築くための取り組み全般を指すのみならず、市の将来
的な方向性を見据えて、先人から受け継いだ豊かな自然や恵まれた伝統や歴史文
化を守り育て、心にときめきを覚えるまちを築くための取組みすべてを指します。
(条例の位置づけ)
第3条 この条例は、市民本位のまちづくり及び市政運営における基本原則を定め
るものであり、市は、他の条例等の制定改廃、解釈及び運用に当たっては、
この条例を尊重し、その整合を図らなければなりません。
【考え方】
この条例が、近江八幡市における自治の基本原則を定め、市政の多くの場面での情
報の共有、市政参画を保障することの義務付け等を求めています。これから制定され
る市の条例や規則等をはじめ、すでに制定されている条例等についても、本市におけ
る最高規範としてのこの条例の趣旨を尊重するよう明記しています。
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第2章 基本原則
第 1 節 基本原則
(基本原則)
第4条 前文及び第 1 条の目的を達成するため、次の各号に掲げることをこの条例
の基本原則とします。
(1)市民及び市は、国籍、性別、年齢等にかかわらず、一人ひとりの人権を尊
重すること。
(2)市民及び市は、市政に関する情報を共有し合うこと。
(3)市民及び市は、協働してまちづくりを行うこと。
(4)市民は、市政への参画の機会を公平に保障されること。
(5)市民の公益的活動は、自主性を基本とし、尊重されること。
【考え方】
前文にうたった基本理念や第1条に規定する目的を達成するための原則として、5
つの柱を定めています。
第 1 は、まちづくりの大前提として、国籍や性別、年齢等にかかわらず市民一人
ひとりの人権が尊重されることを定めています。
第 2 は、基本となる手段として「情報の共有」を挙げています。市民が自ら考え、
的確な判断をし、行動するためには、情報の共有が必要不可欠です。政策
の立案や実施、評価に至る過程における情報、市民生活に重大な影響を及
ぼす情報を、市民に積極的に提供することによって、市民と市が情報を共
有することを定めています。
第 3 は、市民と市がそれぞれの責任と役割分担に基づいて、お互いの立場や特性を
尊重し協力し合いながら、まちづくりに取り組んでいくことを定めていま
す。
第4は、市民の市政への様々な参画の方法について、この後の条文で規定しますが、
その機会を公平に保障することを定めています。
第5は、最近、NPOをはじめ市民の公益的な活動が活発化してきていますが、こ
れらの活動は、自主性を基本とし、それが尊重されなければならないこと
を定めています。
第 2 節 市民の権利と責務
(地域における市民の権利及び責務)
第5条 市民は、地域におけるまちづくり活動、コミュニティ活動、その他の公益
的活動を推進するために、主体的に組織等を作り、自立した活動を営むこと
ができます。
2 市民は、前項の活動を行うに当たっては、多様な価値観を認め合い、自らの
発言及び行動に責任を持つとともに、互いの意見及び行動を尊重しなければ
なりません。
【考え方】
市民が、地域におけるまちづくり活動、自治会などコミュニティ活動、NPO活動
やボランティア活動など公益的活動に、自らの責任のもと、主体的に取り組むことが
できることと併せて、市民間のルールとして、多様な価値観を認め合うことの大切さ
や互いの意見、行動を尊重することを示したものです。
5
(市政における市民の権利及び責務)
第6条
市民は、市政の主権者として、市政に関する情報を知る権利及び市政に
参画する権利を有します。
2
前項に規定する市民の権利は、公共の福祉に反しない限り最大限に尊重さ
れるものとします。
3
市民は、法令等の定めるところにより納税等の義務を負うとともに、適正
な行政サービスを受ける権利を有します。
4
市民は、自らが地方公共団体を構成する一員であることを自覚し、常に市
政の運営に関心を払うことによって、公正かつ適正な手続による行政運営
の確保に積極的な役割を果たすよう努めるものとします。
【考え方】
市政の主権者としての市民の市政における権利として、市民には情報を知る権利と
市政に参画する権利の2つの権利があることを示し、この権利は、公共の福祉に反し
ない限り最大限に尊重されることを示しました。
「情報を知る権利」は、市から提供される情報を受け取るだけでなく、自ら積極的
に市に対して市政に関する情報の提供を要求でき、取得する権利をいいます。
