指導案1 - 台東区生涯学習センター

平成27年度 校内研究授業(第4回)
第5学年
国語科学習指導案
日 時 平成 27 年 5 月 27 日(水)第6校時
台東区立蔵前小学校
第5学年1組 34名
指導者 星野 由紀子
研究主題
読み解いたことをもとに自分の考えをもつ子の育成
~国語科「読むこと」の学習を通して~
1 単元名 新聞記事を書いて、調理実習の様子を家族に伝えよう
言葉と事実について考えよう(教育出版5年)
教材名 「言葉と事実」
2 単元の目標
文章を読み、学級新聞を書くことを通して言葉と事実の関係について考える。
3 目指す児童像 目的に応じて複数の本や文章を比べて読み、自分の考えを提案するとともに深める子
4 単元の評価規準
国語への関心・意欲態度
書く能力
読む能力
言語についての知識・理解・技能
○文章の中での語句と
○ 興味をもって説明文を ○見出しに合致した記 ○事例と解説の関係を
読んだり、感想を書い
おさえ、言葉と事実に
語句との関係に気付
事を書いている。
たりしている。
ついて自分の考えを
いている。
○読み手を意識して記事
明確にしながら読ん
を書こうとしている。
でいる。
5
単元観
① 学習指導要領との関連
本 単 元 は 、小 学 校 学 習 指 導 要 領 5 、6 年「 C 読 む こ と 」( 1 )ウ・カ の 内 容 を 基 に
設定した。
ウ
カ
目的に応じて、文章の内容を的確に押さえて要旨をとらえたり、事実と感
想、意見などとの関係を押さえ、自分の考えを明確にしながら読んだりす
ること。
目的に応じて、複数の本や文章などを選んで読み比べること。
取 り 上 げ ら れ た 言 語 表 現 の 事 例 と そ の 影 響 、影 響 を 与 え た 理 由 を 押 さ え て 読 み 、自
身の言語生活も振り返りながら、事実をとらえる際の言語の働きについて考える。
また、「同じ出来事についての新聞記事を書く」という言語活動を通して、同じ出
来事を知らせた新聞の記事などを比べて読むことで、言葉の使い方やその影響力に
ついて考え、言葉と事実がどのように結びついているのかを実感的に理解すること
を目指す。
5-1
② 本単元の学習の関連と発展
中学年の説明文では、「ヤドカリとイソギンチャク」や「くらしの中の『和』と
『洋』」のような単元で目に見えるものを話題として取り上げ、その生態や用途に
ついて解説していた。高学年となり、この単元は、言葉と事実がどのように結びつ
いているのか、という抽象度の高い話題を取り上げた教材文である。事実と感想、
意見などを区別するとともに、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたり
することを目指す。
6年生では、「森林の働きと健康」のように、説明の仕方に着目して、さまざま
な観点から文章を読めるようにつなげたい。
6 児童観
5年生になり実態調査を見ると、6割強の児童が国語の学習を好き、どちらかというと好きと答え
ている。筆者の主張を読み取る問題では2割の児童しか正解していなかった。
4年生の説明文の学習では、「結果」と「結論」、「事実」と「意見」を区別して読む学習をして
きたが、まだ、要旨を的確に捉える学習には不慣れなところが見られる。5年生の学習では、文章の
構成を理解し、的確に要旨をとらえられるようにしたいと考える。さらに、筆者の主張を正確に読み
取り、それに対する自分の意見をもつことが要求される。筆者の主張を踏まえた上で、発信者として
文章を書かせたい。
7 指導観
本 単 元 で は 、事 実 と 感 想 、意 見 な ど を 区 別 す る と と も に 、発 信 行 為 に は 意 図 が 介 在 し 、
受 信 者 は そ れ を 踏 ま え た 上 で 理 解 す る 必 要 が あ る こ と を 考 え さ せ た い 。そ の た め に 、以
下の手だてを講じる。
(1)的確に要旨を捉える学習活動の工夫
・中学年までの教材に比べ、問いを解明する過程が複雑かつ多面的となっている。何が主要な問いな
のかをおさえるために、事例と解説を読み分けていく学習活動を取り入れ、事実と解説を教科書か
ら抜き取り、短い言葉で表にまとめる。
それらは、筆者の主張を裏づけるための事例であることに気付かせたい。
(2)意図をもって発信する意欲を高める単元計画の工夫
・5年生から始まる家庭科は児童にとって興味のある教科である。調理実習を楽しみにしており、活
動意欲も高い。そこで、家族に実習の様子を伝える新聞記事を書くという単元を設定することで、
最後まで意欲的に取り組めるものと考える。
・実習を通しての事実や、気付いたこと、思ったことを、実習の振り返りの時間を活用してたくさん
記録しておく。国語の授業では、その中から大切だと思う言葉に印をつけたり、記事にするための
順番をつけたりし、それらの情報を取捨選択したりする。清書には実習の様子を写した写真を活用
する。
(3)学び合いを通して発信者を理解して聞く力を育成する
・記事にする題材を学級で一つにするが、同じ出来事でも一人一人の感じ方に違いが出るはずである。
共通の体験である調理実習を思い出して、発信者の見出しから想像した内容を伝えたり、記事を読
んだ感想を伝えたりする学び合いの時間を設定する。この活動を通して、発信者の意図を理解して
聞くことができるようにしたい。
・3人組で学び合いをする。一つの話題について深めたいので、少人数での学び合いが有効であると
