湛水直播栽培における鉄およびモリブデン被覆種子を用いた苗立ち安定化技術の開発 湛水直播栽培における鉄およびモリブデン被覆種子を用いた苗立ち安定化技術の開発 湛水直播栽培における鉄およびモリブデン被覆種子を用いた苗立ち安定化技術の開発 ○秀島好知・原 嘉隆 1)・伊勢村浩司 2)・菊池正男 3) ・浅川将暁・山口喜久一郎 1) 2) ・菊池正男 3) ・浅川将暁・山口喜久一郎 ○秀島好知・原 嘉隆 2) 3 ) ・伊勢村浩司 1) ・菊池正男 ・浅川将暁・山口喜久一郎 ○秀島好知・原 嘉隆 1)・伊勢村浩司 (佐賀農業セ・ 九沖農研セ・ 2)ヤンマー(株)・ 3)ヤンマーアグリジャパン(株)) 1) 2) (佐賀農業セ・ ヤンマー(株)・ 3)ヤンマーアグリジャパン(株)) 2) 3) (佐賀農業セ・ 1)九沖農研セ・ ヤンマー(株)・九沖農研セ・ ヤンマーアグリジャパン(株)) たが,還元鉄区では判然とせず,相対的に還元鉄 【目的】 たが,還元鉄区では判然とせず,相対的に還元鉄 【目的】 区の方がべんがら区よりも苗立ちが優っていた。 2012 年に著者らは,原が考案した“酸化鉄(べ たが,還元鉄区では判然とせず,相対的に還元鉄 区の方がべんがら区よりも苗立ちが優っていた。 2012 年に著者らは,原が考案した“酸化鉄(べ んがら)を用いたモリブデン被覆技術”について また,湛水出芽では 1 区~4 区の差はみられなかっ 年に著者らは,原が考案した“酸化鉄(べ 区の方がべんがら区よりも苗立ちが優っていた。 んがら)を用いたモリブデン被覆技術”について また, 湛水出芽では 圃場試験を行い,モリブデンの苗立向上効果を確 た。 1 区~4 区の差はみられなかっ を用いたモリブデン被覆技術”について また,湛水出芽では 1 区~4 区の差はみられなかっ 圃場試験を行い,モリブデンの苗立向上効果を確 た。 認した。そこで,本試験では還元鉄とモリブデン を行い,モリブデンの苗立向上効果を確 た。 認した。そこで,本試験では還元鉄とモリブデン の組み合わせによる苗立ち安定化技術について検 そこで,本試験では還元鉄とモリブデン の組み合わせによる苗立ち安定化技術について検 討した。 わせによる苗立ち安定化技術について検 討した。 【材料および方法】 【材料および方法】 2013 年に「さがびより」を用いて,佐賀県農業 よび方法】 2013 年に「さがびより」を用いて,佐賀県農業 試験研究センター内の圃場(細粒灰色低地土,埴 に「さがびより」を用いて,佐賀県農業 試験研究センター内の圃場(細粒灰色低地土,埴 土,前年作:水稲)で試験を実施した。 センター内の圃場(細粒灰色低地土,埴 土,前年作:水稲)で試験を実施した。 試験区の構成は,表 1 のとおり。播種は,ヤン 作:水稲)で試験を実施した。 試験区の構成は,表 1 のとおり。播種は,ヤン マー多目的播種機 RG6 を用いて 6 月 10 日に行った。 の構成は,表 1 のとおり。播種は,ヤン マー多目的播種機 RG6 を用いて 6 月 10 日に行った。 播種方式は点播とし,1,2,5 区は溝切ユニット使 的播種機 RG6 を用いて 6 月 10 日に行った。 播種方式は点播とし,1,2,5 区は溝切ユニット使 用で土中播種,3,4 区は表面播種とした。基肥は は点播とし,1,2,5 区は溝切ユニット使 PET ボトルを使った試験では,べんがら区,還元 用で土中播種,3,4 区は表面播種とした。基肥は PET ボトルを使った試験では,べんがら区,還元 硫安で N5kg/10a 播種翌日に除草剤・スクミ 播種,3,4 区は表面播種とした。基肥は 鉄区ともにモリブデンによって明らかに発芽率が PET散布。 