No.259 - みずほ証券

新 春
特集号
No.259
C
O
N
T
E
N
T
S
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
【INDEX&サマリー】
・・・・・・・・・・・・・・・ 2
【グローバルマーケット展望】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
【新興国マーケット展望】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
【日本株展望】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
【為替展望】
・・・・・・・・・・・・・・・・11
【新興国・資源国通貨展望】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
【金利展望】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
【経済トピックス】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
【クローズアップⅠ】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
【クローズアップⅡ】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
【クローズアップⅢ】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
【テクニカルVIEW】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
【タイムテーブル】
・・・・・・・・・・30
【金融商品取引法に係る重要事項】
マーケットビュー259号
平成26年12月24日作成、12月29日発行(毎週月曜日発行)
2014.12.29
平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
~ 新年のご挨拶 ~
新年、おめでとうございます。2014 年は先進国の量的緩和の効果と米国をけん引役とした世界景気
の拡大を受け、債券高と株高が並存する展開となりました。また、日本では成長戦略において企業の
「稼ぐ力」を強化すべく、法人税減税や企業統治高度化に向けた動きが進んだほか、公的年金の運用
改革が実現し、年央以降、日本株は堅調な推移をたどりました。総選挙も終え、2015 年は年央に向け
景気対策や成長戦略推進等の経済政策が進展し、引き続き良好な投資環境が継続するものと想定し
ています。一方、2014 年秋以降は原油価格が急速に下落し、資源国・新興国市場では選別が強まって
います。2015 年は米国において利上げが展望されるなか、各国・地域、アセットへの影響をしっかりと
見定めることも重要と考えています。こうした投資環境の下、日本版の少額投資非課税制度(NISA)等
が拡充される動きも注目され、投資家のすそ野は広がっていくことが予想されます。みずほ証券では、
株式、金利、為替等のタイムリーなマーケット情報の提供はもとより、中長期を見据えた有望な投資テ
ーマや企業の発掘、投資知識に資するコンテンツ等、役立つ投資情報の提供を目指してまいります。
本年もマーケットビューのご愛読、よろしくお願い申しあげます。
投資情報部
【グローバルマーケット展望】 ~2015 年、エクイティ優位の展開が続く見通し~
先進国株は高値推移、新興国株は値固め先行
各国の株価に割高感は乏しい、世界的な株高続く
NY ダウは 20000 ドルを視野に、企業業績の拡大トレンドが支える
【為替展望】 ~これまでのレビューと今後の動向~
ドル円の値動きとその背景
日米欧、金融政策の方向性
これまでの動向と今後の見通し
【新興国・資源国通貨展望】 ~2015 年の新興国・資源国通貨見通し~
2014 年は全般に底堅く推移も、年末にかけて下落
2015 年は前半にかけて商品市況の調整から下値を試した後、持ち直しへ
米利上げを日欧の追加緩和が相殺、貿易構造等により選別色は更に強まる
【金利展望】 ~金利市場は米利上げ時期の見極めを中心に展開~
米長期金利は利上げ時期の具体化と利上げペースを織り込みつつ緩やかに上昇
ECB は国債買い入れも含む量的緩和を実施の公算
国内長期金利は良好な需給環境の継続とともに低位安定推移を予想
【INDEX&サマリー】 【グローバルマーケット展望】
2015年、エクイティ優位の展開が続く見通し
【新興国マーケット展望】
新興国株市場は投資地域の選別が続くか
【日本株展望】
ROE革命の進展が株高材料に
【為替展望】
為替市場展望:これまでのレビューと今後の動向
【新興国・資源国通貨展望】
2015年の新興国・資源国通貨見通し
【金利展望】
金利市場は米利上げ時期の見極めを中心に展開
・・・・・
・・・・・
1
2
・・・・・
5
・・・・・
7
・・・・・
9
・・・・・
11
・・・・・
13
【経済トピックス】
内外経済の展望
【クローズアップⅠ】
IoTが変える未来社会
【クローズアップⅡ】
観光立国推進
【クローズアップⅢ】
グローバル企業のROEと銘柄スクリーニング
【テクニカルVIEW】
日本株、「辛抱」の先に「新ゾーン」の展開も
【タイムテーブル】
2015年の年間タイムテーブル
【金融商品取引法に係る重要事項】
・・・・・ 15
・・・・・ 17
・・・・・ 21
・・・・・ 25
・・・・・ 27
・・・・・ 29
・・・・・ 30
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
2015 年、エクイティ優位の展開が続く見通し
2015 年、株式に代表されるエクイティ優位
世界の経済成長率見通し(2014年10月時点)
(前年比、%)
の展開が続こう。世界的な株価の割安修正に
2014年
15年
16年
17年
18年
3.3
3.8
4.0
4.1
4.0
先進国
1.8
2.3
2.4
2.4
2.3
米国
2.2
3.1
3.0
3.0
2.7
力)となる(P.15~ 「内外経済の展望」)。15 年
ユーロ圏
0.8
1.3
1.7
1.7
1.6
の年初から 4~5 月にかけて米国株主導で年
日本
0.9
0.8
0.8
0.9
0.9
前半の高値、その後は値固めやスピード調整
新興国
4.4
5.0
5.2
5.2
5.2
を挟みながらも年末高に向かう展開を予想
中国
7.4
7.1
6.8
6.6
6.4
インド
5.6
6.4
6.5
6.6
6.7
ブラジル
0.3
1.4
2.2
2.7
2.9
世界
は一巡感があるものの、世界経済の緩やかな
成長加速が株価上昇の主要ドライバー(原動
する。米金融当局による異例の緩和政策は
「正常化」へ向かい、15 年中にも利上げが始
(注)インドは会計年度ベース、矢印は前年との比較
出所:国際通貨基金(IMF)の資料よりみずほ証券作成
まるとみている。その過程では、国際金融市
場が一時的に不安定化する可能性があり、先進国(P.9~ 「為替市場展望:これまでのレビューと今後
の動向」)、新興国(P.11~ 「2015 年の新興国・資源国通貨見通し」)を問わず影響が波及する公算が
大きい。ただ、長期的な観点でみれば、世界経済や米国経済に対する信頼向上を背景とした「正
常化」の一環であり、最終的にはリスク資産の価格形成に好影響を与えると評価できる。
14 年は「午(うま)尻下がり」に反して年末高に向かった(P.27~ 「日本株、「辛抱」の先に「新ゾー
ン」の展開も」)。そして 15 年は「未(ひつじ)辛抱」
。日本経済の向かう道のりは平坦(へいたん)で
はないが、オリンピック・パラリンピックが開催される 20 年の「子(ね)は繁栄」に向け、日本の変
革は進めなければならない。家計金融資産の「貯蓄から投資」へのシフトも続き、日本版の少額
投資非課税制度(NISA)や確定拠出年金(日本版 401K)を拡充する動きへの注目度も高まっている。
先進国株は高値推移、新興国株は値固め先行
先進国株全体の値動きを反映する MSCI ワ
ールド指数は 2014 年 7 月に終値ベースの最
高値を更新。その後は、高値圏でのもみ合い
先進国株と新興国株の動向
(ポイント)
2500
2000
(週次:2001/1/5~2014/12/19)
先進国株(MSCI ワールド)
新興国株(MSCI エマージング)
推移となっている。世界経済の成長を背景と
1500
した企業業績の拡大が続くと見込まれてお
1000
り、スピード調整を経た後は再び上昇基調を
500
強めると想定する。一方、新興国株全体が最
高値を記録したのは 07 年 10 月。リーマンシ
ョック後は最高値を更新していない。ただ、
新興国は減速含みながらも高めの経済成長
0
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(注)MSCIワールド・インデックスおよびMSCIエマージング・インデッ クスは
MSCI Inc.が公表しているインデックスで、当指数に関する著作権、知的
所有権その他一切の権利はMSCI Inc.に属しており、また、MSCI Inc.は
同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
が続くとみられており、新興地域の株価もいずれ上昇基調を取り戻すと期待される。
各国の株価に割高感は乏しい
主要株価指数のバリュエーション
世界経済全体の成長と企業業績の拡
1 2 /1 9
終値
大基調を背景とした株高傾向が続いて
きたが、株価収益率(PER)で見ると極端
日本
日経平均株価
な割高でも割安でもない穏当な水準に
あると判断できる。先進国株の 1 株当
米国
たり利益(EPS)を株価で割った「益利回
り(Earnings Yield)」を来期予想ベー
欧州
スで見ると、各国の長期金利を大きく
上回る水準にある。米金融政策の正常
香港
PER
PER
PBR
益利回り
(%)
( 倍)
( 倍)
( 倍)
(% )
8.2
19.2
17.0
1.72
5.9
TOPIX
1409.61
8.2
15.5
13.8
1.31
7.3
NYダウ
17804.80
7.4
15.7
15.2
3.07
6.6
S&P500
2070.65
12.0
17.3
16.2
2.81
6.2
ナスダック総合
4765.38
14.1
23.8
19.7
5.65
5.1
(英) FTSE100
6545.27
▲ 3.0
13.9
13.6
1.85
7.4
(独) DAX
9786.96
2.5
13.7
12.5
1.67
8.0
ハンセン
23116.63
▲ 0.8
10.9
10.3
1.30
9.7
ハンセンH株
11400.19
5.4
7.9
7.4
1.21
13.5
中国
上海総合
昇することを考慮に入れたとしても、
インド
センセックス
て高いと考えられる。
実績 来期予想
騰落率
17621.40
化が進む過程で長期金利が段階的に上
米国をはじめ各国株の投資魅力は総じ
2 01 4 年 今期予想 来期予想
ブラジル ボベスパ
3108.60
46.9
13.0
11.6
1.92
8.6
27371.84
29.3
17.5
14.5
2.99
6.9
49650.98
▲ 3.6
11.6
10.5
1.25
9.5
(注1)今来期の予想値は日本とインドが15/3期と16/3期中心、他は14/12期と15/12期中心
(注2)益利回り:EPSを株価で割って求める利回り、予想PERから算出
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
世界的な株高続く、米国株がけん引
世界的な株高傾向を米国株の上昇がけん引する構図は、2015 年も変わらないだろう。米国の構
造的な強みとしては、①人口増、②技術革新(イノベーション)力、③シェール革命等が挙げられ
る。特に、シェール革命は世界の勢力図に大きな地殻変動を起こす可能性を秘めており、石油輸
出国機構(OPEC)も価格戦略の歴史的な大転換を迫られかねない。原油価格の下落は米家計やエネ
ルギー輸入国へ恩恵をもたらす。ただ、原油価格の暴落にまでに至れば、資源国のほか関連産業
の設備投資や雇用計画に甚大な悪影響が及ぶ可能性もある。2015 年も原油価格の動向から目を離
すことはできない。
米国の循環的な面から見ても、他の
地域との景況格差や金融政策の相違を
背景に、米国に投資資金が向かいやす
い状況。2015 年中の米政策金利の引き
米政策金利とNYダウ
(月次:1985/1~2014/12)
(ドル)
25000
NYダウ
(左目盛)
水色の期間は
金利上昇局面
20000
(%)
20
15
15000
上げも視野に入っている(P.13~ 「金
10
利市場は米利上げ時期の見極めを中心
10000
に展開」)。1985 年以降を見ると、米国
5000
の金利上昇が始まるまで株価上昇が続
いた例が多く、その後も株高基調が途
切れなかったケースも少なくない。米
5
政策金利
(右目盛)
0
0
85
90
95
00
05
(注)2014/12のデータは12/19時点
10
15
(年)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
金融当局が政策の正常化に向かう過程で市場が不安定化する場面があったとしても、それを投資
機会と捉えることもできよう。
NY ダウは 20000 ドルを視野に、企業業績の拡大トレンドが支える
米国の金利上昇局面では、PER が低下傾向をたどることで株価の上昇ピッチが鈍化する可能性
も想定する必要がある。ただ、米 S&P500 指数の EPS はピーク更新が続くと見込まれており、長
期金利の急速かつ大幅な上昇を回避できれば、株価の基調的な上昇は持続可能と考える。例えば、
S&P500 指数の予想 EPS に PER をかけて将来の株価水準を試算することができる。更に、DS 倍率
(NY ダウ÷S&P500 指数)を使って NY ダウの水準を試算すると、2016 年に向けて 20000 ドル台が視
野に入ってくる。
S&P500指数試算値
PER
NYダウ試算値
2014年
予想
117.16
2015年
予想
127.07
(単位:ポイント)
2016年
予想
142.06
20倍
2343
2541
2841
19倍
2226
2414
2699
18倍
2108
2287
17倍
1991
16倍
1874
1株当たり
利益
(単位:ドル)
2014年
予想
2015年
予想
2016年
予想
実績PER:18.3倍
20149
21852
24432
(2014/12/19時点)
19143
20760
23211
2557
18128
19668
21990
2160
2415
17122
18576
20769
2033
2272
16116
17483
19539