「市政に参画する権利」としては、第 2 条の規定でも示したように、政策や施策を
行政が立案する段階、実施しようとする段階、さらにそれらを評価する段階で、市民
が参画することを保障することにより、市民の意思を市政運営やまちづくりに反映さ
せたり、市民と行政とのかい離を防ごうとするものです。具体的な内容は、第 5 章の
参画と協働に定めています。
第 3 項は、市民が信託を行った自治体に対して税や負担金、使用料を納め、その再
配分として、適正な行政サービスの提供を受けるという「自治の原点・原則」につい
て定めています。
第 4 項は、公正かつ適正な手続きによる行政運営の確保に、職員などだけでなく、
市民も積極的な役割を果たすよう求めるもので、本市が、平成 13 年 4 月に全国に先
駆けて制定した(合併後平成 22 年 10 月1日施行)コンプライアンス(法令順守)条
例にも同趣旨の条項を掲げておりますが、本条例において、市民の重要な責務として
改めて定めたものです。
第 3 節 市長等の責務
(市長の責務)
第7条
市長は、毎年度、市政の基本方針を市民にわかりやすく説明するとともに、
法令等を順守し、公正かつ誠実に市政運営に当たらなければなりません。
2
市長は、市民の意向を適正に判断し、市政の課題に対処した協働のまちづく
りを推進しなければなりません。
3
市長は、職員の育成を図るとともに、その能力を適正に評価し配置するよう
努めなければなりません。
【考え方】
第 1 項は、市長は、市民の信託を受けた者として、また市政を代表する者として、
本条例の目的を達成するため、毎年度、市政の基本方針を明らかにするとともに、
法令及び条例等を順守し、公正かつ誠実に職務を執行しなければならないことを、
改めて定めたものです。
6
第2項では、市民の意向を重要視して、適正に判断することで、直面する市政の課
題や様々な問題に対処し、協働のまちづくりを積極的に取り組んでいかなければ
ならないということを定めたものです。
第3項においては、人材育成、能力の適正評価と適正配置といった市職員に対する
施策の明確な柱を定めたものです。
(職員の責務)
第8条 職員は、市民の視線に立って、公正、誠実かつ効率的にその職務を遂行す
るとともに、自らも地域の一員であることを自覚して、市民との協働を念
頭に置き、信頼関係づくりに努めなければなりません。
2
職員は、職務の遂行に当たっては、法令等を順守しなければなりません。
3
職員は、職務遂行についての必要な知識や技術等の習得、能力開発及び自己
啓発に努めるとともに、職務の遂行に当たっては、創意と工夫に励み、市民
に信頼されるよう努めなければなりません。
【考え方】
近江八幡市内に在住する市職員はもちろんのこと、市外から通勤する市職員につい
ても第2条第1項で定める「市民」として、近江八幡市域のまちづくりに参画する責
務があることと、コンプライアンス(法令順守義務)
、自己啓発の責務について明文
化したものです。公正、誠実で、かつ効率的に職務を遂行することは、一般職、特別
職あるいは常勤、非常勤等を問わず市職員として当然のことですが、常にそのことを
意識して職務を遂行するために改めて明記したものです。
「市民の視線に立つ」とは、市民との間の仕切り(心の壁)をなくすことであり、
市役所のカウンター越しに仕事をするのではなく、市民の輪の中に入って課題を探し
問題解決に当たる姿勢が市職員一人ひとりに求められています。
第 4 節 市議会等の役割と責務
(市議会の役割と責務)
第 9 条 市議会は、市政の審議・議決機関として、市民の信託に応えるため、行政
活動が常に民主的かつ効率的に行われているかを調査・監視するとともに、
条例議案を提出する等政策形成機能の強化とその活用に努めなければなり
ません。
2
市議会は、市民への情報提供を積極的に推進するとともに、市民に開かれ
た議会運営に努めなければなりません。
3
市議会は、協働のまちづくりの重要性を認識し、前2項の役割、責務等を
果たすため、市議会の持つ権限を最大限に発揮して活動するものとします。
【考え方】
議会の権限については、地方自治法に規定されていますが、
「地域のことは、地域
で考え、地域で決める」という、自主・自立の自治体運営が望まれる中で、自治体の
意思決定機関である市議会の果たす役割は益々重要になることから、市として、当条
例に議会を位置付けておくことが重要であることと、市議会の役割と責務を規定する
