【現代文】

【現代文】
■「靴の話」(P.82
92)より、小説の読解問題
<漢字の書き取り>
リョウユウ(僚友)に頼み事をする。山中のトウヒコウ(逃避行)
。トッシュツ(突出)した予算。
ガンキョウ(頑強)な肉体。借りた物をヘンノウ(返納)する。ユウグン(友軍)が到着する。
病人につきっきりでカイホウ(介抱)する。ジャアク(邪悪)な喜びを感じる。
インサン(陰惨)な光景に目を背ける。あたりにドセイ(怒声)が響く。
相手にアイガン(哀願)する。チョウト(長途)の旅に出る。ツウゾク(通俗)的な小説。
甘いカンショウ(感傷)にふける。ホウガイ(法外)な要求を突きつける。
※「□願」の形をした語句:祈願 懇願 念願 悲願 志願 誓願 嘆願 満願 etc.
※「□念」の形をした語句:観念 概念 通年 理念 懸念 雑念 断念 無念 残念 記念 執念 信念 etc.
<漢字の読み取り>
挿話(そうわ)を語る。何かの因縁(いんねん)を感じる。問題点が暴露(ばくろ)される。
皆から重宝(ちょうほう)がられる人物。冷酷(れいこく)な態度で接する。
相手を嘲笑(ちょうしょう)する。内容に欠陥(けっかん)がある。
潤(うるお)す 木陰(こかげ)
差し支(つか)える
折(おり)から
邪悪(じゃあく)な
懐(なつ)かしい
<語句の意味>
・遺贈:遺言により遺品(遺産)を他に与えること。
・彷徨:あてもなく歩き回ること。
・固定観念:一度思い込んでしまって変えようとしない考え。
・職掌がら:その職務の性質上。
・老練:経験から、そのことに熟達していること。
・執拗:しつこく守り通そうとすること。
・うそぶいて:知らん顔をして。
・観念:(人が頭の中に勝手にイメージした)考え
・通念:世間に広く行き渡っている考え。
・概念:そのものの大まかなイメージ。
・理念:理想とする考えやイメージ。
・尤も:ただし。そうは言っても。
(⇔実在)
執拗(しつよう)に
<箇所の解釈>
・
「レマルクは…その兵士の行為を正当化している。
」とあるが、レマルクがどのように「正当化」した
のかをまとめた次の文の空欄に当てはまる人名・役職名を、本文中から抜き出しなさい。
ミュツレルは信義のためなら自分の欲望を断念し、苦痛をも嫌がらない男ではあるが、ケンムリ
ッヒが片足を失い、遠からぬ将来死ぬであろうと予測される事実の下では、僚友(ケンムリッヒ)
の長靴が看護卒に横取りされるくらいなら、ミュツレルがその長靴をもらう方が、より好ましい
ことであるはずだ。
・
「比島の敗兵たる私は、…深刻な『事実』を持っていた」とあるが、「私」はミュツレルに比べてどの
ような点で「深刻」だったのか、それを説明した次の文の空欄に、当てはまる語句を入れなさい。
ミュツレルが上等の長靴が欲しかったのに対して、
「私」は上等か否かというよりも、進軍に耐え
うる靴(丈夫な靴)が必要だったという点。
・
「私の心理」とはどのようなものか、具体的に説明しなさい。
松本の予備の靴は官給品であるので、彼が死ねば中隊の被服隊へ返納されるだろう。それでも私
はその靴を手に入れたい、という心理。
・
「夢のように置かれてあった。
」とあるが、ここでの松本の靴に対する「私」の気持ちはどのようなも
のであったと考えられるか、簡潔に説明しなさい。
あこがれの松本の靴が目の前に置かれていることが信じられなくて驚いている。
・
「懐かしいから置いていたいやつもあれば、…思ってるかわからんさ。
」とあるが、そのような言葉を
述べた「私」の心理はどのようなものか、それを説明した次の文の空欄に、当てはまる語句を入れなさ
い。
「私」も戦友は「懐かしい」。しかし、
「私」とこの靴に関する関係を考えると、その「懐かしい」
という思いは、病死した友人の新しい靴を不正に近いような手段で手に入れたという、自分の邪
悪な行為を不可避的に思い起こさせる。今、そのときの自分と、戦友のことを思い出すと、とて
もこの靴を履くことなどできないのだ。また、そのような地上を歩くための靴という者に対して
様々な思いを抱いてきた自分に対して、水平という地上をあまり歩かないような立場の人間が、
分かったようなことなど言ってほしくないのだという気持ち。
<あらすじ、内容について>
・要約
[第一段落]
