巻頭 インタビュー - COOP

巻頭インタビュー
わが生協、かくありたい!
「組合員の思いや願いに
きちんと寄り添い
商品で応えれば、
事業は赤字にならない
と思っています」
なかしまかつゆき
ララコープ 理事長 中島勝幸 氏
組合員のニーズにきめ細かく対応することで、組合員や職員がいきいきする組織を実現して
いるララコープ(長崎県)。生協運営とは「事業を伴う運動」とおっしゃる理事長の中島勝
幸氏に、組合員に寄り添い、その要望を事業として実現するための要点についてお聞きした。
組合員ニーズにきめ細かく対応できる
職員を育てています
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−ララコープという生協名は、組合員の投票で決まったと伺いました。
1999年4月1日にコープながさきと佐世保生協が合併し、ララコープが誕生しました。
「ララ」の由来は「Live And Life Amusement(生協を通じてくらしと生活の楽しみを届け
たい)
」の頭文字から取ったものですが、組合員の投票により決まりました。
振り返ると、「○○生協」という名前が主流だったころに「コープながさき」と名付け、
ラ
ラ しん と まち
「コープ○○店」と呼んでいた時代に、「LaLa新戸町」という名前の店舗を造った経緯があ
ります。「毎日の晩ごはんを考えるのは大変、買い物も面倒。せめて行くのが楽しい(名前
の)お店を」という組合員の声があり、ララコープが誕生する前に付けたネーミングでした。
その後、ララコープの店舗は言葉の響きを大切にし、楽しくいきいきしているイメージを持
った「ララ」を冠する名前に改め、古くさいという理由から「店」も取ってしまいました。
外国への玄関口として発展してきた、長崎という土地柄もありますが、発想力豊かで創
造的な組合員が多く、ララコープではそういった組合員の思い(運動)を根っこに据え、
その上で、幹や枝、葉としての事業を行なっています。つまり、生協運営を「事業を伴う
運動」と捉え、組合員の思いや願いをどれだけ受け止められるかが鍵と考えています。
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−組合員を中心に据えた事業を行なうポイントをお教えください。
組合員一人ひとりの思いや願いを実現する中でララコープは大きくなり、合併時12万人
だった組合員は現在18万5,000人に増え、長崎県の世帯数の1/3までになりました。ただ、組
織が大きくなるにつれ職員は組合員個人の要望が見えにくくなり、組合員も自分の思いや
願いが伝わっているのか不安になります。そこで、組合員同士や組合員と職員、職員同士
がコミュニケーションを取れるように気を配っています。そのためのコミュニケーション
ツールの一つに「ララパーティー」があります。
それぞれの地域で組合員同士や家族、仲間が集まり、商品を食べながら好きなことをお
しゃべりする。職員はその報告書を読み込み、組合員の願いや生活背景などを多面的に捉
えています。ここでは、商品に対する意見などをいきなり聞くことはせず、飲んだり食べ
たりすることで本音が出やすいことから、日常生活に役立つことの交流を目的にしていま
す。この取り組みにより、組合員は自分たちが生協の中心に居るとあらためて実感し、職
員には組合員の思いや願いを受け取る能力が身に付いていきます。その繰り返しにより、
組合員が日常生活で改善したいと思っていることを、組合員活動や事業活動の場で提案す
ることや、日常業務の改善・改革ができる職員になるのです。
引き続き、ララパーティーを進化させ継続していきます。
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−ララパーティーが発展して商店街や行政とも連携し、地域貢献を目指されていると伺い
ました。
当初は「ララパーティーにお金を使うより、ボーナスを増やしてほしい」などの声が、
職員から上がりました。しかし、ララパーティーを継続し、組合員のニーズにきめ細かく
対応することで、組合員の思いを感じる力が個々の職員に付いていき、「自分なりの生協運
動を語れる」職員が増えてきました。
ニーズに応えるためには、組合員の思いや願いを理解し自分の言葉で説明する必要があ
り、深く理解することで改善点も見えてくるようになるのです。そして、自分の仕事の社
会的な位置付けも分かり、やりがいのある仕事として誇りを持てるようになっていきます。
ララパーティーに参加することで、若い職員も親や友だちに、自分の業務についていきい
きと話しているようです。
また、長崎県に対しララコープが果たす役割として、県内1/3の組合員だけを考えるので
はなく、「地域全体がいきいき」の視点も重要になっています。そこで、ララパーティーを
外に向かって発展させ、地域の商店街や子供会、老人会などと一緒に活動したり、長崎市
の田上市長との「ちゃんぽんミーティング」(昼食をとりながら、長崎市のまちづくりを語
り合う)に参加するなど、地域や行政も巻き込んだつながりをつくりたいと考えています。
行政は、地域の消費者団体トップとしての生協の意見を求めていると感じます。
ララコープの組合員・職員に加え、協同の力で
地域をいきいきさせていきます
生協運営資料 2012.3 3
巻頭インタビュー
わが生協、かくありたい!
