お品書き原文 - 悟空ワールド ~日々是好日

2003年
2003年 おせち
おせち ”中華風”
”中華風”
新年明けましておめでとうございます。
お節友の会も10年終わり新しい時代に入りました。コーディネーターも向井さんを
第4代にお迎えして「究極のお節」をテーマに過去のレシピを見直しながら進めまし
た。毎年の投票結果を元に、人気のメニューを定番として取り入れました。ずっと作
り続けていきたいメニューをしっかり決めていきましょうね。
さてこのお品書きですが、今年ほど手こずった年はありませんでした。まあなんと
かなるわぃと思っていたら 今日は12月29日・・・あわてて試作とお品書きを夫
婦で分担して作っています。例によって共同購入の材料が味そうから届き、電話で皆
さんに案内して取りに来ていただきました。玄関を埋め尽くしていた材料も次々引き
取られていき、よおぉぉぉしという感じです。ここまで来るとあとは31日のお重詰
めまで一気にいくのです。
ここまで手こずった原因はこれです。
信州蓼科高原からやって来たラ
ブラドール4歳推です。名前は「み
かん」、前飼っていた犬が「ももこ」
なので、知ってる方は次は「りん
ご」かなどどおしゃいますが。果
物シリーズだねという人もいまし
たねぇ。ちょっと訳ありの犬で、
詳しくは「みかんの部屋」を立ち
上げますから、そちらをご覧下さ
い。ともかく、12月21.22
日に片道600km 10時間の
ドライブの末やって来た犬です。
この話があったときに一番喜んだのは、写真左の隆介です。「ぼくに弟ができるかぁ」
と大はしゃぎでした。4番目としてそれなりにせつない思いをしてきたことでしょう。
それだけに彼の思い入れも大きいです。自分より10kgも重たい犬に引きずられな
がらの散歩です。食事もお代わりをどんどんするようになり「はやくみかんよりおお
きくなりたい!!」が隆介の目標のようです。
さて、今年の表彰式では丸井さんに大活躍していただきました。素敵な賞品と賞
状!!もうしっかりはまり役です。ありがとうございます。毎年素敵な表彰式を通し
てますます仲好しになれることを願っています。お節友の会の一番の目標は 、「豊か
な人間関係作り」です。ですから、11月中旬からせっせとお誘いの電話をして仲間
を誘います。はじめの頃は断られるとがっくりきていましたが、今はへっちゃらです。
ダメでもともと・・・一人でも新しい友人が出来たら嬉しい悟空です。この人間関係
がこれからの人生では、お金に優る大きな財産です。
恒例の記念撮影の下に文字を入れて
いますが、これも即席で作っていました。
この右手についた技も人間関係のおかげ
です。講師のころ努めていた学校の保護
者の紹介ではじめた習字で、10年続け
ました。ちょいちょいと筆でそれなりの
字が書けます。でも今年の写真への文字
入れはパソコンを使います。デジカメで
画素数を上げて撮影して、文字を入れて
カメラのキタムラ直行です。120円ほ
どで素敵な記念写真ができます。皆さん
もどうぞご利用下さい 。(キタムラから袖の下をいただいているわけではないのです
が・・・)
ではお料理の解説に入ります。
□海老のうに焼き
田中(京都)さん
海老は長寿のシンボルとして、お祝い事には欠かせません。髭が伸びるほど、腰が曲
がるほど長生きすることを願って調理しました。鮮やかな色に仕上げるように、火の
通りすぎに注意して調理しています。お楽しみに。長寿は願っても、海老の腰が曲が
っては困るので、竹串で背中がしゃきっとするようにしました。
□パイナップルきんとん
丸井さん
漢字で金団(きんとん)と書くように、鮮やかな黄金色が金銀財宝を表します。9
7年度、200年度と連続して入賞している一品です。もう究極のメニューに入れ
なくてはならないでしょう。豚を極めた丸井さんが、芋に転出です。さてさてどん