18318
15倍
1757
1906
2130
DS倍率:8.60倍
15110
16391
14倍
1640
1778
1988
(2014/12/19時点)
14104
15290
17096
13倍
1523
1651
1846
13097
14198
15875
12倍
1405
1524
1704
12083
13106
14654
(注1)予想1株当たり利益はトムソン・ロイター(I/B/E/S)の予想集計ベース、12/19時点
(注2)S&P500指数試算値は各年の1株当たり利益にPERを乗じて算出。NYダウ試算値はS&P500指数試算値にDS倍率(NYダウ÷S&P500)を乗じて算出
出所:トムソン・ロイターおよびブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
<地域戦略およびセクター戦略> 先進国株(日米)、グローバル企業群、成長地域・分野
先進国株の中で日米の優位が続くとみる(P.7~ 「ROE 革命の進展が株高材料に」)。世界経済の
成長加速シナリオを背景に、強固なビジネスモデルを持ち安定的な収益や配当金の成長が見込ま
れるグローバル企業群を選好(P.25~ 「グローバル企業の ROE と銘柄スクリーニング」)。業種別で
は、情報技術(IT)やヘルスケア等の成長分野で高い競争力を持つ企業を評価する動きが続くと考
える(P.17~ 「IoT が変える未来社会」)。新興国株は値固め局面を強いられているものの、長期的
な成長性を重視する投資資金の流入は続いているとみられ、株価の下落時には株価バリュエーシ
ョンを手がかりに投資家の買い姿勢が強まる公算が大きい(P.5~ 「新興国株市場は投資地域の
選別が続くか」)。
また、日本固有の買い材料として、衆議院選挙での与党大勝をバネにしたアベノミクス推進
(P.21~ 「観光立国推進」)、円安に伴う業績上方修正、日本銀行や公的年金等の買いを背景とし
た株式の好需給、6 月の株主総会に向けた株主還元の増加等に注目できる。
(上田 正信)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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新興国株市場は投資地域の選別が続くか
2015 年の新興国株は値固めから底離れの
新興国株と先進国株の実績PBR
機会をうかがう展開か。米金融政策の正常化
を受けた資金流出懸念が新興国株の重しと
(週次:2001/1/5~2014/12/19)
(倍)
4
先進国株(MSCIワールド)(B)
新興国株(MCSIエマージング)(A)
相対PBR(A÷B)
なる一方、割安感の強まりが株価を下支えす
るとみている。新興国株指数(MSCI エマージ
3
ング・インデックス)の実績株価純資産倍率
(PBR)を先進国株指数(MSCI ワールド・インデ
ックス)の実績 PBR で除した相対 PBR は、
2.13
2
1.40
1
0.66
2004/6 以来の水準まで低下。新興国株の割安
感に着目した長期資金の流入が期待できよ
う。ただ、投資地域を選別する動きも続くと
みる。各国政府が安定を維持しながら構造改
革を実行し、その成果として新たな成長軌道
0
01
03
05
07
09
11
13
(年)
(注) MSCIワールド・インデックスおよびMSCIエマージング・インデックスは
MSCI Inc.が公表しているインデックスで、当指数に関する著作権、知的
所有権その他一切の権利はMSCI Inc.に属しており、また、MSCI Inc.は
同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
に乗せることができるかどうか注目される。
中国:政策期待が株式相場を下支えか
2015 年は第 12 次 5 ヵ年計画を締めくくる
節目の年。中国・香港株は引き続き政策動向
に左右されやすい展開となろう。中国政府は
これまでの実績を総括するとともに、20 年ま
香港ハンセン指数と上海総合指数
(週次:2001/1/5~2014/12/19)
(ポイント)
7000
(ポイント)
35000
30000
6000
ハンセン(右目盛)
25000
での第 13 次 5 ヵ年計画の策定作業を進める。
5000
さらに、20 年までに構造改革について決定的
4000
20000
な成果を出すとも表明しており、15 年には各
3000
15000
種改革を一段と加速させよう。また、産業構
2000
造の転換に向けて消費の拡大やサービス業
の発展が図られるとともに、新興産業の育成
支援も強化されよう。経済の減速に対しては、
10000
上海総合(左目盛)
5000
1000
第10次
第11次
第12次
0
0
01
03
05
07
09
11
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
13
15
(年)
追加利下げや預金準備率引き下げに踏み切
る可能性があるほか、対象を絞った財政政策でも景気を下支えしていくとみられる。中国株式市
場は、政策が追い風となるセクターや企業の主導により、回復基調をたどると期待される。もっ
とも、上海総合指数は 11 月下旬から 12 月初旬にかけ急ピッチで上昇しており、反動安の可能性
に留意したい。
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
ブラジル:取り巻く環境は厳しいが、株価バリュエーションの低さが相場を下支えするか
2015 年 1 月からルセフ政権 2 期目がスター
トする。ルセフ大統領は低所得者層への所得
再配分を重視することもあり、ブラジルの構
造改革に対する株式市場の期待感は乏しい。
また、国営エネルギー企業をめぐる汚職疑惑
が政界を巻き込みつつあり、ルセフ大統領の
政権運営や経済への悪影響が懸念されてい
MSCIブラジル・インデックスおよび実績株価純資産倍率(PBR)
5000
(倍)
6
実績PBR(右目盛)
5
4000
4
3000
3
2000
2
MSCIブラジル(左目盛)
1000
る。さらに、急落した原油価格、軟調推移が
しいと言わざるを得ない。ただ、株価バリュ
エーションの低さが相場を下支えするとみ
1
実績PBR1倍
0
0
01
続く鉄鉱石価格、減速感がぬぐえない中国経
済等、ブラジル株式市場を取り巻く環境は厳
(週次:2001/1/5~2014/12/19)
(ポイント)
6000
03
05
07
09
11
13
15
(年)
(注) MSCIブラジル・インデックスはMSCI Inc.が公表しているインデックスで、
当指数に関する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCI Inc.に
属しており、また、MSCI Inc.は同指数の内容を変更する権利および
公表を停止する権利を有しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
ている。機関投資家等が利用する MSCI ブラジル・インデックスをみると、12/19 時点の実績株価
純資産倍率(PBR)は 1.17 倍とリーマンショック以降の底値圏まで下落し、1 倍割れも視野に入っ
ている。ブラジル株の下値は限定的と考えられよう。
インド:原油安が追い風だが、利益確定の動きが出やすいか
2015 年のインド株は、モディ首相の経済政
策「モディノミクス」への期待感を背景に上
昇基調が続くと期待されよう。モディ政権の
改革実行力をはかるうえでも、15 年 2 月発表
予定の 2015 年度予算案の内容に注目したい。
さらに、原油価格の下落もインド株の追い風
原油価格とインドのインフレ率
(月次:2006/1~2014/12)
(1バレル=ドル)
180
原油価格(左目盛)
卸売物価指数・前年比(右目盛)
160
(%)
14
12
140
10
120
8
100
6
となろう。原油安はインドの経済成長率を押
80
4
し上げる効果が期待できるほか、インフレ鈍
60
2
化をもたらしている。代表的なインフレ指標
40
0
の 1 つである卸売物価指数は、11 月に前年比
20
横ばいとなった。インフレ鈍化を受け、イン
ド準備銀行(中央銀行)が 2015 年の早い段階
▲2
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(注1)原油価格は北海ブレント先物価格。2014/12のデータは12/19時点
(注2)卸売物価指数のデータは2014/11まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
で利下げに動く可能性があり、インド株の押
し上げにつながると期待される。ただ、利益確定の売りが出やすい点に留意したい。センセック
ス指数は 12 月に入り調整色を強めたとはいえ、12/19 時点での年初来騰落率は+29%、米ドル建て
ベースでも+26%。利益確定の動きが続く可能性があろう。
(永田 尋嗣)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
6
平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
ROE 革命の進展が株高材料に
2015 年も円安や世界的な株高基調が日本株の追い風に
2014 年の日経平均株価の動きを振り
返ると、13 年に大きく買い越した海外投
日経平均株価とドル円相場
(円)
(1ドル=円)
(日次:2014/1/6~2014/12/19)
18000
125
日経平均株価(左目盛)
資家の反動売りが年初から強まったほか、 17000
120
ドル円相場(右目盛)
4 月の消費増税が景気に及ぼす影響の不
16000
115
透明感や、ウクライナや中東を巡る地政
15000
110
学リスクの高まり等から、年前半は
14000
105
14000 円を割り込む場面もあった。しか
し、史上最高値の更新を続ける米国株や、
急速な円安・ドル高の進行といった外部
13000
14/1
100
14/3
14/5
14/7
14/9
14/11
(年/月)
出所:QUICK Astra Managerのデータよりみずほ証券作成
環境の好転を背景に、年央以降は大きく持ち直す展開。10 月末の日銀の追加金融緩和等もあって、
10 月下旬から 12 月上旬にかけては上値追いとなり、12/8 にはザラ場ベースで約 7 年 4 ヵ月ぶり
に 18000 円台を回復した。年末は再び調整したが、日経平均株価の年間上昇率は 12/19 時点で 8.2%
となっている。
15 年についても、14 年後半の流れを引き継いで日本株市場の堅調な推移を予想する。円の対
ドル相場は、日・米の金融政策のスタンスの違い等から 15 年以降も円安・ドル高基調が続き、
なお株価の支援材料になると思われる。米国経済の回復と、それに伴う同国主導の世界的な株高
傾向も、引き続き日本株に好影響を与えよう。一方、欧州や中国の景気鈍化懸念、原油安に伴う
資源国の経済不安、等によるリスク回避の動きが折に触れ相場の波乱要因となりそうだが、株価
が下押せば根強い先高期待を背景に押し目買いが入る展開が想定される。
国内景気の回復、安倍政権の実行力向上等にも期待
日本国内の買い材料にも注目できよう。需給改善の動きとして、下値での日銀による上場投資
信託(ETF)買い入れや、国内株式運用の割合を高めると発表した年金積立金管理運用独立行政
法人(GPIF)の買い期待等が、日本株市場に対する投資家の安心感につながっている。また、2014
年は消費増税の影響が予想外に長引き、景気腰折れへの不安もくすぶったが、消費再増税の先送
りや原油価格下落が消費にもたらすプラス効果等から、15 年は国内景気の回復感が強まってくる
ことが予想される。2%の物価目標の達成が難しくなれば、日銀が一段の追加緩和に踏み切るとの
観測があることも株式相場の下支えになっていよう。さらに、12/14 の衆院選での与党大勝によ
り、安倍政権の今後 4 年間の政治基盤が強まった。同政権の経済政策に対する期待は徐々に低下
しているとみられるが、法人実効税率の 20%台への引き下げに道筋を付ける等、政策実行力の向
上が確認できれば、海外投資家らの日本株見直しにつながる可能性があろう。
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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コーポレートガバナンス関連のイベントが目白押し
安倍首相が政権を執って 3 年目に入った。先
の衆議院選挙では、アベノミクス継続の是非を
最大の争点として大勝。そのため、発足した第
3 次安倍内閣は、強化された政権基盤を背景に、
アベノミクスの進展と、足踏みが続く景気の立
て直しが、最重要課題となろう。
しかし、1 月下旬に召集予定の通常国会の前
半(1~3 月)は、予算案と消費税率引き上げ延
期法案の審議に終始することを余儀なくされ
そうだ。また、4 月の統一地方選挙後は、集団
的自衛権関連法案が最優先で審議される見通
しとなっている。6 月には、
「日本再興戦略」の
2 回目の改訂が行われる予定だが、2014/1 のダ
ボス会議で安倍首相が意欲を示した、労働や医
療、農業等の岩盤規制分野では、改革が進んで
いるとは言い難い状況である。
2015年の主な国内イベント
月
イベント
1月 通常国会召集
2月 ISS(注1) が新基準の議決権行使助言を開始
経済産業省が投資家フォーラムを設置
3月 北陸新幹線延伸開業
政府が少子化社会対策大綱をとりまとめ
4月 統一地方選挙
5月 改正会社法の施行
春 日米防衛協力指針を策定
6月 コーポレートガバナンス・コード適用開始
3月期本決算企業の株主総会シーズン
政府が日本再興戦略の再改訂版を発表
8月 JPX日経400の入れ替え銘柄発表
夏 政府が2020年度に向けた財政再建の道筋を提示
政府が原発比率を含む将来の電源構成を作成
9月 自民党総裁選
10月 GPIF(注2) と共済年金が統合
秋 日本郵政グループが上場
(注1) ISS:議決権行使助言の最大手である米インスティテューショ
ナル・シェアホルダー・サービシーズの略称
(注2) GPIF:年金積立金管理運用独立行政法人
(注3) 記載事項は「予定」ないし「見込み」で、変更の可能性あり
出所: 各種資料よりみずほ証券作成
そうした中、アベノミクスの第 3 の矢である成長戦略の中で、現在、最も進ちょく率が高い政
策の 1 つとなっているのが、「コーポレートガバナンスの強化」に向けた取り組みである。2015
年も後述のような同関連のイベントが目白押しであり、株式市場にもインパクトを与えよう。
進展する「ROE 革命」
2014/12 に、金融庁の有識者会議は、企業の行動規範となる「コーポレートガバナンス・コー
ド」の原案を策定。これを基に東証が上場規則を改訂し、2015/6 には同コードが導入される見通
