創薬研究へ

2009. 7. 31
生命分析化学分野 研究室紹介
生体タンパク質の分子認識解析研究から
機能性タンパク質の創製,創薬研究へ
メンバー
スタッフ
大学院生
教 授 森岡 弘志
助 教 諏訪 喜昭
博士前期課程2年 2名
博士前期課程1年 1名
学部学生
4年生
6名
3年生
2名
共同研究
博士後期課程1年 1名
平成21年度の研究テーマ(機能性分子の創製)
(1)創薬・病態解析・治療法の開発に有効な抗体の分子工学研究
1.組換え型モノクローナル抗体分子の開発
a. 糖尿病患者特異的マーカー(メイラード反応後期生成物;AGE)
b. 各種ダイオキシン誘導体(PCB)
c. 紫外線損傷塩基(チミンダイマー,(6-4)光産物)
d. SARS(重症急性呼吸器症候群)ウィルス表面抗原 … 熊大医との共同研究
e. コラーゲン特異的自己抗体(水疱性類天疱瘡の原因抗体) … 北大医との共同研究
2.抗原認識機構の解析
3.蛍光タンパク質を結合させた小型抗体分子の開発
a. 各種ダイオキシン誘導体(PCB)
b. クロイット・フェルト・ヤコブ病(CJD)患者特異的マーカー … 感染研との共同研究
(2)生体内低分子化合物を識別するタンパク質分子素子の開発と機能評価
1.ヒト血清アルブミン(HSA)のビリルビン結合部位の解析とビリルビン特異的に
高親和性を示す遺伝子組換えアルブミン(rHSA)の開発 … 薬物動態制御学との共同研究
2
平成21年度の研究テーマ(生命現象の解析)
(3)DNA複製・修復関連タンパク質の構造と機能の解析
1.モレキュラークランプとして機能するPCNA(増殖細胞核抗原)の構造と機能の解析
2.ブランチ構造(5’-flap DNA)特異的エンドヌクレアーゼ(FEN1)の構造と機能の解析
(4)転写因子Ets2による転写制御機構の構造生物学的解明
1.DNAとEts2との相互作用に関する研究
2.AP-1を介したDNAとEts2との相互作用に関する研究
↓
生化学・分子生物学・物理化学的手法を用いて,
生体分子間相互作用を解析する.
3
創薬・病態解析・治療法の開発に有効な抗体の分子工学研究
H chain
CDR
VH
3
L chain
2
1
VH
CH1
免疫マウス
VL
Fv
ペプチドリンカー
Fab
CL
VL
ヒスチジンタグ
CH2
遺伝子組換え実験
遺伝子クローニング
タンパク質発現
CH3
一本鎖抗体 (scFv)
モノクローナル抗体
(1)大腸菌発現系による遺伝子組換え型抗体分子の調製
(2)ファージディスプレイ法による小型抗体の作製
(3)抗原(低分子量化合物)の識別機構の解析
(4)機能性抗体分子(蛍光低分子抗体)の作製
特定のアミノ酸に変異を加え,蛍光を変化させる
VH
VL
QuickTimeý Dz
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scFv
EGFP
4
DNA 複製・修復関連タンパク質の機能解析
1,FEN1 (flap endonuclease 1)
・DNA 複製におけるラギング鎖連結反応への関与
・Long-patch 塩基除去修復への関与
・PCNAによる活性促進
PCNA
2.PCNA(増殖細胞核抗原)
5’
3’
5’
FEN1
3’
5’
FEN1(天然型,変異体)および
PCNA(天然型,変異体)の調製
↓
ヌクレアーゼ活性測定,機能解析
DNA複製(ラギング鎖連結モデル)
Human FEN1-PCNA complex(X線結晶構造解析)
5
分子進化工学的手法による機能性ヒト血清アルブミンの開発
ビリルビンの化学構造
ヒト血清アルブミンの立体構造
Domain II の site I を標的として,
ファージディスプレイ法によって,
ビリルビン高結合性タンパク質分子の
開発を進めている.
6
転写因子Ets2の転写制御機構の詳細解明
1
Ets2
69
AD1
167
PNT
307
AD2
AD2
363
ID
445
Ets
470
(a.a.)
ID
Ets2
・Ets転写因子ファミリー
・MAPKにより,転写活性化能の向上
・ガンの悪性化,急性骨髄性白血病,ダウン症に関与
Ets2による転写制御機構の詳細を解明するために,
DNA認識機構およびDNA配列の選択性について解明
・Ets2ETSD および ∆N307 /DNA複合体のX線結晶構造解析
・BiacoreによるDNA結合能の測定(ETSD および ∆N307)
→Auto-inhibitory機構の解明
・DNA配列の選択性の解明
・Ets2/AP-1/DNA および ∆N307/AP-1/DNA 複合体の
構造解析
Ets2ETSD/DNA complex
7