片足を失う運命にある兵士に長靴の遺贈を求める「ケンムリッヒの長靴」という挿話を私に思
い出させたのは、松本という僚友だったが、半年後、私は死んだ彼の靴を履くことになった。
比島の敗兵たる私は、挿話の人物よりも靴に関して深刻な「事実」を持っていた。
[第二段落]
機敏で頑強だった松本がマラリアに倒れた。ある日、偶然松本の面倒を見ることになった私は、
彼の枕元に彼がかつて手に入れた予備の靴を見た。その晩彼は死んだ。
[第三段落]
翌日、彼の病室へ行くと彼の靴があった。私はそれを手に取り、心臓が高鳴った。通りがかっ
た軍曹から許諾を得た私は、靴を抱えて分隊へと駆け戻った。私の心は一種邪悪な喜びにあふ
れた。
[第四段落]
私が発熱して寝ていると、松本が所属していた分隊の兵士が靴を取り返しに来たが、老練な下
士官に追い返された。そのときの私の心理の書き方は幾通りもあるが、どれも正確とは感じな
い。靴だけが「事実」であり、根本においてそれ(兵士の心理)を決定していた。数日後、わ
れわれは米軍に襲撃され、松本の靴を履いていた私は俘虜となった。
[第五段落]
俘虜病院でも俘虜収容所でも、日本製の靴を持つ私は皆からうらやまれた。しかし、いつまで
も死んだ僚友を思い出される靴は私の重荷になってきた。後に通訳として役員になった私は、
自分の足に合った靴を所有する機会を得、松本の靴を敷地の隅へ埋めた。数日後、その靴が持
ち去られたことを知った。収容所でも戦場と同じく「わざとらしい感情」そそぎ落とした「事
実」だけが「正しくかつ重要であった」
。
・
「ぼくらはお互いにわざとらしい感情を持っていなかった。ただ事実のみが僕らにとって正しくかつ重
要であった。
」とあるが、それはどのようなことを言っているのか、説明しなさい。
戦地では、
(きれい事に過ぎない)譲る心や思いやりなどよりも日々の厳しい出来事や要求される
行動の方が優先されて、それが正当であり、大事なことであったということ。
・
「収容所でも戦場と同じく…欠乏のあるところ常に『事実』がある。」には、
「私」のどのような認識や
思いが込められているか、それを説明した次の文の空欄に当てはまる語句を、それぞれ後から選びなさ
い(同じ記号を何度用いてもよい)。
戦場や収容所のような「イのあるところ」では、日常生活において意味やエを認められている人
間的なキなどが「わざとらしい」ものとして退けられて、
「ア」だけがむき出しとなり、人間の心
理も行動も「ア」によって根源的に決定されるのであり、それだけが人間の心理や行動を左右す
るものとなる。
「私」は自らの「ア」に従ったオに「邪悪さ」を見、その成果を「ウ」に感じてお
り、このようなオや認識へと自分を導いた戦争というものをカすることはできないのだというこ
と。
ア:事実 イ:欠乏 ウ:重荷
エ:価値
オ:行為
カ:肯定 キ:感情
・この小説で、靴の話を通して作者が述べたかったことを 15 字以上で二点挙げなさい。
1. 日々の厳しい現実や要求される行いを受け入れていくことが優先された従軍生活や収容所の
非情さ。
2. 戦地の従軍生活や収容所での軍靴の貴重さ、物資の乏しさ、衛生の悪さ。
・この小説について
作者(大岡昇平)の戦時中(昭和 19 年ごろ)の戦地(フィリピン島)での体験を描いた短編(私
小説・戦争文芸)。
■「成長するということ」(P.8
12)より、随想の読解問題
<漢字の書き取り>
精神上のネンリン(年輪)を増やす。さまざまなベツリ(別離)を経験する。
フヘン(普遍)化して述べてみる。恋愛をジュンスイ(純粋)に取り出す。
強いショウゲキ(衝撃)を受ける。人間のショウガイ(生涯)は反復である。
同じ動作をク(繰)りかえす。過去をツイオク(追憶)する。キョクタン(極端)な例を出す。
ベンショウホウ(弁証法)的に述べる。過去をゲンゼン(現前)化してとらえる。
<漢字の読み取り>
哀(あわ)れみ 性懲(しょうこ)り
<語句の意味>
・さなか:真っ最中。
・一般論:すべてに通ずる論。世間でのふつうの見方。
・性懲りもなく:懲りずに(反省することなく)同じことを繰り返すさま。
・普遍化する:普遍的な言い方にする。/広く当てはまる言い方に言い換える。
・現前化する:目の前に現れる。/記憶として、今の自分に思い出される。
・生別:生き別れ。
・いさかい:人間関係上での争いやもめごと。