しである。また、議決権行使助言の最大手である米インスティテューショナル・シェアホルダー・
サービシーズ(ISS)社は、2015/2 から実施する議決権行使助言方針として、過去 5 年間の自己
資本利益率(ROE)の平均値が 5%を下回り、改善傾向がみられない企業の経営トップの再任案に
反対する新たな助言基準を適用することを決定。さらに、2015/5 には、社外取締役採用の事実上
の義務化や、親子企業間のガバナンス強化等を骨子とする改正会社法が施行される見通しであり、
2015/6 に開催される定時株主総会では、2014/2 に導入された「日本版スチュワードシップ・コ
ード」を受け入れた機関投資家による議決権行使の厳格化も予想される。一方、2014/1 から算出
が始まった ROE 等を銘柄選定基準にした新指数「JPX 日経インデックス 400」は、毎年 6 月末を
選定基準日に、8 月第 5 営業日に入れ替え銘柄(2014 年には 31 銘柄が入れ替えられた)が発表
されることになっている。これら一連のイベントを通じ「ROE 革命」が進展し、日本企業のコー
ポレートガバナンス強化につながっていくことが期待される。
(半杭 亮一郎、大神 美由紀)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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為替市場展望:これまでのレビューと今後の動向
2014 年 10-12 月期の主要通貨動向
2014 年 10-12 月期の為替相場
主要通貨の対ドルレート騰落率
(14/9/30→14/12/19)
は、右図の通り、ドルが主要通貨
対して全面安の展開となった。米
国の景気回復を背景に連邦準備理
事会(FRB)が緩和的金融政策を終
ド
ル
高
トルコリラ
南アランド
▲ 2.97
豪ドル
5.75
5.51
ユーロ
▲ 3.47
5.21
カナダドル
▲ 3.62
5.04
英ポンド
▲ 7.05
1.30
ブラジルレアル
▲ 7.99
豪ドル
メキシコペソ
▲ 8.01
ブラジルレアル
0.27
円
▲ 8.24
メキシコペソ
0.25
で、日銀は 10/31 に追加緩和を行
ったこと等から、金融政策の方向
6.18
スイスフラン
▲ 3.18
カナダドル
7.38
トルコリラ
南アランド
(%)
▲ 10.00 ▲ 8.00
▲ 6.00
▲ 4.00
▲ 2.00
0.00
(%)
0.00
2.00
円
高
4.00
6.00
↑
↓
げ)に向けた議論を開始した。一方
▲ 1.47
ユーロ
8.31
NZドル
▲ 2.57
スイスフラン
英ポンド
了させ、金融政策の正常化(利上
ド
ル
安
8.98
米ドル
▲ 0.61
NZドル
↑
↓
に対して全面高、円は主要通貨に
主要通貨の対円レート騰落率
(2014/9/30→2014/12/19)
円
安
8.00
10.00
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
性の違いが浮き彫りとなった。欧
州では欧州中央銀行(ECB)が緩和に積極姿勢を示したが、10-12 月期には具体的な行動がなかった
こともあり、ユーロは上図にもある通り中立的な位置を推移している。
ドル円相場、相次ぐ材料に激しい値動き
2014 年前半、ドル円相場はおよそ 1 ドル
(1ドル=円)
122
ドル円 チャート(日次:2013/12/6~2014/12/23)
(1ドル=円)
122
=101 円から 103 円の狭いレンジを横ばいに
推移したが、米国景気の回復傾向を背景に
上昇基調となると、10/1 には約 6 年ぶりに
117
117
112
112
107
107
102
102
110 円台を回復した。その後、国際通貨基
金(IMF)等が世界経済の先行きに不透明感
を指摘すると 10/15 にかけて 105 円台に反
落する場面もあったが、10/29 に FRB が緩
和的金融政策を終了させ、10/31 に日銀が
97
追加緩和を発表すると再び騰勢を強めた。
出所:各種資料よりみずほ証券作成
97
2014/02
2014/05
2014/08
2014/11
2015/01
(年/月)
11 月には 2015 年の消費増税が見送られ、安倍内閣が解散総選挙に踏み切ると続伸し、良好な 11
月の米雇用統計が発表された 12/5 には 121 円台を回復。12/8 には約 7 年ぶりの高値である 1 ド
ル=121.86 円を付けた。その後、原油価格とロシアルーブルの急落を受けたリスク回避姿勢の高
まりに一時 1 ドル=115 円台へ下落したものの、12/16-17 の FOMC で FRB が米国経済に対する楽観
的な見方を示すと下支えられ、結局 1 ドル=120 円近辺の高値圏でもみ合いつつ年末を迎える展開
となりそうだ。
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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日米欧、金融政策の方向性
ECB は 6 月と 9 月に追加緩和を実施
し、政策金利を 0.05%と、ほぼゼロ金
利の水準まで引き下げた。しかし、欧
州経済は低迷した状況が続き、インフ
レ率も低位に推移したことから ECB は
量的緩和を含む非伝統的緩和政策を模
索することとなった。日米と違いユー
ロ圏は国ではなく地域であることから、
日銀や FRB のように国債を購入するこ
とによる量的緩和導入が難しい。結局、
独等が反対姿勢を示すなかで国債購入を通じた量的緩和の導入の議論は 10-12 月期にはまとまら
なかった。結果としてユーロは、金融政策の方向性に違いのある対ドルでは緩やかに下落したも
のの、追加緩和に踏み切った円に対しては上昇するといった値動きをみせている。引き続き、ECB
の緩和姿勢は継続し、早ければ 1 月後半の ECB 理事会で国債購入を含む追加緩和策を導入する可
能性があるなかでユーロは対ドルで上値の重い状況が継続するとみられる。一方で、日銀の緩和
姿勢も続くとみられることから、対円ではもみ合う展開を想定している。
ドル円相場の動向に関するこれまでの総括と今後の見通し
これまで、2014 年 3 月や 6 月の本誌四半期特集号で、ドル円の動きについて「1 ドル=100 円~
102 円近辺で底堅さを確認し」
「その後、日米景況感や金利差等のファンダメンタルズ格差を反映
しつつ」「7-9 月期には上昇」するシナリオを示した。さらに、9 月の四半期特集号では「10-12
月期にはさらに続伸することで 1 ドル=110.00 円をブレイクするが、その後は一定の達成感とと
もに 107 円~112 円程度のもみ合いへと移行する展開」を予想した。年後半にかけての「もみ合
い後に上昇」といったざっくりとした方向はおおむね合致したが、年終盤にかけての上昇は 1 ド
ル=110 円水準を大きく超え 120 円水準まで上昇した。我々は「日銀の追加緩和は 2015 年序盤」
「消費増税は予定通り実施」との見方をメインシナリオとし、1 ドル=120 円超えは 2015 年序盤
になるとみていた。しかし、実際には追加緩和が 2014 年 10 月に行われ、消費増税の先送りと解
散総選挙が行われたことで想定以上の円安が示現することとなった。
10 月以降、ドル円は 12/8 の 121 円台まで約 1 ヵ月半の短期間に約 16 円もの大幅上昇を示現し
ており、この円相場の変動を経済が織り込むための時間を含め、目先 2015 年 1-3 月期は調整・
もみ合いといった展開になる可能性が高いと考えている。しかし、引き続き中長期的には、日米
金融政策の方向性の違い、景況感格差や実質金利差、貿易収支等を背景とした円安の継続をメイ
ンシナリオとしており、2015 年終盤にかけてはこれらを材料に 1 ドル=127 円~130 円といった水
準まで上昇する展開を想定している。
(鈴木 健吾)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
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2015 年の新興国・資源国通貨見通し
2014 年は全般に底堅く推移も年末にかけて下落
2014 年の新興国・資源国為替市場は、年半ばにかけては底堅い推移となった。米国の寒波の影
響による米景気減速や、米連邦準備理事会(FRB)による慎重な緩和解除姿勢から、米金利上昇・
ドル高シナリオが修正を迫られたことや、欧州のデフレ懸念の高まりによる欧州中央銀行(ECB)
の追加緩和もあり、高金利を求める動きの根強さから資金流入の動きが続いた。
その後は、米景気の回復が確認され早期利上げへの思惑が強まると、手控えていた投資資金は
ドルにシフト、新興国・資源国通貨は全般に大きく下落した。また、年末にかけて原油価格等の
商品市況下落に拍車がかかると、資源国を中心に全般に下落基調を強める動きになった。
2015 年は商品市況の調整から下値を試した後、持ち直しへ
2015 年の新興国・資源国為替市場は、年前半にかけては商品市況の全体的な調整継続が予想さ
れることや、米国の利上げ時期への思惑によるドル高基調の継続等から、軟調な推移を余儀なく
される公算が大きい。しかし、年後半にかけては世界経済の拡大にテーマが移るとともに、リス
クオンの流れから投資資金が回帰する動きとなり、持ち直しに転じていく展開が予想される。
14 年は年間を通じて商品市況下落が続き、新興国経済の拡大と資源需要拡大の恩恵を受けた成
長という好循環が途切れる可能性も指摘されている。少なくとも、足元で起きている供給超過に
よる需給緩和が改善するまでにはまだしばらく時間がかかる可能性があり、15 年半ば頃までは商
品価格下落の悪影響が新興国・資源国通貨の重しとなる状況が続こう。
一方、15 年中には米国の利上げが予想される中、新興国からの資金流出への懸念がくすぶるが、
その一方で日本と欧州は追加緩和を実施する可能性が高く、世界経済全体としてみれば緩和基調
の動きは維持され、新興国からの資金流出の動きはマイルドなものにとどまるとみられる。
ただ、今後は新興国投資に際して通貨選別の動きが更に強まろう。中国景気減速を背景に商品
ブームは減衰していく可能性があり、資源等の商品輸出国にはマイナスの影響が続く一方、製品
輸出国や資源・エネルギー輸入国にはプ
また、13 年は経常赤字やインフレ体質
等の資金流出に対するぜい弱性に焦点が
当たったが、その後の改善の程度は国に
よってかなり格差がみられる。そうした
違いは構造改革の進展度合いに負うとこ
ろも大きく、今後も選別要因として市場
で重視される場面が続くだろう。
対ドル相場の騰落率(6/30→12/12)(%)
ラスの効果が大きくなる可能性がある。
鉱物燃料貿易収支の貿易額比率と対ドル為替相場の相関
5
タイ 中国
香港
フィリピン
インドネシア
アルゼンチン
台湾
シンガポール ハンガリー
南アフリカ
マレーシア
韓国
ポーランド メキシコ
ニュージーランド
ブラジル
0
▲5
インド
▲ 10
トルコ
▲ 15
▲ 20
▲ 25
▲ 30
▲ 35
▲ 40
▲ 45
▲ 30
y = -0.4562x - 9.6868
R² = 0.5015
ウクライナ
鉱物燃料の
貿易収支が赤字 ← →
資源価格下落
で有利に
▲ 20
オーストラリア
鉱物燃料の
貿易収支が黒字
資源価格下落
で不利に
0
10
20
▲ 10
鉱物燃料貿易収支/輸出入金額合計(%)
ロシア
30
40
50
(注)鉱物燃料は各国の統計により若干異なる、2013年の数値を利用して計算
出所:各国統計、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
豪ドルは商品安に下値を試した後は持ち直しへ、NZ ドルは上値の重い推移
豪ドルは中国景気の減速や鉄鉱石等の輸出商品価格下落の影響を受けやすく、供給超過による
需給緩和が和らぐまでは、商品価格の調整に伴って当面下値を探る展開が予想される。ただ、こ
れまでの金融緩和効果を背景に景気は徐々に回復に向かっており、天然ガス生産が軌道に乗る等
して輸出が増加に向かえば、16 年にかけて成長率の加速が予想される。このため、今後の金融政
策の方向性は利上げが予想されており、年半ば以降は持ち直す場面が出てこよう。
NZ ドルは全般には底堅い推移となろう。NZ 準備銀行(RBNZ)はインフレの加速に先んじて累
計 1.00%の利上げを実施した後、引き締め効果の波及を受けて金利を据え置いている。ただ、RBNZ
は引き続き追加利上げの必要性を示唆しており、利上げが視野に入り始めれば底堅さを増そう。
ブラジルレアルは構造改革姿勢が依然焦点、メキシコペソは原油安が止まれば反発へ
ブラジルレアルは低成長と高インフレの背後にある構造問題にメスが入るかどうかが引き続
き焦点となる。ブラジル中銀のインフレ抑制・通貨防衛スタンスがレアル売りに歯止めを掛ける
ものの、市場では高率で複雑な税制等のいわゆるブラジルコストの解消や遅れているインフラ整
備の進展等が求められており、財政への信認回復も注視される。ルセフ大統領はレビィ元国庫局
長等、市場寄りの人物を経済閣僚に起用しており、今後の政策対応が引き続き注目される。
メキシコペソは足元で大幅な原油安を
商品価格と新興国・資源国通貨の動き(対ドル指数)
(月次:2007/1~2014/12)
(2009/1=100)
180
(%)
450
受けて大きく売り込まれている。歳入の
400
160
3 分の 1 を石油関連収入に依存する影響
350
140
が出ているが、メキシコはエネルギー市
場開放等の構造改革が実行段階に入って
おり、米景気の回復も輸出を通じてメキ
300
120
250
100
シコ経済にプラスの影響をもたらすと期
80
待される。原油価格の下落が一服すれば、
60
ペソは大きく反発する可能性があろう。
200
豪ドル
南アランド
メキシコペソ
インドネシアルピア
07
08
09
ブラジルレアル
トルコリラ
インドルピー
CRB指数(右目盛)
10
11
12
150
100
13
14
15
(注)直近値は12/18現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
(年)
南アランドは下値探りが続く、トルコリラは経常収支改善に伴い投資妙味も
南アランドは引き続き景気の減速とインフレの高止まりから、中央銀行が金融引き締めに二の
足を踏むジレンマの状況が続いている。11 月に任命された新総裁がインフレ抑制重視を示唆、利
上げ観測が下支えとなる一方で、商品価格下落による経常収支の悪化懸念や財政赤字拡大による
格下げ懸念も重しとなっている。輸出先である欧州や中国の景気や商品市況に注目が集まろう。
トルコリラは隣国シリアでの地政学リスクの動向が引き続き懸念材料だが、軍事介入には依然