ボトルを使った試験では,べんがら区,還元 硫安で N5kg/10a 散布。播種翌日に除草剤・スクミ 鉄区ともにモリブデンによって明らかに発芽率が リンゴガイ防除剤を湛水処理した。その後,圃場 kg/10a 散布。播種翌日に除草剤・スクミ 向上し,特にべんがら+Mo 区ではカルパー区よりも 鉄区ともにモリブデンによって明らかに発芽率が リンゴガイ防除剤を湛水処理した。その後,圃場 向上し,特にべんがら+Mo 区ではカルパー区よりも を仕切った畦波の水口側を湛水状態,水尻側を自 イ防除剤を湛水処理した。その後,圃場 優れていた(図 2)。 向上し,特にべんがら+Mo 区ではカルパー区よりも を仕切った畦波の水口側を湛水状態,水尻側を自 優れていた(図 2)。 然落水とした。 播種 11 日目に圃場全体を浅水管理 た畦波の水口側を湛水状態,水尻側を自 優れていた(図 2)。 然落水とした。 播種播種 11 日目に圃場全体を浅水管理 とし, 21 日目に落水区並びに湛水区の苗立調 した。播種 11 日目に圃場全体を浅水管理 とし,播種 21査を実施した。 日目に落水区並びに湛水区の苗立調 種 21 日目に落水区並びに湛水区の苗立調 査を実施した。 した。 表1 試験に供した種子 表1 試験に供した種子 乾籾kg当たり添加物 試験に供した種子 区 名 乾籾kg当たり添加物 及び添加量 乾籾kg当たり添加物 区 名 区 名 及び添加量 1 べんがら+Mo 酸化鉄200g/0.1molMo/ 及び添加量 1 べんがら+Mo 酸化鉄200g/0.1molMo/ PVA4.3g んがら+Mo 酸化鉄200g/0.1molMo/ PVA4.3g 2 べんがらのみ 酸化鉄200g/PVA4.3g PVA4.3g 2 べんがらのみ 酸化鉄200g/PVA4.3g 3 還元鉄+Mo 還元鉄500g/0.1molMo/ んがらのみ 酸化鉄200g/PVA4.3g 3 還元鉄+Mo 還元鉄500g/0.1molMo/ 焼石膏75g 元鉄+Mo 還元鉄500g/0.1molMo/ 焼石膏75g 4 還元鉄のみ 還元鉄500g/焼石膏75g 焼石膏75g シャーレを使った試験においてもモリブデンで 4 還元鉄のみ 還元鉄500g/焼石膏75g カルパー粉粒剤16 1000g シャーレを使った試験においてもモリブデンで 元鉄のみ 還元鉄500g/焼石膏75g 5 カルパー等倍量 発芽率は高くなったが,還元鉄区よりもべんがら シャーレを使った試験においてもモリブデンで 5 カルパー等倍量 カルパー粉粒剤16 1000g パー等倍量 カルパー粉粒剤16 1000g 注1)Mo:リンモリブデン酸カリウム,PVA:耐水性ポリビニルアルコール 発芽率は高くなったが,還元鉄区よりもべんがら 注1)Mo:リンモリブデン酸カリウム,PVA:耐水性ポリビニルアルコール 区 の 方 が 発 表2 シャーレでの発芽試験結果 発芽率は高くなったが,還元鉄区よりもべんがら リンモリブデン酸カリウム,PVA:耐水性ポリビニルアルコール 2)"べんがら"=酸化鉄 区 の 方 が 発芽 表2 シャーレでの発芽試験結果 2)"べんがら"=酸化鉄 3)1,2,5区は土中播種,3,4区は表面播種 発芽勢 発芽率 率は高か 区 の 方 が 発 表2 シャーレでの発芽試験結果 んがら"=酸化鉄 区 3)1,2,5区は土中播種,3,4区は表面播種 発芽率 発芽勢 (4日後) (7日後) 芽 率 は 高 か また,補完試験として PET ボトルで作成した小 区は土中播種,3,4区は表面播種 区 発芽勢 発芽率 った(表 2)。 芽率は高か 区 (4日後) (7日後) 1 べんがら+Mo 92 94 a また,補完試験として PET ボトルで作成した小 (4日後)2)。 (7日後) った(表 型容器に圃場試験と同じ水田土壌を充填し,各処 補完試験として PET ボトルで作成した小 以1上 の結 った(表 2)。 べんがら+Mo 92 94 a 72 2 べんがらのみ 77 b 1 べんがら+Mo 94 a 型容器に圃場試験と同じ水田土壌を充填し,各処 以92 上 の 結果から, 2 べんがらのみ 72 77 b 69 理区の種子を 20 常温で静置し 圃場試験と同じ水田土壌を充填し,各処 3 還元鉄+Mo 76 b モリ 以 粒ずつ湛水播種し, 上の結 2 べんがらのみ 72 77 b 理区の種子を 20 粒ずつ湛水播種し,常温で静置し 3 還元鉄+Mo 4 還元鉄のみ 69 76 b 60 64 b 果から, モリ て発芽状況の観察を行った。 子を 20 粒ずつ湛水播種し, 常温で静置し 3 還元鉄+Mo 69 76 デ b ンの苗 ブ 果から,モリ 4 還元鉄のみ 5 カルパー等倍量 60 64 b 93 94 a て発芽状況の観察を行った。 4 還元鉄のみ 60 64 b デ ン の 苗立 ち5 改 さらに,上記と同じ水田土壌を厚さ 5mm ブ 程度敷 況の観察を行った。 カルパー等倍量 93 94 a 善 効 注)表中の異なるアルファベットはTukey法により5%水準 ブデンの苗 5 程度敷 カルパー等倍量 93 94 注)表中の異なるアルファベットはTukey法により5%水準 a さらに,上記と同じ水田土壌を厚さ 5mm で有意差あり. 立 ち 改 善 効 いたシャーレに各処理区の種子を 100 粒ずつ播種 ,上記と同じ水田土壌を厚さ 5mm 程度敷 注)表中の異なるアルファベットはTukey法により5%水準 果 で有意差あり. は確認さ 立ち改善効 いたシャーレに各処理区の種子を 100 粒ずつ播種 で有意差あり. 果 は 確 認 されたが,その使用量(添加濃度)については検討が し(3 反復),常温下での発芽勢(4 日後)と発芽率(7 ーレに各処理区の種子を 100 粒ずつ播種 果は確認さ し(3 反復),常温下での発芽勢(4 日後)と発芽率(7 れたが,その使用量(添加濃度)については検討が 日後)を調査した。 ),常温下での発芽勢(4 日後)と発芽率(7 必要と思われ,また 還元鉄との組み合わせは,現 れたが,その使用量(添加濃度)については検討が 日後)を調査した。 必要と思われ,また 還元鉄との組み合わせは,現 【結果および考察】 調査した。 地圃場では効果不足であると考えられた。 必要と思われ,また 還元鉄との組み合わせは,現 【結果および考察】 地圃場では効果不足であると考えられた。 圃場試験での 1 区~4 区の苗立率は全区ともカル よび考察】 なお,本成果は平成 25 年度新稲作研究会委託 地圃場では効果不足であると考えられた。 圃場試験での 1 区~4 区の苗立率は全区ともカル なお,本成果は平成 25 年度新稲作研究会委託 1)。落水出芽では,モリ パー区よりも低かった(図 験での 1 区~4 区の苗立率は全区ともカル 試験で実施したものである。 なお,本成果は平成 25 年度新稲作研究会委託 1)。落水出芽では,モリ パー区よりも低かった(図 ブデンによってべんがら区の苗立率がやや向上し りも低かった(図 1)。落水出芽では,モリ 試験で実施したものである。 試験で実施したものである。 ブデンによってべんがら区の苗立率がやや向上し よってべんがら区の苗立率がやや向上し ─ 3 ─ p001-017cs6.indd 3 2014/07/31 8:46:11
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