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「笑う」という行為が気分に及ぼす影響

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「笑う」という行為が気分に及ぼす影響
○渡邊
1
愛理奈 1,矢澤
久史 2,福島
2
裕人 3
3
( たんぽぽ薬局, 名古屋短期大学, 鈴鹿医療科学大学)
キーワード:笑い,気分,実験
The Influence that Laughing Gives on Mood States.
Erina WATANABE1, Hisashi YAZAWA2, Hiroto FUKUSHIMA3
1
( TANPOPO pharmacy, 2Nagoya College, 3Suzuka Univ. of Medical Science)
Key Words: laughter, mood, experiment
目 的
石原(2007)は笑うことにより交感神経系の活動上昇やポジ
ティブな感情の増加が認められることを報告した。余語
(1991)は,ほほえみに似た表情を真似することでも快感情が
呼び起こされることを見出した。これらより笑うという行為
により心身にポジティブな変化があらわれ,笑うという行為
を真似することでもポジティブな変化が起きることがわか
る。本研究では,面白いビデオを見せてもなるべく笑わない
ように強制した場合や,つまらないビデオを見せても笑う行
為を強制した場合において気分がどのように変化するかを
検討する。そこで,面白いビデオを見せてもなるべく笑わな
いように強制した場合は,快感情が呼び起こされないためポ
ジティブな変化は認められず,面白くないビデオを見せても
笑う行為を強制した場合は,快感情が呼び起こされてポジテ
ィブな変化が認められるのではないかという仮説を立て,こ
れを検証することを目的とする。
方 法
調査対象:女子大学生 60 名
調査方法:面白いビデオを自由に見てもらう群(お自由)と
なるべく笑わないように見てもらう群(お強制)
,つまらな
いビデオを自由に見てもらう群(つ自由)と無理やり笑うよ
うに見てもらう群(つ強制)の 4 群にランダムに振り分け,
実験を行った。なお,面白いビデオを見てもらう群には「M-1
グランプリ 2001-2010」の中の 2003 年フットボールアワーの
予選ネタと決勝ネタの 10 分程度の映像を見せ,つまらない
ビデオを見てもらう群には「ホワイトプラネット」のトナカ
イの大移動とホッキョクグマについての 10 分程度の映像を
見せた。実験手続きは,被験者を 1 人ずつ部屋へ呼び,映像
の前後×ビデオの交互作用が有意であった。多重比較の結果,
面白いビデオを見た群は T-A,D,A-H の値が前よりも後で
有意に低下していたが,つまらないビデオを見た群は有意で
はなかった。すなわち,面白いビデオを見る方がつまらない
ビデオを見るよりも緊張や不安,抑うつや落ち込みといった
気持ちが少なくなっていた。F についてはつまらないビデオ
を見た群でも前よりも後で有意に下がっていた。すなわち,
面白いかつまらないかにかかわらず,ビデオを見るというこ
とで疲労は減少した。なお,面白いビデオを見た群は前より
も後で V の値が有意に上がっていたが,つまらないビデオを
見た群は前後の差は有意ではなかった。
前後×見方の交互作用は,V の得点のみ 5%水準で有意であ
った。自由に見てもらった方が見方を強制した場合よりも活
気が高かった。すなわち,無理やり笑うようにしても活気は
上昇せず,気分はポジティブに変化しないということがわか
る。前後×ビデオ×見方の交互作用については,どの尺度も有
意でなかった。面白いビデオかつまらないビデオかで強制的
に見せる場合と自由に見せる場合でビデオ視聴前後の変化
に異なる影響を及ぼすことはないと考えられる。
したがって,本実験では,面白いビデオを見て笑うことに
より気分がポジティブに変化したが,つまらないビデオを見
ることでは気分にポジティブな変化は起きなかった。また,
つまらないビデオを見る際に無理やり笑わせても気分はポ
ジティブに変化せず,面白いビデオをなるべく笑わないよう
に見ても気分はポジティブに変化した。すなわち,笑うとい
う行為は気分の変化に影響を及ぼすが,笑うことを強制して
も気分の変化に影響は及ぼさないということがわかった。こ
れらのことから仮説は支持されなかったといえる。
20
を見る前に気分を測定するため POMS の記入を求めた。その
後実験者は部屋を出て,被験者にビデオを 1 人で見てもらっ
お自由
つ自由
15
た。ビデオを見終わったところで合図をしてもらい,実験者
は部屋へ入室し,再度被験者に POMS への記入を求めた。
結果および考察
図 1 に各群における気分の値の変化を示した。尺度ごとに
平 10
均
値 5
前後(2)×ビデオ(2)×見方(2)の 3 要因分散分析を行った結果,
V(活気)以外の 5 つの尺度の前後の主効果は 1%水準で有意
0
であった。すなわち,全体としてはビデオを見る前よりも見
た後の方が T-A(緊張・不安),D(抑うつ・落ち込み),A-H
(怒り・敵意),F(疲労),C(混乱)の値が下がっており、
ネガティブな気分が減少した。また,T-A,D,V,A-H,F
図 1 各群における気分の値の変化
お強制
つ強制
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