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−組合員が増えれば増えるほど、地域に対する社会的役割を期待
されるのではないでしょうか。
そのために、運営上の組織も見直しました。以前は「理事会(組
合員活動委員会)−−−支所委員会−−−ブロック委員会−−−地区委員
会」と重層的になっていましたが、地域の中で、組合員活動と事業を
分けるのではなく「団子状」になって活動できるように、
「理事会(組
合員活動委員会)−
−−エリア委員会」とすっきりさせました。これは、
五島列島の1つを含む、5つのエリア委員会で構成されています。
組合員の思いにきちんと寄り添い実現できれば、生協の事業は赤
字にはならないと考えています。ただ競合に勝てばいいという姿勢では、組合員が満足す
るとは限りません。また、地域に対し社会的役割を発揮するためには、繰り返しになりま
すが、「組合員の思いを捉まえて事業として返す」能力を職員が身に付け、それを外向きに
発展させることが必要となります。
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−「鮮度・価格」を追求した市場スタイルの店づくりで、店舗事業の建て直しをされました。
商品に対するニーズとして、「安全・安心」に加え「低価格」が出てきています。安さ実
現のためには、肉・魚料理などどんなメインディッシュにも添えられる「農産品」がポイ
ントと考えています。農産品と併せ、鮮度の良い生鮮品も強化し、値ごろ感のある商品を
いち ば
そろえた「ララ市場・富の原」「ララ市場・花高」という、市場スタイルの店舗を出店して
います。「ララ市場」では、売り切りで廃棄ロスを削減し、営業時間も夜8時までに短縮す
る(他は10時閉店、1店舗のみ9時閉店)など、コストダウンにより低価格を実現しています。
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−コープ九州事業連合との連携はどのように進めていますか。
もともとは、衣料品やお正月の食品くらいはカラー写真で選びたいという組合員のニー
ズから、九州統一のカラーチラシを作ったことが始まりです。その後、組合員の思いを実
現するために、事業連合をつくり九州の生協が連帯してきました。
事業連合に参加すれば何とかなるということではなく、組合員の思いを連帯の場でどう
実現するかに注力してきました。あくまでも、事業連合の場でララコープの組合員の思い
を実現したいということが、連携している趣旨です。
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−今後の目標をお教えください。
これからは、「公助、共助、自助」により、組合員かどうかに関係なく、行政やNPO、他
団体とも協同して、地域をもっといきいきさせていきたいと考えています。長崎県は人口
減少・高齢化が進んでいますが、「地域いきいき」を目標に生協としての役割を果たすこと
で、組織率5割を目指します。
そのためには「職員いきいき」が前提ですので、組合員に理解を求め、今年より店舗は
元旦に加えて2日も店休としました。3月にもさらに1日休み、設備のメンテナンスと職
員の意思統一全体集会を開催します。
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