GT-SUITE V7.4の新機能 バージョン7.4

GT-SUITE
V7.4 の新機能
バージョン 7.4
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目次
GT-SUITE V7.4 の新機能
GT-SUITE バージョン 7.4 は新しいリリースで、多くの機能が追加されているだけでなく、多くの機能が改良
されています。本書ではこれらの新機能のいくつかを紹介いたします。本書で紹介する機能の他にも、より
規模の小さい機能が多数あります。なお、GT-SUITE の有効なライセンスを所有されているユーザーの方
(つまり、支払い済みのリース、または、支払い済み保守契約を含む買い取りのお客様)には、追加料金な
しで新しいバージョンをお受け取りいただけます。
グラフィカルアプリケーション .................................................................................................................... 4
グラフィカルインターフェイス(GT-ISE) ................................................................................................ 4
ポスト処理(GT-POST) ...................................................................................................................... 5
GEM3D.............................................................................................................................................. 6
VTDesign........................................................................................................................................... 6
DOE/DOE-POST............................................................................................................................... 7
一般的な流れのモデリング ...................................................................................................................... 8
一般的な流れ ..................................................................................................................................... 8
CFD 連成 ........................................................................................................................................... 8
エンジン性能のモデリング(GT-POWER) ................................................................................................ 9
シリンダ .............................................................................................................................................. 9
インジェクタ......................................................................................................................................... 9
ターボ過給 ......................................................................................................................................... 9
非線形音響 ........................................................................................................................................ 9
線形音響 ............................................................................................................................................ 9
高速実行、平均値、リアルタイムのモデリング ................................................................................... 10
後処理.............................................................................................................................................. 10
GT-SUITE モデリングアプリケーション................................................................................................... 12
熱管理.............................................................................................................................................. 12
COOL3D アンダーフードのモデリング ............................................................................................... 12
空調と排熱回収 ................................................................................................................................ 12
油圧系/空気力学と燃料噴射 .......................................................................................................... 13
