第3回汚水処理施設の効率的な整備・管理に関する有識者研究会 議事要旨

資料1
第3回 汚水処理施設の効率的な整備・管理に関する有識者研究会
議事要旨
(1)下水道供用区域内における合併処理浄化槽の取り扱いについて
○ 前回、下水道区域外については、市町村設置型の合併浄化槽で進めるという広島市の事例について説
明を受けたところである。今回は、下水道の区域内の合併処理浄化槽をどのように位置づけるかを議
論していただきたい。
○ 下水道供用区域内となると、合併処理浄化槽は下水道と同等、維持管理も全て同等でなければ、住民
の公平性の観点も含めて問題がある。合併処理浄化槽の取り扱いに関する基本的な考え方(案)の記
述に関しては特に問題がないと思う。同等の水質が保障できて、且つ市町村財政、地域の事情に即し
た形で、運用出来ればいいのはないか。
○ 下水道区域内の合併処理浄化槽の取り扱いについて、基本的に、問題ないと思う。ただし、視点2に
投資効果の低下の問題が記載されているが、基本的な考え方(案)では触れられていない。投資効果
の観点からは、接続を免除されるのが少数であれば問題ないと思うが、無視出来ないほど、多数にな
った場合どうするか考えておく必要がある。
○ 「継続的に下水道管理者が確認できるものであること」とあるが、どうやって確認していくか、
「水質
検査の頻度」という点について、どの位の頻度でやれば水質を保障できるか、実際の運用に際して議
論しておく必要がある。
○ 接続免除規定は合併処理浄化槽が法定検査を受けていることが前提。検査回数の問題以前に、法定検
査を受けていない浄化槽のあることが大きな問題であると思う。
○ 一般の浄化槽の性能評価については、いろいろな条件の中で75%がクリア出来れば、性能評価上は
認めている。ただし、それは下水道が整備されない地域で、放流水の水質が環境に負荷を与えないよ
うな所での考え方であって、下水道供用区域内では、ちょっと違うと思う。下水道が守っている項目
を、合併浄化槽も守っていることが重要だと思う。そのための検査については、当然、頻度を上げな
ければいけないと思うし、浄化槽管理者に相応の負担をしていかなければならないし、それができな
い場合は下水道に接続すべきだと思う。
○ 10 条ただし書きで合併浄化槽を認める場合の検査頻度は、最低 4 回でいいと思う。
○ 下水道に接続していない住民は、接続免除のルールができても維持管理費が高くなり、接続免除を申
請しないのではないか。
○ 接続へのインセンティブになるのではないか。
○ 下水道が整備される前に合併処理浄化槽を設置している場合には、個人のレベルで、下水道以前から
生活排水の適正処理をやっている。下水道が整備されたら、接続しなさいという話になるが、過去の
経緯も考慮する必要もある。
○ 公平性が担保できないルールはつくるべきではないと思う。なぜ、接続を免除するかというと、下水
処理水と同等の水質が確保されることによって、公平性が担保できるから。コストがかかったとして
も選択肢としてあっていい。しかし、下水道と同等の水質というのは、なし崩し的に浄化槽法上の法
定検査で OK ということでは決してない。合併処理浄化槽は、下水道と基本的に違う考え方でつくら
れている。
○ 住民にとって、下水道の接続に費用がかかるのであれば、多少公費負担をして排水設備を設置し、料
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金等で回収する等、市町村が工夫する必要がある。
○ 下水道事業に一般会計から補填が入る場合、合併処理浄化槽を使っている人も税金で負担しているこ
とになる。負担の公平という観点では、合併処理浄化槽使用者にも財政支援があってもいい。
○ 基本的な考え方の中の、許可の期限については、維持管理が十分でない場合には接続の免除を継続さ
せないということが最低限必要。
○ 合併処理浄化槽を下水道に接続するためには、工事費もそれほど掛からない。また、住民にとって、
合併処理浄化槽を実際に適正に点検、清掃、検査しようとすると手続きが面倒であり、それよりは、
下水道へ接続する方が楽だと思う。下水道への未接続の主な理由として、
「高齢世帯」、
「低所得」とあ
るが、市町村担当者は、もう少し細かい理由の把握や下水道の接続に対する説明が十分ではないので
はないか。
○ 実施に接続免除の対象となるのは、いわゆる環境派ではないか。適切に点検・管理を行い、きれいな