な金団を披露してくださるのか・・・楽しみにしています。
□ナッツごまめ
入江
ごまめは、かたくちいわしの別名。昔、いわしを田の肥料にしたことから、”田作
り”と呼ばれ、「五万米」(ごまめ)という字をあてて、豊作を願って食べられます。
さらに、まめに働く、まめに暮らす、に音が通じることから、勤勉で健康に過ごせ
るようにという意味もある一品です。江戸時代から五穀豊穣を願うめでたい食べ物
として祝いの肴の一品に加わりました。2000年度の第2位の一品を迷うことな
く事務局の特権で選びました。試作品もばっちりで、一家で争うようにして食べま
した。ご期待下さい。
□黒豆
平野さん
次代に伝えたい味の一つ黒豆。この黒豆はそれぞれのご家庭で決まった作り方があ
るかもしれません。材料をたっぷり一晩つけて込んでよく味をしみ込ませるのがコ
ツなのです。一年をまめに(健在)に暮らせるようにと願うもので・古くからお正
月の食卓を飾ってきました。甘くふっくら煮るのは関西風。しわが寄るまで無病息
災にと、表面にしわをよせて仕上げるのが関東風です。今年も一年まめに働き、ま
めに暮らせますようにと祈りをこめてふっくら艶よく仕上げてください。時間がお
いしさを作るので、毎日を火を入れてかわいがってやって下さい。
□数の子のべっこう漬け
栗原さん
2年連続の数の子調理・・・味を占めましたね・・くりちゃん。
祝い肴三種のひとつがかずのこ、にしんの子です。にしんの古語「かど」の子がな
まって「かずのこ」と呼ばれるようになりました。ひと腹に5∼10万個の卵があ
り、その数の多さから子孫繁栄を願う縁起物として、昔から正月料理の祝い肴とな
ってきました。プチプチした独特の歯触りは、音を食べるともいわれ、味わい深く、
お屠蘇には格好の合い物。
□たたき牛蒡
松本さん
これって私の好きな一品なんですよね。酢の味でごぼうが生きるんですよね。是非
上手く調理して下さい!!さて、牛蒡(ごぼう)この漢字が「ごぼう」と読める方
はすばらしいです。是非漢字検定に挑戦されることをお奨めします。2級の悟空も
分かりませんでしたから。初めて参加の松本さん・・・腕によりをかけて頑張って
下さい。
□かまぼこの2色サンド
平野さん
黒豆とセットメニューでしたが、いかがでしたか?蒲鉾にいろいろはさんで楽しん
で下さい。
□リャンパヌハイチョ
くらげの酢の物
長柄さん
初参加の長柄さんへ素敵な一品をご用意しました。箸休めにピッタリの酢の物で、
楽チン調理です。ただ量が多くて、切って切っての奮闘でしたかね。
□伊達巻卵焼き
田中(北面)さん
二の重には欠かせない一品の伊達巻 。“だて”は派手でイキのよい江戸っ子気風を
表わすことば。巻物は、学問・文化の発展を意味し、お正月の祝膳をにぎやかにおめ
でたく取りもつ一品です。例年担当の山根さんは、お正月の旅行のため不参加です。
それに代わって田中さんの初めての挑戦・・・戦う前から卵に巻かれそうな田中さん
でしたが・・・。ご検討を祈ります。
□鰤の幽庵焼き
石井さん
大きくなるにつて、名前を変える出世魚の鰤。おめでたいお正月には欠かせない縁
起物のひとつ。寒鰤という言葉もあるように、脂がのって一番おいしい時期です。茶
人の北村祐庵が編み出したという、漬け汁につける幽庵焼きにすれば、冷めても美味
しく頂けます。お節にぴったりです。昨年に引き続き鰤担当の石井さん・・鰤を極め
て下さい!!
□よろ昆布揚げ
千恵&多恵姉妹さん
昆布は「喜ぶ」につながる、縁起のいい素材です。お節料理といえば昆布巻きです
が、甘い味に飽きたときはこちらがお勧め。昆布ではんぺんをはさみ、天ぷらにした
ら、これがあっさりとしていける!!お酒の肴にぴったりです。姉妹で息のあった料
理を期待しています。実家で親孝行もできましたか?