潤滑回路 .......................................................................................................................................... 13
車両、ドライブライン、トランスミッション、ハイブリッド .......................................................................... 14
一般的な機械系およびソルバー........................................................................................................ 15
バルブトレイン .................................................................................................................................. 15
クランクトレイン ................................................................................................................................. 16
ギヤ、チェーン、ベルト駆動 ............................................................................................................... 17
連成と “X”-in-the-Loop ..................................................................................................................... 17
制御ライブラリ ....................................................................................................................................... 17
新機能 ― 一般的な流れのモデリング
グラフィカルアプリケーション
グラフィカルインターフェイス(GT-ISE)
o
64 ビットの実行形式ファイルが、Windows および LINUX の両方について導入され、非常に大きいモデ
ルおよび/または大規模な実験計画(DOE)を実行できるようになりました。他にも、スピードおよびメモリ
使用を改善するための機能強化が行われています。
o
シミュレーションのリスタート機能を使用して、指定した頻度でシミュレーションの状態を保存できます。
そして、モデルは、保存時点の状態から再開できます。
o
Case Setup の "super-parameter" 機能を使用して、ユーザー定義のドロップダウンパラメータを作成
できます。他のパラメータを super-parameter に「関連付け」させると、その super-parameter は以降
の複数のパラメータを制御する単独の独立変数として機能します。(この機能により、GT-SUITE の上
級ユーザーは、他の経験の少ないユーザーが GT-SUITE モデルを安全に簡単に使用できるように、
「あらかじめパッケージ化」できるようになります。)
o
object/part エディタのユーザビリティの改良
 デフォルト("def")として使用される値が、エディタに表示されるようになりました。
 属性フォルダに可視インジケータが付き、依然として注意を要するフォルダ(空白セルなど)が示さ
れるようになりました。
 オブジェクトを使用するためのツリーが、object および part エディタのダイアログに表示されます。
 属性定義を説明するダイアグラム(図)が、テンプレートを選択するために object および part エディ
タに表示されます。
 フローライブラリ(パイプ、分岐管)の属性レイアウトが新しくなり、改良されました。
 「曖昧な」単位を持つパラメータに、それぞれのステータスを明確にするように各セルに新しくインジ
ケータが付きました。
 アクチュエータによってオーバーライド(設定変更)される属性は「overridden」と示されます(Build
2)。
 属性欄に数式を直接入力することができるようになりました。
 ファイル名を入力できるすべての属性に、ファイル拡張子のフィルタが付きました。
 セルでリターンキーを押すと、次の(上または下の)セルに自動的に移動するオプションが追加され
ました。
o
リンクの作成、ポートの番号付け、制御信号の処理が改良されました。
 重要なポート選択ダイアログが自動的にポップアップ表示します。上級ユーザー向けにポップアップ
を非表示にするオプションが追加されました。
 ポート名および信号名を選択するためのダイアログボックスが強化され、簡素化されました。
 ほとんどの制御コンポーネントについて、ユーザーがカスタマイズしたラベルを付けて、「Input
Signal 1」などの一般的な名称から置き換えることができます。
 多くの信号に、ポート番号の代わりとして、マップ上に短いラベル名(エンジン速度であれば「RPM」
など)を表示できるようになりました。
 リンクを明示的に指定せずに、また、"SendSignal" や "ReceiveSignal" などのパーツを使用せず
に、信号を「プッシュ」(押し出す)および「プル」(引き込む)ための無線の制御リンクを使用できるよ
うになりました。(V7.3 の最新のビルドにパッチとして導入された機能で、V7.4 では機能が拡張され
ました。)
o
マップのルック&フィールの改良
 すべてのフローコンポーネントのアイコンおよびリンクに色を付けることができます(回路別、流体タ
イプ別等)。
 すべてのライブラリ(フロー、メカニカル、熱、コントロール等)にグローバルなリンク色を設定できま
す。
新機能 ― 一般的な流れのモデリング



流路を確認するための「パイプビュー」の表示が改良されました。また、パイプビューで、編集やモ
デルの作成が可能になりました。(以前のバージョンでは、パイプビューは表示されるだけでした。)
さらに、前述のアイコンの色付けと連動して動きます。
多数のテンプレートアイコンの新規追加、改良
アイコンの表示がベクトルグラフィックスになったため、アイコンの拡大/縮小時の表示が改良され
ました。
o
データ点の数が "Plot Setup" および "OutputSetup" に指定された点の最大数を超えた場合の、プロッ
トデータセットと TimeRLT のデータの間引きのための新しい「サンプリング」法が導入されました。この
サンプリング法では、デシメーション(つまり、1 つおきに間引きする)の代わりに、要求した点の最大数
が正確に与えられます。
o
信号モニターの新しいタイプが 2 つ追加されました:
 "MonitorLinear" は、信号の値を、温度計のように、線形/棒(バー)のゲージで表示します。
 "MonitorRadial" は、車両の速度計のように、放射状のゲージで信号を表示します。
o
ユーザーコンパウンド
o コンパウンドパーツをパラメータ化して、複数の親オブジェクトを持たせることができます。これらの
親オブジェクトは、等価な接続性さえ持っていれば異なるテンプレートに属しても構いません(V7.3
の最新のビルドにもパッチとして導入されました)。
o 標準のモデルではパラメータを使用できない属性も含め、コンパウンド内の全ての属性が Attribute
