Monthly Report

Monthly Report
全体の相談状況から
9 月号
2016 年 9 月 30 日発行
9 月の相談傾向
< 麻 疹 ( はしか)
はしか ) の流 行 >
日本は、2015 年 3 月に日本由来の麻疹の「排除状態」と WHO から認定されましたが、外国から持ち込ま
れた麻疹ウイルスによって、依然として麻疹は発生しています。この夏、コンサート会場や空港で麻疹に感染
した患者の存在が確認され感染が拡大しました。麻疹は感染力が強く、感染すると重症化することもあり、小
児から成人まで予防接種について多くの相談が入りました。
「現在妊娠中だが、40 代の夫も麻疹の予防接種を受けたほうがよいか。」
(20 代 女性)
「子どもの頃に麻疹の予防接種を受けているが、感染が心配だ。予防接種できる病院が知りたい。」
(30 代 男性)
「8 ヵ月の娘。麻疹の定期接種は 1 歳だが、早目に受けることは可能か。」
(30 代 女性)
「住んでいる地域で麻疹が流行しているので抗体検査を受けた結果、医師から予防接種を勧められて
いる。何回接種が必要か。」
(40 代 女性)
「近くの空港で麻疹の集団感染の報道があった。4 ヵ月の孫は予防接種の月齢前なので感染が心配。
外出で気をつけることは何か。」
(50 代 女性)
ファミリー健康相談ではヘルスアドバイザーと顧問ドクターが、麻疹の症状や治療法、予防接種などにつ
いてアドバイスしています。
<気 象 病 >
気象病とは、気象の変化が体調に影響を与えて起こる病気の総称です。はっきりとした原因はわかってい
ませんが、外部環境の急激な変化によって自律神経のバランスが崩れることで発症するといわれています。
梅雨時や台風シーズンなど、気圧・気温が大きく変化する時期は体調の不安を訴える相談が入ります。
「台風の中、終日外で過ごした後、体調が悪くなった。何科を受診したらよいか。」
(30 代 女性)
「台風が近づいてきてから頭痛がするが、いつもの鎮痛剤が効かない。薬を変えたら効くだろうか。」
(40 代 女性)
「雨続きのせいだと思うが、1年半前に捻挫した足首がまた痛み始めた。受診して詳しい検査を受けた
ほうがよいか。」
(40 代 女性)
「台風が近づくと、だるさと眠気が酷い。主治医は天気には関係ないというが辛い。」
(40 代 女性)
「頭痛持ちだが、最近雨続きで毎日頭が重くすっきりせず辛い。対処方法はあるか。」
(50 代 女性)
気象病の症状を改善するためには、規則正しい生活送ること、適度な運動やストレッチが有効です。体を
動かして体内の血液循環を良くすることで、気象の変化によって乱れた自律神経を整えることができます。不
規則な生活、特に睡眠不足は気象病を招く大きな原因となります。ファミリー健康相談では、辛い症状やお
気持ち、体調の不安をお聴きし、対処方法や受診の目安をアドバイスしています。
ファミリー健康相談は、24 時間、年中無休です。いつでもご利用ください。
1
今月の HOT VOICE
◆麻疹(
麻疹(はしか)
はしか)が心配
◆鼻血の受診の目安を教えて
6 歳 の娘 が昨 日 から 38 度 の熱 。本 日 、少 し
熱 が下 がったが鼻 水 が出 てきて顔 に赤 い発 疹
も出 てきた。麻 疹 の予 防 接 種 を 2 回 受 けてい
るが、麻 疹 の可 能 性 はあるか。受 診 したほうが
よいか。
(40 代 女 性 )
7 歳 の息 子 が昨 夜 2 回 鼻 血 が出 た。いずれ
も 15 分 ほどで止 まったが、いつもよりたくさんの
出 血 があったので白 血 病 など内 科 的 な病 気 が
心 配 。受 診 したほうがよいのか。(30 代 女 性 )
(麻 疹 の初 期 症 状 は、熱 や咳 など風 邪 の様 な
症 状 が出 た後 、一 度 熱 が下 がり顔 や首 から赤
い発 疹 が出 てくる。予 防 接 種 を 2 回 受 けている
ので麻 疹 の可 能 性 は低 いと思 われるが、症 状
が似 ているので、念 のため小 児 科 に麻 疹 の心
配 がある旨 を電 話 連 絡 してから受 診 検 討 を。)