ことによって市議会の重要性を改めて明らかにしようとするものです。
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(議員の責務)
第 10 条 議員は、この条例の理念に則り、市議会が前条に規定する事項を実現する
よう、法令等を順守し、公正かつ誠実に職務を執行しなければなりません。
2 議員は、市議会の責務を遂行するため、自己研さんに努めなければなりませ
ん。
【考え方】
市議会は議員によって構成されるものであることから、個々の議員の責務について
も規定することによって、議員の果たす役割と責任を改めて明確にし、市議会の機能
をより発揮しようとするものです。
第 5 節 市の執行体制
(組織)
第 11 条 市は、社会情勢に柔軟に対応し、政策を着実に実現するため、簡素で機能
的かつ市民に分かりやすい組織の編成に努めるとともに、常にその見直し
に努めなければなりません。
2 市は、効率的かつ効果的に組織を運営しなければなりません。
【考え方】
市は、社会情勢に柔軟に対応し、政策を着実に遂行できるような「簡素で機能的に
動けるような組織」ということに加えて、「市民にとってわかりやすい組織」という
視点から編成し、常にその組織の見直しを行うよう努めなければならないとしたもの
です。
自治体の組織は、地方自治法(昭和 22 年法律第 22 号)第 138 条の3の「執行機関
の組織の原則」において規定されていますが、本条は、この規定をより深め、身近な
ものとなるよう、市としての組織のあるべき姿を表現したものです。
「市民に分かりやすい組織」とは、地方自治法第 1 条の規定に定められた「民主的
にして能率的な行政の確保」という自治体の本旨に基づくもので、単純に組織の名称
を分かり易いものに変えれば良いというものではなく、どのような組織体制が市民に
とって有益で、機能的に迅速な対応が取れるかということを市は常に念頭において、
組織の編成を考えなければならないということを示したものです。
すでに、市では、市民生活に密着した当面する諸課題に対応するため、住民異動等
の際に各種届出が1ヵ所で可能な総合窓口化や、開発許可業務の権限委譲に伴い、開
発協議についても1ヵ所でスピーディに行えるよう、各部に分散していた許認可業務
の担当課を1フロアに集中させるなどの組織体制の整備を行っているところです。
(法務)
第 12 条 市は、市民の満足度を高めるための政策を実現したり、市民の要望や行政
課題に対応するため、法令の調査研究を重ね、自ら責任をもって自主的かつ
適正な法令の解釈に努めるとともに、条例制定権の活用等積極的な法務行政
を推進しなければなりません。
【考え方】
市及び職員が法令を順守して職務を遂行しなければならないことは当然ですが、地
域の特色ある政策を実現するため、法令についての調査研究を重ねることで、積極
的・自主的かつ適正に法令を解釈、運用することにより、条例や規則等の制定・改廃
8
を行い、市民本位の市政運営に努めるというものです。
従来は「この法律の解釈については国や県がこういう風に言っている」で済ませて
きた面がありますが、国や県による法令解釈を鵜呑みにすることなく、自主的な法令
解釈が定着すれば、自主立法として条例をつくるというところにつながってきます。
これからの自治体は、法令の自主解釈権をもち、まちづくりをどのように展開させて
いくのかが課題となっていますが、コンプライアンス(法令順守)条例に基づいたコ
ンプライアンス委員会の活用も含めて、システムの確立が必要となっています。
(財政)
第 13 条 市は、予算の編成及び執行に当たっては、総合発展計画を踏まえながら、
最小の経費で最大の効果を上げるよう努めなければなりません。
2
市は、健全な財政運営に努めるとともに、市の財政、財務等に関する資料
を作成して公表することにより、市の経営状況を的確に、かつ、わかりや
すく市民に説明しなければなりません。
【考え方】
市の予算編成・執行における基本的な方針・姿勢を示したもので、総合発展計画と
整合を図る必要性を定めるとともに、健全で持続的な運営を行わなければならないと
しています。また併せて経営的な視点に立って、行財政運営に努めているところです。
財政状況の公表は、地方自治法にも規定され、既に実施しているところですが、市
政の運営にとって重要なため、改めて本条で定めたものです。
第3章 市民自治基本計画
(市民自治基本計画)