Setup に現れるようになります。
o
検索機能の改良
 指定されたテンプレートを使用するサンプルのすべてを、ツリーの新しい右クリックオプションから表
示できるようになりました。(V7.3 の最新のビルドにもパッチとして導入されました。)
 検索(Find)機能で、指定されたディレクトリのすべての .gtm ファイルを、テンプレート、オブジェクト
またはパーツについて検索できます。
 新しいアニメーション化された "Homing Indicator" により、ツリーから、または[Find]機能からパー
ツを選択した場合に、マップ上にパーツを配置することができます。
o
3D Flowsplit Viewer の改良(ラベル付け、サイズ変更、回転制御、設定の記憶)
ポスト処理(GT-POST)
o
GT-POST は、他のケースがまだ実行中に、シミュレーションの終了したケースにアクセスできるように
なりました。(注意:シミュレーションがローカルのワークステーションで計算されている場合にのみ、使
用できます。)
o
主なアーキテクチャのアップグレード
 複数に分かれていた計算結果ファイル(gx、gdt)が、単一のファイル(gdx)に統合されました。
 すべての 3D プロットのスピードと安定性が向上しました。
 64 ビットのアプリケーションによって、極めて大規模な結果セットを扱えるようになりました。
 非常に大量の結果ファイル(特に多数のケースがある場合)が早く開くようになりました。
 一部のタイプのデータストレージ(大きいアニメーションデータセットなど)について、ソルバーのス
ピードが向上しました。
 プロットとアニメーションの結果を分散コンピューティングで高速にマージできるようになりました。
 V7.4 では、ソルバー実行中にシミュレーション結果を参照する機能(前述の説明を参照)や、ソル
バーリスタート機能など、新しい機能を組み込むにあたって、アーキテクチャが改良されました。
o
"Change Data Source" では、複数のファイルを 1 回の操作でコピーできるようになりました。
o
新しいヒストグラム図(指定された各ギア、各エンジン回転数レンジで費やした時間割合(頻度分布)を
表示するなど)
 棒グラフ、XY プロット、コンタープロットのオプション
新機能 ― 一般的な流れのモデリング


未加工データをプロットデータセットまたは RLT データから取り出すことができます。
時間、正規化時間、またはユーザー定義の加重変数ごとの分布
o
プロットおよび RLTViewer のユーザー単位設定を保存できます。
o
プロットを、PowerPoint ファイルなどに直接保存できます。
 コマンドラインから PowerPoint ファイルにエクスポートする機能が、今後のリリースで予定されてい
ます。(この機能が必要なお客様は、IDAJ サポートにお問い合わせください。)
o
RLT 変数用の新しい End-of-Run Table。テキストパラメータの拘束条件を含め、各行および各列に
拘束条件を指定するオプションがあります。この機能が特に関係するのは、離散化された結果の複
数のケース(トルクカーブのようなスイープではないもの)が結果を単一「セット」にするた
めに必要な場合です。例えば、最大加速度、高速道路・市街地および両方を混合した場合の燃
費性能、道路勾配、車両最高速度など、様々な結果を含む車両性能のサマリーを作成する場合
などです。
o
X 軸および Y 軸を、コンタープロットでは反転することができます。
o
アニメーションプロットをムービー(動画)ファイルに保存できます。
GEM3D
o
64 ビットアプリケーションにより、GEM3D で非常に大きいモデルを扱えるようになりました。
o
CAD のソリッドモデルを、熱ライブラリのコンポーネントに変換できます。
o
ベーンポンプモデルの自動作成(詳細は潤滑セクションを参照)
o
ネイティブのソリッドモデルジオメトリからインポートされたソリッド形状のサポートが改良されました。
 グローバル/ローカルオプション、マージなど、切断面が完全にサポートされるようになりました。
 メッシュ形状との連携が改良され、すべてを選択する操作とフィルタ操作を同時に実行できるように
なりました。
o
形状をパイプに変換する際のポート認識アルゴリズムが改良されました。これにより、壁の厚さやふた
の付いた端部を持つコンポーネント上のパイプポートが特定できるため、ポートを準備するためのクリー
ニングプロセスが不要になります。
o
コンポーネントの作成および変換のユーザビリティが向上しました。
 形状をコンポーネントに変換する新しいウィザードを使用して、CAD モデルを最良に表現するコン
ポーネントと形状を、より簡単に定義・選択できます。
 T 分岐、Y 分岐、X 分岐の作成を支援する視覚的なダイアグラム(図)が追加されました。
 テンプレートを統合して、混同を防ぎ、より簡単に正しいコンポーネントを選択できます。
 変換操作のスピードの向上
o
すべてのモデルについて、モデルツリーにチェックボックスが追加され、個々の形状やコンポーネントを
画面上で非表示にできるようになりました。
o
Case Setup でドラッグ&ドロップ操作が可能になり、ケースの並べ替えを行えるようになりました。
o
スケーリング機能が強化され、メッシュシェルを扱えるようになりました。
o
新しい変換機能によって、数値および方向の他、マウスを使用して、コンポーネントを図上で移動できる
ようになりました。
o
新しいボックス選択モード。
o
.gtm ファイルを本バージョン(v7.4)および前のバージョン(v7.3)の両方で出力できるようになり、GEM
の新機能を V7.3 の GT-ISE およびソルバーを使用している場合でも、使用できるようになりました。
VTDesign
o
VT-Design の新しい SpringDesign モジュールを使用して、GT-SUITE ソルバーを実行せずに、
新機能 ― 一般的な流れのモデリング
SpringGeomFE のモデリング機能をすべて使用できるようになりました。新機能には、固有モードおよ
び静的圧縮の 3D アニメーションや、すべてのプリ処理計算にすぐにアクセスできる機能などが含まれ
ます。
o
最大リフト量がカム角度ゼロで生じるように、カムプロフィールを自動的にずらせるようになりました。こ
の "Shift Max. Lift to 0 deg." 機能は、[Operations]メニューから使用できます。
o
ばね質量(Spring Mass)の分率を QDA で編集できるようになりました。前バージョンまで、0.5 に固定
されていました。また、コンパウンドの "PoppetValveAssy1" および "PoppetValveAssy2" のレベルが
上がりました。これらのコンパウンドは、前バージョンまで "HelicalSpring" の内部に隠されていました。
o
サンプルモデルに、他の GT-SUITE アプリケーションと同様に、[File / Open Examples]メニューから
アクセスできるようになりました。
o
ハイブリッドスプラインのユーザー拘束条件(User Constraint)をテーブル形式で編集できるようになり
ました。
o
"Zoom mode" が、H-spline CamDesign 解析法を使用する場合に、[View]メニューで使用できるよう
になりました。この機能を使用して、微分曲線のセクションを拡大表示し、微調整できるようになりました。
DOE/DOE-POST
o
DOE では、ファイル名、参照オブジェクト、ドロップダウン、ユーザー定義(つまり、等間隔ではない)実
数などの離散パラメータ値を使用できます。
o