慎重で安定を保っている。15 年 6 月の総選挙では大統領権限の強化を目指すエルドアン大統領の
公正発展党(AKP)が憲法改正に必要な 3 分の 2 の議席を確保できるかが焦点になる。一方、金
融引き締めや原油安から今後経常赤字の改善が期待できることは好材料となろう。
(五十嵐
聡)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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金利市場は米利上げ時期の見極めを中心に展開
原油安等を背景に 2014 年末の米国やユーロ圏、日本の長期金利は低下基調で推移
2014 年 12 月にかけて、原油安を背景としたインフレ見通しの下振れや世界経済の減速懸念が
強まるなか、米国やユーロ圏主要国、日本の国債利回りは低下基調をたどった。米国債市場では、
12 月に入り就業者数が予想を大幅に上回った 11 月の雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)
による利上げ開始時期の前倒し観測が強まり、米 10 年国債利回りは 2.3%台に乗せた。その後も
消費・生産関連指標が堅調な結果を示したが、原油安を背景に世界的なリスク回避ムードが強ま
ると同利回りは 12 月中旬にかけて終値で 2.06%程度と 13 年 5 月以来の水準まで低下した。
ただ、FRB は 12/16~17 の連邦公開市場委員会(FOMC)において、10 月の FOMC で量的緩和の終
了を決定したのに続き、声明文で金融政策の将来的な指針(フォワードガイダンス)を修正し、利
上げに向けて政策を正常化する方向性を明示した。同 FOMC を受けて、米長期金利の低下傾向に
は歯止めが掛かりつつある。一方、ユーロ圏では 12/4 の欧州中央銀行(ECB)理事会後の会見でド
ラギ総裁が将来的な量的緩和の導入を示唆。FRB とは対照的な政策の方向性を反映して独 10 年国
債利回りは低下基調が継続、同 2 年国債利回りは 8 月下旬以降、マイナス水準で推移している。
わが国でも日銀による 10/31 の追加緩和を受けて、買入額が増額された長期・超長期国債を中心
に利回りが低下。11 月以降は消費増税先送り観測に伴う財政再建路線の後退懸念から 10 年国債
利回りは一時 0.535%まで上昇したが、日銀のオペによる超長期債の買入増額や 14 年 7-9 月期 GDP
の下方修正等が金利上昇を抑制し、消費増税の先送り決定後は次第に低下基調をたどった。
米長期金利は利上げ時期の具体化進展に伴い、利上げペースも織り込みつつ緩やかに上昇へ
2014 年 12 月の FOMC 声明文では原油安が米国の物価に与える影響は一時的とされたほか、イエ
レン FRB 議長が会見で「FOMC では混乱が続くロシア経済が米国経済に与える影響は限定的にとど
まるとの結論だった」と述べる等、米景気の持続的な回復に自信を示した。15 年の FOMC は 1、3、
4、6、7、9、10、12 月に予定されており、イエレン議長の「今後 2 回の FOMC で(利上げに向けた)
正常化プロセスに着手する可能性は低
い」旨の指摘を踏まえれば、15 年前半に
かけて利上げ時期の具体化が進もう。た
だ、インフレが FRB の目標水準(+2%)を下
回っているため、FRB は利上げを急がず、
海外経済の動向もにらみながら慎重に対
応していくとみられる。米長期金利は利
上げペース等も織り込みつつ、緩やかに
上昇基調をたどる展開を予想する。
米10年国債利回りと消費者物価、個人消費支出物価
(%)
4.0
(%)
4.0
(月次:2009/1~2014/12)
3.0
3.5
2.0
3.0
1.0
2.5
0.0
2.0
▲ 1.0
消費者物価(CPI、前年比、左目盛)
▲ 2.0
1.5
個人消費支出(PCE)物価(前年比、左目盛)
米10年国債利回り(右目盛)
▲ 3.0
09
10
11
1.0
12
13
14
(年)
(注1)個人消費支出(PCE)物価は食品とエネルギーを除いたコア物価とともにFRBの物価判断の基準とされている
(注2)米10年国債利回りは2014/12/19時点。CPIは2014年11月、PCE物価は10月まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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ECB は国債買い入れも含む量的緩和を実施の公算
FRB の金融政策スタンスが緩和から引き締めに向かう道筋が明確になりつつあるのに対して、
ECB と日銀の政策は一段と緩和的な色彩を強めていくとみられる。ECB は、2014 年に下限金利の
中銀預金金利をマイナス水準とする等、主要政策金利を 2 度にわたり引き下げた。他にも、貸出
増加に的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)の実施、カバードボンドや資産担保証券(ABS)の買い入
れ等、複数の緩和パッケージを導入したが、
ユーロ圏の政策金利、独10年国債利回りと消費者物価
(%)
景気の浮揚や低インフレ脱却に向けた効果
(月次:2009/1~2014/12)
4.0
消費者物価(前年比)
独10年国債利回り
欧州中央銀行(ECB)の政策金利
3.5
は乏しい。原油安に伴うデフレ観測やユー
3.0
ロ圏経済の下振れ懸念を払しょくするうえ
2.5
でも、ECB は 15 年 1~3 月に国債買い入れ
2.0
も含めた量的緩和を実施する可能性が高い。
1.0
1.5
0.5
独 10 年国債利回りは 14 年末にかけて 0.6%
0.0
を割り込み、過去最低水準を更新している
▲ 0.5
▲ 1.0
が、15 年前半も ECB の緩和実施を織り込み
09
10
11
12
13
14
(年)
(注)政策金利と独10年国債利回りは2014/12/19時点。消費者物価は11月まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
つつ同水準近辺での推移が続くとみられる。
国内長期金利は良好な需給環境の継続とともに低位安定推移を予想
わが国でも、内外株価の下落に伴うリスク回避に加え、12/14 の衆院選で与党が 3 分の 2 の議
席を維持したことで、デフレ脱却に向けた経済政策であるアベノミクスの長期化に伴い日銀によ
る金融緩和の出口も後ずれするとの見方が債券買いを誘った。10 年国債利回りは 12 月下旬に
0.3%台前半と日銀が量的・質的金融緩和の導入を決定した 2013 年 4 月以来の水準まで低下した。
日銀の量的・質的金融緩和に伴う良好な需給環境の継続を背景に、15 年も国内長期金利は低位
で安定した推移が見込まれる。15 年度の国債発行計画では、政府が 30 年や 40 年といった超長期
国債を増発する見通しとなっているが、海外金利の低下に伴う生保等、国内投資家が国債に資金
を回帰させる可能性や、銀行等が投資対象年限を引き上げて長期債への投資を拡大するケース等
を踏まえれば、長期金利の上昇圧力は限定
日本の10年国債利回りと消費者物価
(%)
2.0
的なものにとどまるとみられる。ただ、①
(%)
(月次:2009/1~2014/12)
1.8
全国消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI、前年比、左目盛)
原油安等から物価の押し下げ圧力が強まり、
15 年度内の日銀の物価目標の達成(生鮮食
品を除くコア消費者物価で前年比+2%)が困
難となる、②グローバルな株価下落で世界
経済の減速観測が強まる、等のケースが生
じることで、日銀による追加緩和観測の高
まり等から一段の金利低下を招く可能性に
は留意したい。
(金岡 直一)
1.5
1.6
10年国債利回り(右目盛)
1.0
1.4
0.5
0.0
1.2
▲ 0.5
1.0
▲ 1.0
0.8
▲ 1.5
0.6
▲ 2.0
0.4
▲ 2.5
▲ 3.0
0.2
09
10
11
12
13
14
(年)
(注)10年国債利回りは2014/12/19時点。コアCPIは2014年10月まで。4月以降の消費増税の影響を除く
出所:ブルームバーグ、QUICKのデータ等よりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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内外経済の展望
緩やかな成長が続く世界経済 ~米国一人勝ちの構図
2015 年の経済環境を展望すると、世界経済は、各国・地域によって経済状況にバラツキを抱え
ながらも、全体として緩やかな成長が続いていくとみられる。米国経済は引き続き堅調に推移す
ることが見込まれる一方、欧州経済は回復感に乏しい動きが続くとみられるほか、中国経済の成
長ペースは引き続き緩やかに低下していくとみられる。日本経済は回復に向かう動きが続くとみ
られるものの、そのペースは緩やかなものにとどまろう。欧州や中国の需要が盛り上がりを欠く
ほか、商品市況の下落の影響もあり、新興国でもかつてのような高成長は期待しづらい。
このように、2015 年の経済環境としては、全体としては緩やかな成長、相対的には米国経済が
優位という状況が続くと想定している。一方、さま
ざまなリスク要因の存在にも注意を払っておきた
主要国・地域の実質GDP成長率予測
(単位:%)
い。このうち、足元にかけて急速に進む原油価格の
下落は基本的には世界経済、とりわけ先進国を中心
とする原油輸入国にとってプラスの要因であるも
のの、過度な原油安が産油国経済やエネルギー関連
2013年
米国
ユーロ圏
日本
中国
2.2
▲ 0.4
2.1
7.7
2014年
( 予想)
2.2
0.8
▲ 0.8
7.3
企業の財務、投資行動等におよぼす負の側面にも注
(注)暦年前年比、日本は年度、予想はみずほ証券
意が必要であろう。
出所:みずほ証券作成
2015年
( 予想)
2.9
1.0
1.3
6.8
利上げに向かう FRB と緩和を続ける ECB、日銀
上記のような経済環境のもとで、各国・地域の金融政策の方向感にも違いが出ている。欧州や
日本では構造的な課題を抱えるなかで、成長ペースが緩やかなものにとどまっており、インフレ
率も低下してきているため、当面、緩和的な金融政策による支えが必要とされる可能性が高い。
また、新興国を含めて、原油価格の下落によって、インフレ圧力が和らぎ、金融緩和の余地が生
じる国も出てこよう。一方、経済状況が相対的に良好な米国は金融政策でも一歩先に出口に向か
って歩み始めている。金融政策の方向性を反映しやすい 2 年国債利回りの動きにはこうした方向
性の違いが明確にあらわれている。
具体的にみると、経済の低迷とインフレ率の低下に直面する欧州中央銀行(ECB)は国債購入
を含む追加の量的緩和策を打ち出す可能性が高まってきている。日本銀行は本来、経済にとって
はプラスである原油価格の下落によってインフレ率が下振れ、物価安定目標の達成が困難となる
可能性が高い点にどのように対処していくかがポイントになろう。現時点では 2015 年中にも追
加緩和を実施する可能性が高いと判断している。一方、米連邦準備理事会(FRB)は 2014/10 に
国債および住宅ローン担保証券の買い入れ措置(QE3)を終了し、2014/12 の連邦公開市場委員会
(FOMC)では、現在の政策金利水準をどの程度の期間維持するかについてのガイダンスの表現を
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
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変更する等、次の一歩である利上げに向け
て徐々に前進している。このまま米国経済
(%)
0.7
が順調に推移した場合、2015 年半ば頃には
0.6
利上げが視野に入ってくる可能性があると
考えている。一方、相対的に堅調な米国も
金融危機以前に比べれば成長ペースが緩や
かになってきている点やインフレ率が抑制
されている点、金融市場の過度な変動を回
避する点等から、その後の利上げのペース
日米独の2年国債利回りの推移
(日次:2013/1/4~2014/12/19)
米国
ドイツ
日本
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
▲ 0.1
▲ 0.2
13
14
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
(年)
は緩やかなものにとどまるとみられる。
総じてみれば、米国の利上げ開始という変化は想定されるものの、2015 年は緩やかな経済成長
と緩和的な金融環境の並存が続く可能性が高いと考えている。ただ、FRB の利上げを具体的に織
り込んでいくなかで、一時的には金融市場の不安定化やマネーフローの変調を招く可能性は否定
できない。一方、緩和的な金融環境が過度に長期化した場合、資産価格の過熱や過剰な信用供与
といった弊害が生じる可能性が考えられるため、こうした動きをあわせて注意しておきたい。
主要国・地域の見通し
【米国】
米国経済は、企業収益や家計の所得、資産が増加するもとで、個人消費が底堅く推移し、雇用
の増加が続く等、緩やかな拡大の動きが続いている。所得格差の拡大や借り入れの伸び悩み等に
より、過去に比べると、回復に弾みがつきづらい状況が続くものの、相対的に米国のファンダメ
ンタルズが優位であるという状況が続く可能性は高い。
【ユーロ圏】
ユーロ圏経済は回復感に乏しい状況が続いている。ユーロ安による輸出の回復のほか、ECB の
追加緩和や新投資計画等の下支えが見込まれるものの、南欧主要国での構造改革は遅れているた
め、低成長やディスインフレ傾向が長引く可能性が高い。
【日本】
日本経済は、駆け込み需要の反動減に歯止めが掛かったとみられるものの、需要面でのけん引
役が不在となるなかで、その後の回復力は緩やかなものにとどまっている。企業収益の増加が設
備投資や賃金、消費支出等の増加につながる好循環の実現が課題に。
【中国】
中国経済は、人口動態の変化等から、すう勢的に潜在成長率は低下。過剰生産能力の是正や不
動産市場の調整により景気下押し圧力が根強いなか、的を絞った景気対策によって安定成長の維
持が課題。構造改革や経済発展方式の転換等が今後の重要な任務。
(宮川
憲央)
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IoT が変える未来社会
「IoT」の市場拡大を予想
PC やスマートフォン等のモバイル情報端末に
(億台)
世界のインターネットに接続する
「モ ノ」の台数の推移
加えて、身体に装着できるウェアラブル端末、自
600
動車、住宅設備機器等、あらゆるモノにセンサや
500
無線タグが組み込まれ、インターネットに接続さ
400