第 14 条 市は、この条例に基づき、協働のまちづくりを実現するために市民自治基
本計画(以下「基本計画」という。
)を定めなければなりません。
2
基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとします。
(1)協働のまちづくりの推進に関する総合的かつ計画的な推進を図るため
の方針
(2)協働のまちづくりの推進についての取組目標
(3)協働のまちづくりの推進に関し、市が総合的かつ計画的に講ずべき施
策
(4)前3号に掲げるもののほか、市民参画の推進に関する施策を総合的か
つ計画的に推進するために必要な事項
3
市は、基本計画の内容を実現するため、適切な進行管理を行わなければな
りません。
4
市は、基本計画が社会の変化に対応できるよう常に検討を加え、必要に応
じて見直しを図らなければなりません。
5
市は、協働のまちづくりの推進を図るため、別に定めるところにより、協
働のまちづくり推進委員会を設置するものとします。
【考え方】
市は、この条例にもとづいて、市民と市のパートナーシップに基づく協働のまちづ
くりを総合的、具体的に推進するために市民自治基本計画を定める必要があります。
協働のまちづくりを推進するための方針(ガイドライン)
、取組目標、全市的な施策
9
等を基本計画の中で明記し、市民と市がその情報を共有することが求められます。こ
の基本計画を指針として、学区まちづくり協議会などが主体となった各学区でのまち
づくり計画(学区夢プラン)の策定・実行が行われたりすることになります。
また、基本計画の進行管理、社会状況の変化に対応した計画の見直しの必要性を定
めることとあわせて、協働のまちづくりの推進をはかるため、「協働のまちづくり推
進委員会」を設置するものとします。この委員会の組織、運営については、別個に規
則等で定めるものとします。
第 4 章 情報の共有
(情報公開等)
第 15 条 市は、市民の知る権利を保障し、公正で開かれた市政を推進するため、別
に条例で定めるところにより、市政に関する情報を積極的に公開するとと
もに、わかりやすく情報提供しなければなりません。
【考え方】
第 4 条に規定する5つの基本原則のうち、情報の共有を実現するため、制度として
情報公開条例に委ねるだけでなく、市政に関する情報について、市は、積極的に市民
に提供する責務があることを定めたものです。
(個人情報の保護)
第 16 条 市は、市民の基本的人権を守るため、別に条例で定めるところにより、
個人情報の適正な取扱いを図るとともに、自己に係る個人情報の開示、訂
正等を請求する権利を保障するなど、必要な措置を講じなければなりませ
ん。
【考え方】
市は、情報を積極的に提供しますが、個人の権利利益を保護するために、収集した
個人情報については厳重・適正に管理するとともに、詳細については、条例に委ねる
こととしたものです。近江八幡市においては、市の保有する個人情報の適正な管理・
運用並びに自己情報コントロール権(開示、訂正、使用停止の請求権)を定めた個人
情報保護条例を平成 17 年 4 月(合併後平成 22 年 3 月 21 日)から施行しています。
(説明責任)
第 17 条 市は、政策の立案から実施、評価に至るまで、その経過や内容、目標の
達成状況等について、市民にわかりやすく説明する責任を果たすよう努め
なければなりません。
【考え方】
市は、政策の立案から実施、評価するまでの過程において、経過や内容、効果等に
ついて分かりやすく市民に説明する責任を果たすよう努める義務があることを明ら
かにしたものです。
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(要望等への対応)
第 18 条 市は、市民からの市政に関する要望、意見、苦情等に誠実かつ迅速に対
応するとともに、その結果について、速やかに、回答しなければなりませ
ん。
2
市は、市民から苦情として寄せられた事案について、その原因を調査分析
し、市民への理解を求めることも含めて、再発防止等の適正な対応に努め
なければなりません。
【考え方】
市民から寄せられる市政に関する要望、意見、苦情等については、放置することな
く速やかに対処するとともに、すぐに要望等されている内容の実現や改善ができる、
できないにかかわらず意見等を寄せた市民に対し、その結果を回答する市の応答責任
を定めるとともに、苦情として寄せられた事案については、その原因を追求し、再発
