今月の専門科診療

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今月の専門科診療
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
パル動物病院
診察を行います。ご希望の方
NEWS
2007 年 3 月号
よりよい関係を目指して
私たちは最先端の診療技術を生かし、
地域に密着した動物病院を目標にして
おります。
進症)は一般に中年齢以上の犬にみら
ります。この病気は、犬ではすべての
れる病気であり、体内のホルモン量(副
犬種にみられますが猫では稀です。病
腎皮質ホルモン)の異常により体に様々
気の発症年齢は中年から高齢、平均し
は事前にご予約下さい。
歯 科
3月 14日(水)
歯学博士
奥田 綾子 先生
大量のおしっこをする、お腹が出てき
症状は、飲水量と尿量の増加、左右
たなど色々な症状を出します。今回は
対称性の脱毛、腹部の膨満、皮膚が薄
エキゾチックペット
このクッシング症候群についてお話し
くなり乾燥して黒くなるなどがみられ
3月 29日(木)
ます。
ます。急性の場合は、呼吸が荒くなる
エキゾチック・ペットクリニック院長
霍野 晋吉 先生
体内の電解質の調節や糖質、たんぱく
診断は外貌と症状、血液検査に加え
質、脂質の代謝を調節するためにいく
て、副腎皮質ホルモンの量を測定しま
つかのホルモンを分泌しています。こ
す。
のホルモンのうち、糖質コルチコイド
治療はホルモンの合成を抑える薬
が過剰に分泌される病気をクッシング
や、副腎の組織を小さくする薬など内
症候群といいます。糖質コルチコイド
科治療が主体になります。薬を使う際
画像診断科
午前 9:00 ~ 12:00
は別名をステロイドといい、これは医
に注意することは、副腎の機能が低下
今月は休診です
午後 2:00 ~
薬品で使用するステロイドと同様のも
しすぎて食欲不振、嘔吐、下痢を示す
裾野センター病院
午前 9:00 ~ 12:00
午後 2:00 ~
9:00
午前 9:00 ~ 12:00
午後 2:00 ~
7:00
沼津病院
平日
テロイド薬の過剰投与によるものもあ
副腎は腎臓の近くに左右一対存在し、 こともあります。
〈診療時間〉
日・祝
クッシング症候群(副腎皮質機能亢
な症状が出る疾患です。水を良く飲む、 て八歳といわれています。
~人と動物の絆~
月~土
今月は下記の日程で専門科の
7:00
腫瘍科
3月 6日(火)
麻布大学獣医学部附属動物病院
川村 裕子 先生
木曜日
休診
のです。
ことがあるので、投薬中も動物の状態
眼 科
日・祝
午前 9:00 ~ 12:00
クッシング症候群の原因はいくつか
を厳重に観察しなければなりません。
3月 ありますが、最も多いのが下垂体性と
また、定期的に血液中のホルモン濃度
7日(水)
、
10日(土)
、17日(土)
、
いわれ、副腎皮質を出すように命令す
を測定しモニタリングする必要があり
21日(水)
、24日(土)
、
るホルモンが脳の下垂体から多く出て
ます。この病気の原因が腫瘍である場
28日(水)
、31日(土)
しまうことです。この他に、副腎の腫
合は、外科手術となることもあります。
獣医学博士
裾野センター病院
TEL: 055-993-3135
沼津病院
TEL: 055-922-6255
瘍や過形成によるもの、治療によるス
小野 啓 先生
猫の感染症
水により死亡することもあります。特に子猫が感染すると、激しい症状
が出ます。回復しても、数ヶ月は糞便や尿中にウイルスを排出します。
輸液をし、二次感染を予防するために抗生物質の投与をします。予防法
猫も犬と同様に様々な感染症があります。風邪のような症状を示す
もの、腸炎、肺炎、血液の腫瘍など感染する病原体によっていろいろ
はワクチン接種です。
[ 猫クラミジア感染症 ]
です。これらは病気そのものを少しでも知ることで予防することがで
クラミドフィラ・フェリスによる感染症です。菌は猫同士の接触、空
きます。今回は主な猫の感染症についてお話します。
気伝播により感染し、眼や鼻から進入します。症状は、持続性の結膜炎、
[ 猫カリシウイルス感染症 ]
鼻汁、くしゃみ、咳が一般的にみられます。重篤になると肺炎も起こり
くしゃみなどによる直接的な飛沫感染、猫同士によるグルーミング
ます。治療は抗生物質の投与です。予防はワクチン接種です。
などによる接触感染、人を介して間接的に感染することもあります。
[ 猫白血病ウイルス感染症 ]
初期の症状として、くしゃみや結膜炎、発熱、元気消沈、食欲不振な
一般に若い猫に発症することが多い感染症です。猫同士が同じ食器を
どがみられます。症状が進むと舌や口の周辺に潰瘍ができます。また、
使って食事をしたり、グルーミングやじゃれあいなど、密接な接触でも
肺炎になり子猫や衰弱している猫は死に至ることもあります。治療法
感染します。この病気は感染しても全ての猫が発症するわけではありま
はインターフェロン(免疫力を高める薬)、二次感染を防ぐため抗生
せん。発症すると、
はじめは健康そうに見えますが、
次第に元気がなくなっ
物質の投与を行います。予防はワクチン接種です。
ていき、免疫力が低下するのであらゆる感染症に抵抗できなくなります。
[ 猫ウイルス性鼻気管炎 ]
また、白血病や腫瘍など致命的な病気を伴うこともあります。症状に応
ヘルペスウイルスによる感染症で感染経路は猫カリシウイルス感染
じた治療をしていきます。予防はワクチン接種です。
症と同じです。症状も似ています。初期の症状として、くしゃみや結
[ 猫免疫不全ウイルス感染症 ]
膜炎、鼻汁、発熱、元気消沈、食欲不振などがみられます。症状が悪
この病気は猫エイズとも呼ばれます。一般的に年齢とともに増加し、
化すると、鼻汁が固まり、鼻孔を閉塞し、口を開けて呼吸するように
三歳以上で外出可能な雄猫に多くみられます。けんかや交尾、母子感染
なります。また、肺炎を併発することがあり、死に至ることもあります。
により感染します。感染してもすぐに免疫不全になるわけではありませ
治療法はインターフェロン、二次感染を防ぐため抗生物質の投与を行
ん。初めは健康に見えますが、次第に元気がなくなっていき、あらゆる
います。予防はワクチン接種です。
感染症に抵抗できない状態になります。症状に応じた治療を行います。
[ 猫汎白血球減少症 ]
この病気はワクチンなどによる予防はありません。避妊・去勢手術を行い、
パルボウイルスによる感染症で伝染力と死亡率の高い強い恐ろしい
外出するのをやめさせるのが一番の予防法になります。 病気です。糞便中に排出されたウイルスに直接あるいは間接的に接触
感染症を予防する為にはワクチン接種が有効です。予防できる病気は
することで経口感染します。症状は白血球の減少、発熱、元気消失、
予防するようにしましょう。
食欲不振、嘔吐、下痢などが主な症状で、細菌の二次感染や極度の脱
パルニュース 2007 年 3 月号