◆予防接種の副反応か。受診の目安を教え
て
4 ヵ月 の娘 が昨 日 、4 種 混 合 ワクチン、肺 炎
球 菌 、ヒブ の予 防 接 種 を 受 けた 。元 気 で母 乳
もよく飲 んでいるが、38 度 の熱 がある。副 反 応
か。
(30 代 女 性 )
(予 防 接 種 の副 反 応 の可 能 性 と別 の可 能 性 も
考 え られ る 。元 気 で母 乳 も 飲 めている よ う であ
れば様 子 を見 てよいが、熱 が 38 度 を超 えてく
る、熱 が上 昇 しなくても元 気 がなくなる、不 機
嫌 、母 乳 を飲 まなくなる、などの場 合 には受 診
が必 要 になる。)
◆骨粗しょう症の薬について
骨 密 度 が基 準 値 より わずか に低 く 、骨 吸 収
抑 制 剤 を処 方 されたが、薬 の副 作 用 が心 配 。
どのような薬 なのか。注 意 点 を教 えて欲 しい。
(60 代 女 性 )
(骨 吸 収 抑 制 剤 は女 性 ホルモンと同 様 の作 用
があり、骨 のカルシウム分 が血 液 に溶 け出 すの
を防 ぎ、骨 の密 度 を増 加 させる作 用 のある薬 。
主 な副 作 用 は乳 房 の張 り、ほてり、吐 き気 など
だが、注 意 が必 要 な副 作 用 は血 栓 症 。手 足
やふくらはぎの痛 みやしびれ、胸 の痛 み、急 に
視 力 が 落 ち る と いっ た 症 状 が 前 触 れ の た め 、
症 状 が あ らわれ た ら、 すぐ 医 師 に 連 絡 す る こと
が大 切 。)
(出 血 が 2 回 とも 15 分 程 度 で止 まっているよう
であ れ ば 、 心 配 し ている 白 血 病 など 内 科 的 な
病 気 の 可 能 性 は低 いと 思 われ る 。鼻 粘 膜 の ト
ラブルによる鼻 血 と思 われるので様 子 を見 よ
う。今 後 も鼻 血 が繰 り返 し出 るようなら、一 度 耳
鼻 咽 喉 科 で鼻 粘 膜 の状 態 を診 てもらってはど
うか。)
◆ めまいと吐き気
30 分 前 からから頭 を動 かすと目 の回 るめま
いと 吐 き 気 が あ り ベ ッ ド か ら 動 け ない 。 じっ と し
ていれば平 気 なので様 子 を見 てよいか。すぐ
受 診 は必 要 か。
(50 代 女 性 )
(様 子 を見 てめまいが続 いたり、悪 化 するような
ら耳 鼻 咽 喉 科 に受 診 したほ うがよい。めまいと
吐 き気 に加 えて激 しい頭 痛 がするような場 合
は、脳 神 経 外 科 に受 診 を。)
◆中性脂肪が高い場合の食事
健 診 で中 性 脂 肪 が 337 と高 かった。過 去 の
健 診 でも 380 あり、その時 は運 動 と食 事 で 150
位 に 低 下 していた 。今 回 の 健 診 の 結 果 では 、
また上 昇 していた。職 場 の異 動 があり、ストレス
を感 じることはあるが、食 事 習 慣 も運 動 習 慣 も
変 わっ ていない。何 が原 因 か。食 事 の注 意 点
を教 えてほしい。
(40 代 男 性 )
(勤 務 時 間 の変 化 に伴 い夕 食 時 間 が遅 くなっ
たとのこと。遅 い時 間 の夕 食 は、中 性 脂 肪 上
昇 の一 因 と考 えられる。また、揚 げ物 の頻 度 や
ご飯 の量 が増 えている様 子 なので、これらも中
性 脂 肪 に影 響 する。揚 げ物 の頻 度 を減 らす、
ご飯 のお代 わりをしないなどを試 してみよう。職
場 の異 動 に伴 う ストレスが 大 きい変 化 と感 じて
いること関 しては、主 治 医 に相 談 を。)
2
―― W e b 相
談 ――
◆ X線検査で問題ないが、再度受診すべきか
迷う
数 ヵ月 前 から腰 回 りの筋 肉 が固 まった感 じ
になっており、体 を後 ろに反 らすことができな
い。前 に 倒 す 場 合 に は 何 の 違 和 感 も ない 。ま
た、お尻 と右 側 の太 腿 の外 側 にもしびれのよう
な感 覚 がある。日 常 生 活 にも支 障 があるため