防止などの適正な対応に努める義務があることを明らかにしたものです。
第 5 章 協働と参画
第 1 節 協働・参画
(協働)
第 19 条 市民及び市は、相互理解と信頼関係をもとに、協働のまちづくりを進め
るよう努めます。
2
市は、前項に規定する協働のまちづくりを推進するに当たり、市民の自発
的な活動を支援するよう努めます。この場合において、市は、市民の自主
性を損なわないように配慮します。
3
市は、公共的課題の解決や公共的サービスの提供等について、多様な主体
がその担い手となれるよう、適切な措置を講じるものとします。
【考え方】
「協働」は、第2条で定義していますが、異なる主体が、それぞれの責任と役割分
担に基づいて、お互いの立場や特性を尊重しながら、情報や資源を共有し、地域の課
題や社会的な課題を解決するために協力し合うことをいいます。
第 1 項は、市民、市それぞれが協働することを規定します。市民と市は、相互理解
と信頼関係のもとにまちづくりを進めるために協働するよう努めます。
協働という言葉は積極的な内容であり、市民及び市が一丸となって、
「みんなで、
一緒に、できるだけ共通の課題や目標に向って行動していこう」ということをこの条
文の原則とし、その手段として協働するよう努めるというものです。
第 2 項は、協働を推進するにあたっては、市は市民の自発的な活動を支援するよう
努めるものとします。ただ、支援することを理由に、市民の自主性を損なうことがあ
ってはならず、市は市民の自発的な活動に干渉し過ぎてはいけないこと、市民に主導
権があることを明記するものです。
第 3 項は、指定管理者制度の活用や後述する学区まちづくり協議会、NPOなど多
様な主体が公共的課題の解決や公共的サービスの提供の担い手となることを想定し
たものです。
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(参画)
第 20 条 市は、意見公募手続や市民提案制度の実施、公聴会の開催その他の多様な制
度を設け、又は施策を講じることで、市民が市政に参画する機会を保障しな
ければなりません。
2
市は、市民が市政に参画しないことによって不利益を受けることのないよう
配慮しなければなりません。
【考え方】
参画の定義は第2条で定めていますし、この後の条文で、参画の方法の例示として
意見公募手続(パブリックコメント)や市民提案制度、公聴会を定めていますが、市
民が参画できるのは、それだけでなく、それ以外にもいろいろな方法、制度を設けて
参画の保障をしなければならないとしました。
ここでは、総論として、市民参画の原則を規定し、保障したものです。市が独断で
決め、それが住民に影響を与え、住民のニーズに合わず、住民が被害を受けてしまう
ということが起こらないように、住民がその運営に一定のチェック又はコントロール
を必要とするために「参画」が求められるものです。
第2項は、市政に参画する意思があっても、身体が不自由であったり、時間が自由
にならないなど、様々な理由によって、参画したくても参画できない人に対しては、
参画しないことを理由に決して不利益をこうむることのないよう、何らかの形で、き
め細かくカバーするなどの配慮をしなければならないことを示したものです。
(意見公募手続)
第 21 条 市は、重要な条例及び計画の策定等に当たり、市民の意見を反映させるた
めに事前に案を公表し、市民の意見を聴取するとともに、これに対する市
の考え方を公表しなければなりません。
【考え方】
市民生活に重大な影響を及ぼすことが予想される条例や計画などの策定、改正、廃
止にあたっては、市民に情報を提供し、それについての意見を求めるという制度です。
また、意見が出されたときは、これに対する回答を公表する責務があることを定め
たものです。
平成 17 年 6 月に公布され、18 年 4 月から施行された「行政手続法の一部を改正す
る法律」は、政省令などの命令等を定める際に、広く一般の意見や情報を求める手続
即ち意見公募手続等を定めることによって、行政運営の更なる公正の確保と透明性の
向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とされています。
地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、適用対象外とされています
が、地方公共団体は、同法の規定の趣旨に則り、必要な措置を講じるよう努めなけれ