れる「IoT(Internet of Things=モノのインター
300
ネット)」技術の進展が見込まれる。シスコ・シ
200
ステムズ(以下、シスコ)では、2020 年に 500
100
億台超の「モノ」がインターネットに接続すると
0
予測している(12 年は 87 億台)。
(注)2013~20年はシスコ・システムズの予想
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
2014 年は大手端末メーカーが発表した腕時計
501
( 年次:2012~2020)
421
348
284
229
87
2012
112
144
182
2013予 2014予 2015予 2016予 2017予 2018予 2019予 2020予
(年)
型端末等のウェアラブル端末が話題を集めた。今後、ウェアラブル端末は、ファッション性の向
上やネットワーク環境の改善、アプリケーションの増加等もあいまって、急速な普及が見込まれ
ている。シスコでは、世界のウェアラブル端末の台数について、13 年の 2,200 万台から 18 年に
1.8 億台に増加する(年平均成長率 52%)と予測する。
モバイル OS 大手はウェアラブル対応を強化
スマートフォン向け OS「アンドロイド」で高シ
ェアを占めるグーグルは、オープンソースのウェ
アラブル端末向けの OS「アンドロイド・ウェア」
を提供し、端末メーカーや半導体メーカーを囲い
込む戦略を推進。OS からハードウエアまで垂直統
合で手掛けるアップルは、
「iOS」のバージョンア
ップや新製品投入を行うことで、より多くのソフ
トウエア開発企業によるアプリ開発を促す。同社
はウェアラブル端末では出遅れていたが、2015
年初に「アップルウォッチ」の発売を予定してお
り、同市場全体の活性化につながる可能性がある。
各社が展開するウェアラブル端末
<メガネ型>
グーグル「グーグルグラス」
セイコーエプソン「モべリオ」
<腕時計型>
アップル「アップルウォッチ」
ソニー「スマートウォッチ」
サムスン電子「ギャラクシー ギア」
スウォッチ
<ブレスレット型>
ナイキ「ナイキプラス フューエルバンド」
アディダス「マイコーチ スマートラン」
インテル「MICA」
<主な機能>
• スマートフォンとの
連動による電話や
メッセージの受信
• センシング技術を
通じた歩行や運
動、睡眠等日常活
動の記録
• アプリとの連動によ
るデータの蓄積管
理や分析
(注)製品はみずほ証券が任意にピックアップ。開発中のものも含む
出所:会社資料よりみずほ証券作成
自動運転、スマート住宅に向けた取り組みにも注目
自動車のネット接続については、グーグルやアップルが完成車メーカー等と連携。道路交通情
報等や音楽・動画等の娯楽コンテンツを総合的に取り扱うインフォテインメント・システムおよ
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
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び自動運転技術の実用化が期待されている。一部
報道によれば、グーグルは 2020 年頃までに自動
運転の実用化を目指している。
家電製品、扉、照明等の住宅設備をスマートフ
ォンのリモコン操作で行う「スマート住宅」につ
いても開発が進行中。グーグルは企業買収により
関連技術を獲得。アップルは最新のモバイル向け
OS「iOS8」において、ソフトウエア開発企業に対
し、音声認識等を活用した家電や住宅設備等の操
グーグルの自動運転車
出所:グーグル
作を可能にするアプリケーション開発を促す。
(10億ドル)
「IoT」を支えるクラウド、仮想化技術に注目
150
トワーク経由で利用できるクラウド環境の構築
100
が不可欠とされる。セールスフォース・ドットコ
50
ム等クラウドサービス専業大手をはじめ、マイク
0
化しており、アプリケーションからインフラ、プ
ラットフォーム(基盤)まで幅広い分野での浸透
が見込まれる。米調査会社の IDC は、2014 年から
18 年にかけて不特定多数の利用者を対象とした
( 年次:2014~2018)
200
「IoT」では、時間や場所に制限されずにネッ
ロソフト等 IT 総合大手もクラウドサービスを強
世界のパブリッククラウドサービスの
市場規模予測
年平均成長率
( 2014~ 2018)
22.8%
127
57
2014予
2018予
(注)予想はIDC
出所:IDC Forecasts Public IT Cloud Services Spending Will
Reach $127 billion in 2018 as the Market Enters a Critical Innovation Stage, 03 Nov 2014
図はみずほ証券作成
(年)
SDNによるデータセンタ仮想化のイメージ図
管理者(ユーザー)
パブリッククラウドサービスの市場規模が年平
均+22.8%のペースで成長すると予想している。
世界各地にあるサーバを巨大な資源とみなす
アプリ
ケーション
アプリ
ケーション
アプリ
ケーション
ストレージ
クラウド構築においては、サーバ内の CPU やメモ
リ等を有効活用する仮想化技術が不可欠とされ
SDNコントローラ(注1)
オーケストレータ(注2)
る。近年では、仮想化の範囲をサーバやストレー
ジ等のハードウエアにとどまらず、データセンタ
全体あるいはネットワーク全体に拡大する動き
がみられる。効率的で柔軟なネットワーク運用の
手段として、ソフトウエアでネットワークを一括
して制御する概念
SDN ( Software-Defined
サーバ
物理
スイッチ
仮想
スイッチ
仮想
スイッチ
(注1)ネットワークの制御や管理の中心となるソフトウエア
(注2)クラウド制御基盤ソフトウエア
出所:各種資料よりみずほ証券作成
Networking)が注目を集める。仮想化インフラ基盤大手の VM ウェアは、SDN 向けの対応を強化。
調査会社の IDC では、クラウドや「IoT」等に対応した柔軟なネットワーク構築に対する需要拡
大等から、2014 年から 18 年にかけて SDN の市場規模が 8 倍強に拡大すると予測している。
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
ビッグデータの有効活用が課題
「IoT」の進展、クラウドサービスの拡大によ
り、モバイル・ネットワークを行き交うデータは
今後も飛躍的な増加が予測される。シスコでは、
(エクサ
バイト/月)
30
年平均成長率
( 2013~2018)
61%
20
15
ィックが年平均+61%のペースで増加すると予測。
10
企業の経営活動において、ビッグデータの活用
5
は重要な課題の 1 つであり、大容量、高速、多様
0
品やソフトウエア等のソリューションを活用す
( 年次:2013~2018)
25
2013 年から 18 年にかけてモバイルデータトラフ
なデータの正確な処理を実現するストレージ製
モ バイルデータトラフィックの推移
15.9
10.8
7.0
4.4
2.6
1.5
2013予
2014予
2015予
2016予
2017予
2018予
(年)
(注)1エクサバイト=1兆メガバイト。予想はシスコ・システムズ
出所:シスコ・システムズの資料よりみずほ証券作成
ることで、より効果的なマーケティングや生産性の向上、リスク回避等が可能となる。また、グ
ーグルや IBM 等では蓄積されたデータやビッグデータ分析技術等を活用し、人工知能分野に進出
している。音声認識技術等と組み合わせることで、ロボットによる人間行動のサポートや自動化
等の開発進展に期待したい。
参考銘柄
ウェアラブル端末の普及や自動車、住宅のネット接続、スマートシティやスマートファクトリ
ーズ等、
「IoT」の進展は未来社会を大きく変革する可能性を秘めている。また、
「IoT」を支える
技術としてクラウドや仮想化、ビッグデータ分析関連が注目を集めよう。参考銘柄としては、ア
ップル、グーグル、マイクロソフト、VM ウェアを採りあげる。
アップル(AAPL)
決算期
13/9期
14/9期
売上高
170,910
182,795
前期比 税引前利益 前期比
9
7
50,155
53,483
▲10
7
純利益
37,037
39,510
EPS
5.68
6.45
配当
1.64
1.82
(注1)単位はEPS、配当がドル、その他は百万ドル、前期比は%
(注2)EPS、配当金は株式分割(1株→7株:14/6/9権利落)調整後
出所:会社資料よりみずほ証券作成
2014 年 9 月にスマートフォンの新機種「アイフォーン 6」を発
(ドル)
140
120
株価の推移
月次(12年1月~14年12月)
株価(左目盛)
(百万株)
1,800
1,600
1,400
売。最新の OS「iOS8」では、ヘルスケアに関するアプリのほか、
100
スマートフォンによる家電や住宅設備のリモコン操作を可能にす
80
1,000
るアプリの提供が可能になった。同年 10 月には米国にてモバイル
60
800
決済サービス「アップルペイ」を開始。15 年初に発売予定の腕時
40
計型端末「アップルウォッチ」では、メッセージングや健康管理、
「アップルペイ」の利用が可能になる。会社側はより充実した製
品・サービスのラインアップに自信をみせている。
1,200
600
400
20
売買高(右目盛)
0
200
0
12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12/19まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
グーグル (GOOGL)
決算期
売上高
前期比 税引前利益 前期比
50,175
59,825
12/12期
13/12期
32
19
13,386
14,496
9
8
純利益
10,737
12,920
EPS
配当
16.16
19.07
0.00
0.00
(注1)単位はEPS、配当がドル、その他は百万ドル、前期比は%
(注2)EPSは株式無償割当(クラスA株とB株の株主に対して、クラスC株を1対1の比率:14/4/3権利落)調整後
出所:会社資料よりみずほ証券作成
(ドル)
800
株価の推移
(百万株)
60
月次(12年1月~14年12月)
株価(左目盛)
700
50
600
主力の検索サービスを基盤に、次世代技術への取り組みを強化。
メガネ型端末の「グーグルグラス」を開発するほか、自動運転技術
40
500
400
30
300
は 2020 年頃までの実用化を目指すと報道されている。2014 年 2 月に
スマートフォン等で操作できる室温調整装置や火災報知機等の開発
20
200
100
10
売買高(右目盛)
0
を手がけるネスト・ラボを買収する等、
「スマート住宅」にも進出す
0
12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12/19まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
るほか、人工知能分野にも意欲を見せる。
マイクロソフト (MSFT)
決算期
売上高
77,849
86,833
13/6期
14/6期
前期比 税引前利益 前期比
6
12
27,052
27,820
21
3
純利益
21,863
22,074
EPS
配当
2.58
2.63
0.92
1.12
(ドル)
60
株価の推移
月次(12年1月~14年12月)
(百万株)
1,000
株価(左目盛)
(注)単位はEPS、配当がドル、その他は百万ドル、前期比は%
出所:会社資料よりみずほ証券作成
50
2014 年 2 月より新 CEO にサティア・ナデラが就任。スピード感の
40
ある経営執行等において高い評価。足元は企業向けのサーバ製品や
30
クラウドプラットフォームの「アジュール」等、PC 用 OS 以外が順調
20
に拡大。今後は 15 年 7 月にサーバ用 OS「ウインドウズサーバ 2003」
10
800
600
400
のサポートが終了予定で、仮想化やクラウド等、次世代インフラ構
200
売買高(右目盛)
0
12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07
0
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12/19まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
築への需要の高まりに期待。
VM ウェア(VMW)
決算期
12/12期
13/12期
売上高
4,605
5,207
前期比 税引前利益 前期比
22
13
893
1,147
12
28
純利益
746
1,014
EPS
配当
1.72
2.34
0.00
0.00
(注)単位はEPS、配当がドル、その他は百万ドル、前期比は%
出所:会社資料よりみずほ証券作成
(ドル)
140
120
仮想化およびクラウドインフラ構築のリーディングカンパニー。
2012 年より「ソフトウエアによるデータセンタ制御の自動化(SDDC)」
株価の推移
月次(12年1月~14年12月)
(百万株)
30
株価(左目盛)
25
100
20
80
15
60
構想を明らかにし、事業領域をサーバやストレージの仮想化からデ
ータセンタやネットワーク全体の仮想化へと拡げた。デスクトップ
の仮想化等、エンドユーザー・コンピューティング、異なるクラウ
ド利用形態を組み合わせたハイブリッド・クラウドにも注力。
10
40
5
20
0
売買高(右目盛)
12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07
0
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12/19まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
(八木 麻由子)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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20
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観光立国推進
政府は「日本再興戦略」のテーマに「観光資源等のポテンシャルを活かし、世界の多くの人々
を地域に呼び込む社会」を掲げている。ここでは「観光立国推進」に関して、①日本の観光力の
現在の位置と目標、②観光の経済効果、③世界有数の観光立国になるために行っている、あるい
は行う必要がある施策-を概観し、関連分野、関連企業等を探ってみた。
訪日外国人旅行者数は 2014 年も続伸へ
中期目標は 3,000 万人超
2013 年の訪日外国人旅行者数は 1,036 万人