新しいサーフェスフィッティング法が実装され、GT-SUITE の NeuralNetworks を使用して、最適化用の
データをより確実にフィッティングできるようになりました。
新機能 ― 一般的な流れのモデリング
一般的な流れのモデリング
一般的な流れ
o
パイプと分岐管のテンプレートが再編成され、圧力損失および熱伝達に関するグループ入力機能が改
良されました。幾つかのオプションが追加され、断熱パイプや、摩擦損失/曲り/テーパー損失のないパイ
プを、より直感的に作成できるようになりました。
o
"FlowSplitChamber" テンプレートが追加され、より少ないデータ入力で、大規模なフローボリュームを
モデリングできるようになりました。ボリューム内でゼロの流体速度を仮定するため、膨張径、ポート角
度、特性長さなどの入力は不要です。(v7.3 build 4 にも追加された機能です。)
o
"MiterBend" コンパウンドが追加され、潤滑系によく見られるマイターベンドや交差する穿孔を容易にモ
デル化できるようになりました。 (v7.3 build 4 にも追加された機能です。)
o
重力/物体力の加速度を、FlowSplit* コンポーネントでモデル化できるようになりました。
o
"RadialLeakConn" テンプレートが追加され、回転円板と静止円板の間の流れをモデル化できるように
なりました。
o
陰解法の時間刻み幅を使用できるようになり、シミュレーション中に変えられるようになりました。この時
間刻み幅は、ユーザーが指定するか、または、RLT 計算に依存させることができます。
o
ディフューザーの圧力損失係数の計算が改良され、この計算がデフォルトで新しいモデルに使用される
ようになりました。(Run->Advanced Setup->Flow)
CFD 連成
o
連成されていない流れ境界を CFD 定義域で使用できるようになりました。シミュレーションの未連成
フェイズおよび連成フェイズ用の 2 つの別々の .gtm ファイルを使用する必要はありません。
o
イベントハンドラー(gtcouple、CFD 連成チュートリアルを参照)が GT-SUITE のインストールに含まれ
ました。STAR-CCM+、CONVERGE、STAR-CD、FLUENT または FIRE と連成しているときに、予期
しない CFD ソルバーまたは GT-SUITE ソルバーのクラッシュが発生した際に、部分的な結果の自動ク
リーンアップと修復を実行できます。
o
幾つかの GT-SUITE のシミュレーション設定(すべてのランタイムモニターをオフに切り替える設定、シ
ミュレーション実行中に GT-SUITE ソルバーUI をオンに切り替える設定など)が、STAR-CCM+、
CONVERGE、STAR-CD、FLUENT または FIRE との連成シミュレーションで設定できるようになりまし
た。追加された設定項目のリストについては、gtlink –help を参照してください。
o
CONVERGE-Lite が v2.1.0 にアップグレードされました。CONVERGE-Lite のシリアルソルバーを使
用する場合の CFD セル数の制限がなくなりました。CONVERGE-Lite の並列ソルバーが追加されまし
た。このソルバーを使用するには、CONVERGE の子ライセンスを購入する必要があります。
新機能 ― エンジン性能のモデリング
エンジン性能のモデリング(GT-POWER)
シリンダ
o
新しいバージョンの EngCylCombSITurb が追加されました。このテンプレートでは、計算時間と火炎モ
デルが改善され、複数のスパーク場所を使用できるようになりました。"Model Version" を "v74" に切り
替える際に、再調整が必要な場合があります。
o
既燃ゾーンのユーザー定義の化学反応(Kinetics)を、すべての SI 燃焼モデルに対して指定できるよう
になりました。
o
"AVL IFile" の読み取り機能が、すべてのシリンダ圧力解析モードに追加されました。
インジェクタ
o
"InjRateConn" で噴射率のダイレクトなアクチュエーションが可能になり、噴射率形状をより柔軟に指定
できるようになりました。
o
"InjectionRateMap" にオプションの 3 つ目の独立変数が追加され、噴射率を探して内挿できるように
なり、より柔軟に噴射率形状を成形できるようになりました。
o
"InjAFSeqConn" で、流量 RLT の代わりに、指定されたオリフィスを通る空気の質量流量の移動平均
を使用するようになり、特に非定常解析の間に A/F 比を維持できるように高速に反応するようになりま
した。
ターボ過給
o
"TurbineMapGrid" のマップの解像度が改善されました。保存された点の数を手動または自動で増や
す属性を使用できるようになりました。自動的に行う方法の場合、保存間隔を調整し、オリジナルデータ
を最適に表現できます。
o
新しいオプション "prfitted-extended" を使用した場合に、タービンマップと一定圧力比の線とのフィッ
ティングが改善されます。
o
ツインエントリータービンを、GTI が開発した新しい技術とコンパウンドテンプレートを使用してモデル化
できるようになりました。このテンプレートは試験運用中で、ご要望に応じて提供いたします。このコンパ
ウンドのコピーをご要望の場合は、IDAJ サポートにお問い合わせください。
非線形音響
o
透過損失のシミュレーション結果と参照値(主に実測値)のカーブとの差分を計算し、全誤差の RLT 値
と差分のプロット(瞬時値)が利用出来るようになりました。
o
透過損失の計算に、面積補正項が追加されました。
o
マイクロフォンの "Flow Noise Efficiency" をパラメータにできるようになりました。
o
コンタープロットの X 軸および Y 軸を必要に応じて入れ替えられるようになりました。また、コンタープ
ロットが、より高速に、メモリ消費を少なく作成されるようになりました。
線形音響
o
非線形モデルの定常エンジン回転数のスイープからのソース特性を保存し、線形モデルに容易に指定
できるようになりました。
新機能 ― エンジン性能のモデリング
o
回路ごとに複数の音響ソースを使用できるようになりました。
o
弾性パイプを、Linear Acoustics モデルと一緒に使用できるようになりました。
高速実行、平均値、リアルタイムのモデリング
o
シリンダの "sub-stepping" オプションが "EngCylinder" テンプレートに新しく追加されました。これによ
り、燃焼中にシリンダが取る時間刻みが少なくなり、燃焼率、エミッション、IMEP などの予測が改善され、
グローバルな時間刻みを制限する必要はありません。
o
シリンダの "Slaving" オプションが "EngCylinder" テンプレートに新しく追加されました。これにより、マ
スター(master)シリンダのシリンダ圧力と熱伝達率を、スレーブ(slave)シリンダに直接指定できるよう
になり、計算時間が大幅に向上します。
o
"Factor of Real-Time" RLT が追加され("Special" RLT の下)、計算速度を簡単に比較できるようにな
りました。
o
"Combine Volumes Wizard" に幾つかの改良が施され、詳細エンジンモデルを FRM に変換するため
の時間と労力が削減されます。
o
また、モデルを RT に変換(リアルタイムライセンスでの実行用)する際に、自動化機能が追加されまし
た。"RLTCreatorRT" オブジェクトで、"SensorConns" の接続に依存せずに、無線入力信号を使用でき
るようになりました。このオブジェクトは、ライセンスタイプを変更するときに自動的に作成されます。また、
