「今年の手足口病は何か変だ！？」静岡赤十字病院小児科大河原一郎第 28 号(不定期) 震災以降外来の移動などもあり、バタバタしてしまいました。節電に加え、猛暑のなか、せまい外来でみなさまにはご迷惑をおかけします。ご不便な点はどうぞご意見箱に投稿してください。今回はいま大流行の手足口病のお話です。手足口病はその名のとおり、手や足、口にぶつぶつがでる病気です。原因はコクサッキーウイせんぷくきルス A16(CA16)やエンテロウイルス 71(EV71)によるものです。潜伏期(病気がでてくるまでの期間) は 3-5 日、発熱は 1/3 のおこさんに見られますが、数日で治まります。まれに脳炎や髄膜炎、心筋炎になるおこさんもいます。今年の手足口病も同じ．．．と思っていたら！今年は水ぼうそうのように派手にぶつぶつがでる手足口病が多いのです！(左写真参照)これはコクサッキーA6(CA6)によるものです。今年は例年になく多い為(裏面のグラフ参照；オレンジ色が CA6)、いつもとちがうぶつぶつになっています。アトピー性皮膚炎の子がヘルペスウイルスで起こすカポジ水痘様発疹症と診断されていることもしばしばです。予防は手洗い・うがい、あと便からもウイルスが出るのでトイレあとの手洗いも重要です。登校・登園は熱がなければ問題ありませんが、施設により異なるのでご確認ください。また、ワクチンに関して簡単に。生後 5-6 ヶ月までに Hib＆肺炎球菌の免疫をつける必要があります。当院では 2 ヶ月時に Hib＆肺炎球菌、3-5 ヶ月に三種混合・Hib・肺炎球菌の同時接種を行っております。同時接種に関しては死亡症例の報道もありますが、因果関係は今の所ありません。 1 週間ごと接種される方もいますが、個人的には毎週泣かせるので、逆にストレスや死亡のリスクが高まるのでは？と思います。また来院が増えるので感染のリスクは高まります。ワクチンに関してはまた日赤病院ニュースでも寄稿しますので(秋ごろ)、ご確認ください。またはしかやみずぼうそう、おたふくの流行も多いので、MR(はしか＆風疹)ワクチン、みずぼうそう＆おたふくかぜのワクチンもぜひ接種してください！！バックナンバーは HP で「診療科案内」→「小児科」→「小児科通信」で閲覧可能です！ http://www.shizuoka-med.jrc.or.jp/section/diagnosis/pediatrics-4.html 2011/7 月作成＜手足口病のポイント＞ 2011 年は水ぼうそう様の発疹手足だけでなく全身に広がるまれに脳炎・髄膜炎も 2011/7 月作成