第3号 東京都立町田高等学校 町田高校 学校通信 平成 27 年 12 月 25 日 第2学期終業式の講話から 都立町田高等学校 統括校長 牛来 峯聡 (1)自信と誇りある生徒になるために 自信と誇りある生徒になるためには、何が必要であるかを「文武両道」という視点から考えてみたい と思います。文武両道の「道」とは何でしょうか。「道」とは人間の理想の生き方のことです。このこ とは、国際理解と世界平和のために活躍した、教育学者であり、農政学者でもある新渡戸稲造が世界中 に紹介した「武士道」という書物の中にヒントがあります。 「武士道」では、美しく、気高く、立派で、人々から尊敬されるような人間になるためには、どんな 心がけで日常生活を送ればよいのか、そういうことを説いているものです。武士道の中で大切にしてい るものとして、 「勇気」 、 「礼儀」 、 「勤勉」 、 「誠実」、 「忍耐」などがあります。 勇気は、正義がともなっている勇気であることです。 礼儀は、人に不愉快な思いをさせない。また、人とのトラブルを避けることができるわきまえた礼儀 ができることです。 勤勉は、与えられた仕事を一生懸命やること。また、勉強を一生懸命にやって自分を磨き、社会に貢 献できる、社会に役立つことができる人となることです。 誠実は、相手から信頼される人間となるために、嘘をつかないことです。 忍耐は、どんなにつらいことでも、ぐっと歯を食いしばって我慢して耐えることです。 こうしたことについて、日常生活を通して、一つひとつ、毎日心掛けて実践をしていくことによって、 人間としての奥行きや広がりが生まれてくるというものです。 本校の「文武両道」という教育理念の「道」という言葉には、そのようなことを意義づけることがで きます。ですから、生徒の皆さんは、文武両道の教育理念を踏まえて学習、部活動や学校行事などに積 極的に取り組みながら、 「勇気」 、「礼儀」、 「勤勉」、「誠実」、「忍耐」を実践し、人としての在り方生き 方を学びとってほしいと思います。そのことで、皆さんは、間違いなく自信と誇りある生徒になれます。 (2)よりよい充実した学校生活を送るために よりよい充実した学校生活を送るためには、何が重要であるかを考えてみたいと思います。 皆さんは、学校生活を送るに当たり、様々な考え方の下で、熱意をもち、努力をしながら、能力を発 揮して、よりよい充実した学校生活を送ろうと心掛けていることと思います。 この様々な考え方、熱意(或いは努力)、能力の3つが、よりよい充実した学校生活を送るために欠 かせません。ですから、 学校生活の充実度を表す方程式=(考え方)×(熱意)×(能力) [各項目は1点~10点で評価] と表しても良いでしょう。どうでしょうか、皆さんは、今の学校生活に対する充実度を計るために、各 項目を1点から10点の範囲で点数を付けて、各項目を掛けて合計値を出してみてください。現在の、 学校生活の充実度を表す値が出てきます。 この方程式の3つの要素で一番大切な項目は、「考え方」です。考え方が悪いと、どんなに熱意(努 力)をもって取り組んで能力を発揮しても、掛け算の合計数値は低くなります。 町高生は、正しい「考え方」をもち、強い「熱意」で誰にも負けない努力をし、もてる「能力」を最 大限に発揮し、学習・部活動・学校行事などの学校生活に真剣に取り組んでほしいものです。そうする ことで、町高生の皆さんは、必ず実り多い、よりよい充実した学校生活になっていきます。そして、将 来に対する自己実現(進路実現)が確かのものとして近づいてきます。 問題は、正しい考え方を身に付けているかということです。正しい考え方でないと、この方程式で「考 え方」の項目の評価は低くなり、掛け算をすると全体での評価も低くなります。つまり、学校生活は充 実していないということになります。 では、正しい考え方とは、何か、以下のような内容です。 ①つねに前向きで建設的であること。 ②一緒に学習、部活動、学校行事、役割分担の仕事をする考えをもち、協調性をもっていること。 ③明るい思いを抱いていること。 ④肯定的であること。⑤善意に満ちていること。 ⑥思いやりがあって、優しいこと。 ⑦真面目で、正直で、謙虚で、努力をしようとしていること。 ⑧利己的ではなく、強欲でないこと。⑨感謝の気持ちをもっていること。 ⑩文武両道の「道」を意識していること。 などです。こうした考え方をもって、学校生活を送っている生徒は、充実した学校生活になっているは ずです。是非、正しい「考え方」をもって、毎日の学校生活を送ってください。 (※この内容を書くに当たっては、稲盛和夫氏の著書を参考にしています。 ) 【平成 27 年 12 月 24 日(木)東工大前学長 伊賀先生 講演会(本校体育館) 】 (3)自分を最高に引き出す方法について 次に、自分を最高に引き出す方法について考えてみたいと思います。これには、「最高の自分を引き 出す法 ~スタンフォードの奇跡の教室~ ケリー・マクゴニガル」を参考にしています。 まず、①上手に「ものの見方、考え方を変える」には、どうするか。 ②「将来の自分」をイメージする最良の方法は何だろうか。どうすれば、少しでも自分の将来をイメ ージできるようになれるか。その具体的な方法は何かです。 この2点について紹介します。 先ず、①です。これについては、考え方を変えようとす るよりも、体の状態を変えた方がうまくいく場合が知られ ています。体の状態が変化すると、思いがけず、それまで と違ったものの見方ができるようになります。例えば、呼 吸に意識を集中したり、呼吸を意識しながら瞑想を行った りすることが有効であることが分かっています。自分の考 え方を変えようなんてことは考えず、ただゆっくりと呼吸 をしながら心を静めて行きます。そうすると、知恵が浮か ぶというか、物事がはっきりと見えてきて、新しい捉え方 ができるようになり、大変なことに取り組むのに役立ちます。 ものの見方を変えるのに最もよい方法は、自分の考えと闘った 【フランス語講座】 りすることではなく、新しい考え方が生まれるような、心と体のゆとりを作り出すことです。頭の中で 考えていることをコントローするのは非常に困難であることが分かっています。考え方を変えようと思 えば思うほど、かえってその考え方にとらわれてしまします。ですから、ものの見方・考え方を変えた いと思ったら、むしろ体の状態を変化させて心を落ち着かせることが一番良い方法とのことです。 ②については、それは、将来の自分から現在の自分に宛てた手紙を書くというのがよいようです。つ まり、現在の自分宛てに感謝の手紙を書くことです。 例えば、今一生懸命に取り組んでいる目標をついに達成した自分の姿を感謝の手紙として書くという ものです。また、現在抱えている難しい問題を克服した姿を想像して、将来の自分から現在の自分へ、 頑張ってくれてありがとう、おかげで困難を乗り越えることが出来たよ、と感謝の手紙を書くことです。 たとえ将来の自分が書いているようなつもりになりきれなかったとしても、今、これをきちんとやっ ておこう、という具体的なアイディアを得ることができます。これは、現在の自分が最高の自分になる ための方法とのことです。 同窓会長 岩崎 正(30回生) 生徒、保護者の皆様へ、私たち同窓会は、母校と卒業生のパイプ役として母校の情報を会員に伝える ばかりでなく、母校や在校生への側面的な支援や、会員相互の情報交換・親睦をはかることなどを目的 として活動する任意の団体でPTA同様、学校を支援する外郭団体です。近年の活動では、創立80周 年時には記念品の寄贈をし、また正門正面校舎に掲げてあります「東京都教育委員会指定 進学指導特 別推進校」の横断幕の寄贈、学校行事等で使用いただくテント2張、3連パネル3枚などを提供してま いりました。また、平成24年3月をもちまして閉科いたしました家政科の記念モニュメントを校舎入 口脇に設置贈呈もしてまいりました。 今年度におきましては、大学受験用問題集を寄贈し、生徒の皆さんが何時でも自由に利用できるよう に致しました。これらの費用は、卒業される生徒の皆様の同窓会の入会金によって賄っております。 前段でも申し上げましたが、私達同窓会は、今後も引続き母校、在校生の皆様の全面的な支援をして まいる所存でございますので、是非とも同窓会へのご入会をお願いいたします。 私は、生まれも育ちも原町田で、小学校から大学まで全て町田の学校で学びました。また母も弟も町 高生であり、祖父は町高のPTA会長の職に就いたこともあります。町田は子どもから、お年寄りまで とても住みやすい町であります。そして、若者も多く活気あふれる街でもあります。自然も多く残り、 海や山、都心に行くにも非常に便利な所に位置しています。このような環境の中で、これからの世代を 担っていく町高生が立派な社会人となることを私たち同窓会が、しっかりバックアップしていけたらと 考える次第であります。また、会員相互のコミュニケーションを図ることにより、人生のネットワーク を広げていくお手伝いをさせていただく所存です。今後とも、どうぞ町高同窓会をよろしくお願いいた します。 【正門にある横断幕】 【同窓会寄贈の本】
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