無線信号と RLT Type が、既存の "RLTDependence*" オブジェクトに使用されている RLT について、
自動的に入力されるようになりました。
後処理
o
細孔拡散の高度なモデルが "SurfaceReactions" に新しく実装されました。新しい "PoreDiffusion" テ
ンプレートを使用します。この革新的なモデルによって、ウォッシュコート内部の微量化学種の濃度を解
析します。このモデルは、現在の Advanced Adaptive ソルバーと同程度に高速です。この機能により、
将来の 2 層ウォッシュコートモデル(つまり、1D+1D 触媒モデル)の基盤ができました。
o
O2 の拡散制御による再生、いわゆる NO2 の逆拡散、そして SCR-F アプリケーションをモデリングす
る目的で、 "DieselParticFilter" でも化学種の拡散とストレージが扱えるようになりました。
o
"DieselParticFilter" の化学種の 1D の軸方向チャネルと壁面の放射状プロフィールのプロットが一般
化され、前のバージョンまでのハードウェア組み込みの O2、NO2、NH3 ではなく、化学種または収束を
プロット作成で指定できるようになりました。この機能を使用するために、"Species and Coverage
Names for 1D Plot" という新しい属性が[DPF Modeling Options]タブに追加されました。
o
Advanced Adaptive ソルバーを、非常に低い流量のモデリング(ハイブリッド、エンジンの停止・起動な
ど)に使用できるようになりました。新しい属性フラグ "AA_noflow" が FlowControlQS オブジェクトに追
加され、この機能を起動します。
o
"Standard Volumetric Flow Rate" が、EndFlowInletSpecies への入力オプションとして追加されまし
た。
o
船舶用 SCR 後処理アプリケーションのモデリング用に、"FluidNASA-LiqGas" の新しいオブジェクト
"urea-solution40-NASA" を使用できるようになりました。
o
新しい最新で検証済みの多くのメカニズムを、"Aftertreatment" のサンプルモデルディレクトリに用意さ
れています:
 アンモニアスリップ/酸化触媒(ASC/AMOX)。
 制御/無制御の再生中に O2 拡散を含む DPF
 弱い/強い NH3 吸着サイトを含む 2 サイトの SCR モデル
 CH4 の酸化/改質と N2O の生成を含む新しい TWC
新機能 ― エンジン性能のモデリング


Cu Zeolite SCR
ガソリンの粒子フィルタ(Gasoline Particulate Filter)の圧力降下
新機能 ― 制御ライブラリ
GT-SUITE モデリングアプリケーション
熱管理
o
マルチコアのチューブ/フィン型の熱交換器を、単一の "HXGeomTubeFin" オブジェクトの中に直接作
成できるようになりました。熱伝達率と圧力降下の自動キャリブレーションが可能です。
o
熱交換器には、オプションで壁面厚さの入力項目が含まれ、2 つの流体側(各流体インターフェイスでの
独立した壁面温度)の間の伝導率をモデル化できます。
o
チューブ/フィン型の熱交換器の外部側("HXGeomFinExternal")に必要な入力が少なくなり、必要なサ
イズが自動的に計算されるようになりました。
o
熱交換器の熱伝達の相関フィッティング法が新しく追加され、相関と実測値の間の誤差が改善され、一
方の流体側の熱抵抗がもう一方の流体側よりも大幅に大きくなる相関が発生する可能性が減少します。
o
"HxSteadySimple" は、直接性能マップルックアップ(Q/ETD)に基づく、定常熱交換器計算のためのテ
ンプレートです。このルックアップは、HX 形状が未知であるものの、性能データを使用できる(または予
測できる)場合に有用です。
o
熱交換器の圧力損失のキャリブレーションが、“Fraction of Pressure Drop for Inlet/Outlet”の自動最
適化によって簡素化されます。
o
"ThermalMass" パーツを、GEM3D 内部でソリッドの 3D CAD データから直接作成できるようになりま
した。
o
"ThermalMassPipeRound" テンプレートを使用して、パイプ壁面の外径がモデル内の別の流体回路ま
たは他の熱質量に直接接続される場合に、パイプ壁面をモデル化するための円筒パイプ壁面を表現で
きるようになりました。
o
有限要素のシリンダ構造("EngCylTWallSoln" または "EngCylStrucCond")を使用するモデルの場合
のメモリ管理と計算速度が改善されました。
o
カスタムピストンメッシュを有限要素のシリンダ構造("EngCylTWallSoln" または "EngCylStrucCond")
内で使用できるようになりました。
o
熱伝達率の「スケーリング」を有限要素のシリンダ構造を持つモデルに使用できるようになりました。こ
れらのモデルは、以前に実行したエンジンモデルの結果ファイルからのそれぞれの筒内境界条件を取
得します。これらのルックアップを実現する "EngCylGasBCs" テンプレートに、対流乗数の入力項目が
含まれました。
COOL3D アンダーフードのモデリング
o
マルチコアのチューブ/フィン型の熱交換器を、単位の "HXGeomTubeFin" オブジェクトの中に直接作
成できるようになりました。
o
アンダーフードモデルのキャリブレーションが、アンダーフードの空気 スペース内に流れ抵抗領域
("COOLFlowResistance")を追加することで、改善されます。
o
COOL3D によって生成された “Matrix*” パーツを使用して、アンダーフードの空気回路を、[Run Setup
> FlowControl]で特定できるようになりました。
空調と排熱回収
o
熱交換器に幾つかの改良が施されました。詳細につきましては、「熱管理」を参照してください。
o
予測的 Fixed Orifice Tube (FOT) のテンプレート "FOTPredictive" に R134a、R22 および CO2 が追
新機能 ― 制御ライブラリ
加されました。このテンプレートは、文献からの相関を使用して、形状と流れ条件を基に、FOT を通る質
量流量を定義します。
o
マップベースの可変容積型コンプレッサ "VarDispCompRefrig" が追加され、このタイプのコンプレッサ
の定義とコントロールを容易にできるようになりました。
o
"ImposedFlowRefrig"(以前の "CompressorFlowRefrig")テンプレートに、新しいオプション "Ignore
Energy Input to Fluid" が追加されました。このオプションにより、2 相システムに質量流量を直接指定
できるようになりました。
油圧系/空気力学と燃料噴射
o
25 以上の方向制御弁の完全なライブラリが追加されました。サプライヤーのデータシートのデータを使
用 できます 。こ の ライ ブ ラリ に は 、3/2、3/3、4/2 およ び 4/3 の 各 バ ル ブ が含 まれ ます ( つ まり 、
"DCV43_PB-AT_0_PA-BT")。すべて GTI 提供のコンパウンドテンプレートで、必要に応じて、変更した
り、カスタムバルブを簡単に作成したりできます。
o
流体動力(油圧、空気式)シリンダのライブラリ:1D および 2D、単動式および複動式が含まれます。す
べて GTI 提供のコンパウンドテンプレートで、必要に応じて、変更したり、カスタムバルブを簡単に作成
