「乾燥肌の季節」 静岡赤十字病院小児科 大河原 一郎 第 11 号(不定期) すずしい季節になりました。食欲の秋、運動の秋、読書の秋、何をするにつけても良い季節で すね(小児科は「仕事の秋」とでも言ったところでしょうか・・・(^_^;))。秋は過ごしやすい季節ですが、 肌トラブルもまた起こりやすい季節です。赤ちゃんの出生月の統計を見ると、秋・冬に生まれた赤 ちゃんでアトピー性皮膚炎が多く見られます。乾燥している気候の影響がある可能性が高いで す。 アトピー性皮膚炎は「皮膚のかゆみ」と「独特の皮膚の所見」、「よくなったり悪くなったりを繰り かえす」ことが 3 つの大きな所見です。アトピー性皮膚炎にまでならなくても、秋は乾燥肌(医学的 には皮脂欠乏症と言っています)で皮膚のかゆみを訴える人が多い季節です。 アトピー性皮膚炎ではステロイドを塗ることが重要ですが(一般にドーピングなどでいわれるステ ロイドは注射や内服薬で、塗り薬や点鼻薬、吸入のステロイドは吸収されにくいものであり、別も のです)、乾燥肌ではまず保湿剤を塗ったりするスキンケアが重要です。 「赤ちゃんの皮膚はしっとりしていてすべすべ」と思っている方も多いですが、あれはごく一部の モデル赤ちゃんだけです。人によってはガサガサしたり、ぶつぶつが目立つ子もいます。しかしガ サガサ肌は保湿剤をきちんと塗ることで改善するのです。 コツはお風呂上がりに「すばやく(5 分以内がベスト!)」「たっぷり」塗ることです。それを日々つ づけるだけで、皮膚はツヤツヤのツルツルになります。 最近では皮膚の悪い状態がつづくと食物アレルギーを起こしやすい・治りにくいことも分かって きています(経皮感作といいます)。またステロイド治療もよくなったら全く使わなくなるのではなく、 週 2 回程度つづけるプロアクティブ療法(某ニキビの薬とは違います!)をした方がアレルギーの 値が下がりやすい等、情報も日進月歩です。ご心配な点がありましたらスタッフにご相談下さい! バックナンバーは HP で「診療科案内」→「小児科」→「小児科通信」で閲覧可能です! http://www.shizuoka-med.jrc.or.jp/section/diagnosis/pediatrics-4.html 2008/10 月作成,2014/2 月改訂 <乾燥肌のポイント> 秋・冬は乾燥肌が多い 保湿剤は「すばやく」「たっぷり」 経皮感作に要注意 2008/10 月作成,2014/2 月改訂
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