で、過去最高だった 2010 年を上回り、初め
て 1,000 万人を突破。2014 年は 1-10 月累計
で 2013 年暦年をすでに上回り、年間では
1,300 万人台と見込まれている。日本政府は
2020 年までに 2,000 万人、2030 年までに
3,000 万人超、という中期目標を掲げている。
2013 年の訪日外国人旅行者数を国・地域別
でみると、韓国、中国からの旅行者数は政治
問題等の影響を受けたものの、ともに過去最
高に近い水準となった。一方、台湾、香港か
(万人)
<日本再興戦略改定2014(2014年6月閣議決定)>
2030年に訪日外国人3,000万人超を目指す。
3,500
2010年
羽田国際定期便再開
3,000
カジノ 2020年
構想 東京五輪
政府目標
2030年3,000万人超
政府目標
2020年2,000万人
2,500
2,000
リーマンショック
東日本大震災
1,500
1,000
500
0
2003
2006
2009
2012
2015
2020
2030
(年)
出所:内閣府、観光庁の資料よりみずほ証券作成
らは LCC(格安航空会社)効果もあり過去最高を記録。また、東南アジア諸国からはビザ発給要件
の緩和等が奏功していずれも大幅増となっており、東アジア、ASEAN6 ヵ国からの旅行者は全体の
76%を占める。
観光が成長戦略に取り上げられた理由
観光が政府の成長戦略に取り上げられている理由の 1 つとして、旅行消費が日本国内にもたら
す経済効果が広範にわたることが挙げられる。旅行消費額に生産波及効果と付加価値効果を合わ
せた 2012 年の経済効果は 93 兆円と試算されている。また、雇用効果は 399 万人と同年の就業者
数(6,437 万人)の 6%強に相当する。
訪日外国人旅行者数の増加等で、観光の経済規模は今後さらに拡大するとみられている。
訪日外国人旅行者の消費への貢献度
一例として消費への貢献度について見ていくことにする。2013 年の訪日外国人旅行消費額(推
計)は 1.4 兆円で、2012 年比 31%増と急拡大している。旅行消費額の多い国・地域は中国、台湾、
韓国の順で、台湾(2012 年比 50%増)、香港(同 61%増)の伸び率が高くなっている。ただ、政府
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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の将来目線はさらに高く、2030 年目標は 4.7 兆円。2013 年の 3.3 倍に相当する水準である。
日本百貨店協会が発表している百貨店
の免税売上高には、訪日外国人旅行者の
押し上げ効果がはっきり見て取れる。
2014 年 10 月から免税対象となった食料
品や化粧品等を含めた売上高は、これま
200
150
90
前年比(左目盛)
80
70
60
がある。ちなみに 2014 年 11 月の免税売
0
上高は、中国人観光客の大幅増もあり前
▲ 50
比で 12%を占める。
100
100
で発表された金額を大幅に上回る可能性
た「消耗品(化粧品・食料品等)」は構成
(億円)
売上高(右目盛)
50
年同月比 2.6 倍。新たに免税対象となっ
百貨店での免税売上高
百貨店での免税売上高
(%)
50
40
30
20
10
▲ 100
0
10/12
11/6
11/12
12/6
12/12
13/6
13/12
14/6
(注) 2012年4月は同304.1%増
出所 日本百貨店協会の資料よりみずほ証券作成
免税対象拡大等でさらなる消費喚起を目指す
(年/月)
外国人旅行者の消費に関連する銘柄
訪日外国人旅行消費額を増やすには、訪日外国人旅行
者数を増やす、訪日外国人旅行者に今よりも多くのお金
を使ってもらう-という 2 つのアプローチがある。先に、
・エービーシー・マート(2670)
・ビックカメラ(3048)
・J.フロント リテイリング(3086)
訪日外国人旅行者に今よりも多くのお金を使ってもら
・三越伊勢丹ホールディングス(3099)
う-について見ていく。
・ドンキホーテホールディングス(7532)
その手段の 1 つが免税対象の拡大である。前述の通り、
百貨店の主力カテゴリーの 1 つである食料品や化粧品
・ラオックス(8202)
出所:各種資料よりみずほ証券作成
が、2014 年 10 月から新たに免税対象となった。免税対象品目の拡大で訪日外国人旅行者の購買
力が高まり、消費拡大につながると期待される。また、消費場所が免税店(空港内等)から観光地
等(地方)にシフトすることが期待される。
新たな需要を掘り起こすビジット・ジャパン事業、空港整備も新たな需要を掘り起こす手段
ここからは、訪日外国人旅行者数を増やす-について見ていく。増やす鍵は、新たな需要を掘
り起こす、リピーターになってもらう-と考えられる。
「ビジット・ジャパン事業」は、新たな需要を掘り起こす手段の 1 つと考えられる。訪日外国
人旅行者の増大を目的として国と地方公共団体、民間が共同で取り組んでいるキャンペーンであ
る。2003 年 4 月にキャンペーン実施本部事務局が開設された。現在は 2008 年 10 月に国土交通省
の外局として新設された観光庁が主管となっている。
空港整備も新たな需要を掘り起こす手段の 1 つと考えられる。訪日外国人旅行者の増加への対
応もあり、滑走路の増設や対応時間の延長等で羽田・成田の総発着回数はパリ並みの水準まで高
まってきている。さらに羽田空港では、第 5 滑走路(E 滑走路)新設の構想もある。
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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空港と首都圏中心部のアクセス改善にも着手の動き
空港と首都圏中心部のアクセスが悪
羽田・成田空港と首都圏中心部のアクセス
いことが、世界の中で東京の都市とし
ての評価が高まらない原因の1つとな
っている。空港アクセスを改善するこ
とが、訪日外国人旅行者の心象を良く
日暮里~成田空港
し、ひいてはリピーター化の一助にな
ると考えられる。
JR 東日本(9020:東日本旅客鉄道)主
導の「東京・羽田アクセス新線」構想
日暮里~成田空港
東京等~成田空港
等、ようやく空港と首都圏中心部のア
クセス改善にも着手の動きが出てきた。
浜松町~羽田空港第2ビル
品川等~羽田空
港国内線ターミ
ナル
出所:各種資料よりみずほ証券作成
これらによる利便性向上が訪日外国人
旅行者の増加、ひいては鉄道利用客増
加につながると考えられる。
ビジット・ジャパン事業の関連銘柄
全国各地にも訪日外国人旅行者増加の恩恵を
国際線増便
訪日外国人旅行者を、いかに地方に広げるかもポイントである。
・日本航空(9201)
首都圏以外に目を向けると、訪日外国人に高い人気を誇る京都、
・A NAホールディングス(9202)
大阪の新しいランドマークとして期待の「あべのハルカス」、富
士山や厳島神社、富岡製糸場のような世界遺産、変わったところ
では北海道の雪景色-等、魅力ある観光地域づくりも訪日外国人
旅行客増加の鍵となろう。
空港ア クセス改善
・東京急行電鉄(9005)
・京浜急行電鉄(9006)
・京成電鉄(9009)
・東日本旅客鉄道(9020)
アジア上位から見れば「ようやく」1,000 万人というレベル
訪日外国人旅行者数は 2013 年に 1,000 万人を突破したものの、
地方活性化(富士山)
年間 2,000 万~3,000 万人のアジアトップクラスの国・地域との
・富士急行(9010)
差は依然として大きい。裏を返せば、拡大の余地は十分にあると
・東日本旅客鉄道(9020)
言えよう。
地方活性化(関西・広島等)
参考銘柄
訪日外国人の消費を取り込める企業、空運および空港アクセス
に携わる企業にビジネスチャンスがあるとみている。ここでは 3
・西日本旅客鉄道(9021)
・東海旅客鉄道(9022)
・近畿日本鉄道(9041)
・阪急阪神ホールディングス(9042)
銘柄をピックアップし、簡単に説明する。
出所:各種資料よりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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ドンキホーテホールディングス(7532):訪日外国人消費関連
株価の推移
(円)
決算期
14/3期
15/3期会予
15/3期予
16/3期予
売上高
2,702,916
2,741,000
2,738,600
2,747,700
前期比
1
1
1
0
営業利益
406,793
407,000
407,000
409,000
前期比
2
0
0
0
当期利益
199,939
204,000
204,000
206,500
EPS
506.8
519.3
519.3
525.6
配当
(百万株)
月次(12年1月~14年12月)
10,000
120.0
120.0
120.0
120.0
40
35
株価(左目盛)
8,000
30
(注)連結ベース。単位はEPS、配当が円、その他は百万円、前期比は%。予想EPSは15/3期第2四半期末の発行
済株式数(自己株を除く)で算出
25
6,000
20
出所:会社資料よりみずほ証券作成。予はみずほ証券予想。会予は会社予想
4,000
15
外国人旅行者需要取り込みによる中期的な業績拡大が期待できると評価。
足元の販売動向も好調。外国人旅行者向け伸長に加え、所得や地域等の格
10
2,000
5
売買高(右目盛)
のビジネスモデルが生きている。外国人旅行者向けでは、利便性の高い立
0
0
差が拡大する難しい環境下、現場への権限委譲と個店主義を徹底した独自
12/01
12/07
13/01
13/07
14/01
14/07 (年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12月19日まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
地、幅広い品ぞろえ、深夜営業が支持され、ディナー後のショッピング需
要を取り込んでいる。
JR 東日本(9020):空港アクセス
株価の推移
(円)
決算期
14/3期
15/3期会予
15/3期予
16/3期予
売上高
2,702,916
2,741,000
2,738,600
2,747,700
前期比
1
1
1
0
営業利益
406,793
407,000
407,000
409,000
前期比
2
0
0
0
当期利益
199,939
204,000
204,000
206,500
EPS
506.8
519.3
519.3
525.6
配当
120.0
120.0
120.0
120.0
(注)連結ベース。単位はEPS、配当が円、その他は百万円、前期比は%。予想EPSは15/3期第2四半期末の発行
済株式数(自己株を除く)で算出
出所:会社資料よりみずほ証券作成。予はみずほ証券予想。会予は会社予想
(百万株)
月次(12年1月~14年12月)
10,000
100
株価(左目盛)
90
8,000
80
70
6,000
60
50
4,000
40
2014 年 8 月に「東京・羽田アクセス新線」構想を発表。休止している
貨物線を羽田空港まで延伸。東京・新宿方面やりんかい線経由による千
30
2,000
10
売買高(右目盛)
葉方面へのアクセス向上を図る方針である。このほか、外国人旅行者専
用の「Mt.Fuji Round Trip Ticket 2014」を富士急行(9010)と発行、こ
20
0
0
12/01
12/07
13/01
13/07
14/01
14/07
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12月19日まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
うした連携による乗客増効果も大きいと考えられる。
ANA ホールディングス(9202):空港整備
株価の推移
(円)
決算期
14/3期
15/3期会予
15/3期予
16/3期予
売上高
1,601,013
1,700,000
1,694,000
1,735,000
前期比
8
6
6
2
営業利益
65,986
85,000
89,000
100,000
前期比
▲ 36
29
35
12
当期利益
18,886
35,000
38,900
46,000
EPS
5.4
10.0
11.1
13.2
配当
3.0
4.0
4.0
4.0
25
株価(左目盛)
300
20
250
(注)連結ベース。単位はEPS、配当が円、その他は百万円、前期比は%。予想EPSは15/3期第2四半期末の発行
済株式数(自己株を除く)で算出
200
出所:会社資料よりみずほ証券作成。予はみずほ証券予想。会予は会社予想
150
羽田国際線の発着枠拡大を追い風とする収益拡大に期待。羽田国際線
100
の最大ネットワークキャリアが活きよう。15/3 期 Q1-2(4-9 月)の国際線
50
旅客は旅客キロ、座席キロとも前年同期比 2 割前後の増加となった。羽
0
田は国際線・国内線の接続拠点としての、成田は訪日・三国間(北米-日
(億株)
月次(12年1月~14年12月)
350
15
10
5
売買高(右目盛)
0
12/01
12/07
13/01
13/07
14/01
14/07
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12月19日まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
本-アジア等)のハブ空港化を想定。首都圏空港を中心とした「デュアル
ハブモデル」の新たな取り組みも進めている。(三溝 直樹、小倉 成夫)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
グローバル企業の ROE と銘柄スクリーニング
利益拡大と株主還元の拡充により、先進国企業の ROE は高水準が続く見通し
自己資本利益率(ROE)は純利益を自己資本で除
して算出され、企業の収益性をみるうえで重要な
指標である。先進国の主要企業で構成される MSCI
ワールド指数の ROE は、2008 年の 7.1%を直近ボ
トムとして 13 年は 12.1%まで改善し、14 年は
10.6%、15 年は 11.1%と高水準を維持するとみら
先進国企業のROEとEPS
(ポイン ト)
120
(%)
18
EPS(左目盛)
100
16
ROE(右目盛)
80
14
60
12
40
10
20
8
れる。この要因として、米国をけん引役とした世
0
界経済の成長を背景に、グローバル企業の業績拡
03
04
大が続くことが挙げられる。実際、MSCI ワールド
国・地域
指数の予想 1 株当たり利益(EPS)は 14 年が 13 年