水をその場に放流するという高い意識で、合併処理浄化槽で高いコストを払ってでもやりたいという。
接続するのが面倒とか放っておけばいいというような住民を救うようなシステムであってはいけない
と思う。
○ 浄化槽で適正に処理をできるということが示せるなら、条件をきちんと設定して、それを満たしたと
きは短い期間認めて、それをチェックしていく。数は少ないかもしれないが効率的かもしれない。
○ 未接続理由として、環境派みたいな方が本当にいるのかどうか、若干疑問である。面倒臭いというの
が殆どではないかと思うがそういう理由もあるのではないかと思う。
○ 11条件検査で BOD のデータが公表可能なものが約6万基については、環境省の方が十分なデータ
を公表していないと思うが、実際には、もっと多い数のデータがあると思う。
(2)「汚水処理施設の連携方策について」資料3
○ 住民の方に理解していただかないと、下水道に接続してもらえないという状況になるので、構想の段
階で、住民に説明をし、意見をきくという住民参画の取組を充実させていく必要がある。
○ 汚水処理施設の連携を図っていく上で、住民にとっては、下水道であっても、合併浄化槽であっても、
水洗トイレを使うことは同じなので、住民の負担を同水準にするということは一つのいいやり方であ
る。
○ 広島市方式を広めて欲しい。汚水処理施設を一体的に取組むことによって、柔軟な汚水処理計画がで
きると思う。
○ 汚水処理の体制は市町村の規模によって異なると思うが、住民サービスがよくなるよう、それぞれの
市町村のやり方で一体的な取組みことを行うことが重要。
○ 市町村は、下水道や農業集落排水施設については、正確に情報を掴んでいるが、浄化槽については、
市町村をスルーして都道府県で把握している部分があり、十分な情報を把握できていない。一体的な
取組を進める上では、市町村レベルで、3つの汚水処理施設について、情報を正確に持つことが必要
である。
○ アンケート結果では、市町村が汚水処理を一つの課で行っている時のデメリットとして、
「事務の煩雑
化」とあるが、これは国の所管官庁が別々だから、国も一つにまとまった方がいいと思う。
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(3)研究会骨子(案)について
○ 「2.汚水処理施設の効率的な整備・管理のあり方」に単独浄化槽の問題を追加する必要がある。
○ 「3.②下水道供用区域内の取り扱いについて」に、放流水質の担保、適正な維持管理ついての記載
が必要。
○ 「2.①計画点検・見直し推進」に、合併処理浄化槽の放流先の側溝について、生活環境の観点から
の記載が必要である。
○ 「4.今後の連携強化の方向性」に、市町村が連携するだけではなく、それを促すような国の役割に
ついて、追加すること。
○ 「2.③計画段階からの住民参画・住民対話の充実」では、計画の早い段階から、施設整備された後
の負担や関わり方などについて、全体像を把握して、責任を共有していくことが重要。
○ 「3.①下水道への接続促進の方向性」では、既に施設が整備された段階なので、水質等の問題に関
する明確な情報を伝えて、住民が地域の一員としての役割を理解し、参加していくような視点が必要。
○ 住民の意見を聞くだけではなく、住民自身が自分の役割を考えていくような、もう一歩突っ込んだ住
民参画、コミュニケーションが必要であり、行政の側もそのような住民参画だと理解して対応するこ
とが必要。
○ 行政が、何も住民に説明しないで、下水道計画を縮小し、その地域の汚水処理を住民まかせにするこ
とは避けなければならない。
○ 下水道と浄化槽の住民負担を同水準にすることは、これまで行政が負担していた部分を住民全員が公
平に負担しようという土台づくりにもなるので、行政の経営改善にも繋がる可能性がある。
○ 下水道、浄化槽どちらを利用しても、住民にとっては水洗化、雑排水処理ということでは変わりない。
現状では、法律、行政の枠組み等が別々となっているが、将来的には、同じ負担、同じ手間で、互い
に環境保全に寄与するという、住民にとって望ましい汚水処理行政にしていく仕組みづくりが必要で
ある。先進的に取り組まれている広島市のような事例を、将来の一つの姿として、市町村に紹介する
ことが必要である。
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