小袖漁港海岸災害復旧(23 災第 74 号水門)ほか工事 特 記 仕 様 書 久慈市役所 1 第1章 総則 第1条 一般事項 1.目的 本工事は、小袖漁港海岸において陸閘及び水門を新設するものである。 2.工事場所 岩手県久慈市宇部町小袖地内 3.工事概要 本工事は、水門設備、陸閘設備の製作据付工事でその概要は次のとおりである。 (1)水門設備 型式 ステンレス製桁構造サーニットゲート 寸法 純径間 10.0m 有効高 3.0m 数量 1門 (2)陸閘設備 型式 アルミ合金製スイングゲート 寸法 純径間 5.0m 有効高 4.5m 数量 1門 (3)電気設備 電源引き込み工事(受電柱、引込開閉器盤含む) 1式 水門及び陸閘の機側操作盤、配電盤 各1面 予備発電装置、無停電電源装置 各1基 電気配線配管工事(水門及び陸閘) 1式 (4)二次コンクリート関係 二次コンクリート(型枠含む)工事 1式 4.準拠基準 本設備の設計、製作、据付等にあたっては、本仕様書によるほか、下記規格及び基準に準拠して行 うものとする。尚、これらの基準等は、契約時点における最新のものを適用する。 (1) 河川管理施設等構造令 ( (財)日本河川協会) (2) ダム・堰施設技術基準(案) (ダム・堰施設技術協会) (3) ゲート用開閉装置(機械式)設計要領案(ダム・堰施設技術協会) (4) 機械設備工事共通仕様書(国土交通省) (5) 電気設備工事共通仕様書(国土交通省) (6) 日本工業規格(JIS) (7) 岩手県土木工事共通仕様書(岩手県県土整備部) (8) アルミニウム合金製水門設計製作指針案(軽金属協会) (9) 岩手県海岸保全施設等設計マニュアル (10) その他、関係法令規則 5.事前調査 請負業者は、工事着手に先立ち現場の状況、関連工事その他について綿密な調査を行い、十分に実 情把握の上工事しなければならない。 2 6.その他 本工事は、 「標準断面図等による発注方式」を用いて発注する工事であり、今回の仕様書、図面及び 数量等は概略的な仕様となっている。 第2条 施工管理 本工事の施工管理は「国土交通省機械工事施工管理基準(案)」によるものとする。 第3条 工期 1.工 期 議会の承認を得られた日から 5 日以内から土日祝日を含め 288 日間とする。 3 第2章 現場施工条件 1.関連工事等 請負者は、次に示す隣接工事、又は関連工事の請負者と相互に協力し、施工しなければならない。 (1)小袖漁港海岸災害復旧(23 災第 665 号防潮堤)工事 (2)その他、隣接及び関連工事 2.現場搬入路 現場への搬入路は 20tトレーラーの進入が可能である。 3.第三者に対する措置 (1)保安対策 本工事における交通誘導員は計上していないが、現場の交通状況等により必要な場合は、監督職 員と協議するものとする。この場合は、契約変更の対象とする。 (2)その他 既設構造物及び第三者に損害を与えた場合は、請負者の責任で処理するものとする。 4 第3章 提出図面等 1.承諾図書 承諾に関する図書はA4版とし、2部(返却1部を含む)とする。 2.完成図書 完成図書の作成にあたっては、共通仕様書によるものとし、提出部数は3部とする。 完成図書の内容、編集等については、監督職員と打合せのうえ作成するものとする。 また、完成図書にはアフターケア体制について、機器及び装置毎の会社名、昼間、夜間等の緊急連絡 体制を記載した内容を装丁するものとする。 5 第5章 設計 1.一般事項 (1)請負者は、設計図書及び貸与する資料等について照査し、製造設計を行うものとする。 (2)請負者は、施工前及び施工途中において設計図書及び貸与する資料等の照査を行い、該当する 事実がある場合は、監督職員に確認を求めなければならない。 (3)請負者は、設計図書に示す設計条件・仕様に対して十分な機能を有し、耐久性、安全性、操作 性及び保守管理を考慮した構造としなければならない。 2.設計緒元 (1)水門設備 仕 様 項 目 水 ゲ ー ト 形 式 門 設 ステンレス製桁構造サーニットゲート 純 径 間 10.000m 有 効 高 3.000m 設 置 数 1門 設計水位 備 海側 (津波高) TP +12.000m (水深 9.900m) 陸側 (敷高) TP + 2.100m (水深 0.000m) 開時 操作水位 閉時 海側 TP + 2.100m (水深 0.000m) 陸側 TP + 5.100m (水深 3.000m) 海側 TP + 2.100m (水深 0.000m) 陸側 TP + 2.100m (水深 0.000m) ゲ ー ト 敷 高 設 計 震 度 水 密 方 式 開 操 揚 開 閉 作 操 方 閉 速 作 式 程 度 許 容 応 力 等 TP + 2.100m 0.8(レベル2タイプⅡ) 前面四方ゴム水密 電動ラック式 機側操作・遠方操作 及び自重降下 常時 3.100m 保守時 3.800m 電動時 0.3m/min 予備エンジン時 0.1m 程度/min 自重降下速度 3m 程度/min ダム堰施設技術基準(案) による。 但し、許容応力度の割り増し係数、及びたわみの 照査は岩手県海岸保全施設等設計マニュアルによ る。 (2)陸閘設備 仕 様 項 目 陸 ゲ ー ト 形 式 設計水位 閘 設 備 アルミニウム合金製スイングゲート 純 径 間 5.000m 有 効 高 4.500m 設 置 数 1門 海側 (津波高) TP +12.000m (水深 6.800m) 陸側 (敷高) TP + 5.200m (水深 0.000m) 操 作 水 位 無水操作 6 ゲ ー ト 敷 高 TP +5.200m 設 計 震 度 0.8(レベル2タイプⅡ) 水 密 方 式 後面四方ゴム水密 駆 動 方 式 電動及び手動 操 作 方 式 機側操作及び遠方操作 角 90° 間 4 分以内 回 操 転 作 時 3.材料 (1)主要材料は、JIS 規格品、又は同等品以上とする。 使 水門設備 用 箇 扉体 戸当り 陸閘設備 所 材 質 規 格 主要部材 熱間圧延ステンレス鋼 NSSC2120 支圧板 アルミニウム青銅鋳物 CAC702 ボルトナット ステンレス鋼 SUS304 主要部材 熱間圧延ステンレス鋼 NSSC2120 埋設部材 一般構造用圧延鋼材 SS400 溶接構造用圧延鋼材 ローラ踏面 熱間圧延ステンレス鋼 SM400A SM490A NSSC2120 扉体 主要部材 アルミニウム合金 A5083 戸当り 主要部材 熱間圧延ステンレス鋼 SUS304 埋設部材 一般構造用圧延鋼材 SS400 適 用 (2)構造計算の結果、決定する使用材料は、製鉄所のミルシート又は引張試験成績書等を提出し、 監督職員の承諾を受けるものとする。 7 第6章 構造及び製作 1.一般事項 (1)構造及び製作は、設計図書に示す設計条件、仕様に対して十分な機能を有し、耐久性、安全性、 操作性及び保守管理を配慮したものとしなければならない。 (2)使用する機器、部品等は日本国内で調達可能なものとする。 (3)本工事に使用する外注品は、JIS 又はその他の関係する規格、基準に合格した機器を使用し、 その構造、性能、機能について請負者は責任を持つものとする。 (4)工場製作に先立ち設計図書を十分に照査し変更等が必要となる事項については、あらかじめ協 議し監督員の提出するものとする。 (5)製作に当たっては、材料および部品検査、寸法検査、膜厚検査、性能検査を実施し、その結果 を監督員の提出するものとする。 2.陸閘設備 (1)扉体はアルミニウム合金製桁構造とし、必要な強度と剛性を有するものとする。 (2)戸当りは扉体全開時に車輌等の円滑な通行を確保できる構造とする。 (3)電動開閉装置は4分以内で全閉できる構造とする。 (4)動力は電動を基本とするが、電源喪失時には手動でも操作可能な構造とする。 3.水門設備 (1)扉体 1)扉体はステンレス製桁構造とし、設計水圧の他、振動、座屈衝撃、横揺れ等に対し、十分な 剛性、強度及び安全性を保つ構造とする。 2)扉体は、支圧板により戸当り金物に荷重を伝達するサーニットゲート構造とする。 3)扉体には開閉時等の横揺れによる安全性を確保するため、フロントローラ及びサイドローラ を有する構造とする。 (2)戸当り 1)戸当り金物は、扉体から伝達される作業荷重の他、扉体の横揺れ、振動等に対して十分な強 度を有する構造とし、安全確実にコンクリートに伝達する構造とする。 2)可動部戸当りは組立解体及び保守点検が容易な構造とし、取付ボルトは SUS304 材を使用する ものとする。 (3)水密構造 1)水密部構造は、扉体全閉時において必要な水密を保持できるものとし、かつ、維持管理の容 易なものとする。 2)水密部は、 水圧や温度変化による扉体のたわみや伸縮に対して水密が保持できる構造とする。 3)水密ゴムは、扉体の温度変化及び撓みに対して安全に順応し、水圧変化に対しては有効に水 密を保持し得る構造とする。また水密ゴム取付部は水密ゴムの取替えが容易な構造とし、取 付ボルトは SUS304 材を使用するものとする。 (4)開閉装置 1)開閉装置は電動ラック式とする。 2)遠心ブレーキ等の速度制御により自重降下操作が可能な構造とする。 3)開閉装置には、開度計、リミットスイッチ(上限、下限、非常上限) 、過負荷防止スイッチ、 自重降下用電磁クラッチ等の機器を内蔵するものとする。 4)開閉装置には、開度発信機を設け、機側操作盤へ表示可能なものとする。 8 第 7 章 塗装 (1)一般事項 1. 外注品の塗装は、メーカー標準塗装とする。 2.扉体、戸当り及び開閉装置のステンレス部材は無塗装とし、酸洗いを十分に行うものとする。 3.塗装は各部の塗装仕様により施工するものとし、現場搬入後にタッチアップ程度の補修を行い、 塗装を仕上げるものとする。 4.標準膜厚は各測定値の平均値とするが、最低膜厚の 70%以上とする。 (2)施工方法 1.塗装作業は、鋼材表面の素地調整を十分に行った後に実施し、各層の塗り重ねは塗装系に応じた 間隔を守り、各層ごとに色分けを行うものとする。 2.現場溶接及び工場での無塗装箇所は現場補修等を行い、塗装を仕上げるものとする。 (3)塗装仕様 各機器の塗装仕様は次のとおりとする。上塗色については監督員の指示によるものとする。 塗装箇所 施工場所 工程 素地調整 扉体 (アルミ合金部) 工 場 第一層目(下塗) 第二層目(中塗) 第三層目(上塗) 合 計 塗装名 塵埃、油脂類及び付着物 の除去 エポキシ樹脂下塗塗料 ポリウレタン樹脂塗料 ポリウレタン樹脂塗料 標準膜厚(γm) 60 30 30 120 9 第 8 章 据付 1.輸送 (1)輸送に際しては関係法令を遵守して、交通安全と製品の品質保全に努めるものとする。 (2)荷卸し及び機器の保管は盗難防止対策を行うものとする。 (3)道路交通法を厳守して安全運転を行うこと。 (4)天候、気象及び道路事情に留意して安全を期すこと。 2.機器設備 (1)据付にあたっては、構造物や製品に損傷を与えないよう、また機能を十分に発揮するように正 確に据付なければならない。 3.電気設備 (1)電気設備各機器及び盤類はアンカーボルト等により確実に固定するものとする。 (2)試運転調整を実施して設備に正常に動作することを確認するものとする。 4.付帯工事 (1)土工、シンダーコンクリート工及び建築工事については別途工事により施工するものとする。 10
© Copyright 2024 Paperzz