数 学 平成26年度 大阪府公立前期入試 本年度の注目問題! 【文理学科・理数科・総合科学科・国際文化科・サイエンス創造科】 ■総評 関数が大問 1 に含まれたことで,大問数が 4 問→3 問に減少したが,小問数は例年ほぼ一定している。ただ,昨年度の採点ミス問題の 影響もあるのか,解法記述が 1 問減少し,記述問題は証明 1 問,解法記述 2 問となり,配点比率も従来の約 40%→30%に減少した。 一方,出題傾向は概ね例年通りといえる。特に,1(6)「整数に関する問題」,(7)「媒介変数の利用」,2,3「直角三角形の相似の発見と その利用」,3「空間図形内での比の利用」などは,繰り返し出題されているテーマである。過年度問題の傾向を把握し,類題演習に取り組 めているかによって,得点力に大きく差がつくといえる。 2(2)②㋑と3(1)②は補助線の引き方によって解法が複数考えられることや,計算処理がやや面倒なことなどから,正解までたどり着けた 生徒は少ないことが予想される。また,3(2)は(1)②より解きやすいが,前問でつまずいたことで時間が足りなかったり,あきらめたりした生徒 もいるかもしれない。難問が解ければ非常に得点差を広げることはできるが,それ以前に「解ける問題を確実に得点すること」が最重要。過 年度問題とその類題に数多く挑戦しながら,解ける問題を見抜く力も養いたい。 ■注目問題 ※問題文はスペースの都合上,問題内容を変えない範囲で編集しています。 2 (2)②㋑ 図において,円 O は,点 O を中心とし線分 AB を直径とする円であり,AB= F E 10cm である。C は,円 O の周上の点であって,A,B と異なる点である。半周より短い弧 ⌒ AC に対する中心角∠AOC の大きさは,0˚より大きく,60˚より小さい。D は,C を通り線分 I AB に平行な直線と円 O との交点のうち,C と異なる点である。E は,直線 CO と円 O と G O A ⌒ 上にあって A,E と異なる点 の交点のうち,C と異なる点である。F は半周より短い弧AE H B であり,△ABF≡△ECD である。また,G は線分 AB と線分 ED との交点であり,H は線 分 ED と線分 FB との交点であり,I は線分 EC と線分 FB との交点である。 EH=HG,OG= 【解答例】 図1 図2 F △ABF≡△ECD や AB//CD などを利用すると, E 図 1 の同じ印をつけた角が等しいことが分かる。 I △EOG で,∠EGO=90˚だから, EG= 102 3 =5 52- 2 2 12- =5 3 5 5 5 = 9 3 D C 10 cm であるとき,四角形 IOGH の面積を求めなさい。 3 H ① J ① I 5 O A E G B H 図 2 のように,I から EG に垂線 IJ を引くと, ② △IEH は二等辺三角形だから,△EIJ≡△HIJ となる。 C EJ=HJ, EH=HG より, EJ:EG=1:4 △EIJ∽△EOG で,相似比 EJ:EG=1:4 より,面積比△EIJ:△EOG=12:42=1:16 16-1×2 10 5 5 1 7 175 5 2 よって, 四角形 IOGH=△EOG× = 16 3 × 3 ×2×8 = 72 (cm ) O D G 10 3 図3 E I 《別解》 ※EG を求めるところまでは上記同様。 5 1 5 図 3 のように,I から OB に垂線 IJ を引くと,△IOB は二等辺三角形だから, OJ= OB= 2 2 H 10 5 3 3 5 5 5 5 : =4:3 だから,IJ= EG= × = 3 2 4 4 3 4 △EOG∽△IOJ より, EG:IJ=OG:OJ= 四角形 IOGH=△IOB-△HBG なので, 5 5 1 5 5 5 1 1 1 175 5 5× × - × × =25 5 × - = (cm2) 4 2 3 6 2 72 8 36 O 10 3 J G 5 3 B 次頁に続く 3 図Ⅰ,図Ⅱにおいて,立体 ABC‐DEF は三角柱である。△ABC と△DEF 図Ⅰ A は合同な二等辺三角形であり,AB=AC=5cm,BC=4cm である。四角形 D ABED,ACFD,BEFC は長方形である。AD=BE=CF=xcm とする。 (1)② 図Ⅰにおいて,G は,面 ABED,面 DEF を通って A から F まで移動する G ときの道のりが最短となる経路が辺 DE を横切る位置を表す点である。線分 C F DG の長さが 2cm であるときの x の値を求めなさい。 B (2) 図Ⅱは,x=6 であるときの状態を示している。図Ⅱにおいて,H は,辺 E 図Ⅱ A AB 上にあって A,B と異なる点である。I は H を通り辺 BC に平行な直線 D と辺 AC との交点であり,J は H を通り辺 BE に平行な直線と辺 DE との交 点である。このとき,HJ=BE である。K は,辺 DF 上にあって IK=HJ と I K なる点である。このとき,4 点 H,J,K,I は同じ平面上にあって,この 4 点を C H 結んでできる四角形 HJKI は長方形である。A と E とを結ぶ。L は,線分 L F J AE と線分 HJ との交点である。L と I,L と K とをそれぞれ結ぶ。∠ILK= B 90˚であるときの線分 AH の長さを求めなさい。求め方も書くこと。 E 【解答例】 (1)② 図 2 のように展開図の一部をかき,F から DE に垂線 FN を引く。 △DEM の 3 辺の比は EM:DE:DM=2:5: 21 だから, 図1 x A D △DEM∽△FEN より, 2 21 4 21 2 8 FN= EF= , EN= EF= 5 5 5 5 8 7 よって, NG=DE-DG-EN=5-2- = 5 5 G 5 F N △ADG∽△FNG より, AD:DG=FN:NG だから, 4 21 7 x:2= : , 5 5 7 8 21 x= , 5 5 8 21 x= 7 (2) 図 3 で,AH=a とする。 B A a 4 HI:BC=AH:AB=a:5 だから, HI= ×BC= a 5 5 △AHL∽△ABE より, a 6 HL:BE=AH:AB=a:5 だから, HL= ×BE= a 5 5 D a I 5 △IHL∽△LJK より, IH:HL=LJ:JK だから, K C H 長方形 HJKI に着目すると,図 4 のようになる。 4a=45-9a, 2 図2 △AHI∽△ABC より, 4 6 6 4 a: a=6- a: a, 5 5 5 5 2 E M B 45 (cm) 13 a= (2)の模範解答は「三平方の定理」を利用して方程式を立てているが,上記 のように,「相似」を利用する方が計算は楽になることが多い。 また,注目問題で取り上げたものは解答例以外にも様々な解法が考えられ る。文理学科合格に向けては,解説を理解できることも大切だが,もっと良い 解法がないか何種類かのアプローチを試してみることが,さらなるレベルアッ プにつながるだろう。 図3 E 6 I K 4 a 5 H F J 6 2:3=(15-3a):2a, 13a=45, L 4 4 a 5 6 a 5 L J
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