したりできます。
o
CONVERGE 3D CFD を使用して、ノッチのあるスプール弁を特性化するための自動化されたツール
のプロトタイプは、CFD の専門家でなくても、短時間に効率的に使用できます。すべてのメッシングおよ
び数値の設定は、ツールによって自動的に処理されます。詳細については、 IDAJ サポートにお問い合
わせください。
o
タンクをモデル化するための新しいテンプレート "FluidReservoir" が追加されました。このテンプレート
は、タンクのポートから見た流体の高さを考慮します。このテンプレートは、相分離器としても使用できま
す。
o
可変パイプ(PipeRoundFlexWall)が、"AcoustLinEigen" コンポーネントを使用する線形ソルバーでサ
ポートされます。
o
詳細 GDI インジェクタのサンプルモデルを CAD から作成できます。CAD ファイルは、サンプルと一緒
に含まれており、GT-SPACECLAIM で開くことができます。
o
"SpoolCoverHole" で、スプール軸と垂直ではない穿孔を使用できます。
o
新しいテンプレート "FlowSplitChamber" を使用して、より少ないデータ入力で、大規模なフローボ
リュームをモデリングできるようになりました。ボリューム内でゼロの流体速度を仮定するため、膨張径、
ポート角度、特性長さなどの入力は不要です。v7.3 build 4 にも追加された機能です。
潤滑回路
o
ベアリング
 "JournalBearingHD" テンプレートが追加され、多数の要素に離散化されている有限要素のジャー
ナルベアリングをモデル化できるようになりました。すべての時間刻みで支配レイノルズ方程式を解
きます。
 2D のプリ処理の形状プロットが、"JournalBearing" および "JournalBearingFlow" に追加され、溝、
穴、クリアランスのプロフィールなどのベアリングの特徴を可視化できるようになりました。
 アニメーションプロットが "JournalBearing" および "JournalBearingFlow" に追加され、ジャーナル
の軌道、ベアリングの荷重方向、クリアランスプロフィール、油膜範囲、溝と穴の移動を確認できる
ようになりました。
o
ポンプ
 新しいコンパウンドとして "VanePivotingAssembly" および "VaneSlidingAssembly" が追加され、
ピボット型またはスライド型のベーンポンプの機械式アセンブリをそれぞれ、動的に予測される偏心
新機能 ― 制御ライブラリ


o
率に対してモデル化できるようになりました(V7.3 build4 にも含まれていました)。
新しいコンパウンドとして "VaneFriction" が追加され、詳細なベーンポンプおよび拡張器の摩擦を
予測できるようになりました。
"FluidMachineShaft"、"SwashPlateShaft"、"VaneShaft " の各テンプレートで、最大 4 つまでの独
立した流入・流出ポート領域を定義できるようになりました。
一般的な流れのモデリング
 新しいコンパウンドとして "MiterBend" が追加され、マイターベンドや交差する穿孔をモデル化でき
るようになりました。これらは潤滑系でよく見られますが、すべてのフロー系に適用できます。圧力
損失は、マイター角、レイノルズ数、マイターの面積比の関数です(V7.3 build4 にも含まれていまし
た)。
 重力/物体力の加速度を、FlowSplit* コンポーネントでモデル化できるようになりました。
 "RadialLeakConn" テンプレートが新しく追加され、回転円板と静止円板の間の流れをモデル化で
きるようになりました。
車両、ドライブライン、トランスミッション、ハイブリッド
o
車両トランスミッション用に、燃費に最適化されたシフト方式の出力項目が新しく追加されました。この方
式は、単一のプリ処理計算で生成され、ユーザーによってリファレンスオブジェクト "ShiftStrategyOpt"
に指定された制約に従って、最適な燃費を与えます。シフトスケジュールは、外部のテキストファイルに
書き出され、後のケースでシミュレーションへの入力として再利用できます。この機能のチュートリアルも
用意されています。
o
新しい kinematic 解析モードを "VehKinemAnalysis" テンプレートで使用できるようになりました。
 "static-analysis" モードを使用すると、TimeRLT を使用する特別なポスト処理を行わずに、
forward-kinematic の性能指標を自動生成できます。この機能のチュートリアルも用意されて
います。
 "shift-schedule-generation" モードでは、前述のモードの静的結果を使用して、車両トランス
ミッション用の燃費に最適化されたシフトスケジュールを抽出します。
 解析モードの "1 Degree of Freedom" を "VehKinemAnalysis" の内部で使用できるようになり、
ドライブラインが 1 自由度まで減らし、ドライブライン内の他のすべての慣性を主自由度(車両
本体またはエンジン)の状態に依存させることができます。特定の制限に従って、この解析モー
ドは、標準の kinematic モードや dynamic モードよりもかなり高速です。
o
動 力 を熱 と し て散 逸 す る 車 両 コ ン ポ ー ネ ン ト およ び コネ ク シ ョン オブ ジ ェク ト ("Transmission*"、
"Differential"、"ClutchConn" 等)に、内部熱モデリングオプションが追加されました。これらのコンポー
ネントを、熱ライブラリテンプレートから尽くされた外部の、より詳細な熱モデルに接続することもできま
す。
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"TireConn*" テンプレートが、国際標準化機構(ISO)に準拠したサイズ定義(例えば 205/60/16)と、動
的な転がり半径の補正をサポートするようになりました。
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"TireConnRigid" テンプレートに、タイヤ摩擦係数マップが存在しない場合に使用する、簡単なタイヤス
リップ飽和モデルが導入されました。
o
新しいタイプのシンクロナイザモデル "SynchronizerSimple" が、システムレベルの手動モデリングおよ
びデュアルクラッチトランスミッションのモデリング用に導入されました。スリーブ力または同期化コマンド
でアクチュエートします。
o
機能強化された新しいエンジンコントローラコンパウンド
 ハードウェアの仕様(エンジン制限、シフト制限)を基に、エンジンのトルク制限をユーザーが定
義できます。
 あらかじめ定義されたイベント(シフトイベント、トラクションイベント)とユーザー定義のイベント
の両方に基づき、トルク拘束条件を定義できます。
新機能 ― 制御ライブラリ



o
すべての拘束条件および制限に基いてエンジントルクを調整します。
トルクベースの制御構造を開発し、使用できます。
従来の機能はすべて(フューエルカット、エンジン過回転保護、停止/起動条件)サポートされま
す。
新しいサンプルが幾つか追加されました:
 Launch-Control.gtm:新しく GTI で開発された発進コントローラを紹介します。アクセル/クラッ
チペダルの位置を調節して、勾配(ゼロ、正、負)に関係なく、指定したレベルの車両加速度を
提供します。
 Vehicle_Test_vs_Configuration_Comparison.gtm:DOE Setup を私用して、多くの車両設定