ばならないこととされています。
本市においては、平成 15 年(合併後平成 22 年 3 月 21 日施行)にパブリックコメ
ント実施要綱を定めていますが、この法律の趣旨に沿って、今後は、条例化を検討し
てまいります。
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(市民提案制度)
第 22 条 市は、市民との協働によるまちづくりや行政運営に市民の意見等を反映さ
せることを目的として、市民が意見や提言を市長に提出し、それに対し市の考
え方を公表する制度を設けなければなりません。
【考え方】
市民との協働による行政運営やまちづくりなどについてのアイデアや提言を市民
に広く求め、可能な限り活かそうとするもので、市民自らが提案内容に責任を持ち、
実践の主体者となることを意図したものです。
現在、本市では、毎年、定期的に広報紙に「市長への手紙」を掲載し、市民から提
言や意見を求め、市長が直接目を通すとともに、実現可能なものについては、迅速に
施策などに反映させています。また、寄せられた意見や提言についての市の考え方を
広報紙上で公表しています。なお、本条の市民提案制度は、市政に対する苦情、相談、
要望等を受け付ける制度ではありません。
(行政評価)
第 23 条 市は、効率的かつ効果的な市政運営を図るため、適切な目標設定に基づく
行政評価の実施に努め、その結果を施策の見直しや組織の改善等に反映させ
なければなりません。
【考え方】
現在、市の評価の手法について整理をしているところですが、各種計画、予算、決
算、事務内容などの項目ごとに評価することに努め、また、その評価結果を、施策の
見直しや組織の改善等に生かしていく必要があることを規定しました。
(計画の策定過程等)
第 24 条 市は、総合発展計画をはじめ基本的な構想や計画、その他の重要な個別計
画の策定に当たっては、市民の多様な参画を保障するとともに、必要な情
報の提供に努めなければなりません。
【考え方】
総合発展計画をはじめとする市の基本的な構想や計画、重要な個別計画の策定に当
っては、本条例の目的及び趣旨に沿って、市民参画を保障することを定めています。
(審議会等の設置及び運営)
第 25 条 市は、市民、学識者等の意見を市政に反映させるため、市民会議、審議会
等(以下「審議会等」という。
)を設置することができます。
2
市は、審議会等を設置するときは、その設置目的等に応じて委員の公募を
行うとともに、委員の男女の比率、年齢構成及び選出区分が著しく不均衡に
ならないように留意し、同一の委員が著しく長期にわたって就任することの
ないよう努めなければなりません。
【考え方】
市が審議会、市民会議などの委員を選任する場合は、市民公募を行うことが行政運
営上の責務であることを規定したものです。ただ、審議会などによっては、実質上、
学識者や専門家のみで構成され、一般市民を公募するのが困難な場合もあるため、努
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力義務としています。同様に、委員の男女比率、年齢構成、選出区分についても、不
均衡にならないよう努力義務を課しています。
(会議公開の原則)
第 26 条 市は、法令等に特別の定めがあるものを除き、原則として審議会等の会議
を公開しなければなりません。
【考え方】
市は、第4条の基本原則の中の「情報の共有」の一環として、市民参画を円滑に進
めるため、市の執行機関に置く付属機関の会議を原則的に公開する責務があることを
定めています。市では、情報公開条例の施行と相まって、会議の公開取扱要綱に基づ
いて、会議開催のお知らせ(傍聴参加者募集)や会議録の公開を市のホームページな
どで実施しています。
(市民投票)
第 27 条 市長は、投票資格を有する市民、市議会又は自らの請求若しくは発議に基づ
き、市政に係る重要事項について、直接、市民の意思を確認する必要がある
と認めるときは、市民投票を実施することができます。
2
市民投票に付すことができる事項、投票者の資格要件その他市民投票の発議
及び請求並びに実施に関して必要な事項は、別に条例で定めます。
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市民、市議会及び市長は、市民投票の結果を最大限尊重しなければなりませ
ん。
【考え方】
本条は、市民投票制度(一般的には住民投票制度といわれています。