・年輪を増やしていく:年齢や経験を多く経て人が成長を重ねていく。
・反復:キルケゴールによる、人間の生は反復(同じ)ことを繰り返していくことであるという
考え。
・弁証法:ヘーゲルによる、物事の発展を「正」
「反」
「合」の三つの段階で捉えていく見方。
・哀れみ:自他への同情を含んだ「哀れさ」
。
・待ち望む:自分の精神を成長させるものとして、積極的に受け入れる姿勢を持つこと。
・結果:別れに伴う悲しみや辛さのこと。
・過程:悲しい辛い別れを通して、自己の精神が何か(成長)を得ること。
<箇所の解釈>
・恋愛を「弁証法的に」説明した場合、
「正・反・合」の三つの段階はそれぞれどのように説明されてい
るか、本文中から抜き出しなさい。
正:出会い
反:別れ
合:出会いと別れがうまく調和できている現在
・
「未来を追憶する。
」について、次の(1)(2)の問いに答えなさい。
(1) その表現上の効果を説明した次の文の空欄に当てはまる語句を、それぞれ後から選びなさい。
本来、エに対してなされるはずの「イ」という行為を、まだ起こっていない「ウ」に対してな
すものとして表現することによって、オのアを引いてそこに立ち止まらせ、考えさせる効果。
ア:注意 イ:追憶 ウ:未来
エ:過ぎ去ったもの オ:読み手
(2) 「未来を追憶する」とはどういうことか、それを説明した次の文の空欄に当てはまる語句を、そ
れぞれ後から選びなさい。
人間の精神において、アにエであろうことを、イにあったことを美しくオような心持ちでウこ
と。
ア:未来 イ:過去 ウ:待ち望む エ:反復される オ:思い返す
・
「反復ということが人間の精神生活の中にないと、生涯が成り立っていかない。」について、次の(1)
(3)の問いに答えなさい。
(1) 「反復」がないとした場合、人生はどのようなものと捉えられるか、説明しなさい。
一回限りの行為(or 生/出来事/事象)の連続。
(2)「反復」がないとした場合、未来と過去に対する心理はどのようなものとなるか、それを説明して
いる部分をこれより後の本文中から抜き出しなさい。
過去はみんなきれいで、未来は訳はわからない
(3) 「生涯が成り立っていかない」のはなぜか、説明しなさい。
人間の精神は、訳のわからない不確かな未来の不安に耐えきれず、積極的に生きていけないか
ら。
<内容について>
・要約
[話題 1]
自分の精神はどうも別れから成長してきたような気がする。それを普遍化すると、人間という
のは、喜びよりも、悲しみとか寂しさ、哀れみとかによって、精神の年齢が増えていくことが
多いのではないか。
[話題 2]
失うことがわかっているのになぜ求めるのか、ということは難しい。キルケゴールは、人間の
本性は反復であるとした。そこで重要なのは、未来を追憶することである。また、それなしに
は日常生活が成り立っていかないと考えれば、結果より過程が大切となり、積極的に生きるこ
とができてよさそうな気がする。
・本文の内容と合うものを、次の中から一つ選びなさい。
ア:記憶としていつまでも残り、まとまった印象があるのは別れで、人生の思い出を豊かにする
ものとして別れは悪いことではない。
イ:近ごろは猫を家の中で箱に置いてやるとそこで死ぬものも多くなり、猫との別れから得る感
情は昔よりも薄くなった。
ウ:もし恋愛を純粋に取り出すとすれば、そこには必ず悲しみや衝撃や苦しみが存在し、それら
が恋愛の終わりを導くことになる。
エ:キルケゴールは、人間の生涯は反復であり、人間の精神は必ず反復が繰り返されるものだと
考え、弁証法的な考え方を取らなかった。
答え:エ
■漢字・語句の独立問題
<漢字の書き取り>
日本のカンコンソウサイ(冠婚葬祭)。疑念はウンサンムショウ(雲散霧消)した。
ロンコウコウショウ(論功行賞)をきちんと行う。センザイイチグウ(千載一遇)のチャンス。
昔話をカンコツダッタイ(換骨奪胎)したに過ぎなかった作品。
キシカイセイ(起死回生)の満塁ホームラン。ショシカンテツ(初志貫徹)に努める。
ドウコウイキョク(同工異曲)の作品だった。シツジツゴウケン(質実剛健)の校風。
シンシンキエイ(新進気鋭)の評論家。ジュンシンムク(純真無垢)な人。
シンキイッテン(心機一転)して挽回する。ジュクリョダンコウ(熟慮断行)する。