□煮豚
名子平さん
じっくりと味がしみた豚肉が格別の味!! お節に飽きたらラーメンや炒飯に使う
のもお奨め。ご要望通り500gの固まりを生でお届けしました。ショウガを添えて
いただいてもいいなぁ。
□しいたけと手綱こんにゃくの染め煮
安藤さん
しいたけは血行をよくし、こんにゃくは腸の掃除をする働きがあります。ここでは
しいたけのうまみを生かし、同じ煮汁でこんにゃくを煮ます。椎茸は茶碗蒸しやちら
しずしなどいろいろ使えるので、多めに煮ておくといいかも。どうぞ皆さんお持ち帰
り下さい・・・残さないように。さて、一年の計は元旦にあり。古くからいわれた格
言です。年頭にあたり、ぎゅっと手綱を引き締めて2003年をスタートしてくださ
い。2年目の安藤さんの腕の見せ所は、こんにゃくに切り込みをいれてくるりと通し、
手綱の形に仕上げる作業です。昨年は家族の手助けで楽勝とか・・・こんにゃくのメ
グと呼んでください。
□くわいのうま煮&梅人参・きぬさやの含め煮
駒井さん
ユニークな形とツンと勢いよく伸びた芽に、「よいめ」がでるようにとあやかって、
昔からお節によくつかわれているくわいです。それを料亭などでは、魔除けとなる鈴
の形に切って、よりいっそうお正月らしく演出します。芽は折れやすいのでていねい
にね。絹さやと人参は同じお汁で煮て仕上げる・・・いいですねぇ。お正月の煮物で
す。
□ゆり根の蜜煮
伊藤さん
ラッキーにも蜜煮の完成品が届いてしまうといううれしいアクシデント・・一昨年
届いた材料違いで大変な思いをされたせめてものお返しです。このラッキーはたっぷ
り享受してください。でも、これではみなさんに済まないと伊藤さんキンカンの蜜煮
をプレゼントして下さいました。キンカンは、中国で古くは宋代に栽培されていたそ
うです。日本へきたのは 1826(文政 9)年といわれていて、中国の船が遠州灘で難破
し、清水港に船体の修理のために寄航した際、清水市の名手市新発田権左衛門が世話
をし、そのお礼に船員からキンカンの砂糖漬けをもらい、その種を播いたのが始まり
と言われているそうです。おまけの金柑どうぞ味わって下さい。
では最後に昨年の力作を紹介して終わります。10年の集大成として「和風」に取
り組みました。それをセンス良くまとめて写真にして下さいました。こうしてみると
料理の本に紹介してあるようですね。私たちの力作なんですよね。もっともっともっ
と自信持ってお節友の会を進めていってもいいと思いますよ。この写真をパウチして、
新しい友だちを誘っています。まるで勧誘パンフ?? まあいいか。では、最後まで
読んでいただいてありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。
□紅白なます
朝倉さん
切って切って切りまくる紅白なます・・指は大丈夫でしたか?初参加の朝倉さんの
作品です。粒イクラで華を添え箸休めの一品です。どうぞ味わって下さいね。
□蟹茶巾蒸し
200年度第2位のこの一品。
山枡さん&茂嶋さん
□杏仁豆腐
向井さん
イチゴのムース、抹茶ようかん、そして杏仁豆腐とデザートが始まって3回目は、
中華のデザートの中からご用意しました。杏仁というのは、杏 (あんず)の種の中の白
い部分 (仁 )です。しかし、普通の杏仁豆腐をつくるとき、本などを参考にすると、ア
ーモ ンドエッセンスを使うように書かれています。杏仁豆腐をつくるのに、なぜ ア
ーモンドを使うかというと、それは臭いがにているから。ただそれだけです。ただ、
実際中国では、杏仁とアーモンドは同じものと見られています。これをしらずに、私
は中華街で杏仁と銘打ったアーモンドを買ってきてしまっ たことがあります。でも、
いつも食べるアーモンド入りチョコレートとかは、杏仁の臭いが しません。実は、ア
ーモンドには二種類のアーモンドがあります。一つはス イートアーモンド、もう一つ
はビターアーモンドです。一般にアーモンドと して売っているもの、すなわち我々が
良く口にするアーモンドはスイートアー モンドです。チョコレートに入っているやつ
も、こちらです。これに対して、 ビターアーモンドはにおいがきついため、アーモン
ドエッセンスとして良く 用いられます。杏仁豆腐をつくるときに、本来なら本物の杏
仁を使うべきですが、杏仁 その辺のお店では売っていませんので、手にいれるのが結
構大変ですし、つくるときも、結構大変です。はじめて杏仁豆腐をつくろうという人
は、アー モンドエッセンスを使った方が簡単でしょう。ただ、アーモンドエッセンス
も、先ほど述べたように、2 種類のアーモ ンドがあるため、アーモンドエッセンスも
気をつけて買わないと、杏仁豆腐 をつくったつもりが、アーモンド風味牛乳寒天をつ
くってしまうことになります。
さてさてどんな杏仁豆腐をいただけますことか・・・期待しています!!!
感動のお節2002
和風集大成
コーディネーターさんからお言葉をいただいています。
明けまして おめでとうございます
家族の分を作るだけならまだしも、100人の方に召し上がっていただく
となると、プレーッシャーがかかります。
ましてや、暮れには、大掃除、年賀状(まだ仕上がっておりません)
など雑事も重なり、焦ります。
でも、懲りずに参加させていただいているのは、手作りおせちを
心待ちにしてくれている家族でしょうか。
今年は、今までで好評だったメニュウを中心に、簡単で美味しいもの
はないかと選んでみました。
皆さんが、あまり苦労なく美味しく調理できます
ように?願っております。
向井律子