)について定
めた規定です。
まちづくりは、情報の共有と市民の参画の実践が重要であり、市民投票に至らなく
ても解決できるケースが大多数であると考えます。市民投票については、賛否両論が
あり、市民間の感情的なあつれきを生む可能性がありますので、本来的には、市民投
票に至ることなく重要課題を解決できることが望ましいと考えますが、市にとって、
市民の意思確認のためのあくまで最終手段として位置付け、制度として担保している
ものです。
市民投票は、現行の地方自治制度を補完するものであり、間接民主主義を基本とし
ながら、直接民主主義でこれを補完するものとして位置付けるものです。双方が互い
に補完しながら、その時々の社会情勢に即し市民の意思をより的確に反映することが
重要であって、すべてのことについて市民投票を行うわけではなく、近江八幡市が直
面する重要課題、近江八幡市の根幹にかかわるような課題、将来に決定的な影響を及
ぼすような課題に限って市民投票を行うことは、むしろ、間接民主主義の充分でない
ところを補う意味を持つものです。
また、市民から一定の要件を満たした請求があれば市民投票を行うことで、直接住
民の意思をより的確に反映させることができます。市民にとってのいわばセーフティ
ネットとして位置付けるものです。
第2項は、実際に市民投票を行うには、投票者の資格要件をはじめ投票の発議及び
請求などについて、必要事項の詳細を定めた条例が別途必要になります。それらをあ
らかじめ市民投票条例として定めておくことで、請求要件を満たせば市民投票ができ
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ること(いわゆる「常設型」の住民投票制度)を規定したものです。
第 3 項は、市民投票の結果については、市長や市議会の選択や決断を拘束するもの
ではありませんが、市民、市議会、市長が、最大限尊重すべきものとして規定したも
のです。
第 2 節 コミュニティ活動
(地域コミュニティ)
第 28 条 市民は、地域のなかで安心して心豊かに生活し続けることができるよう自治
会等の基礎的な地域コミュニティの活動を通じて互いに助け合うとともに、
地域課題の解決に向けて協力して行動するものとします。
2
市は、前項に規定する地域コミュニティの役割を尊重するとともに、適切な
支援策を講じるよう努めなければなりません。
【考え方】
地域コミュニティ(自治会、町内会などの地縁型コミュニティ)は、市民自治の原
点であり、市民は、安心して暮らすことのできる地域社会を実現するため、住民同士
がそれぞれ助け合いながら、地域の課題の解決に向けて自ら行動することを定めてい
ます。
また、市は、地域コミュニティ活動の役割、自主性を尊重し、住民自治を損なうこ
とのないよう配慮する中で、その必要性に応じて物的、人的等様々な支援策を講じる
よう努めることを定めています。
(市民公益活動)
第 29 条 市は、自発的かつ自主的に行われる非営利の活動で、不特定かつ多数の利
益の増進に寄与することを目的とする市民公益活動を尊重するとともに、別に
条例で定めるところにより、その活動を促進するための適切な支援策を講じる
よう努めなければなりません。
【考え方】
前述の地域コミュニティ同様、NPO法人やボランティア団体などの個人や団体に
よる非営利の社会貢献活動が活発化し、高い評価を得てきました。これらは、特定の
目的や使命を達成するために組織され、機動性と先駆性、専門性を生かして直面する
課題への対応や行政では困難な社会サービスの提供を行うもので、全体として、多様
で幅広い分野の社会貢献活動が期待されます。市は、これらの役割の重要性を認識し、
その活動を尊重するとともに、その活動の促進のために、必要な支援その他の環境の
整備に努めることを定めています。
(学区まちづくり協議会)
第 30 条 市民は、学区単位で、地域の特性を活かした住みよい地域をつくるため、
別に定めるところにより、学区まちづくり協議会等の地域自治組織(以下
「学区まちづくり協議会」という。
)を設立するものとします。
2
学区まちづくり協議会は、当該学区のすべての市民に開かれたものとし、
市及びその他の組織等と連携しながら、学区のまちづくりを進めるものと
します。
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市は、各種計画の策定や政策形成に当たっては、学区まちづくり協議会の