に適用される性能と燃費に関する多数のタスクを設定します。これらのタスクの結果は、新しい
ポスト処理テーブルにまとめられ、設定が性能に及ぼす影響を簡単に比較できます。
 ShiftScheduleGeneration.gtm:様々な複雑度のシフトスケジュールを紹介します。非常に簡単
なものから極めて高度なものまで、シフトスケジュールの生成に適用できます。
 トランスミッションの特別なコンポーネント(デュアルマスフライホイール(DMF)、湿式クラッチ、
詳細シンクロナイザ、ギアドライブなど)を紹介する新しいトランスミッションのサンプルモデルが
追加されています。
一般的な機械系およびソルバー
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GT-SUITE で、"Solid3D" テンプレートの 3D 有限要素ボディの変形を解析できるようになりました。
o
乾燥摩擦係数("FrictionCoulomb" オブジェクトを除く)に、0.1 mm/s のゼロ速度域を設定できるように
なりました。前のバージョンでは、これらのモデルは、ほぼゼロの相対速度で、非常に小さい時間刻み
に失速していました。結果の変化は無視可能な水準ですが、往復運動摩擦接合により、速度は大幅に
向上します。
o
「ゴシックアーチ」または「ラグビー」形状が導入され、2 つの物理的接触点を持つソケット(実際にはア
ニュラリング)を 2D でモデル化できるようになりました。この機能は、"ContactGeom2DSocket" に実装
されています。
o
固有モードのアニメーションを、"MechModelPlots2D" の周波数フィルタを使用して選択できるようにな
りました。"Mode Number to Animate" に直接入力する必要はなくなりました。
o
デフォルト("def")の減衰を持つビームモデルのノイズが少なくなりました。"def" 値の減衰は、非現実的
なノイズの原因となっていた以前のゼロ値から、1e-6 に変更されました。
o
複合表面粗度パラメータの BETA(真実接触曲率)と ETA(単位面積当たりの真実接触)を計算する新
しい方法が、Advanced Setup に実装されました。この計算法は、Mechanics フォルダの "Composite
Surface Roughness Calculation Method" です。
バルブトレイン
o
ばねのせん断応力を、カラーコンターとして "MechModelPlots2D" のアニメーションで使用できるように
なりました。ドロップダウンから選択します:Display Contours on 2D Flexible Bodies (Local) /
HelicalSpring-Shear-Stress。
o
新しいテンプレート "ValveBridgeNew" を使用して、2 つの "PoppetValveAssy" パーツを接続できるよ
うになりました。このオブジェクトには、オプションの "ElephantFoot" を含め、"ValvetrainAnalysis" で使
用される認識ロジックがすべて含まれています。
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"ContactTribology" の摩擦を、剛性のオプション "direct-input" を使用するコネクションオブジェクト
"Contact2D" に適用できるようになりました。この「ショートカット」法により、応力を見つける Hertz の反
復ループを回避します。カムシャフトモデルとの併用で、CPU 処理時間が大幅に改善されました。前の
バージョンでは、剛性のオプション "direct-input" と "ContactTribology" オブジェクトの組み合わせで、
新機能 ― 制御ライブラリ
摩擦トルクを計算しましたが、それを適用できませんでした。以前の結果を再生するには、
"ContactTribology" の設定を "ign" に置き換えてください。
o
陽解法のバルブトレイン(直交座標系に定義)が、入力項目としてバルブリフトプロフィールを使用する
ようになりました。"KinemCamLobeSolution" は、バルブリフト(port 1)について計算し、結果のプロ
フィールをカムローブ(port 0)に適用します。
o
"SwingCam" が新しい "SwingCamDblBeam" として強化されました。この新しいテンプレートは、柔軟
性を連続する 2 つのビームとしてモデル化します。
o
ばね疲労計算で、"MaterialMechanical" の属性 "Ultimate Shear Stress" を使用するようになりました。
前のバージョンで、ばね疲労に "Ultimate Tensile Strength" を使用していた場合、結果が変わります。
新しく事前入力される値は、USS=0.75*UTS となります。この値を補正するには、実際の USS を入力
します。
o
材料特性および形状/圧縮プロフィールがある場合に、"SpringGeomFE" が質量および/または初期ば
ね定数を予測できるようになりました。
o
新 し い テ ン プ レ ー ト "ElephantFoot" で 、"RockerArm"/"Finger" と そ れ に 続 く 線 形 パ ー ツ
("ValveBridge"/"PoppetValve")の間で平面~平面の滑り接触を使用できるようになりました。このテン
プレートには認識ロジックが含まれ、"ValvetrainAnalysis" と新しい "ValveBridgeNew" を使用できます。
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Hertz の楕円がオフセットフォロワのエッジを越えると、結合されたクラウン半径の補正では、楕円をフォ
ロワ上に十分に押し付けることができませんでした。この問題が修正されました。軸方向のオフセット
フォロワの結果が変わるのは、楕円がエッジの先に延びる場合です。古い結果を再生するには、軸方
向のオフセットを半分にしてください。
クランクトレイン
o
スプリットピンを、3D ビーム(quasi-static)の曲げモデルで使用できるようになりました。剛性の入力は
"SplitPinStiff" で行います。これは以前の "CrankWebStiff" に似ています。最もよく使われるのは、バ
ンク角が 120 度未満の V6 エンジンをモデル化する場合です。動的な曲げは、build 2 でサポートされ
る予定です。
o
2D 形状プロットが、"JournalBearing" および "JournalBearingFlow" に追加され、ベアリングの機能を
可視化できるようになりました。また、アニメーションを作成して、ジャーナルの軌道、ベアリングの荷重
方向、クリアランスプロフィール、油膜の範囲、ベアリングの各機能の運動を確認できます。
o
周波数および温度の依存性が、粘弾性ダンパーに追加されました。"XYZMap" で剛性と減衰曲線の定
義を行います。時間領域では、フィッティング後の係数が、与えられた各温度に対して計算され、ランタ
イム中に内挿されます。また、"RubberDamper*" に、エンジン速度の関数として定義された温度、また
はアクチュエータによって温度を設定できるようになりました。温度は、時間領域と周波数領域に適用さ
れます。
o
"RubberDamperRot" が 3 次元に拡張されました。新しい "RubberDamper3D" を使用して、周波数
データが 6 自由度について分かっている場合に、粘弾性エンジンマウントをモデル化できます。