整 形 外 科 を受 診 してX 線 を 撮 った 。骨 棘 が見
られるが 神 経 を圧 迫 しているようには見 え ない
と言 われ、病 名 などの説 明 はなかった。考 えら
れ る 病 名 は何 か 知 りた い。再 度 受 診 する か 迷
っている。
(50 代 女 性 )
( 現 在 、 腰 の 症 状 に 加 え 、臀 部 か ら 足 の 痺 れ
が生 じていることから、腰 部 脊 柱 管 狭 窄 症 、腰
椎 椎 間 板 ヘルニアなどの病 気 も考 慮 して画 像
検 査 (MRI 検 査 )の検 討 も必 要 と思 われる。再
度 、受 診 して整 形 外 科 の 医 師 に 相 談 し、MRI
検 査 の 必 要 が あ れ ば 、検 査 実 施 可 能 な 医 療
機 関 を紹 介 してもらおう。)
◆生理が鮮血だが、様子見でよいか
生 理 がなく妊 娠 したかなと思 っていたが、予
定 日 の 1 週 間 後 くらいから量 が多 い出 血 が始
まった。ただの生 理 不 順 かと思 っていたが、出
血 が 鮮 や か な赤 色 だ っ た た め不 安 に なっ た 。
最 近 仕 事 内 容 が 変 わっ て多 少 ストレス が増 え
ていることはあるが、これまでは生 理 不 順 もほと
んどなかった。このまましば らく様 子 を見 るとい
う判 断 でも問 題 ないか。
(30 代 女 性 )
(経 血 の色 は、通 常 の血 液 よりも若 干 濃 いめ、
か た まりは ないが 少 し粘 り 気 が あ る の が 普 通 。
水 っ ぽい ピ ン ク 、鮮 や か な 赤 、 茶 色 、黒 など 、
色 に違 いがあるのは、経 血 の古 さによる。経 血
の 色 だ けでは 、そ れ ほ ど 心 配 す る こ とは ない。
明 らかな月 経 不 順 や月 経 異 常 、不 正 出 血 、
普 通 ではない子 宮 や膣 の痛 み、出 血 が大 量
であったり、レバー状 の黒 いかたまりが多 くみら
れたりすることがあれば注 意 が必 要 。子 宮 筋
腫 や子 宮 内 膜 症 といった病 気 が隠 れているこ
ともあるので、婦 人 科 受 診 を勧 める。)
―― お
礼 ――
◆気にしないと思えるようになった
1 ヵ月 前 か ら頻 尿 などがあ り体 調 不 良 で受
診 したが、検 査 で問 題 ないと言 われた。しか
し、症 状 が続 くため不 安 で気 持 ちもふさぎがち
になり 、何 も やる気 が 起 きなかった。健 康 相 談
に電 話 したら相 談 員 が話 を よく聞 いてくれ、や
っと私 の 不 安 や辛 さ が わか っても らえた 。気 に
しないと思 えるようになった。ありがとう。
(70 代 女 性 )
( お 役 に 立 て てよ か っ た で す 。 お 辛 いと き は い
つでもご利 用 ください。)
◆ おやつの相談に感謝
3 歳 の娘 がケトン性 低 血 糖 症 で、おやつをど
うしたらよいか悩 んでいた。「甘 いお菓 子 だけ
がおやつではない」「捕 食 としておにぎりやパン
もよい」との言 葉 に気 持 ちが楽 になった。ありが
とう。
(30 代 女 性 )
(一 緒 に考 えましょう 。またいつ でもご相 談 くだ
さい。)
―― 海 外 からの相 談 ――
◆便の色がおかしい。すぐ受診か
8 歳 の息 子 が昨 日 から下 痢 気 味 で、先 ほど
の便 の色 が黒 っ ぽいところもあった。腹 痛 はな
いが、今 日 は救 急 病 院 しか受 診 できないため
直 ぐに受 診 すべきか迷 う。
(マレーシア 40 代 女 性 )
(黒 っ ぽい便 は 血 液 や食 べ 物 など によ ることも
あるが、腹 痛 がなければ今 日 は様 子 を見 て、
便 の 状 態 や 色 を 写 真 に 撮 り 、明 日 か か り つ け
の 小 児 科 に 受 診 を しよ う 。 必 要 が あ れ ば 便 鮮
血 検 査 などをすると思 われる。様 子 を見 ている
間 に、腹 痛 が起 こったり、黒 っぽい便 が再 度 あ