自主性に配慮するとともに、その意思を可能な限り反映させなければなり
ません。
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市は、学区まちづくり協議会の活動に対して、必要な支援を行うものとし
ます。
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市は、学区まちづくり協議会の意向により、市が行っている事務事業の一
部を当該組織に委ねることができます。
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学区まちづくり協議会は、近江八幡市コミュニティセンター条例(平成 22
年条例第 36 号)に基づき設置されたコミュニティーセンターに活動の拠点
を置くものとします。
【考え方】
学区単位での協働のまちづくりの主体であり、今後の分権時代に対応した様々な権
限移譲の受け皿となる「学区まちづくり協議会」について定めています。
市は、学区まちづくり協議会を、学区内の自治会、学区自治連合会をはじめ社会福
祉協議会、人権尊重まちづくり推進協議会、安全安心まちづくり協議会、体育・文化
振興団体、青少年育成学区民会議、各種サークル、(当該学区内に拠点を置く)NP
Oなど多様な組織、個人を包括する地域自治組織として、地域の様々な課題解決に向
けて各組織の横の連携を図りながら、多角的かつきめ細かに取り組む、これからの学
区におけるまちづくり活動、住民自治活動の主体となる組織として位置付けています。
また、学区まちづくり協議会は、市行政はもちろんのこと、たとえ、学区外の組織
であっても各種団体やNPOなどの目的型コミュニティなどとの連携も行い、より多
様で効果的なまちづくりが可能となることが期待されます。
さらに、市は、学区まちづくり協議会に委ねることが、市民にとって、より効率的・
効果的な事業については、その事業の委託を行うことができることを定めています。
学区まちづくり協議会の活動拠点としては、各学区に設置された公民館に置くもの
とします。なお、公民館は、社会教育法(昭和 24 年法律第 207 号)に定められた社
会教育施設ですが、本市においては、社会教育(生涯学習)に関する事業のみならず、
学区自治連合会をはじめ地域福祉、安全安心、子育てなど様々な地域活動の拠点とし
て活用され、学区市民にとっては、地域コミュニティセンターとしての役割を果たし
ていることから、学区市民の自由な発想により弾力的な運営がなされるよう改革をめ
ざし協議を進めております。
第6章 条例の見直し等
(条例の見直し)
第 31 条 市は、この条例の施行後、3年を超えない期間ごとに、各条項がこの条例
の理念を踏まえ、本市にふさわしく、社会情勢に適合したものかどうかを検
討するものとします。
2
市は、前項に規定する検討の結果を踏まえ、この条例及びこの条例に基づく
制度等の見直しが適当であると判断したときは、必要な措置を講じるものと
します。
【考え方】
条例の各条項が基本理念を踏まえたものであって、社会情勢に適合しているかどう
か、形骸化していないか、本市にふさわしいものであり続けているかどうかを見守る
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必要があります。そこで、本条例を「育てる条例」として位置付け、3 年を超えな
い期間ごとに点検を行うことは、職員や市民の市民自治に対する意識を喚起するもの
です。
第 2 項は、第 1 項の結果、条例及び条例に基づく制度等について、見直しが適当で
あると判断したときは、本条例の改正等、必要な措置を講じることによって、この
条例の実効性を保障していくものです。
(委 任)
第 32 条 この条例の施行に関し、必要な事項は、市長が別に定めます。
【考え方】
本条例の施行に関し、必要となる規則等を、市長が別に定められるように、この条
項を設けています。
付 則
この条例は、公布の日から起算して 12 月を経過した日から施行します。
【考え方】
本条例については、市民及び職員への周知・啓発が重要と考え、公布された後、12
ヵ月をいわば準備期間とし、周知・広報に努めるほか、庁内の体制を整えたりするな
どして、条例としての実効性を確保しようというものです。
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