キキイッパツ(危機一髪)の脱出。キョウミシンシン(興味津々)たるテーマ。
サイキカンパツ(才気煥発)な女性。セイテンハクジツ(青天白日)の下に曝される。
ショギョウムジョウ(諸行無常)の響きあり。ゼッタイゼツメイ(絶体絶命)のピンチ。
ダイタンフテキ(大胆不敵)な行為。アブナイ(危ない)世界。カシコイ(賢い)選択。
カガヤカシイ(輝かしい)業績。ハズカシイ(恥ずかしい)事件。ココロヨイ(快い)リズム。
アタタカイ(温かい)心。サビシイ(寂しい)心。イサギヨイ(潔い)断念。
ツツマシヤカナ(慎ましやかな)態度。ケワシイ(険しい)表情。メズラシイ(珍しい)石。
ヤワラカイ(柔らかい)頭。オソロシイ(恐ろしい)世界。オサナイ(幼い)考え。
アワタダシイ(慌ただしい)出発。キタナイ(汚い)手段を取る。ミジカイ(短い)スピーチ。
心にウッタエル(訴える)。瞳をコラス(凝らす)
。ひどい仕打ちにイキドオル(憤る)
。
秘伝をサズケル(授ける)。記憶がヨミガエル(蘇る)
。人をソソノカス(唆す)
。
看板をハズカシメル(辱める)所行。不全にオチイル(陥る)。悪をコラシメル(懲らしめる)
。
お褒めをイタダク(頂く)。精鋭をヒキイル(率いる)
。大金をアズケル(預ける)
。
兵役をマヌカレル(免れる)。平静をヨソオウ(装う)
。自分をナグサメル(慰める)
。
猫とタワムレル(戯れる)。弱者をシイタゲル(虐げる)。後ろをカエリミル(顧みる)
。
<漢字の読み取り>
同意を拒(こば)む。清涼感を醸(かも)す。御用命を承(うけたまわ)る。人を誹(そし)る。
事業に携(たずさ)わる。諄々と諭(さと)す。茶道を嗜(たしな)む。
模型を拵(こしら)える。低予算で賄(まかな)う。人を蔑(さげす)む。人を侮(あなど)る。
相手を宥(なだ)める。食費に充(あ)てる。言葉を弄(もてあそ)ぶ。一芸に秀(ひい)でる。
罪を贖(あがな)う。死者を弔(とむら)う。栄養が偏(かたよ)る。行く手を阻(はば)む。
一日を省(かえり)みる。本を閲(けみ)す。先輩を諫(いさ)める。人を羨(うらや)む。
神事を司(つかさど)る。神前に奉(たてまつ)る。影に怯(おび)える。
単純労働に倦(う)む。法に則(のっと)る。任地に赴(おもむ)く。外聞を憚(はばか)る。
著(いちじる)しい成長。煩(わずら)わしい手続き。その分野には疎(うと)い。
恭(うやうや)しい礼をする。卑(いや)しい心。拙(つたな)い絵。懐(なつ)かしい写真。
危(あや)ういやり方。成績が芳(かんば)しくなかった。麗(うるわ)しい兄弟愛。
清々(すがすが)しい朝。瑞々(みずみず)しい青葉。雄々(おお)しい武者姿。
禍々(まがまが)しい出来事。事態は捗々(はかばか)しくなかった。懇(ねんご)ろな挨拶。
頑(かたく)なに拒む。厳(おごそ)かなミサ曲。緩(ゆる)やかなカーブ。
毛が斑(まだ)らな猫。気も漫(そぞ)ろだった。濃(こま)やかな表情。
雅(みやび)やかな大名行列。
<三字熟語>
不可欠な要素。直球一辺倒の投手。俳人の必携書『歳時記』
。最高潮に達した。
新時代への過渡期。陰日向の無い人。生半可なやり方。親孝行の人。
舞台の大団円。鉄面皮の人。間一髪で脱出する。飛躍の試金石となる。
作家の登竜門となっている文学賞。真面目過ぎる人。氏素姓の知れない人。
その分野の金字塔を築く。日常茶飯事の出来事。夏の風物詩。
破天荒な振る舞い。彼の真骨頂を発揮する。
<慣用句>
せっかくの話に水を差されて、嫌気が差す。はっきり断られたわけではないので、まだ脈がある。
よしみ
話が理に落ちてくる。政界の実力者と 誼 を通じる。
たなごころ
法律を盾に取って立ち退きをしようとしなかった。
掌
を指すがごとく明らかだった。
料金が安い割に、この旅館のサービスには実があった。計画は功を奏した。
学生時代の読書量が物を言った。待っても来ないバスに業を煮やす。
ま
さじ
子どものしつけは親の責任であることは言を俟たない。医者もついに 匙 を投げた。
てら
ひそ
奇を 衒 った衣装。不祥事に眉を 顰 める。蒙古が広大なアジアに覇を唱えていた時代。
鎌をかけると、あっさり自白した。親族に累を及ぼすようなことはやめてくれ。
こも
つぶて
選手の粒が揃っている野球チーム。陰に 籠 った話し方。しばらく梨の 礫 だった。