日本
米国
欧州
先進国全体
比 21.3%増、15 年は 14 年比 8.0%増と拡大が続く
見通し。また、増配や自社株取得といった株主還
元の拡充も、ROE の支えとなっている。一方、国・
05
06
07
08
09
10
11
12
国・地域別のROE
過去5年
13年
14年予
平均
5.0
8.9
9.0
13.8
15.3
14.9
10.6
10.2
8.4
11.2
12.1
10.6
6
13 14予 15予 (年)
15年予
9.0
15.5
9.1
11.1
(注1)予想はブルームバーグ集計による予想平均。データは12/17時点
(注2)MSCI World Index は、MSCI Inc.が公表しているインデックスで、当指
標に関する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCI Inc.に属して
おり、また、MSCI Inc.は同指数の内容を変更する権利および公表を停止
する権利を有しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
地域別にみると、15 年の予想 ROE は日本が 9.0%、
米国が 15.5%、欧州が 9.1%となり、日本と米国で
は過去 5 年平均を上回る水準が見込まれている。
みずほ証券が選定したグローバル・セレクションの採用企業を対象に、高 ROE かつ業績好調が
見込まれる企業のスクリーニングを行った。具体的には、今期予想 ROE が 15%以上で過去 5 期間
平均を 1 ポイント以上上回り、今来期の予想営業利益が前期比増益を主な条件として、下表に該
当企業を掲載した。
(山本 光孝)
グ ロ ーバ ル ・セ レ ク ション 採 用 企 業 の うち R OEが 高 く、 業 績 好 調 の 企 業
No. ティッカー
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
NKE
V
TIF
SIE
DIS
7309
AMAT
FDX
5108
BMW
銘柄名
ナイキ
ビザ
ティファニー
シーメンス
ウォルト・ディズニー
シマノ
アプライド・マテリアルズ
フェデックス
ブリヂストン
BMW
GICS
セクター分類
株価
一般消費財
情報技術
一般消費財
資本財
一般消費財
一般消費財
情報技術
資本財
一般消費財
一般消費財
94.50
259.08
104.19
91.10
91.38
15,600
24.46
167.78
4,083.5
87.50
時価
総額
(兆円)
ドル
ドル
ドル
ユーロ
ドル
円
ドル
ドル
円
ユーロ
9.6
18.9
1.6
11.7
18.2
1.4
3.5
5.6
3.3
8.3
ROE(%)
過去5期 今期
平均
予想
22.4
14.5
15.3
16.1
13.9
11.3
11.2
11.0
8.9
13.7
27.7
22.4
19.3
19.0
17.7
16.7
16.7
16.1
15.7
15.6
営業増益率(%)
来期
今期
予想
予想
14.5
18.7
3.0倍
19.3
12.2
52.6
39.2
24.7
10.8
9.5
13.2
12.4
10.6
9.9
12.9
10.7
19.0
18.8
8.4
2.3
実績
PBR
(倍)
7.4
7.2
4.7
2.5
3.5
4.8
3.8
3.1
1.6
1.6
年間の
来期
株価騰
予想
PER(倍) 落率(%)
22.7
21.4
21.2
12.0
16.9
28.0
16.0
15.2
9.6
9.3
23.1
21.5
15.4
▲4.0
29.3
75.9
45.6
20.6
8.9
8.8
(注)対象はグロー バル・セレクション採用企業。各企業の事業年度でみて、今期予想ROEが15%以上で過去5期平均を1ポイント以上上回る、今来期の予想営業利益
が前期比増益、実績PBRが10倍以下を条件。株価騰落率は13年12月17日と14年12月17日を比較。予想はブルームバー グ集計による予想平均。
デー タは12/17時点
出所:ブルー ムバーグのデー タよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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ナイキ(NKE)
スポーツ用品世界最大手。主力の「ナイキ」ブランドのほか、
バスケットボールシューズが代表的な「コンバース」、ゴルフ用
品専門の「ナイキゴルフ」、サーフィングッズやアパレル等を手
株価の推移
(ドル)
(百万株)
月次(12年1月~14年12月)
120
160
株価(左目盛)
100
140
120
80
100
掛ける「ハーレー」等のブランドポートフォリオを有する。「ナ
イキ」ブランドのフットウエア、アパレルの 2014 年 12 月-15 年
60
4 月出荷向けの先行・予約受注は前年同期比+7%。為替の影響を
40
除くベースでは同+11%で、大半の地域が堅調に推移。新興市場に
20
おけるナイキ・ブランドの浸透を背景に、中期的な売上高目標と
して、17/5 期までに 360 億ドルを目指す。
ビザ(V)
クレジットカード運用最大手。世界経済の伸び悩みが継続し、
160
のセキュリティ強化やモバイルバンキング等への注力による効
120
果がみられ始めた、と述べており、長期的な成長につながると期
80
待される。15/9 通期については、為替の影響を除くベースでの
40
売上高が 14/9 期比 10%台前半の伸びになるとの見通しを示して
0
が営業利益の 95%を稼ぎ出す。14/12 期 Q1-3(14 年 1-9 月)決算
(百万株)
80
60
40
20
売買高(右目盛)
0
12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12月19日まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株価の推移
(円)
(百万株)
月次(12年1月~14年12月)
20,000
25
16,000
14,000
安進行により製品の割安感が生まれ、よりグレードの高い自転車
10,000
30
株価(左目盛)
18,000
12,000
20
15
8,000
10
6,000
部品の最高グレード「XTR」シリーズで電子式変速機能を装備した
4,000
新モデルを投入。MTB ユーザーのニーズは大きいとみられ、15/12
2,000
期には新製品効果も出てくることが期待される。
月次(12年1月~14年12月)
株価(左目盛)
で当期 3 度目となる通期業績の上方修正を発表。海外市場では円
部品の販売が好調に推移している。2014 年秋に MTB 向け自転車
株価の推移
(ドル)
280
同社は 14/9 期 Q4(7-9 月)決算発表時、業界の課題である決済
マウンテンバイク:MTB)やシティサイクル等の自転車部品事業
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12月19日まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
200
自転車部品、釣具を手掛ける世界的企業。高級自転車(ロード、
0
12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07
の拡大等が奏功し、営業利益が 13/9 期比 6%増と堅調を維持した。
シマノ(7309)
20
売買高(右目盛)
0
240
買い計画を発表する等、株主還元に積極的な姿勢も示した。
60
40
ドル高基調となるなか、14/9 通期の決算は提携によるサービス
いる。2014 年 10 月には 20%の増配と 50 億ドル相当の新規自社株
80
5
売買高(右目盛)
0
12/01
12/07
13/01
13/07
14/01
0
14/07
(年/月)
(注) 株価は月足。売買高は月間累計。直近は12月19日まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
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日本株、「辛抱」の先に「新ゾーン」の展開も
2014 年の日本株、相場格言をくつがえす「午(うま)尻上がり」となる堅調な年末高がみえてきた。
2015 年は「未(ひつじ)辛抱」といわれる。そこで、過去の干支(えと)別の騰落率や長期チャート等
から日本株の見通しを探ってみた。
干支別(長期):未年の平均騰落率は+7.6%、長期スパンでは上昇傾向が続くことも
右図は、1949年以降における干支別
(%)
の日経平均株価の平均騰落率を示し
50
ている。まず、長期投資の観点からみ
40
ると「丑(うし)年と午(うま)年の押し
30
目買い」と「4年保有」がポイント。過去
20
の午年のパフォーマンスは最も良く
10
ないものの、2014年(午)は12/19時点
0
で+8.2%と堅調に推移。少額投資非課
税制度(NISA)の元年として、順調な滑
干支別の日経平均株価(平均騰落率:年次ベース)
(1949/5/16~2014/12/19)
子
繁
栄
丑
つ
ま
づ
き
2020年
寅
千
里
を
走
る
23.8
卯
跳
ね
る
辰
巳
天
井
午
尻
下
が
り
2014
28.0
16.4
未
辛
抱
2015
+8.2
13.4
(12/19時点)7.6
申
酉
騒
ぐ
2016 2017
戌
笑
い
亥
固
ま
る
2018
2019
(年)
16.2
15.0
10.4
9.8
1.8
▲ 7.5
(過去)
▲ 6.3
▲ 10
丑年(押し目買い)+4年保有
▲ 20
子
丑
寅
卯
辰
午年(押し目買い)+4年保有
巳
午
未
申
酉
戌
り出しとなった。
亥
(干支)
(注)1949年(丑)の騰落率は、東証再開(1949/5/16~)を起点に算出
出所:各種資料よりみずほ証券作成
次に未年の平均騰落率は+7.6%、十二支中で9番目のパフォーマンスにとどまる。ただ、15年(未)
を起点にすると、東京五輪が開催される20年(子)まで日本株が底堅く推移することも期待できよう。
ただ、過度な株高シオリオは控えておきたい。1994年以降(過去20年)を振り返ると「国内総生産
(名目GDP)≦時価総額(東証1部)」となった場合、日本株は上昇しても「じり高」にとどまる傾向も。
なお、足元では国内総生産が483兆円(年換算)に対し、すでに時価総額が510兆円超まで膨れている。
2015 年見通し:夏(6 月)までもみあいも、秋の株高(10 月)を見据えれば押し目買いか
2014 年(午)は尻上がりとなった。15 年(未)は夏までもみあい、秋の株高へつながるかが焦点。
(前年末値=100)
午(うま)年の日経平均株価(相対値:月次ベース)
(1954年、1966年、1978年、1990年、2002年、2014年)
(前年末値=100)
1978年(昭和53年)
123.4
2014年(平成26年) 120
108.2(12/19時点)
1966年(昭和41年)
102.4
1954年(昭和29年)
94.2
120
100
80
未(ひつじ)年の日経平均株価(相対値:月次ベース)
(1955年、1967年、1979年、1991年、2003年)
1955年(昭和30年)・・・神武景気
1967年(昭和42年)・・・ミニスカートブーム
1979年(昭和54年)・・・第2次石油ショック
1991年(平成03年)・・・バブル経済崩壊
2003年(平成15年)・・・りそな公的支援、SARS流行
2003年(平成15年)
124.5
1955年(昭和30年)
119.5
1979年(昭和54年)
109.5
2002年(平成14年)100
81.4
1991年(平成03年)
96.4
1967年(昭和42年)
88.4
1990年(平成02年)
61.3
60
80
40
12月 1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
出所:QUICK Astra Managerのデータよりみずほ証券作成
9月 10月 11月 12月
12月 1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
出所:QUICK Astra Managerのデータよりみずほ証券作成
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
アベノミクス相場:平成の上値抵抗線を上回る、ABE ゾーン上限(18261 円)にも接近
右図は、過去65年間の日経平均株価
日経平均株価の首相足
(1949/5/16~2014/12/19)
(円)
を首相足(歴代首相ごとのローソク
40000
足)で示している。
30000
38915
12,000
(失われた20年)
(高度経済成長~バブル期)
35000
24950
(左目盛):日経平均株価(終値ベース)
25000
22666
11,000
10,000
9,000
20833
17935
アベノミクス相場を長期スパンで
20000
15000
7,000
みると、平成の上値抵抗線を上回って
10000
6,000
5000
5,000
きた。宮澤元首相(24950円)~橋本元
0
首相(22666円)~森元首相(20833円)
と続く右肩下がりを脱しつつある。日
本株の需給面が大きく改善しつつあ
るともいえよう。
足元では、前回の安倍政権における
1,575
1,241
-10000
745
-15000
(在職日数)
2,798
2,616
-5000
1,980
1,806
886 747 714
65
554
864
576
818 644
69
いが日本株を押し上げた。14年は度重
616 387
366 365 358 266 452
482 724
4,000
3,000
2,000
1,000
0
吉 鳩石 岸池 佐田 三福 大鈴 中竹 宇海 宮細 羽村 橋小 森小安 福麻 鳩菅 野安
田倍
泉倍 田生 山
田 藤中 木田 平木 曽下 野部 澤川 田山本 渕
田 山橋
②
由
① 康
根
赳
一
(注1)データは東証再開の1949/5/16以降(第3次吉田内閣の任期中)
(注2)大平首相(在任中没)は、内閣官房長官の臨時代理期間(1980/6/12~7/17)を含む
出所:QUICK Astra Managerのデータよりみずほ証券作成
(歴代首相)
日経平均株価の首相足
(2001/4/26~2014/12/19)
(円)
20000
7,000
18261
17935
ABEゾーン
15000
6,000
5,000
15273
4,000
10000
なる株価急落も130兆円超の年金積立
金管理運用独立行政法人(GPIF)の胎
561
(右目盛):在職日数
-20000
ABEゾーン上限(18261円)に近づいて
