構造物維持補修実績① ●変状・腐食調査・試験、補修設計(橋梁) ◆現状 完成後 36 年が経過した山間部の橋梁で、橋台および床版支承付近でアルカリ骨材反応が原因と 考えられる変状が生じている。 劣化状況は、橋台部の遊離石灰を伴う著しいひび割れや、床版支点付近他の漏水など。 ◆調査内容 ・外観変状調査 《目視および打音法、損傷図作成のための形状計測》 ・鋼材腐食(はつり)調査 《コンクリート表面をはつり、鉄筋の腐食程度・コンクリートのひび割れ深さを確認、 既存鉄筋量(径・ピッチ・かぶり)も調査》 ・コンクリートコア採取、残存膨張量試験を行い、劣化状況(進行過程)を調査。 変状図の例 正 面 図 たて壁前面(剥落) たて壁前面(コールジョイント) コールドジョイント 剥 落 ( 下流側 ) コールドジョイント ( 上流側 ) たて壁前面 背面からの貫通ひび割れ ◆提案 調査分析結果に基づき、コンクリート部材全般のアルカリ骨材反応対策に対する補修基本工法、 橋台に対するコールジョイント対策、地覆の凍結対策ほかを提案。 構造物維持補修実績② ●塩害調査・試験、補修予備設計・詳細設計(洞門) ◆状況 日本海沿いに位置し、地形的に越波や飛沫を受ける過酷な塩害環境下にある構造物であるが、特 別な塩害対策は講じられていない。竣工より約 20 年が経過し塩害特有の変状が顕在化しつつある。 ◆調査内容 ・外観変状調査:柱上部や屋根材の点検は、高所作業車を使用 《ひび割れ、コンクリートの剥離等の目視変状確認と打音調査、損傷図作成のための形状計測》 ・鋼材状況調査・含有塩分分析試験用コア採取 《コンクリート表面をはつり、鉄筋の腐食程度、腐食減少量、かぶり厚の測定》 《試験用コアでフェノールフタレイン法による中性化深さの測定》 ・塩化物イオン含有塩分量分析 《採取コアによる塩化物イオンの含有量の測定、分析》 ・調査結果の分析・評価 《劣化状況(進行過程)の判定、健全度の評価、劣化進行速度の予測》 ひびわれ外観調査状況 鉄筋探査調査状況 主梁のひび割れ状況 同箇所のはつり状況 ◆提案 構造特性、施工性、経済性、維持管理の難易性、環境との整合等、総合的な観点から技術的特長、 課題を整理し評価を加え、工法比較検討案の提示。 今後の供用予定年数を設定し、維持補修サイクル、補修規模を検討しライフサイクルコストを算定 したアセットマネジメントを提案。また、詳細設計では施工上の課題・留意点も提示。 構造物維持補修実績③ ●コンクリート埋設鋼材の腐食損傷調査(橋梁) ◆状況 鋼橋のコンクリート埋設斜材がコンクリート内部で腐食・破断し、橋梁の安全性に重大な影響を 与える恐れがあり、補修等を行う必要性確認のための緊急点検。 ◆調査内容 鋼材状況調査・損傷・劣化調査 《コンクリートをはつり上流側の上弦材部 1 箇所、垂直材部 2 箇所でサンプリング、鋼材および 鉄筋に対する腐食状況の目視調査》 垂直材 添接板 接合面 垂直材取り付けピース 下弦材 腐食損傷状況 現地調査状況 ◆今後の維持方針の提案 コンクリート埋設鋼材の腐食調査結果を踏まえ、変状状況や原因の推定および劣化状況を評価し、 今後の具体的な調査計画を提案。 ①上弦材・垂直材とも今後腐食が進行しないよう鋼材腐食調査を兼用する補修提案。 ②補修の緊急性は、鋼材の腐食速度を仮定し 5 年程度以内の実施を提案。 ③補修方法は、鋼材の腐食因子の除去と排水環境の改善が必要であることから 「はつり」→「鋼材ケレン」→「再塗装」→「断面修復」を提案。 構造物維持補修実績④ ●変状・腐食調査・分析、補修・補強設計(橋梁) ◆状況 架橋場所が海岸に面する過酷な塩害環境であり、経年とともに塩害特有の変状が認められる。 これまでにも、上下部工の断面修復、表面保護塗装等の補修が行なわれていたが、変状は現在も 進行している。 ◆調査と対応 ・外観変状調査 《ひび割れ、コンクリートの剥離等の目視変状確認と打音調査、損傷図作成のための形状計測》 ・鋼材腐食(はつり)調査、コンクリートコア採取 《コンクリート表面をはつり、鉄筋の腐食程度、腐食減少量、かぶり厚の測定》 《試験用コアでフェノールフタレイン法による中性化深さの測定》 ・塩化物イオン含有塩分量分析 《採取コアによる塩化物イオンの含有量の測定、分析》 橋脚梁のひび割れおよび変色状況 橋脚柱の錆汁状況 鋼材腐食状況はつり調査 ◆今後の維持方針の提案 比較工法4案を検討し経済性(LCC)の試算結果、採用上の問題点を整理し、「対策効果の確 実性」、「供用安全性」、 「施工性」 、「維持管理性」などから総合的に判断し、早急に外ケーブル補強 と主桁劣化部に対しての断面修復を実施し更新の準備を進めることを提案。 構造物維持補修実績⑤ ●現橋調査、橋梁健全度調査および評価(橋梁) ◆状況 架橋から 40 年以上が経過し、主桁や下部工が老朽化している。 ◆調査と対応 劣化損傷状況確認のための現況調査および橋梁健全度判定を実施。 主桁下面のひび割れと遊離石灰 支承腐食・モルタル割れ 橋脚梁の錆汁・遊離石灰を伴うひび割れ 張出床版下面のひび割れ ◆今後の提案 《塩害対策と補修工法》 塩害劣化では、詳細調査(調査試験項目も含め)と補修工法検討の必要性を提案。 《床版補強と補強工法》 主桁・床版の補強では、路線の位置付けや経済効果も勘案し実施の要否検討。 また、補強実施の際は、現道の状況から幅員拡幅も視野に入れた補強工法検討を提案。 《耐震補強と補強工法》 橋脚柱の補強では、柱主鉄筋の段落しの有無を確認したうえでの最終判断を提案。 構造物維持補修実績⑥ ●変状・腐食調査・試験、補修補強設計(橋梁) ◆状況 昭和 39 年架橋の古い道路橋、現行活荷重(B荷重)に対する耐荷力を有していない。 対象橋梁は、大型車交通量も極めて多い主要地方道に架けられており、耐荷力不足による損傷の 危険性が懸念されている。 ◆調査・試験内容および照査 《橋梁点検・形状計測》 《床版鉄筋(はつり)調査、床版厚調査(コア採取)》 《中性化深さ試験、圧縮強度試験》 《損傷度判定、主桁・床版耐荷力照査、主桁・床版耐荷力照査等》 主桁の腐食状況 支承部の腐食状況 床版下面のひび割れ状況 舗装の局部的ひび割れ(陥没) ◆補修工法検討から補強設計 損傷度判定、主桁・床版耐荷力照査、主桁・床版耐荷力照査等の結果に基づき上部工の耐荷力照 査ならびに補強必要部材の抽出後、補強設計を実施。
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