o
クランクシャフトの質量および慣性の物性はすべて、クランクトレインの局所/大域座標系で入力します。
o
"ViscElasProp*" のフィッティングアルゴリズムが改良され、K0 係数を含むようになりました。さらに、
GT-SUITE が最初の推測を計算するようになり、フィッティングの安定性が向上しました。
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"JournalBearing" の周波数領域の減衰が修正され、無負荷のペトロフ(Petroff)の方程式を使用する
ようになりました。"JournalBearings" を使用するねじりクランクシャフトとバルブトレインの結果は、プリ
処理計算で変わります(強制振動解析および Quasi-Dynamic 解析)。一般的に、以前のベアリングは、
小さいエンジンの場合は約 100x の係数で過剰に減衰され、大きいエンジンでは約 10x の係数でした。
以前の結果を再生するには、Advanced Setup の VersionChanges で "Version Setting for Nonitemized Changes" = v7.3 を設定しますが、再調整されたねじりモデルを新たに計算することを強く推
新機能 ― 制御ライブラリ
奨いたします。
o
"JournalBearing"(一定のクリアランスとレモン型ボアの "XYTableofTables")および "PistonCylConn"
が強化され、カリュー(Carreau)係数が "OilPropData*" に定義されている場合のシアシニング(shear
thinning)を考慮するようになりました。また、"RingCylConn" が、リング面全体の膜厚さを積分し、平均
せん断速度を見つけられるようになりました。前のバージョンでは、最小の膜厚さに対するただの乗数
でした。カリューのシアシニング係数を使用するモデルでは、3 つのすべてのテンプレートで結果が変わ
ります。"JournalBearing"(一定のクリアランス)の結果を元に戻すには、エボリューションフラグを使用
し ま す (IDAJ サ ポ ー ト に お 問 い 合 わ せ く だ さ い ) 。"JournalBearing"( レ モ ン 型 ボ ア ) お よ び
"PistonCylConn" で以前の結果を再生するには、カリュー係数を完全に削除してください。
ギヤ、チェーン、ベルト駆動
o
"GuideArc" が曲げられるようになりました。接触表面を、連続する線形ビームとしてモデル化し、剛体
に向かって 1 つまたは複数箇所で固定します。この剛体を、ヒンジコンストレイント(hinge constraint)と
テンショナーに接続します。
o
"DriveChainSilent" を、"XYTable" に数値的に定義された歯を持つ "SprocketDrv" テンプレートおよび
"Sprocket" テンプレートに接続できるようになりました。
連成と “X”-in-the-Loop
o FMI for Co-Simulation v1.0
をサポートします。新しい “FMUImport” テンプレートで、GT-SUITE と
サードパーティの FMU のやり取りを処理します。FMU ファイル名を指定すると、属性(入力項目、出力
項目、パラメータ)は自動的に入力されます。
o
GT-SUITE が連成シミュレーションのスレーブとして動く場合に、マスターアプリケーションから GTSUITE の入力/出力信号の内容を参照することができます。
o
GT-SUITE が連成シミュレーションのマスターで、ルックアップテーブルが Simulink でパラメータとして
指定されている場合、Simulink 1-D/2-D のルックアップテーブルを、GT-SUITE から変更できます。
o
Simulink 内の GT-SUITE の S-Function ブロックの新設計により、「高度な機能」が隠され、ブロックパ
ラメータ内部のナビゲーションが簡単になりました。
o
Software-In-The-Loop (SiL) システム:ETAS INTECRIO/INCA、Qtronic Silver、McLaren vTAG が
新たにサポートされました。
制御ライブラリ
o
"SignalHold" を使用する信号の最小値/最大値を捕捉できるようになり、また、信号の最小値/最大値が
捕捉されたクランク角(または時間)を出力できるようになりました。この機能を使用するには、新しい
CaseRLT "Control Input Value at Hold Time" を使用します。
o
ほとんどの制御コンポーネントで、ユーザーがカスタマイズしたラベルを持つことがてきるようになりまし
た(汎用的なラベル "Input Signal 1" を、パーツの使用目的が分かるようなラベルに置き換えることが
できます)。
o
"Sampler" テンプレート:このテンプレートを使用して、目的の時間または角度によるサンプリング頻度
で、信号を抽出できます。(Build 2)
o
選択したテンプレートで、"SendSignal" パーツを使用せずに、無線で信号を受信できるようになりました。
o
"IfThenElse" テンプレート:このテンプレートを使用して、複雑な条件付きの操作を行うことができます。
o
"EventTimer" テンプレート:このテンプレートを使用して、規定されたイベントが真になる時間を追跡で
きます。
o
"Integrator" では、トリガーの立ち上がりまたは立下りエッジでリセットできるようになりました。
新機能 ― 制御ライブラリ
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ターゲットコントローラ
 PneumaticTurboWGAct:空気式ウェイストゲートアクチュエータを、この新しいコンパウドで簡単
にモデル化できます。
 PIDController:P、I および D のゲインを供給するオリジナルの方法 "Gains Specified" を使用す
るか、または、ユーザーが Slope、Time Constant (Tau) および Ratio of Settling Time to Time
Constant を入力する必要がある "Gains Calculated" を使用するか、いずれかを選択できるように
なりました。これで、"PIDController" は内部的にゲインを計算します。それぞれの PID ゲインがど
の範囲になるべきか分からない場合の最初のキャリブレーションが大幅に容易になりました。
 ContTurboWG1Stage:最大 4 つの並列ターボ過給機を、単一の "ContTurboWG1Stage" コント
ローラで制御できるようになりました。この目的のために、"Third Compressor Part for Parallel
Turbocharger"、"Fourth Compressor Part for Parallel Turbocharger" の各属性が追加されまし
た。
 コントローラを起動/停止するには、新しい(バイナリ)信号を使用します。この信号は、すべてのター
ゲットコントローラで使用できます。様々な動作領域でコントロールを交互に使用している複数のコ
ントローラを持つモデルに、非常に有用です。また、この機能に "Output During Deactivation
(optional)" 信号を関連付けることもできます。これで、コントローラに、コントローラが停止している
期間に、指定さいた値を出力させることができます。これによって、コントローラが再度起動したとき
に、コントローラ出力に「急上昇」が発生しないようにします。