きた。2013年は15兆円近くの外国人買
263 64
932
8,000
1,980 (左目盛):日経平均株価(終値ベース)
3,000
(在職日数)
2,000
(右目盛):在職日数
5000
動が下値を支えた。15年も「貯蓄から
366
365
358
266
452
482
安
倍
①
福
田
康
麻
生
鳩
山
由
菅
野
田
724
1,000
0
0
小
泉
投資へ」の動きが続く。NISAの拡充策
等が1,600兆円超の個人マネーを後押
安
倍
② (歴代首相)
出所:QUICK Astra Managerのデータよりみずほ証券作成
しすれば、当面日本株は底堅い展開が想定される。
1 月見通しと今後の展開:1 月中旬まで新年ラリーが続くか、中期的にはいったんこう着相場も
右図は日経平均株価と日々の上昇
100
1949年以降の日経平均株価の上昇
確率(棒グラフ)をみると、1月の特徴
(12/8)
17935
)
は「中旬過ぎまで堅調、下旬にいった
75
衆日 米 日
院銀 F 銀
選短 O 金
投観 M 融
開1 C政
策
票
2
決
月
調 定
会
査
合
(
米
1
1
月
雇
用
統
計
(12/19)
17621
1
1
月
消
費
者
物
価
指
数
大
発
会
大
納
会
等の交錯から金融市場のこう着も想
日 E
銀 C
金 B
融 理
政 事
策 会
決
定
会
合
米
F
O
M
C
上昇確率(左目盛)(注1)
日経平均株価(右目盛)(注2)
25
(12/16)
16755
きく動いた。15年は原油価格の動向、
米利上げの行方、日欧追加緩和の思惑
(円)
1米
1ベ
月
国ジ
際ュ
収ブ
支ッ
ク
1
2
月
消
費
者
物
価
指
数
19000
18000
50
ん調整する」傾向がみてとれる。
2014年は為替市場や株式市場が大
米
1
2
月
雇
用
統
計
ー
確率を表している。
日経平均株価と上昇確率
(日次:12/1~1/31)
(%)
0
14/12/1
14/12/11
天
皇
誕
生
日
14/12/21
元
日
14/12/31
成
人
の
日
15/1/10
15/1/20
(注1)東証再開以降(1949/5/16~2014/12/19)における日経平均株価の日付別の上昇確率(上昇日/対象日数)
(注2)日経平均株価は、2014/12/1~2014/12/19を表記
出所:各種資料よりみずほ証券作成
17000
16000
15/1/30
(年/月/日)
定され「辛抱」も必要だろう。ただ、国内企業のカバナンス強化、技術力や利益率向上より日本株の
未来に明るさが増せば、アベノミクス相場における「新ゾーン」の展開も期待できよう。(中村 克彦)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
す。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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平成 26 年 12 月 24 日作成、12 月 29 日発行(毎週月曜日発行)マーケットビュー259 号
広告審査番号 MFB14000-141224
2015年の年間タイムテーブル
イベント
1月
1日 改正相続税法が施行
イベント
5月
リトアニアが19番目のユーロ導入国に
8日 米4月雇用統計
ブラジルのルセフ大統領が2期目就任
13日 ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
3日 米議会開会
中旬 1-3月期GDP(1次速報値)
5日 大発会
7日 米FOMC議事録(12/16~17分)
5月中 国内主要企業の2014年3月期決算発表が本格化
6月
9日 米12月雇用統計
1日 1-3月期法人企業統計
3日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
14日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
5日 米5月雇用統計
17日 阪神・淡路大震災から20年
7日 G7首脳会合(独バイエルン、~8日)
22日 世界経済フォーラム年次総会(スイス、~24日)
8日 1-3月期GDP(2次速報値)
25日 山梨県知事選挙
25日 EU首脳会議(ブリュッセル、~26日)
30日 米2014年10-12月期GDP(速報値)
下旬 通常国会召集、2014年度補正予算および15年度予算編成
下旬 通常国会会期末
7月
米大統領一般教書演説
IMF世界経済見通し(改訂版)
30日 米4-6月期GDP(速報値)
8月
1日 愛知県知事選挙
8月中 4-6月期GDP(1次速報値)
9月
13日 ユーロ圏2014年10-12月期GDP(速報値)
4日 米8月雇用統計
30日 安倍自民党総裁任期満了
16日 2014年10-12月期GDP(速報値)
2014年分所得税の確定申告期間(~3/16)
7日 米7月雇用統計
下旬 2016年度予算の概算要求提出期限
6日 米1月雇用統計
12日 EU首脳会議(ブリュッセル、~13日)
1日 路線価公表
2日 米6月雇用統計
1月中 欧米主要企業の2014年本決算発表
2月
1日 総務省がスマートフォン等のSIMロック解除を義務化
秋頃 日本郵政、ゆうちょ銀行、簡保生命が上場
10月
1日 第20回国勢調査
18日 中国の春節休暇(~24日)
中国の国慶節(建国記念日 ~7日)
22日 東京マラソン2015
2日 米9月雇用統計
2月中 イエレンFRB議長半期議会証言
29日 米7-9月期GDP(速報値)
米大統領予算教書発表
3月
10月中 マイナンバー法に向けて全国民に番号が通知される
2日 2014年10-12月期法人企業統計
11月
4日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
12月
6日 米2月雇用統計
8日 米国が夏時間に移行
9日 2014年10-12月期GDP(2次速報値)
6日 米10月雇用統計
4日 米11月雇用統計
10日 ノーベル賞授賞式
30日 大納会
12月中 2016年度予算案閣議決定
11日 東日本大震災、福島第1原発事故から4年
中国中央経済工作会議
12日 1-3月期法人企業景気予測調査
海外の主な選挙投票日
14日 北陸新幹線の長野~金沢間延伸開業
上野東京ラインが開業
19日 EU首脳会議(ブリュッセル、~20日)
27日 姫路城の大天守保存修理工事が終了し一般公開再開
29日 欧州が夏時間に移行
3月中 2015年地価公示
中国全国人民代表大会
4月
2/14
3/17
3/22
4/19
5/7
6/13
10月中
秋頃
ナイジェリア大統領選挙・議会選挙
イスラエル総選挙
スウェーデン総選挙
フィンランド総選挙
英総選挙
トルコ総選挙
アルゼンチン大統領選挙
スペイン総選挙
1日 日銀短観(3月調査)
3日 米3月雇用統計
4日 日銀の量的・質的緩和の決定から2年
12日 第18回統一地方選(前半)・知事選、政令市長選
15日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
17日 IMF・世銀春季会合(ワシントン、~19日)
26日 第18回統一地方選(後半)・県庁所在地市長選等
29日 米1-3月期GDP(速報値)
30日 日銀、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を公表
4月中 常磐自動車道が全線開通
各金融政策決定会合予定
<日銀金融政策決定会合>
1/20-21、2/17-18、3/16-17、4/7-8、4/30、5/21-22、6/18-19、
7/14-15、8/6-7、9/14-15、10/6-7、10/30、11/18-19、12/17-18
<米FOMC>
1/27-28、3/17-18、4/28-29、6/16-17、7/28-29、9/16-17、10/27-28
12/15-16
<欧ECB理事会>
1/22、3/5、4/15、6/3、7/16、9/3、10/22、12/3
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で記載しています
出所:各種資料よりみずほ証券作成
(金岡 直一)
株式のリスク・・・・リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。
※株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投資元本を割り込むことがあります。この資料は投資判断の参考となる情報提供を
目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいた
します。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものではありませ
ん。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり、今後予告なしに当社の判断で随時変更することがありま
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金融商品取引 法に係る重 要 事 項
国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、
投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
国内株式の手数料等諸費用について
○ 国内株式の売買取引には、
約定代金に対して最大 1.134 %(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料を
ご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2 %(税込み)
を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○ 株式を募集等により購入する場合は、
購入対価のみをお支払いいただきます。
○ 保護預かり口座管理料は無料です。
外国株式のリスク
○ 外国株式投資にあたっては、
株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や
地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失
を被ることがあります。
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会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えること
があります。
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取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、
ご注文内容が当該証券
の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○ 外国株式において有償増資等が行われた場合は、
外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客
さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該
証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱い
できないことがあります。
○ 外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、
わが国の金融商品取引法
に基づいた発行者開示は行われていません。
外国株式の手数料等諸費用について
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国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用
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担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08 %
+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000
円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8 %(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○ 国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数
料および諸費用はかかりません。
○ 国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134 %(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託
手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2 %
(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○ 外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座
管理料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した
為替レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま
向け資料等をよくお読みください。
商 号 等:みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
30
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で随時変更することがあります。
■発
マーケットビュー
No.259
新春特集号
■編
行
所 みずほ証券株式会社
商 号 等:みずほ証券株式会社
金 融 商 品 取 引 業 者 関 東 財 務 局 長( 金 商 )第 94 号
加 入 協 会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
〒 100 - 0004 東京都千代田区大手町 1 - 5 - 1( 大手町ファーストスクエア)
U R L http://www.mizuho- s c . c o m /
■非
売
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