ったりする場 合 には直 ぐに受 診 を。)
3
ド ク タ ー か ら の ア ド バ イ ス
<呼 吸 器 科 >
<心 療 内 科 >
■トイレのために夜 間 覚 醒 する
■数 年 前 から咳 が続 く
60 歳 の 父 です が 、 数 年 前 か ら咳 が 続 い
半 年 前 くらいから、トイレのために夜 中 の
ています。1日 に何 回 も乾 いた咳 をしていま
2 時 頃 に必 ず起 きてしまいます。睡 眠 時 間 は 8
す。痰 は 少 量 のみですが 、胸 の 痛 みも時 々あ
時 間 くらいは取 れていると思 います。泌 尿 器
ります。受 診 した方 がよいでしょうか。受 診 する
科 では前 立 腺 やその他 の泌 尿 器 系 には問 題
とすれば何 科 がよいでしょうか。また、どんな検
ないと 言 われ ました 。お 酒 も 飲 まず、寝 る 前 の
査 を受 けるべきでしょうか。
水 分 を控 えるなどのことに気 をつけていますが
(40代 女 性 )
治 りません。どうしたらよいでしょうか。
胸 の痛 みや空 咳 は、ストレスや疲 労 が原
(70 代 男 性 )
因 で 生 じ る 場 合 も あ り ます 。 一 過 性 の 症 状 で
あれば経 過 観 察 となることもあります。しかし、
中 には肺 炎 などの気 管 支 や肺 の病 気 、アレル
ギー疾 患 、狭 心 症 などの心 臓 の病 気 の場 合 も
あります。健 康 診 断 などで問 題 なければ、心
配 ないことも多 いですが、咳 が数 年 続 いている
とのことなので、呼 吸 器 内 科 を受 診 し、検 査 も
含 め医 師 に相 談 するようにしましょう。
夜 間 1回 以 上 排 尿 のため、起 きなければ
ならない症 状 を夜 間 頻 尿 といいます。原 因 とし
ては膀 胱 容 量 の減 少 、睡 眠 障 害 などが考 えら
れます。夜 間 覚 醒 しても、再 び眠 りにつけ、熟
睡 感 が得 られていればあまり心 配 ありません。
もし、眠 りが浅 く、途 中 覚 醒 後 に入 眠 が困 難
で熟 睡 感 が 得 られ ず 生 活 に 支 障 を 来 た す 状
況 であ れ ば 、 薬 物 療 法 も 必 要 な 場 合 も あ り ま
すので、心 療 内 科 などでご相 談 ください。
〈食 事 で腸 内 環 境 を整 えよう〉
食 欲 の秋 を迎 え、お腹 周 りが気 になる方 も多 いのではないでしょうか。「腸 は第 二 の脳 」というようにお腹
(腸)と心 (脳)は互 いに影 響 し合って働 いています。例 えば「会 議 の前 にお腹 が痛 くなる」「旅 先 で便 秘 にな
る」というように、腸は不 安 や緊 張 、環 境 の変 化 などのストレスに反 応 し動 きを悪くします。ストレスに負 けない
ためには、普 段 から腸 内 環 境 を整 えておくことが大 切 です。腸 の中 には、善 玉 菌 、悪 玉 菌 、どちらでもない
日 和見 菌がいます。理 想の割 合は「善 玉 2 悪 玉 1 日 和 見 7」。日 和見 菌は殆ど一 定 ですが、バランスが崩
れ悪玉 菌が増えると優勢な方の悪 玉 菌と同 じ働きをする性 質があるので、善 玉と悪 玉 菌の割 合を 3 対 1 に
整える事が大 切 です。この割 合は食 事 で変えられます。善 玉 菌を優 位にするには、ヨーグルト、納 豆、みそ、
ぬか漬 けなど発 酵 食 品 を摂 りましょう。さらにエサとなって善 玉 菌 を増 やすのが食 物 繊 維 とオリゴ糖 です。野
菜や果 物 、豆 類に多く、特に玉ねぎやバナナ、蜂 蜜 などに含まれています。一 方、悪 玉 菌は、脂っこい料 理
や野 菜 不 足 などが原 因 で増 えてしまいます。日 常 、よく使 われる「腹 が立 つ」「太 っ腹 」「断 腸 の思 い」など、
お腹と心を使った言 葉があります。昔からお腹は心にも影 響を与えるものと考えられていたようですね。
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