考える。ホワイトボードを活用して同じ実習の班のメンバーと見出しを見せ合い、見出しと文章に
ついて感想を伝え合う。言葉と事実の関係性についてより実感的に理解できるものと考える。
5-2
蔵前小モデル 第1ステージ:つかむ 第2ステージ:生かす
8 学習過程(9間扱い)
学習のねらい
○主な学習活動 ・内容
〈第1・2時〉
○
め初 発 の 感 想 を 書 き 学 び 合 お う 。
題名と本文を
・題 名 に つ い て 話 し 合 い 、「 言 葉 」「
E A
読んで感想を
事実」の正確な意味を知る。
書く。
・初発の感想を書いて学び合う。
・学習問題を設定する。
◎指導 □評価
◎調理実習の様子を家族に伝える新聞を
書くことを伝える。
◎「言葉」「事実」の正確な意味を辞書
で確認させる。
◎感想を書く際に①分かったこと②思っ
たこと③分からないこと、という視点
を与える。
関興味をもって説明文を読んだり、感想
を書いたりしている。
〈第3時〉
○
め「 事 実 」 に つ い て ま と め よ う 。
A
E A
具体例と筆者の解 ・筆 者 が 具 体 例 と し て 示 す「 事 実 」に
説に気を付けて読
む。
◎具体例が何段落に書かれているかを確
認する。
読具体例と筆者の解説に気を付けながら
ついてまとめる。
・3つの事実について確認する。
読み、「事実」とはどのようなことか
自分の言葉でまとめている。
〈第4.5.6 時〉
○
め言 葉 と 事 実 に つ い て 気 を 配 る こ と
A
教材文の内容を読
E A
◎何段落が話の内容で、何段落が筆者の
解説なのかに気付かせる。
を表にまとめよう。
・ 「 事 実 」 「 解 説 」 「 気 を 配 る こ と 」 ◎毎時間、書いたものをグループで見せ
み取る。
に分け、表にまとめる。
・筆者の主張を読み取る。
・実 習 の 振 り 返 り を 事 実 と 感 想 に 分 け
合い、学び合いをしながら進める。
読言葉と事実について自分の考えを明確
にしながら読んでいる。
たり、解説を加えたりする。
・共通教材に見出しをつける。
〈第7時 〉
どのような題
○
め記 事 に す る た め の 準 備 を し よ う 。
◎記事にしたい部分に線を引いたり、様
・調 理 実 習 の 振 り 返 り か ら 、記 事 に し
子を詳しく思い出したりする。
書筆者の主張を意識しながら記事にする
内容を決めている。
A
E A
材で記事を書
たいことを考える。
くか決める。
・見出しを考える。
〈 第 8 時 〉本 時 ○
め 見 出 し も と に 記 事 を 書 き 、見 出 し や ◎書き進めることのできない児童には書
A
E A
見出しに合っ
記事から受ける印象のちがいを学び
た記事を書き、
合おう。
き出しや文末を例示する。
◎3人組で読み合う。
書見出しに合致した文章を書いている。
言葉と事実に
・見出しにあった、記事を書く。
ついて自分の
・見 出 し を 伝 え て 、内 容 を 想 像 し て も 読言葉と事実について自分の考えを明確
考えを明確に
ら っ て か ら 、見 出 し と 記 事 を 比 べ る
しながら読む。
学び合いをする。
〈第9時〉
家族に向けた
○
め家 族 に 伝 え る 記 事 を 書 こ う 。
A
E A
にしながら読んでいる
◎事例と意見を意識して書かせる。
・写真などを活用して、清書をする。
新聞記事を書
関読み手を意識して書こうとしている。
く。
5-3
9 本時の学習活動 ( 8/9 時)
(1)目標 見 出 し に 合 っ た 記 事 を 書 き 、 言 葉 と 事 実 に つ い て 自 分 の 考 え を 明 確 に し な が ら
読む。
(2)展開
○主な学習活動
・予想される児童の反応
◎指導
□評価 ☆研究主題に迫るための手だて
◎学習計画表で確認できるようにする。
○本時のめあてを確かめる。
○
め 見出しをもとに記事を書き、見出しや記事から受ける印象のちがいを学び合おう。
○見出しに合った記事を書く。
◎事実をどのようにとらえ、どのように表すかということ
・一番伝えたいことを書く。
を意識させる。
・事実と解説、意見を意識する。
◎書けない児童には写真を基に文章を焦点化させる。
○3人組で学び合う。
◎早く書けた児童はオープンスペースでほかの班の友達
※順番に、発信者となる。
と文章のみ読み合い、推敲させる。
・自分の見出しを友達に見せる。
・友達に記事の内容を想像して伝えてもら
◎書き手が(話し手が)事実をどのような言葉で表してい
るか、その人がどのようなものの見方をし、どのような
目的で何を伝えようとしているかを意識させる。
う。
・記事を読み上げる。
・見出しと記事を比べて意見をもらう。
・見出しに合うように、記事を推敲する。
◎学び合いをする中で見出しを変えたり言葉を付
け足したりするときは、ホワイトボードに青で
書く。
☆同じ実習の班の3人組で見出しと文章について感想を
伝え合うことで、言葉と事実の関係性についてより実感
的に理解できるようにする。
○3人組の中で印象的だった記事の発表を
◎学級全体で学び合えるようにする。
する。
◎自分の振り返りは学習計画表に書き、友達の振り返りは
○本時を振り返る。
ノートに書かせる。
読言葉と事実について自分の考えを明確にしながら読ん
でいる。
書 見出しに合致した記事を書いている。
5-4